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田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

コカマキリを食べるクロスズメバチ

2008-10-14 | ハチ目(膜翅目)
クロスズメバチ
答志島の山道。
コカマキリの腹部辺りにかぶりついているクロスズメバチを見つけた。
コカマキリは仰向けになりながらも、まだ動いていた。
クロスズメバチはコカマキリの腹部あたりを場所を変えながら噛み付いている。肉団子を造ろうとしているようだ。
クロスズメバチ属はよく似通っているが、顔面の斑紋で区別できる。
体長は約11ミリ、クロスズメバチの働きバチと思われる。
巣を攻撃しなければ、刺されることはまず無いという。
大きな球形の巣を土中に造ることが多いようだ。
2008.10.12

クロスズメバチ

オキナワシリアゲコバチ

2008-10-05 | ハチ目(膜翅目)
オキナワシリアゲコバチ
津市河芸町の豊津海岸。ヤブガラシに訪花した体長1センチほどのハチを見つけた。
どうやらシリアゲコバチ科シリアゲコバチ属のオキナワシリアゲコバチと思われる。
Leucospis sinensis Walker
青森県から琉球列島まで広く分布。
体は非常に硬い。
後脚腿節は異状に膨らみ、各脚の脛節より先は黄褐色。
雌は産卵管を腹部背面に背負っている。
ハキリバチ類の巣の外側から、産卵管を差し入れて繭の中に産卵するという。コクロアナバチに寄生するという情報もある。
寄生蜂の中では大型である。
同属の近似種シリアゲコバチは産卵管がより長く、体の横紋はより黄色く、赤みが無い。
シリアゲコバチは性比が雌に偏っていて、雄にはなかなかお目にかかれないという。
『鈴鹿市の自然』を見ると、シリアゲコバチ科は4種が記録されているが、シリアゲコバチは記録が無く、オキナワシリアゲコバチは性別の偏りも無く採集個体数も多い。
私が出会ったのは産卵管があるから雌である。
2008.10.1

オキナワシリアゲコバチ


スズバチ

2008-09-19 | ハチ目(膜翅目)
スズバチ
ドロバチ科のスズバチ 体長は18~30ミリ

近場のいつもの観察場所で、ヤブガラシに訪花するスズバチと出会った。
名前は聞いていたが、見たのは初めてである。思っていたよりもサイズが大きいので少し怖かった。スズバチのほうもこちらを気にしている様子であった。
鈴蜂の名前は巣の形からきているらしい。泥で作る巣はまだ見たことがない。
黒のボディに橙黄色の帯やら紋やらが格好良く見える。腹部は艶がある。
20年以上前に美しい人が橙黄色の靴下を履いていたのを思い出した。そうだ、橙黄色の靴下を探そう。そして、誰かに履いてもらおう。
2008.9.17

スズバチ

スズバチ

コガタスズメバチ

2008-09-10 | ハチ目(膜翅目)
コガタスズメバチ
ヤブガラシの群生地で最近いつも出会うスズメバチがいる。
人家周辺ではキイロスズメバチ同様よく見られる中型のスズメバチ。コガタスズメバチである。
我家の植木に5月頃、逆さ徳利型の巣を越冬した女王蜂が一匹で作っていたことがある。
成虫はハエ、アブ、クモなどを捕食し、樹液や熟した果実も食べる。ヤブガラシの蜜も好物のようである。
大人しいハチで、むやみに刺激しなければ刺されないという。
コガタスズメバチの巣はオオスズメバチの攻撃対象とされ、中の幼虫や蛹をみんな持ち去られてしまうことがあるようである。オオスズメバチに対する反撃力はほとんど無いらしい。
2008.9.6
コガタスズメバチ

コガタスズメバチ

ヤマトアシナガバチ

2008-08-22 | ハチ目(膜翅目)
ヤマトアシナガバチ
津市河芸町の海岸地帯。水路脇のヤブガラシで吸蜜するヤマトアシナガバチを見つけた。接写しても逃げようともしない。威嚇性、攻撃性もアシナガバチの中で最も弱いようだ。地域による体色変化があるという。
中型のハチ。体長はオスで16ミリ前後。セグロアシナガバチよりも小型。
草木の茎や細い枝に巣を造り、巣の育房のキャップは黄~黄緑色をしているという。
かつては普通種であったが、全国的に数は減ってきており、栃木県では絶滅危惧I類(Aランク)、埼玉県では絶滅危惧IB類、群馬県では絶滅危惧I類、茨城県では危急種に指定されている。
2008.8.21

ヤマトアシナガバチ
スズメバチ科 Polistes japonicus de Saussure

ヤマトアシナガバチ
後腿節の上面は黒色。触角のつけ根は黒くない。
胸に黄褐色の2本の縦筋がある。
黒色の中胸背板に1~2対の黄色く明瞭な縦帯状の斑紋を持つ。
腹部第1節黒帯の中央が後方に伸びない。

