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田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

岩場海岸のヒゲスゲ

2008-04-13 | 草花
ヒゲスゲ
熊野灘に面した海岸の岩場でカヤツリグサ科のヒゲスゲが群生しているのを見つけた。
周辺にはハマダイコンが咲き、ツルナも群生していた。
ヒゲスゲは海岸に生えることから、イソスゲの別名もある。
雌小穂の長い芒の様子が小穂にひげが生えているように見える。和名の由来である。
常緑の多年草。葉は厚くて硬く、光沢がある。
花期は4~6月
2008.4.9
ヒゲスゲ

ヒゲスゲ

アブラススキ

2007-11-07 | 草花
アブラススキ
丘陵地の谷あいの低地を谷戸(やと)と言う。
谷戸の山道は生き物との出会いの場である。行くたびに、まだ見ぬ生き物たちとの出会いに心ときめく。
毎年、この時期、この山道でアブラススキと出会う。道にかぶさるように花序が垂れる。
イネ科アブラススキ属
2007.11.4

アブラススキ
花序の中軸や枝から、嫌なにおいの液体が分泌される。
葉舌の背面に白い細毛が生えている。

アブラススキの黒やに病
黒やに病に侵されたアブラススキの葉
黒く艶があり、盛り上がっている。チガヤやチカラシバなどでも見られる病気。クロカワキン科の黒やに病菌によるもの。

河川敷にセイタカヨシ

2007-11-03 | 草花
セイタカヨシ
急に思い立って、櫛田川の河口に出かけた。
堤防道路を車で走行中に、河川敷にセイタカヨシが群生しているのを見つけた。
背が高い、3~4メートルはあろうか。ヨシと異なり、葉が垂れない、花序も大きい。水辺に生える大型の多年草。
名前だけは前から知っていたが、実物を見たのはこの日が始めて。
セイコノヨシとも言う。
2007.10.31
セイタカヨシ

セイタカヨシ

紅葉する塩生植物

2007-10-29 | 草花
干潟の塩生植物の紅葉は早い。
ホソバハマアカザとハママツナの紅葉は1ヶ月以上も前から始まっている。
ホソバハマアカザ、今年はシロオビノメイガの幼虫にもあまり食べられなかったようである。まだ紅葉が始まっていない株もあった。
ハママツナ、満潮時に株全体が冠水するような所に生えていたものは綺麗に紅葉できずに枯れているように見える。しかし、ホソバハマアカザの近くに生えているような株は美しい紅葉となっている。
2種共に1年草である。秋に花を咲かせ、紅葉し、種子を落とし、枯れていく。

ホソバハマアカザ
ホソバハマアカザの紅葉 2007.10.24

ホソバハマアカザ
ホソバハマアカザの紅葉 2007.10.24

ホソバハマアカザ
1ヶ月前に紅葉していたホソバハマアカザ 2007.9.24 


ハママツナ
ハママツナの紅葉 2007.10.24

ハママツナ
ハママツナの紅葉 2007.10.24

秋のハマニガナ

2007-10-16 | 草花
秋のハマニガナ
キク科ニガナ属のハマニガナはタンポポ属やアキノノゲシ属と同じタンポポ亜科である。タンポポ亜科の特徴として、茎葉に乳管があり、切ると白い乳液が出てくる。
観察会のとき、ハマニガナの黄色い花と白い乳を参加者に見せることにしている。また、地下茎や葉の伸びている様子も海浜植物の特徴が出ているので、できるだけ見てもらいたいと思っている。
今日の砂浜には、ハマニガナの花がたくさん見られた。株数も増えてきたようにも思う。4~10月の花期の中で最も花数が多い時期なのであろうか。
三重県のレッドデータブックでは準絶滅危惧(NT)に選定されている。自然のままの砂浜が少なくなってきているということ。
砂浜を公園化したり、卒業記念の植樹をしたりして、砂浜をきれいにしようとする。よかれと思ってやっている。学校教育でも自然を愛する団体でもそういうことをやる。
2007.10.15

