落ち葉の舞い

台風12号の影響で風が泣いています。それも悲鳴のような泣き声です。窓を閉め、カーテンで日を遮って泣き声を聞くと不気味ですが、外へ出て明るい中で風を見ると不思議に恐怖心が減ります。
一方その外では、街路樹の落ち葉が仲間を募って、風にあおられて舞いを続けています。乱舞と言った方がいいですね。シャンソンの「枯葉」とは程遠い舞いです。風情を壊しているのは、落ち葉の一群に混じってゴミが一緒に舞っています。風はゴミと落ち葉をより分けることが出来ないのですね。
部屋に戻るとテレビの映像は台風の状況を映し出しています。スピードの遅い今回の台風は各地に大きな被害をもたらしそうです。
季節のうつろいが普通の時は、それぞれの季節の風物詩を楽しむことが出来ますが、ひとたび自然が怒りを表すと身をひそめて怒りが鎮まるのを待っしか方法はありません。落ち葉が美しい舞いを見せるのも自然の流れにそった舞いだからです。台風の強い風によって無理矢理、枝を離れたのでは、落ち葉もワルツのように美しく舞う気持ちにはなれませんね。風の悲鳴が風の囁きに変わるのも同じことです。今日一日中身をひそめています。