クロアナバチ

2008-08-21 | ハチ目(膜翅目)
クロアナバチ
ヤブガラシの群生地に居ると、このクロアナバチが勢いよく飛び回っていて、今にもこちらにぶつかって来そうな気がする。クロアナバチの動きを目で追いかけても見失うくらいの俊敏さである。むしろ傍若無人である。
私はもともと黒い学生服が嫌いであった。喪服も大嫌いで、上下とも黒ずくめの服装をしている人も好きになれない。
このアナバチも全身が黒である。全く好きになれない。
クロアナバチは土中に巣を造り、キリギリス科の虫を巣に運び込んで産卵するというが、クロアナバチの生態など、全く興味が湧かない。
とにかく、腹が立ってくる。黒は嫌いだ。
2008.8.19

クロアナバチ
2008.8.9

キアシハナダカバチモドキ

2008-08-10 | ハチ目(膜翅目)
キアシハナダカバチモドキ
ハチ目アナバチ科 キアシハナダカバチモドキ Stizus pulcherrimus (F.Smith)

津市河芸町の海岸地帯で、ヤブガラシに訪花する昆虫を調べていたところ、オレンジ色の肢をしたハチを見つけた。大きさは周りに飛び交っていたオオモンツチバチ♀と変わらない程度。
どうやら、海岸砂丘や海岸の砂地に生息していて、各地のレッドデータに載っているキアシハナダカバチモドキのようである。
周辺にはオンブバッタやマダラバッタ、クルマバッタモドキなどキアシハナダカバチモドキが狩りそうな種が多い。バッタ類の幼虫や成虫を地中の巣穴に運ぶ彼らの姿を見てみたいと思う。
2008.8.6

環境省は2007年版にてアナバチ科で準絶滅危惧に選定している。
同じく準絶滅危惧種とした京都府のレッドデータブック(H13年度)ではアナバチ科としている。また形態については「体長23mm前後、黒色の体に黄色の斑紋と赤褐色の肢をした美麗な種」と紹介している。
また、平成12年度に準絶滅危惧とした山口県のレッドデータではアナバチ科とし、「ニッポンハナダカバチやトガリアナバチと体型的にはよく似るが、斑紋で識別は可能である」と紹介している。
希少種に選定した福井県のレッドデータブック2002では、ドロバチモドキ科とし、「中国から記載された種で,モンゴル,朝鮮半島,日本にも分布する.わが国では,本州,四国,九州の海岸や河川下流域に生息するが,各地とも個体数は大変少ない」と解説している。
8月に日当たりの良い固まった砂の裸地を選んで砂中に営巣する。餌は,周りに生息するイナゴ、ササキリ類やバッタ類を狩り、狩った最初の獲物に産卵するという。

キアシハナダカバチモドキ

キアシハナダカバチモドキ
写真はいずれもヤブガラシに訪花したキアシハナダカバチモドキの同一個体

キオビツチバチ

2008-08-08 | ハチ目(膜翅目)
キオビツチバチ
ツチバチ科のキオビツチバチ Scolia oculata

頭部は黒色で、腹部に黄色紋がある。雄の黄色紋は薄くて、左右の紋が帯のように繋がって見えることもあるという。
ヤブガラシの花から離れようとしない個体に対し、何度も上から重なろうと試みる別個体。
飛んでいるのが雄で、下で嫌がっているように見えているのが雌のような気がしている。そう思って見ていた。
何度もアタックしていたが、雌は相手にしない様子。体をかわされた雄は花の下へ転がり落ちていった。
仲良くなるかなと見ていたんだか、残念。こんな時もあるさ。

キオビツチバチ♀はコガネムシの幼虫に寄生産卵するというが、土の中に潜るキオビツチバチはまだ見たことが無い。
2008.8.7

キオビツチバチ

アメリカジガバチ

2008-08-08 | ハチ目(膜翅目)
アメリカジガバチ
炎天下、海岸の草むらを連日歩き回っている。一人でさまよっているのが好きなのかもしれない。
ハチの巣に当たりそうになることもある。
ヤブガラシの周りにもハチが増えてきた。
この日はアメリカジガバチが目の前にやってきた。
北アメリカ原産で、戦後に進入してきたジガバチ科の帰化昆虫。
干潟や轍の湿った泥をかき集めて運んでいるのを何度か見ている。
アメリカジガバチの子供たちはクモを食べて成長する。
泥で作られた巣の中にはたくさんの数のクモが詰め込まれているらしい。
泥の巣を見つけたいと思い、泥の玉を運ぶアメリカジガバチの後を何度か追いかけたが、いつも見失ってしまう。
2008.8.7

