フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

冴返る(さえかえる)

2018-02-22 23:49:02 | Weblog
冴え返るというのは、いったんゆるんだ寒さが再度ぶり返すことをいう季語です。立春後の寒さを表す季語には「余寒」があります。しかし、この冴え返るは、一度暖かさを経験したあとのより痛烈な寒さをいいます。「冴ゆ」という言葉には、沁みるように冷えるのほか「澄む」「鋭い」「怜悧」などの意味があるので冴え返るは、鋭く刺すような寒さととらえることが出来ます。まあ、元々「三寒四温」とか「寒もどり」という季語があり、暖かい日、寒い日が繰り返して春に近づいてゆくのです。しかし、今年だけは、春が近づいているという感覚は余りないですね。もちろんウグイスのホーホケキョの鳴き声は聞いていません。雄が雌を誘う気にもならない気
候なんでしょうか(笑)。
余談ですが、我々が手紙を書く「残暑見舞い」の残暑は暦の上で秋になってもまだ暑い日が残ることですが、この対語が「余寒」と言います。この「冴え返る」も「余寒」も「残暑」も何で気節通り、気候が変化しないのかと、人間の恨みが感じられる言葉です。

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