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Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

僕のGreatest Albums(その9)

2005-05-10 | 僕のGreatest Albums
B00005GL29インヴィジブル・タッチ
ジェネシス
東芝EMI



1999-07-28
売り上げランキング : 19,540
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僕はキーボード弾きである。大学時代音系サークルにも所属し活動していた。そもそも音楽的に雑食なのが災いしたか、あらゆるジャンルのセッションに担ぎ出された。そうこうしている頃、キーボードやってる先輩からお言葉が。「尊敬するキーボーディストは誰ね?」僕は「ジェネシスのトニー・バンクスです。」と答えた。先輩の視線はちょっと異質なものを見るようなものに変わった。・・・なんでこう”プログレ(ちょっと)好き”という表明をすると世間ではこういう反応をされてしまうのだろうか。

どの時期のジェネシスが好き?と聴かれると迷うのだけど一番聴いたアルバムはやはり「インヴィジブル・タッチ」になるんだろうな。ポップミュージックとしての完成度の高さが何といっても魅力。熱烈なプログレ好きからダメ出しされそうだけど・・・。ここでのトニーのキーボードはシンプルなようだが魅力的。ラストを飾るインスト曲 ♪ブラジリアン の壮大さも、およそシングル向きとは思えない ♪トゥナイト、トゥナイト、トゥナイト の不協和なシンセ音も。だいたいテクがないくせに、派手な音色で存在感を示すのが僕のキーボード弾きとしてのスタイル(・・・と周りは評価していた)なのでこのアルバムでの音づくりは当時参考にしたものだ。僕はこのアルバムでは ♪混迷の地 が最も好き。

他にもジェネシスのアルバムは聴き込んだものが多い。「アバカブ」はかなり好きなアルバムだったし、温故知新で聴いて ♪ウォッチャー・オブ・ザ・スカイ にハマったのは「フォックストロット」。♪ザッツ・オール が収められた「ジェネシス」もお気に入りの1枚。どれも鍵盤弾きとしてしたい曲が多いアルバムだ。トニーのキーボードプレイは、地味な白玉(全音符)に聴けても実はけっこう存在をアピールしている。僕は”白玉の美学”と密かに呼んでいた。当時僕がキーボードのセッティングをL字型にして、左手にストリングス系、右手にピアノ系とシンセ系にしていたのも、実はトニー・バンクスがお手本なのだ。
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僕のGreatest Albums(その8)竜童組/竜童組

2005-05-04 | 僕のGreatest Albums


僕の音楽的ルーツを探求する企画第8弾。今回は憧れのアーティストの一人宇崎竜童。ダウンタウン・ブギウギバンドを初めて聴いたのは小学校中学年くらいかな。♪カッコマン・ブギ や ♪スモーキング・ブギ を面白がっていた記憶がある。でもそうした不良っぽいイメージを覆したのは、小学校高学年の頃見た、スタジオ・ライブのようなNHKの番組。阿木燿子をステージ上に招いた竜童氏は「彼女に捧げます」みたいなことを言ってバラードを熱唱した。「くーーーーっ!かっちょいい!」マセた小学生はそう思い、愛する女性に歌を捧げるという行為に猛烈に憧れを抱いた。後にタイロン・パワーの「愛情物語」やジェームズ・スチュワートの「グレン・ミラー物語」の同様の場面に感動してしまうのは、これがルーツなんだ。

さて、宇崎竜童のキャリアの中で最も聴きこんだアルバムは・・・となると、和製ロックのプロジェクト「竜童組」だろう。角川アニメ「カムイの剣」のサントラで和太鼓の林英哲と組んだのが始まり。オープニングを飾る ♪八木節イントロデュース は、ホーンセクションを従えてワイルドに歌う印象的な曲。当時竜童氏がレギュラー出演していた「夜はタマタマ男だけで」という男性オンリーの異色トーク番組でも生演奏されていた。他にも和と要素が巧く織り込まれた曲が心地よい。同番組のエンディングでもあった名曲 ♪新宿レイニーナイト も素晴らしい。最初のリリースではLPに未収録だったがCDには収められている。他にも山口百恵ら他の歌手に提供した楽曲のセルフカバー「しなやかに、したたかに~女たちへ」、ノエビア化粧品のCMでは ♪絶体絶命 をカバーしているのもかっこよかった。最近はこれまでのキャリアを振り返るベストアルバムや、世良公則、岩城滉一とのGENTLE3の活動も話題となった。こういう大人の音楽に酔いたい・・・近頃やたらとそう思うのだが。