キオビベッコウ♀

2008-07-08 | ハチ目(膜翅目)
キオビベッコウ♀
草地の多い砂浜を歩いていて、大型のハチと出会った。
大型の造網性クモ類を狩り、卵を産み付けるベッコウバチ科のハチ。
キバネオオベッコウ(ベッコウバチ)なら、脚の先端までオレンジ色。この個体の脚の先端は黒色だからキオビベッコウだと思う。腹部に黄色の横帯があるはずだが確認できなかった。
しばらく様子を見ていたら、ギシギシ類の茎の所へ飛んでいった。
近づいてみると、大きなクモがいる。仮死状態になっているのであろうか。その下で静止している。
数分後にはどこかへ行ってしまったので、クモの種類を確かめた。
犠牲者はコガネグモであった。
『校庭の昆虫』という本に、「クモを狩ってもすぐには巣を掘らず、日が沈むのを待ってから穴を掘ってクモを埋める」と記されている。
雄は小さくて、色模様も異なり、別種かと間違えられるほどだという。
2008.6.26

キバネオオベッコウ

コガネグモ

コモンツチバチ

2008-07-03 | ハチ目(膜翅目)
コモンツチバチ♂

コモンツチバチ♂

コモンツチバチ♂
上の写真はいずれもハマボウフウの花を訪れたコモンツチバチ♂ 2008.6.21

下の写真3枚はいずれもマサキの花にやつてきたコモンツチバチ♀ 2008.6.24

ツチバチ科のコモンツチバチ Scolia decorata ventralis Smith
頭部と胸部は黒色。雌の触角は短い。
雌雄で腹部の斑紋が異なる。雌の斑紋は中央部で左右に離れている。
北海道から屋久島に至るまで分布。海浜性の有剣ハチ類のひとつ。
海浜植物の根を食べているヒメコガネ類の幼虫に寄生産卵する。
オオモンツチバチやヒメハラナガツチバチと同様にハマボウフウの花によく集まっているので、海浜植物の送粉者として貢献していると評価する人もいる。
風の強い日は草にしがみ付いている姿を良く見かける。

コモンツチバチ♀

コモンツチバチ♀

コモンツチバチ♀

オオフタオビドロバチ

2008-07-02 | ハチ目(膜翅目)
オオフタオビドロバチ
近くの浜で、ヤブガラシの葉上に止まるオオフタオビドロバチを見つけた。
なかなか葉から飛び出そうとしなかったが、2メートル以上も離れたところから見ていたので、なぜだか分からなかった。
画像を見て、後で分かった。
蛾の幼虫を狩ったところだったのだ。
幼虫に与えるエサとして、これから巣穴に運んでいこうとしているところだと思われる。
ドロバチ科フタオビドロバチ属 
オオフタオビドロバチ Anterhynchium flavomarginatum
2008.7.1

オオフタオビドロバチ

キアシトックリバチ巣

2008-05-24 | ハチ目(膜翅目)
キアシトックリバチ巣
海岸堤防から砂浜へ降りていく。田中川干潟の南端である。
今日は何に会えるか、いつも心ときめく。
セイタカアワダチソウの枯れた茎にトックリバチの巣を見つけた。
徳利状の巣が3個も連なっている。
下の2個の巣が三分の一ほど壊されているようだ。巣の中に入れられたさまざまな幼虫たちが巣から落ちそうになっている。
未完成の巣かも知れないと思って30分ほど待ったが、親バチは現れなかった。
未完成な巣にこんなに沢山の幼虫たちを運び込む筈が無い。
誰が巣を壊したのか分からない。
誰の巣だったのかも確かめることが出来なかった。
キアシトックリバチは複数の巣を連ねて造る事もあるというから、たぶんキアシトックリバチの巣であろうと思う。
翌日も見に出かけたが、巣はそのままであったものの、幼虫たちの姿は無かった。
2008.5.14

キアシトックリバチ巣

キアシトックリバチ


キアシトックリバチ

2008-05-03 | ハチ目(膜翅目)
キアシトックリバチ
近くの海岸に行った。かつては砂浜だった。子供時代には、真夏に裸足で歩いて海まで泳ぎに行った。焼けた砂で火傷しそうになった。
今は雑草が生い茂っている。山土を盛り上げた土手も造られた。子供たちに植えさせた松の木もある。
そんな雑草が茂る浜を歩いていて、スズメバチ科のキアシトックリバチと出会った。
腹部第2節に一対の黄色斑紋があるが、小楯板には黄色斑紋が無い。良く似たキボシトックリバチは小楯板にも一対の黄色斑紋がある。
カップルは程なく別れてしまい、別々の方角へ飛んでいった。キアシトックリバチ雌雄の大きさが異なることを初めて目にした。
2008.4.30

キアシトックリバチ

キアシトックリバチ

アリバチ科

2007-06-06 | ハチ目(膜翅目)
フタホシアリバチ
五ヶ所湾を望む高台で見つけた。土の上を這っていたので当然アリだと思って調べていたが、アリではなく、ハチの仲間。道理で毛深いはず。
アリバチ科のフタホシアリバチのようである。オスには翅がある。
触らなくて良かった。
2007.6.2