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お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

拳精

2025-07-16 | 映画(か行)


◾️「拳精/拳精」(1978年・香港)

監督=ロー・ウェイ
主演=ジャッキー・チェン ジェームズ・ティエン リー・トン・チュン ウー・ウェンシウ

ジャッキー初期の出演作の中ではけっこう好きな「拳精」。「ドラゴン怒りの鉄拳」や「龍拳」など溜まった怒りが爆発するストーリーがお得意なロー・ウェイ監督が、当時人気が出始めたコミックカンフー路線をやってみたのが本作。

少林寺から殺人拳「七死拳」の教本が盗まれたことから、拳法界の覇権をめぐる騒動に発展。これを撃ち破ることができるのは、少林寺に伝わる五獣の拳しかないが、その教本は行方不明。ある日、少林寺近くに隕石が落下し、その日から赤い髪に白づくめの得体の知れないものが現れるようになった。ジャッキー演ずる主人公が精霊たちから秘伝の拳を学び、危機に立ち向かう物語。

そもそもシリアスなロー・ウェイ監督の作風に、ジャッキー得意のコミックカンフーを融合させたものだから、どこかまとまりのない印象が残る。確かに前半はチープな特撮と寺男たちの中途半端な笑いで、このまま続くのかと不安にもなったし。しかし中盤からは、精霊との五獣の拳修行、カンフー娘とのバトル、下山許可を獲るための十八羅漢との勝負、そしてクライマックスでのジェームズ・ティエンとの決戦と、それぞれにアイディアが光る見せ場が間髪入れずに続くから緊張が途切れない。さらに事件の黒幕が明らかに。

五獣拳の精霊がそれぞれ龍蛇虎鶴豹を頭につけているわかりやすさw。これはのちにスーパー戦隊シリーズ「獣拳戦隊ゲキレンジャー」でもオマージュが捧げられている。十八羅漢との対決では、ジャッキーはトンファーを使って立ち向かう。これも他の作品では見られないスタイルなので必見。

コミカルな場面が目立つ映画でもあるが、後の「笑拳」や「ヤングマスター」のように、カンフー場面に新味を取り入れない。まさに王道。硬軟混じったアンバランスな作品ではあるけれど、この微妙に軽い作風が僕には心地よかったのだ。「酔拳」と並んで繰り返し観ている。同じロー・ウェイ作品の「ドラゴン怒りの鉄拳」ではブルース・リーが宙に舞う。「拳精」のラストでもジャッキーは宙を舞う。それは五獣拳の教本を踏みつけた彼に精霊たちが仕掛けた悪戯。いいね👍。

日本公開版で付け加えられた音楽、China Girlはいい曲。これが流れると楽しさが増す。




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