田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

樹液生活者のカトウトゲアシモグリバエ

2015-07-01 | ハエ目(双翅目)

トゲアシモグリバエ科のカトウトゲアシモグリバエ Traginops orientalis naganensis Kato, 1952

2015.6.4 鈴鹿市の深谷公園.樹液の出ているクヌギの木に,翅に斑紋のある小さなハエが複数個体居るのを見つけた.

新訂原色昆虫大図鑑Ⅲによると,カトウトゲアシモグリバエは体長3~4㎜.脛節の先端前に棘毛を生ずることによってハモグリバエ科と異なる.黒色の単眼瘤は著しく隆起する.胸背の正中線,小楯板の中央部および各棘毛の基部ならびに翅には大小種々の褐紋がある.黄色の脛節の両端近くに褐色輪紋がある.

日本昆虫目録(2014)によると,分布は本州で,タイプ産地は長野県Nagaoka-muraとある.これはおそらく長丘村のことで,現在は中野市となっている.

樹液の出ているクヌギを訪ねて,本種を探しているが,まだ他所では見つけられていない.三重県からの記録はこれまで無いと思われる.



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