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田中川の生き物調査隊

平成12年3月発足。伊勢湾に注ぐ田中川流域の自然と生き物を調べ、知らせる活動をしています。三重県内の生き物も紹介します。

海岸のオカヒジキ

2007-06-14 | 草花
オカヒジキ
ここは三重県中勢地方、海は伊勢湾。海岸は砂浜ばかりが続く。
近頃、漂着物が多い。川が増水すると川のゴミが海へ流れていく。ゴミがたどりつくのは海岸線や干潟の中。
今日、砂浜を歩いて漂着物の多さにあらためて驚いたが、その中にオカヒジキが何株も育っていた。毎日、波しぶきを浴びながも茎を伸ばし、針状の葉を増やしていく。夏には花も咲かせる。細身ながら、あなたはたおやかだ。
アカザ科 若い茎葉は食用。
2007.6.12

海岸のハマエノコロ

2007-06-07 | 草花
ハマエノコロ
五ヶ所湾のとある海岸にたどり着いたとき、コマツヨイグサがいっせいに咲き出した。まもなく、日が暮れる。
砂はない、石だらけの海岸に見たことも無いエノコログサ属を見つけた。
ハマエノコロだ。
花期は8~10月のはずなのに、もう小穂を出していた。株元を踏みつけると、砂利の崖が崩れる。よくもこんな所に生育できるものかと感心した。
2007.6.2
ハマエノコロ

砂浜のハマアオスゲ

2007-06-01 | 草花
ハマアオスゲ
田中川干潟の南端に足を運ぶとき、砂浜へ降り立つとすぐに踏みつけてしまいそうになる植物がある。
カヤツリグサ科 スゲ属 ハマアオスゲ 浜青菅
浜砂が風で動きやすいようなところには生えていないように思う。オオフタバムグラやアツバキミガヨランなど砂浜を好む外来植物が近くには育っていることが多い。
この時期は雌小穂が重くなるためなのか、写真のように横倒しになっている株が多いように思う。同じスゲ属のコウボウシバやコウボウムギでは、穂が倒れるようなことはない。

コウボウシバ実る

2007-05-31 | 草花
コウボウシバ
カヤツリグサ科 スゲ属 コウボウシバ 弘法芝
果期を迎えた雌小穂、まだまだ青い果実もあるが、下の写真のように色づいたものが目立つようになってきた。
コウボウシバは砂浜のあちこちで群生しているが、海岸堤防より外の陸地側でも育っているのを時々見かける。
2007.5.26
コウボウシバ

ハマボウフウ

2007-05-28 | 草花

ハマボウフウの花が咲く。悪質な盗掘にあってから三年。
一株残らず採り尽くされたかのように見えた砂浜に、ハマボウフウは再生した。
ハマボウフウは宿根で種子でも増える。わずかに残った根が成長し株数も増えた。
砂地が目立たなくなってきた。
ハマボウフウは砂丘の花だ。ひとりでも多くの人に、この風景を見守って欲しいと思う。
2007.5.27

ハマボウフウの花や葉にいた虫たちです。

フタモンアシナガバチ
フタモンアシナガバチ
平地では一番多く見かける。

セグロアシナガバチ
セグロアシナガバチ 
日本のアシナガバチの中で最大で、スズメバチに対抗できる唯一の種。

ヒメカメノコテントウ
ヒメカメノコテントウ 模様にはいくつかのパターンがある。

ホソハリカメムシ
ホソハリカメムシ
イネ科の植物が大好きなカメムシ。ハマボウフウの花も嫌いではないようだ。

ヒメマダラナガカメムシ
ヒメマダラナガカメムシ
このあたりではハマヒルガオに寄生している。ハマボウフウの花もお気に入りのようだ。

ヒメマルカツオブシムシ
ヒメマルカツオブシムシ
毛織物や昆虫標本を食べる害虫として名高いが、野外では花にやってくる。

ナミハナアブ♂
ナミハナアブ♂

ナミホシヒラタアブ♀
ナミホシヒラタアブ♀  

ヤマトマダラバッタ
ヤマトマダラバッタの幼虫
海浜植物の豊かな砂浜に生息する。

シラホシカメムシ
シラホシカメムシ♂♀

岩場に咲く花

2007-05-07 | 草花
アゼトウナ
志摩半島の岩場海岸でアゼトウナの花を見つけた。
キク科 タンポポ亜科 アゼトウナ属 畔唐菜
伊豆半島以西の太平洋側の海岸の岩場などに生える多年草。
花期は8~12月と図鑑に載っていたが、この日はいくつもの花咲く株に出会った。
この地域は真冬でもほとんど雪が降らないという。同じ三重県でもこんなにも植物の種類が異なるものなのかと感嘆した。
2007.5.5