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僕のGreatest Albums(その7)

2005-05-01 | 僕のGreatest Albums
アンモニア・アヴェニュー
アラン・パーソンズ・プロジェクト
BMGファンハウス



1995-03-24
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僕の音楽的ルーツを探求する(回顧する)企画第7弾はアランパーソンズ・プロジェクトの登場。僕とその仲間達が洋楽に狂い始めるのは高校3年のとき。忘れもしない4月のある日、大分のローカル局で「ベストヒットUSA」の放送が始まった瞬間からだった。それまで大分ではMTVが流れる専門番組もなく、正直言ってそういう番組に僕らは飢えていた。そこに小林克也氏のあの声が響いたから、もう大変。それまで邦楽野郎だった奴らまでもが、一斉に洋楽に目が向いた。そりゃぁもう大騒ぎだった。その記念すべき回の2曲目に流れたのが、♪ドント・アンサー・ミーだった。フィル・スペクター風のサウンド(そんな言葉は当然後に知ることになるけれど)、アメコミ風の映像、美しいハーモニー・・・1曲目のリック・スプリングフィールドの衝撃もこのビデオのインパクトには勝てなかった。

プロデューサーが立ち上げたプログレッシヴロックのプロジェクト。バンドとは違い首謀者はフロントに立つことすらないし、ライブはしない・・・そんな事実が僕の興味を駆り立てた。僕は遡って代表作たるあの名曲♪アイ・イン・ザ・スカイを聴くことになる。その哀愁漂うメロディーとアルバムに収録されたヴァラエティに富んだ楽曲に僕は夢中になった。単なるラブソングを歌っていない。アルバムも統一されたコンセプトの下で製作され、扱うテーマも神秘性・社会性を感じさせる。ちょっと知的なものに憧れていた当時の僕には「好きなアーティスト」と公言するのにこれ程かっこいい!と思えるものはなかったのだ(同じ意味でティアーズ・フォー・フィアーズも好きだった)。思えばその後からプログレ(ちょっと)好きになるのだが、きっかけはおそらくここからだ。

♪ドント・アンサー・ミーを収めたアルバム「アンモニア・アヴェニュー」や「アイ・イン・ザ・スカイ」以外にも好きなアルバムは多い。名曲♪旅人は星を数える(NHK教育「天才テレビくん」でのカヴァーには感動した!)を収めた「ヴァルチャー・カルチャー」、エドガー・アラン・ポーの世界を歌ったコンセプトアルバム「怪奇と幻想の物語」、ロック色の強い「ステレオトミー」、仰天のライブアルバム!「ザ・ベリー・ベスト・ライブ」等々。スケールが大きくて哀愁漂うバラード曲が特に好きだ。
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僕のGreatest Albums(その6)

2005-04-30 | 僕のGreatest Albums
ストレンジャービリー・ジョエル
ソニーミュージックエンタテインメント



1999-01-21
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小学校高学年の頃引っ越しをした。近くの社宅に住んでいた男の子と仲良くなったのだが、その友人が僕の音楽的興味を洋楽に向けさせる原動力となった。中学生になって、彼は僕に2枚のLPレコードを聴かせてくれ、この2枚はそれから先長く聴くことになるものになった。1枚はポール・マッカートニー&ウイングスの「グレイテスト・ヒッツ」。そしてもう1枚がビリー・ジョエルの「ストレンジャー」だ。既にビリー・ジョエルの名は知っていたが、アルバムで洋楽アーティストを聴くというのはおそらく初めて(但しビートルズという例外があることを後に知ることになる)。オープニングの排気音から三拍子のラストの曲まで歌詞カード見ながら一生懸命に聴いた。英語のスピードに付いていこうとしていた。♪イタリアンレストランにて・・・は目で歌詞を追うのがやっとだった。今思うとあの頃って腰を据えて音楽を聴けたよなぁ・・・今と違って。

