フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

系図倒れ?

2012-08-30 23:02:00 | Weblog
今日は岐阜県の美濃加茂での講演会でした。美濃地方を訪れるといつも思い出す言葉があります。それは「美濃の系図倒れ」です。『大阪の食い倒れ、京都の着倒れ、江戸の履き倒れ』と同じ意味で倒れというのはその行為によって財産が無くなることを言います。つまり美濃の人達は系図を作ることに一生懸命だったのです。
この言葉に出会ったのは司馬遼太郎さんの小説のなかでした。たしか「美濃浪人」というタイトルでしたかね。豊臣秀吉の刀刈りによって美濃に根付いた農民の有力者が自分は昔、武士であったことん意識付ける意味で系図を大切にしたことから始まります。いまでこそ昔にこだわる人は少なくなりましたが、我々の子供の頃は出自を滅法気にした世の中でした。
ところで私も系図があるんです。今年亡くなった兄が従兄弟会の為に調べて細かく書いてくれたのですが、さすがに江戸時代までは遡れなかったようです。冗談で「源氏から始めたら」と笑ったことがありましたが、その昔もひょっとして同じようなものだったかも知れませんね(笑)。
余談ですが、京都の着倒れといいますが、名古屋も着倒れと言ったそうですよ。

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