アゼトウナ


アゼトウナ
茎葉には乳管があるので、切ると白い乳液が出てくる。これはアゼトウナがタンポポ亜科であることの特徴。

ハマボッス

2007-05-06 | 草花
ハマボッス
志摩地方の岩場海岸を何箇所か見て回った。
海に面した崖や岩の上に白い花を咲かせている植物を見つけた。
サクラソウ科 オカトラノオ属の2年草 ハマボッス
葉は厚みがあって光沢もあり、茎はどの個体も赤みを帯びていた。
日本全土の海岸に分布すると図鑑に載っていたが、私にとっては初めての出会いだから、どこの海岸でも見られるようなことはない。
2007.5.5

ハマボッス

ハマボッス

キケマン

2007-04-16 | 草花
キケマン

キケマン
鳥羽市内、海岸近く、常緑樹の繁る林縁でキケマンを見つけた。
ケシ科キケマン属 黄華鬘
関東地方から西の海沿いに分布しているらしいが、今まで出会った記憶がない。
ムラサキケマンやジロボウエンゴサクも咲いていた。
2007.4.13

キケマン

キケマン

砂浜のハマニガナ

2007-04-15 | 草花
ハマニガナ
オカヒジキが生えていそうな場所でハマニガナが花を咲かせていた。花期は4~10月だから、時期的には不思議はないが、ハマニガナはもう少し砂丘の真ん中辺りに多いように思っていた。ハマボウフウの間を埋めるように地下茎を伸ばしているという印象がある。
葉だけを砂の上に出しているだけなので、気をつけて砂浜を歩かないと踏みつけてしまいそうになる。
キク科ニガナ属の多年草 浜苦菜

田中川干潟と海との境に広がる砂丘は海浜植物が豊富。植物が豊かだと他の動物たちも豊富だから、人間が勝手気ままに動き回れる場所ではないという気がする。重機を使っての海岸清掃は止めて欲しい、流木も残しておいて欲しいと思う。この時期、砂丘に近づくとヒバリが鳴く。気を遣ってあげたい。
2007.4.12
ハマニガナ

セリ科の帰化植物

2007-04-14 | 草花
マツバゼリ
鳥羽市内の空き地の一角に群生している彼らを見つけた。まだ若い個体ばかりで、茎の高さは10センチ内外のものばかりであった。
茎葉ともにセリの仲間に見えた。葉をもんでみると香りもセリのようであった。
白い小さな花をつけているように見えたが、肉眼では分かりづらいほど小さい。花弁は5個。
熱帯アメリカ原産の一年草。マツバゼリ

老成すると葉の形が変わっていく。糸状に細くなり、葉だけを見比べると別種のように思える。茎の高さは70センチほどにもなる。
「家畜には有毒」と図鑑に載っていた。少し食べてしまったが、今のところ異常なし。
三重県内での初記録は1954年、四日市港にて太田久次さんによるもの。
2007.4.13

マツバゼリ


谷筋に咲くミズタビラコ

2006-12-02 | 草花
ミズタビラコ
鈴鹿川の源流域、細い渓流に沿って谷筋を登っていく。

ミズタビラコがいくつもの株で白い花を咲かせていた。
ワスレナグサのような優しさを感じたが、さもありなん、同じムラサキ科のワスレナグサ属。
花期は5~6月のはずだが、11月末に咲き出すとは。

山の頂は遠く、途中で引き返した。

2006.11.29
ミズタビラコ

ミカン科のマツカゼソウ

2006-11-22 | 草花
マツカゼソウ
ムカシトンボのヤゴを探しに鈴鹿川の源流域を訪ねた。いくつかの石を動かし探したが、この日は見つからなかった。
渓流沿いに白い花をつけたマツカゼソウが群生していた。
葉は薄く、軽くもんでみたら、臭かった。
松風草、名前は気に入っている。
周辺の山には洋松が植林されていた。製紙会社により、パルプ用材として植えられたもののようだ。
2006.11.18
ピンクがかった花弁

裂果  2006.11.29


後日談
洋松についての追跡調査をしたところ、当地では昭和42年にクロマツ、ヒノキと共にテーダマツとスラッシュマツが植えられたことが分かった。
クロマツは見当たらなかった。いつ何が原因で枯れてしまったのだろうか。


畦にヌメリグサ

2006-09-19 | 草花
ヌメリグサ
イネ科の一年草。ハイヌメリの変種。
田んぼの畦に群生していた。か細い茎だが、基部から直立する。
葉をもむとヌルヌルするらしい、6~12センチの花序をもんでみたがヌルヌルしてこなかった。
8~10月が花期。
2006.9.17

ヌメリグサ

湿地のヒメシロネ

2006-09-18 | 草花
ヒメシロネ
姫白根。シソ科の多年草。高さは30~60センチ。
葉は厚く、光沢があり、鋭い鋸歯がある。
毎年一度は三重県北部の湿地を訪ねることにしている。この日はアギスミレの三日月状の葉を見つけた、5月の開花も見に行きたいが、自由に出入りできない場所。
2006.9.17

ヒメシロネ
8~10月に咲く花は葉腋に集まってつく。