中学3年でピアノを独学で弾くようになり、弾き語りに興味を持つようになった。高校時代の友人とビリー・ジョエルの楽譜を貸し借りしては、次々とレパートリーを増やしていった。♪ストレンジャーのイントロが弾けたときは感動したし、♪オネスティが弾けたときは嬉しかったよなぁ。たった2小節のイントロだけど、あのコードを自分の手で弾けた!という感動はやってみないとわからない。

高校の音楽の時間に実技テストをすることになり、僕は友人Aに手伝ってもらって ♪素顔のままで を歌った。間奏のサックスソロは他の管楽器で演奏した。当時ほんとにピアノに夢中で、自宅では家に帰るとピアノに向かって声張り上げていたから、親は迷惑だったろうねぇ。そのうち自作曲を書くようになるのだが、これもビリー・ジョエルを聴かなかったらしなかった行動だ。最初に「ストレンジャー」を聴かせてくれた友人は、後にそのLPを僕にプレゼントしてくれた。しかも「ニューヨーク52番街」とセットでくれた。今でもその2枚は僕の手元にある。これ以外で好きなアルバムは名曲 ♪ニューヨークの想い を収録した「ニューヨーク物語」。特にラストを飾る ♪マイアミ2017 はビリーの楽曲中で最も好きな曲だ。イントロのピアノは練習しまくったもんだ。かなり前のことだが「FMfan」誌にビリー・ジョエルへの思いを長い文書にして投稿したら掲載してくれた。これも嬉しかったな。
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僕のGreatest Albums(その5)

2005-04-29 | 僕のGreatest Albums
昨晩お会いしましょう
松任谷由実
東芝EMI



1999-02-24
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自分の音楽的ルーツを探求する(単に回顧趣味?)企画第5弾。僕は勝手にプロジェクト・クンタキンテと呼んでいますが。

むかーし”ユーミンが好きな人は上昇志向、サザンが好きな人は現状維持派”とか言われていたのを聞いたことがある。実は僕はサザンにハマれなかった人で、どっち派?と聞かれたら迷わずユーミン。上昇志向?と思ったことはまあまりないけどねぇ。♪帰愁 や ♪まちぶせ ♪いちご白書をもう一度 など、ユーミン作と意識はしなくとも、幼い頃から何気なく耳にしていたユーミンのメロディー。

本格的にユーミンを聴き始めたのは、アルバムで言えば ♪守ってあげたい を収録した「昨晩お会いしましょう」からかな。ド派手な曲は少ないけれど、”歌詞がきちんと耳に残る”佳作ぞろいのアルバム。ユーミンの曲って聴く側の心に染みる歌詞が魅力のひとつだと思うのだ。荒井由美時代の曲はまさにそういう曲が多い。この「昨晩お会いしましょう」は、派手なアレンジがない分だけ、歌詞がひとことひとこと入ってくる。音楽って「聞く」(単に耳で感じる)ものではなく「聴く」(感じ取る)ものだからね。近頃の音楽にノレないのは何よりもそこがあるからかもしれない。しみじみ聴ける♪A HAPPY NEW YEAR や ♪手のひらの東京タワー(野宮真貴が近頃カヴァーしてるよね)のような曲がいい。♪カンナ8号線 のドライヴ感、そして一番好きなのは ♪夕闇をひとり かな。女性ロッカーへの憧れを歌った ♪グレイス・スリックの肖像 は静かだけど音楽をプレイする喜びがにじみ出る秀作。

ユーミンはどのアルバムにもその時期の思い出がある。社会人になったらリゾートしちゃうぞぉ!と思いながら聴いていた「SURF&SNOW」、友達がイチ押し!というのだけれど良さがわからなかった「Peral Pierce」、そのおどろおどろしさが大好きだった名盤「時のないホテル」、コピーバンドするならこれ!と思っていたけれどキャッチーな楽曲に腰が引けて選曲会議に出せなかった「REINCARNATION」(恥)、地味だけどアレンジのかっこよさが光った「ダイヤモンドダストが消えぬまに」、♪埠頭を渡る風のハモリをひたすら練習した「流線型’80」、配偶者アミダラMと一緒に聴いた「ALARM a la mode」・・・。でも久々にユーミン聴きたいなぁと思ったときに手にしてしまうのは、やはり「昨晩・・」だったりする。
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僕のGreatest Albums(その4)

