四国の高知、九州南部以南が生息地であったが、近年熊野地方で見られるようになった。元来は森林性のゴキブリらしいが、とある浜辺で生息しているとの情報を得、会いに行った。砂利ばかりの海岸で、大きめの石の下、流木の下、落ち葉の下に集団で暮らしているのを確認した。体の厚みはさほど無く、狭い石の隙間を自由に動ける体型だが、人が歩いて石が少しでも動けば押しつぶされそうな気がした。
写真の右から2匹目は幼虫。成虫も飛ぶ翅が無く、古代三葉虫を思わせる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/07/43da51180b64edb9da7e5c72c01e420f.jpg)
♂の体長は25~35mm、♀は30~35mm。卵胎生で、一回に5mmほどの幼虫を約40個体産む。腹部の体節を数えると、通常は♂は9節、♀は7節であることで判別が出来る。♂には、体の後端にある一対の尾突起の間に節があり、終齢に近い幼虫でも、この判別で♂♀を見分けることが出来る。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/6d/49dd67eab82686c9caa0fe8b7ebf7a65.jpg)
流木の下に集団で棲んでいるのを見つけた。後翅は無く、短いうろこ状の前翅の痕跡が残る。長い触角で食べ物を探す。雑食、夜行性。2006.4.1
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/29/74d506099850cdfe6312299e5dc72936.jpg)
大きめの石を持ち上げると見つかった、♂の個体。動きは鈍く、簡単に手で捕まえられそうであった。やさしく指で腹部を持ち、生まれて初めてゴキブリに触れた。ゴキブリは人より100倍も長い歴史を持つ。高速走行するというが、強靭な外骨格を持たない分、打撃には弱い。押しつぶされる危険は多々ある。石の下に、成虫と幼虫の死体を見つけた。乾燥させた唐辛子のようだった。サツマゴキブリは翅をもたない。それでもきっと私よりも長く、この浜辺で生き続けていくのだろう。荒涼とした浜辺で生きる彼らは、人畜無害に見える。生きている3億年は、「そうだ、そうだ」というように、両手の中でうごめいていた。
写真の右から2匹目は幼虫。成虫も飛ぶ翅が無く、古代三葉虫を思わせる。
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♂の体長は25~35mm、♀は30~35mm。卵胎生で、一回に5mmほどの幼虫を約40個体産む。腹部の体節を数えると、通常は♂は9節、♀は7節であることで判別が出来る。♂には、体の後端にある一対の尾突起の間に節があり、終齢に近い幼虫でも、この判別で♂♀を見分けることが出来る。
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流木の下に集団で棲んでいるのを見つけた。後翅は無く、短いうろこ状の前翅の痕跡が残る。長い触角で食べ物を探す。雑食、夜行性。2006.4.1
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大きめの石を持ち上げると見つかった、♂の個体。動きは鈍く、簡単に手で捕まえられそうであった。やさしく指で腹部を持ち、生まれて初めてゴキブリに触れた。ゴキブリは人より100倍も長い歴史を持つ。高速走行するというが、強靭な外骨格を持たない分、打撃には弱い。押しつぶされる危険は多々ある。石の下に、成虫と幼虫の死体を見つけた。乾燥させた唐辛子のようだった。サツマゴキブリは翅をもたない。それでもきっと私よりも長く、この浜辺で生き続けていくのだろう。荒涼とした浜辺で生きる彼らは、人畜無害に見える。生きている3億年は、「そうだ、そうだ」というように、両手の中でうごめいていた。