メドハギ 茎の帯化

2007-10-09 | 草花
メドハギ
田中川干潟へ入っていくとき、必ず数本のメドハギの傍らを通る。
何本も出ているうちの1本の茎が帯化しているのに気がついた。
茎が扁平に変形する現象で、エニシダやヤナギが生け花で使われているのを見たことがある。石化柳は品種化されたもの。花屋の世界では石化という言葉が使われているようである。たくさんの花をつけたヤマユリの帯化現象も時々新聞紙上で話題になる。
メドハギも帯化しやすい植物のひとつである。
花数は時期的にもう少なくなってきていた。
2007.10.6

メドハギ
メドハギの花 2007.9.24

砂浜のハイメドハギ

2007-09-29 | 草花
ハイメドハギ
田中川干潟南端の砂浜にはハイメドハギが多い。群生するオオフタバムグラにも負けずに花をいっぱい咲かせている。
ハイメドハギはメドハギの変種で、茎を放射状に這わせているのが特徴である。花期はメドハギと一緒で8~10月。花は紫色を帯びるが、その色が薄い株も見られる。
山手の造成地でも見かけたことがある。
マメ科ハギ属
2007.9.24

ハイメドハギ

ハイメドハギ

ハイメドハギ

ハイメドハギ

志摩半島のハマアザミ

2007-08-29 | 草花
ハマアザミ
志摩半島の海岸では、ハマアザミがそこかしこで見られる。
礫浜や岩壁、民家の周りなどで普通に見られる。同じ三重県でも北勢や中勢地方では見たことがない。
この日、志摩半島のある漁港を訪ねた。
石積み擁壁に数株のハマアザミが自生しているのを見つけた。
葉には厚みがあり、そのトゲはとても痛かった。
花期は6~12月。
キク科アザミ属の海浜植物。
2007.8.26
ハマアザミ

ヒヨドリジョウゴ

2007-08-22 | 草花
ヒヨドリジョウゴ
紀伊長島地区の海岸でヒヨドリジョウゴを見つけた。
この地方の海岸は山と海が接している。森林の崖下に海がある。
ヒヨドリジョウゴは海岸植物ではない、山野に生える植物である。
山の崖下に繁茂していた、そしてそこは岩場海岸であった。
2007.8.20

ナス科ナス属 つる性の多年草 有毒植物
花期は8~9月、白い花が咲き、5枚の花びらが反り返る。花筒の入り口には緑色の斑紋がある。雄しべは花柱を取り巻く。

ヒヨドリジョウゴ
果実は熟して赤くなるが、神経毒であるソラニンを含んでいる。
葉の形は季節によって変化する。春には5裂した葉が多く、夏から秋にかけては、写真のように3裂したものや全縁のものが多くなる。

ヒヨドリジョウゴ
茎、葉柄などに軟毛を密生し、葉柄で他物に絡み付いて伸びる。

ヒヨドリジョウゴ
他の植物が育たないくらい、かなり大きな群落となっている。

ナガバヤブマオ

2007-08-22 | 草花
ナガバヤブマオ
紀北町の林縁を散策した。
細い川の土手の中ほどから伸び出てきているから、2mほどの高さはあるだろう。
イラクサ科カラムシ属の多年草 ナガバヤブマオ
雌雄同株。本州の中部地方以西(山形から宮城以南としている説もあり)から四国、九州に分布。花期は8~9月。
2007.8.20

ナガバヤブマオ

ナガバヤブマオ
カラムシの仲間では最も葉が細く、先は長く尾状に伸び、縁には大きさの揃った鋸歯があり、表面には光沢がある。葉は対生。
カラムシやナンバンカラムシも同じくらいの背丈があるが、どちらも葉は互生。

ナガバヤブマオ
茎の上部には雌花序がつく。でも、どこまでが雌花序なのかが不確か。

ナガバヤブマオ
葉腋に長さ約20cmの穂状花序をつける。
上部は雌花序、下部は雄花序。しかし、この仲間は雌花序だけをつける個体も多く、ほとんどが無性生殖を行っているらしい。

