Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ムーランルージュ!

2013-08-21 | 映画(ま行)

■「ムーラン・ルージュ!/Moulin Rouge!」(2001年・アメリカ)

●2001年ゴールデングローブ賞 作品賞・主演女優賞・音楽賞
●2002英国アカデミー賞 助演男優賞・音楽賞・音響賞
●2002アカデミー賞 美術賞・衣装デザイン賞
●2002年ヨーロッパ映画賞 インターナショナル作品賞・世界的功績賞

監督=バズ・ラーマン
主演=ニコール・キッドマン ユアン・マクレガー ジョン・レグイザモ

 かつて全編の台詞を歌にした映画「シェルブールの雨傘」がある。カトリーヌ・ドヌーブの歌は吹き替えなれど、登場人物の感情を表現するには実に効果的な手法だった。「ムーラン・ルージュ!」はミュージカルであるが、本来のミュージカルとは違う。バズ・ラーマンは現代人が感情移入しやすくするために、観客によく知られたラブソングたちを散りばめたのだ。

 僕らのような80年代青春組にはお涙ものの選曲で、グイグイ引き込んでくれる。"Like A Virgin"はコミックソングに姿を変え、"Roxanne"はタンゴに、マリリン・モンローの"Diamonds Are A Girl's Best Friends"は派手に衣替えされている。僕が観た劇場では中高年もかなりいたのだが、途中席を立つ人もいた。きっと期待とは違ったのだろう。フランソワーズ・アルヌールの「フレンチ・カンカン」やホセ・フェラーの「赤い風車」に思い入れのある世代には、ちょっと受け入れ難い映画なのかもしれない。そんな世代にはド派手なMTVにしか見えないかもしれない。

 クレイジーなれどこれは傑作だ。映画でしかなしえない(ここが大事なところ)手法で極上のショーをみせたバズ・ラーマン。観ながら、こいつ絶対イカれてる!と思った。監督のあの曲も!この曲も!という無謀な要求に見事に応えた音楽監督。いい仕事です。無茶苦茶やってるんだけどきちんと構成されている。物語もしかりで、前半のおバカな(?)演出から感情ほとばしるクライマックスまで、やっぱり無茶苦茶なんだけど実は計算ずく。それにしてもニコール・キッドマンの美しいこと。中学生みたいで恐縮だが、銀幕をみて胸が高鳴ったのは久しぶりだったよ。でもひとつ残念なのはフランスの香りがあまり感じられなかったことかな。でも「フレンチ・カンカン」の ♪モンマルトルの丘 が流れるからよしとする。

(2001年筆)

ムーラン・ルージュ [DVD]ムーラン・ルージュ [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2012-10-26
売り上げランキング : 14729

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

ブログランキング・にほんブログ村へ blogram投票ボタン

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 民族の祭典 | トップ | タロットカード殺人事件 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。