風化

あれは16年前、サリンによって6000人以上が被害に遭い、13人の命が奪われた地下鉄サリン事件が起きたのでした。また、松本のサリン事件もありました。その事件、オウム事件すべてが結審したとそれほど大きくない記事が掲載されていました。
今年は東日本大震災後風評という言葉が氾濫しましたが、こちらは風化ですね。事件当初は朝から晩まですべての番組が取り上げていたのですが、何となく今はひっそりという感じです。時間の持つ魔術というか、恐ろしさでもあります。戦争を初め、我々が歴史の中で風化させてはいけない悲惨な出来事は数々ありました。個人的な悲しみは時には時間が忘れさせてくれますが、人が起こした悲惨なことは、決して風化させてはいけないのです。
その風化させない一端を担っているのが、マスコミです。もちろん新しい事件も正確に伝えて行かなくてはなりませんが、愚かな人類が起こしてしまった事件や事故は風化させないように継続して伝えていかなければなりません。今回の大震災も、原発事故もそうです。
風化させないことが子孫に対する責務でもありますね。