ネコノシタ

2007-08-14 | 草花
ネコノシタ
キク科 ハマグルマ属 ネコノシタ
志摩半島の海岸でネコノシタと出会うことができた。この地方の海岸では珍しい植物ではないと聞いている。
この日、砂浜を探したが見つからず、あきらめて堤防をとぼとぼと歩いていて、なんと堤防の法面で群落を見つけた。
葉の感触が猫の舌に似ていることからネコノシタと名がついた。その感触をしっかりと確かめた。
多年草で、花期は7~10月。
津市内の砂浜にも自生地があると聞いているが、まだ見つけていない。
2007.8.11
ネコノシタ

ネコノシタ
葉は対生し、長楕円形で厚みがある。ふちにはまばらに鋸歯がある。

ネコノシタ

ネコノシタ
葉の裏面も短い剛毛があり、表面と同じく猫の舌の感触である。

山に咲くサワギク

2007-08-01 | 草花
サワギク
隣町に有る標高約800メートルほどの山に行って来た。
ブナの原生林も見てきた。ザトウムシも数種類と出会った。
頂上近くの傾斜の有る林内で、黄色い花を見つけた。
キク科のサワギク 沢菊
2007.7.29
サワギク
舌状花は7~13個

サワギク
花が咲き終わっている株もあった。

アイアシ群落

2007-07-14 | 草花
イネ科 アイアシ属 アイアシ
アイアシ
海辺の湿地に生える大型の多年草。高さは80~160センチ。
田中川干潟では干潟の西部、堤防際に沿って群生している。漂着した流木やごみ類が最も堆積している辺り。
葉身の幅は1~3.5センチもあり、触ってもざらつかず、ススキのように手を切ることは無い。
アイアシは蛾や甲虫などが住処としているし、株元付近はカニや貝もひっそりと暮らしている。
2007.7.9

アイアシ
若い花序。白くカールしているのは「めしべ」。

アイアシ
各小花に3個の「おしべ」を持つ。

アイアシ
受粉を終えた花序は赤みを増していく。

ハマボウフウ盗掘される

2007-07-13 | 草花



7月10日早朝、葦原海岸のハマボウフウが盗掘された。男女4人によって採集、雨の中
運ばれた種子はトラック2台に山積みされた。悪質な盗掘から3年。ようやく60パーセントほど再生したハマボウフウは、数時間ですっかり持ち去られてしまった。
「ここが駄目ならよそで採るだけ…」まだ若い種子ばかり、いったいどうするのだろう。「私たちの生活を保障して」どう見ても生活に困っている様子ではない。
誰のものでもないハマボウフウ。乱暴なこずかい稼ぎはやめて欲しい。自然海岸が減る中、ハマボウフウも近畿希少種とされている。
「毎年採らしてもらっている、どれだけ採ったか全部撮影してもらっても構わない」と開き直る。
ハマボウフウの盗掘を取り締まる法はまだ無い。私は、カリフラワーのようなかわいいハマボウフウたちがまた、目の前で連れ去られたことが哀しくてならない。
2007.7.10



ハマボウフウの群落 2007.5.27

ハマナデシコ咲く堤防

2007-07-11 | 草花
ハマナデシコ
田中川干潟が一望できる堤防の斜面に、ピンクの花を咲かせたハマナデシコが見られる。干潟の中にでも咲いている。白花も見られる。
志摩半島の岩場海岸にも咲いているのを見ている。
田中川干潟のハマナデシコは野生種ではなく園芸品種かもしれない。田中川沿いのある家でハマナデシコをたくさん咲かせている。その種が干潟内に流れ着いて繁殖したものと考えられる。でも、もう20年以上も干潟に咲いているから、ルーツを探らなくてもいいんじゃないかなあ。
ナデシコ科 ナデシコ属 ハマナデシコ
2007.7.9

ハマナデシコ