Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

ビューティー・インサイド

2018-05-13 | 映画(は行)

■「ビューティー・インサイド/The Beauty Inside」(2015年・韓国)

監督=ペク
主演=ハン・ヒョジュ 上野樹里 キム・デミョン ユ・ヨンソク

主人公ウジンは目覚める度に姿が変わってしまう。それは性別も年齢も問わず、外国人にさえなる。
理解者は幼馴染の友人だけ。人前に出ることなく、家具職人として仕事をしていた。
そんな彼が家具店で働く美女イスと出会い、たちまち一目惚れ。
しかし毎日姿が変わる自分がどう接していいのか悩み、イケメンの姿になった日に意を決してデートに誘う。
デートはうまくいったものの、真実をどう打ち明けるべきか悩みは尽きない。
そしてある日イスに全てを打ち明けるが、それは彼女を混乱させることになってしまう。
そして二人の愛の行方は・・・。

複雑な人物設定と上野樹里を含む123人の役者が主人公ウジンを演ずると聞いた時、
そんなの映画の絵的にも無理やん!と思い、公開当時敬遠していた。
しかし、いざ観てみると複雑な設定を映画冒頭ですんなりと観る側に受け入れさせてしまう。
そして他の映画では見られない突飛な設定は時に笑いを誘い、時にハラハラさせ、切なくさせる。
巧いよなぁ。

変わることと変わらないこと。
銀幕のこっち側の僕らは、ウジンの見た目が変わっていくことを現実的に捉えて映画を観てしまう。
社会生活をどうするの?
何かあっても彼だとわからないだろう?
そんな僕らの心配は物語の途中、ヒロインを不安に陥れる。
しかし、内面の変わらないウジンを愛し続けようと懸命なるヒロインの一途さに涙を誘われる。
一方でウジン自身も現実を考えて、イスに愛され続けられるべき存在なのかに悩む姿は僕らまで切なくさせる。

木が船や家具やギターに形を変えても、木としての良さを持ち続けると言う台詞が加わることで、
僕らは"変わらないこと"の尊さを気づかされる。
映画も終わりに近づいた頃、
ヒロインが父親と「母さんは死んだ時のままなんだよ」と語り合う場面も
"変わらないこと"に通ずる挿話。
日々変わり続けているのはむしろ僕らの方だし、
人は見た目じゃないとはよく言うけれど、様々なことに捉われてしまうのは僕らの弱さなんだろう。
迎えたラストシーンで二人が選ぶ結論は、愛し続けるという"変わらない"強さを持つことなんだ。
ほんとにいい脚本。

ドラマ「トンイ」で気丈なヒロインを演じて以来、ハン・ヒョジュは僕のお気に入り韓国女優の一人。
劇中何度も流れるアマポーラの美しいメロディにも泣かされる。

映画『ビューティー・インサイド』日本オリジナル予告編


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