
ハチ目アナバチ科 キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (F.Smith)
津市河芸町の海岸地帯で、ヤブガラシに訪花する昆虫を調べていたところ、オレンジ色の肢をしたハチを見つけた。大きさは周りに飛び交っていたオオモンツチバチ♀と変わらない程度。
どうやら、海岸砂丘や海岸の砂地に生息していて、各地のレッドデータに載っているキアシハナダカバチモドキのようである。
周辺にはオンブバッタやマダラバッタ、クルマバッタモドキなどキアシハナダカバチモドキが狩りそうな種が多い。バッタ類の幼虫や成虫を地中の巣穴に運ぶ彼らの姿を見てみたいと思う。
2008.8.6
環境省は2007年版にてアナバチ科で準絶滅危惧に選定している。
同じく準絶滅危惧種とした京都府のレッドデータブック(H13年度)ではアナバチ科としている。また形態については「体長23mm前後、黒色の体に黄色の斑紋と赤褐色の肢をした美麗な種」と紹介している。
また、平成12年度に準絶滅危惧とした山口県のレッドデータではアナバチ科とし、「ニッポンハナダカバチやトガリアナバチと体型的にはよく似るが、斑紋で識別は可能である」と紹介している。
希少種に選定した福井県のレッドデータブック2002では、ドロバチモドキ科とし、「中国から記載された種で,モンゴル,朝鮮半島,日本にも分布する.わが国では,本州,四国,九州の海岸や河川下流域に生息するが,各地とも個体数は大変少ない」と解説している。
8月に日当たりの良い固まった砂の裸地を選んで砂中に営巣する。餌は,周りに生息するイナゴ、ササキリ類やバッタ類を狩り、狩った最初の獲物に産卵するという。

写真はいずれもヤブガラシに訪花したキアシハナダカバチモドキの同一個体