フリーアナウンサー 松原敬生の『今日のエッセイ』

思っている事、感じている事などを自由に綴ります。

俳句、川柳、落首

2009-05-21 20:00:05 | Weblog
今年は、俳人・松尾芭蕉が「奥の細道」の旅に出発して320年になるそうです。その旅の結びの地、大垣などでは記念の行事を催すそうです。
この俳句と川柳はどんな違いがあるのでしょうか?もちろん皆さんよく知っているように、五七五の17音定型で、季語があるかないかが違うところです。川柳は季語などの制約が無く、諷刺や機知を取り上げます。現代ではサラリーマン川柳がお馴染みです。社会諷刺や政治批判なども含まれるだけに圧倒的に川柳が面白いです。今の時代は言論の自由が認められているだけに、堂々と名前を出して発表します。
言論の自由がない時代の政治批判はというと、落首とか落書がありました。匿名でしか批判的な言論活動ができない時代の知恵で、逆にいえば匿名ならば時の権力者に向かって物が言えたのです。
江戸時代の有名な落書に「太平の眠りを醒ます上喜撰、たった四杯で夜も眠れず。(太平の眠りを覚ます蒸気船たった四隻で夜も眠れず)」があり、我々の時代にもしっかりと伝えられています。
ところがいま次の時代に伝えられる作品が誕生しているのでしょうか?それだけ批判精神が欠落しているとも言えないでしょうか?