2005-04-27 | 僕のGreatest Albums
ツイストII
世良公則&ツイスト ツイスト
ポニーキャニオン



1994-11-18
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僕の音楽的ルーツを探求する企画第4弾。僕が男として、”かっこいいよなぁ”とひたすら憧れてきた四大ミュージシャンがいる。一人は既に登場した甲斐よしひろ。二人目は宇崎竜童、三人目は柳ジョージ。そして四人目は世良公則だ。これらはみんな小学校高学年に初めて聴いたミュージシャンばかり。特に世良公則&ツイストが「ザ・ベストテン」で、並み居る歌謡曲の人々を抜いて1位を獲る様にやたらと感動したものだ。しかし小学校高学年にはこれまたあまりにも早すぎる歌詞の世界。
♪さわらないでよぉ~もうこれぇきぃりぃよぉ~ あんたのおんなぁ~よしにしたわぁ(SOPPO)
♪よいどれぇおとこぉとぉ~ なきむしぃおんなぁ~ しらけたぁわぁぁらいぃに~ 厚化粧ひとつぅぅ(あんたのバラード)
この機微がわかるかってそりゃ無理な話。訳もわからず
♪今夜こそぉ~おまえを~おとしてみせぇるぅ!(銃爪)
なんて歌っている小学生だったから、親はハラハラもんだったかもねぇ。

中学1年のときだったかにカセットで購入したセカンド・アルバムがこの「ツイストll」。シングルは ♪燃えろいい女 と♪性(さが)(シングルとは別ヴァージョン)を収録している。うちの配偶者は「あんたにはないワイルドさが世良さんにはあるから、あんたは憧れるのよ。」と分析する。でもねぇ世良さんの音楽って荒々しさだけじゃないんだよね。歌詞に歌われる女性を見つめる視点がやさしいのだ。あれだけ情念込めて”オンナ歌”を歌える男性ヴォーカリストって他にいない。例えばチャゲ&飛鳥の♪ムーンライト・ブルースも”オンナ歌”だけど、そこにあるのは甘さ。男女の厳しさと人を見つめるやさしさが同居した歌はなかなか他の人には歌えないと思うのだ。

後に世良さんは役者として成功することになるのはご存じの通り。女優・薬師丸ひろ子を慕うやさしい男を演じた「Wの悲劇」、「なんぼのもんじゃい!」とかたせ梨乃の服を破り捨てる「極道の妻たち」もよかったけれど、僕が一番気に入っている主演作は「cfガール」。型破りなCFディレクターを演じた世良さんはひたすらかっこよかった!。何度繰り返し観ただろう(高岡早紀チャン目当てもあるけど)。エンディングで流れる主題歌 ♪抱きしめてくれ は隠れた名曲。
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Greatest Albums(その2)Solid State Survivor/Yellow Magic Orchestra

2005-04-24 | 僕のGreatest Albums
Solid State Survivor
イエロー・マジック・オーケストラ
アルファミュージック



1998-01-15
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僕はキーボード弾きである。中学3年の頃に独学でピアノを弾き始めたのがそもそもの始まりだった。ギターに走りたくもあったのだが、ちょうど反抗期。父親がクラシックギターを少しやっていたので、”同じ楽器なんかするもんか”との気持ちから鍵盤に走ったのであった。それまで僕が聴いてきた音楽にキーボード弾きのヒーローはほとんどいなかった(ムーグを操るミッキー吉野にはちょっと興味ひかれたが)。故に男性がピアノに向かうという姿に異常な憧れを抱いた。ビリー・ジョエルを聴くのもそれがきっかけだった。

そんな頃、前回も登場したNHK-FMの「サウンド・ストリート」松任谷正隆が担当する月曜日で流れたある曲に耳が釘付けになった。それが・・・♪テクノポリスだった。さらに「夜のヒットスタジオ」の出演、その演奏はビデオに録って繰り返し見たものだ。しゃべる声までヴォコーダーが通され、謎めいた雰囲気を感じた僕はますます興味をかき立てられた。海外で評価され”日本のビートルズ”のように言われていることが加わり、僕の中でシンセサイザーを操る3人のヒーローになっていったのだった。スネークマンショーと組んだ「増殖」でファンの裾野が広がってから、高校卒業までの間、音楽好きの仲間たちの間ではYMOの話題は続いた。

「ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー」はメジャー曲満載の大ヒットアルバム。♪テクノポリスから入った僕としては外せない1枚だな。大学時代に音系サークルに属していた僕は、キーボードやっている先輩、後輩と共にYMOのコピーをやるセッション大会に参加、♪東風、♪ライディーン、♪テクノポリスを演奏した。人民帽もステージ用に持ってました(恥)。今じゃあれ程にキーボードを全面に出して演奏する機会などないよなぁ。思えばいい時代だったのかもしれない。他のYMO作品で夢中で聴いたのは「増殖」と「サーヴィス」なんだよなぁ。コアなYMOファンからすれば、「テクノデリック」や「BGM」こそが重要なアルバムなんだろうけど、僕は歌モノがある方が向いているみたい。故に復活作「テクノドン」にはどうもノレなかった。
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Greateset Albums(その1)甲斐バンドストーリー/甲斐バンド

2005-04-23 | 僕のGreatest Albums


自分の音楽的ルーツを探求しようという企画、その第1弾。今回は甲斐バンド。

小学校高学年の頃、巷で流行っている音楽にやたらと興味を持つようになった。「ザ・ベストテン」のランキングや、ローカルラジオ局の音楽番組のヒットチャートを毎週ノートに記録していたりなんかした。まずは世間がいいというものから聴き始めて、次第に自分の好みが明確になっていく。これは何をするにしてもそうだと思うのだけど、僕の音楽的趣向もそのうち明確になっていく。中学生になり「好きなミュージシャンは?」という質問が友人達との会話に上るようになると、僕は迷わず「甲斐バンド」と答えていた。

思えば甲斐よしひろの詩の世界は、中坊には早すぎる(笑)。でも僕はそこに流れる70年代的な大人の空気をものすごく魅力的に感じていた気がするのだ。
♪あなぁたに抱かれるぅのは、今夜ぁ~あ、限りねぇ(きんぽうげ)
♪あの娘は一世紀前のぉ、セックスシンボルぅさぁ(一世紀前のセックス・シンボル)
♪あたしを捨ててぇ行っちまたぁ、ああぁんたぁのせぇなかにぃ(そばかすの天使)
それにロックバンドなんだけど、どこか歌謡曲なんだよね。
♪北へぇ向かう夜汽車は、オレのぉなぁかのぉ~、心のようにぃすすりぃ泣いてたぁ(安奈)
人生に疲れて北へ向かうという構図は演歌っぽいじゃない?この辺り、僕がマセたガキになっていった原因のひとつとも思われるのだ。

中学時代、好きだった女の子と音楽の話をしていて、僕が甲斐バンドが好きと言うと彼女は言った。
「あの人歌うまい?今度の新曲(♪ビューティフル・エネルギー)で歌っているドラムの人の方が歌うまいじゃない。」
・・・お前にはわからねぇ!甲斐バンドのよさはそんなとこじゃねぇんだよ!。あの哀愁、男の静かなるやさしさが根底に流れる歌詞の良さがさ!。なーんてことを彼女に言い返すこともできずにおりました(笑)。NHK-FMの「サウンドストリート」は中学時代夢中になって聴いた番組だった。そこで流れた数々の曲も僕の興味をかき立ててくれたものさ。今回選んだ「甲斐バンドストーリー」は初期も初期、♪HERO(ヒーローになる時、それは今)までの代表曲を集めたベスト盤。FMの番組で全曲流していたのをエアチェックして繰り返し聴いた。バンドの歴史を網羅したベストも多々あるが、これ程聴きこんだものは他にない。オリジナルアルバムで一番好きなのは、 ♪感触(タッチ) を収めた「マイ・ジェネレーション」だな。

甲斐よしひろ氏の詩は映画にインスパイアされたものが多い。♪男と女のいる舗道、♪3つ数えろ、♪地下室のメロディーなど映画のタイトルからとったものも多い。
♪君はいつまでぇも、銀幕のぉ~ヒロイン、ラストぉシーンは悲ぁ~しぃく
と歌う名曲 ♪シネマクラブ。この後、
♪舗道に影だけを、舗道に影だけを、残してはぁ~
と続き、「第三の男」のラストシーン、歩き去るアリダ・ヴァリを思わせる。
また名曲中の名曲 ♪ポップコーンをほおばって も映画好きでなきゃぁ書けない詩。
こんなところも今の僕を作りあえげた要素となっているのは間違いないだろう。


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