goo blog サービス終了のお知らせ 

Some Like It Hot

お熱いのがお好きな映画ファンtakのつぶやき。
キネマ旬報社主催映画検定2級合格。

Greatest Albums(その42) age/斉藤由貴

2006-03-11 | 僕のGreatest Albums


僕の音楽史を振り返る中で、アイドルものも忘れてはいけない。シングルやアルバムをきちんと買うくらいまで好きだったのは中森明菜と原田知世だった。折りにも80年代後半のアイドル全盛期に高校・大学と過ごしてきたので、影響がないといえば大嘘になる。おニャン子だって人並みに(?)聴いたし、あの「スケバン刑事」だってほとんど見逃さずに見ている。でもそんな時代のアイドルたちが歌う曲は、まるでインフルエンザのよう。ひどく夢中になるけれども、それらは一過性の曲。そうした運命を背負って生まれたような曲たちだ。うしろゆびさされ組の「象さんのすきゃんてぃ」や福永恵規の「風のインビテイション」、新田恵理の「冬のオペラグラス」が時代を超える曲だとは言い難いだろう。僕らはそうしたアイドルたちをアーティストとは呼ばなかった。リリースするアルバムのクオリティが高いかどうか?。これはアーティスト視できるかの大きなポイントだったのだ。

アルバムのクオリティが高い80年代アイドル・・・といえば、僕は松田聖子(「ユートピア」は傑作だと思う)、中森明菜(「ビター&スイート」は名作)あたりを挙げたい。そして僕が最も愛聴する80年代アイドルのアルバムは、斉藤由貴の「age(アージュ)」だ。初期の斉藤由貴というと、「卒業」や「情熱」を代表として清楚な儚げなイメージがどうしてもつきまとう。初主演作「雪の断章」もまさにそれだった。確かに活発そうな面も次第に出てくるのだが、どうしても僕らにはか細い声で
♪さぁよなら、にんじん、ポッテト(「土曜日のタマネギ」)
と歌う由貴チャンのイメージが定番だった。

そんな頃、井上陽水の「夢の中へ」のカヴァーが発表された。これが驚くほどダンサブルだったから、僕らは驚いたものさ。アルバム「age」もその延長上にあり、崎谷健次郎のプロデュースが実に素晴らしい。サウンドデザインに凝ったものが多くて、全く飽きさせることのないアルバムだ。ヒットシングルに頼らずにもここまでの秀作は作ることができる・・・そういう自信に満ちたアルバムだった。その後小説を発表するなど、他分野でもご活躍の由貴チャンを僕らはアーティストと呼ぶことをはばからない。しかし由貴チャンが、「age」で新境地にチャレンジしたことも、あの時代の流れの中で忘れられていくんだろうか。でもその輝きは僕らの中では永遠。それこそがアイドルの楽曲の証でもある。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Greatest Albums(その40) ?/Nena

2006-02-14 | 僕のGreatest Albums
??
Nena


Sony International 2004-12-21
売り上げランキング : 37,938


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

僕が住んでいた大分で「ベストヒットUSA」が初めて放送された日。僕はあの日の曲目を忘れはしない。
「ラブ・サムバディ」(リック・スプリングフィールド)、「ドント・アンサー・ミー」(アラン・パーソンズ・プロジェクト)、「ヒア・カムズ・ザ・レイン・アゲイン」(ユーリズミックス)・・・今でも好きなアーティストばかりだ。
チャートの1位は確かヴァン・ヘイレンだったのだが、上位にチャートインしているドイツの曲があった。
それが忘れもしない「ロックバルーンは99」(NENA)だった。
今聴くとメロディーも演奏もいたってシンプルで、どうしてこれがウケたのだろう?と不思議に思う。
でもストレートで荒削りなサウンドと、ヴォーカル、ネーナの存在感に魅力を感じた。

アルバムとして初めて聴いたのは「ファースト・アメリカ」。英語詞を乗っけた米国進出盤である。
「ハンギン・オン・ユー」とかいい曲で、アルバム自体も確かにいいんだけど、
「ロックバルーン~」の英語詞にものすごく違和感を感じたのだった
(マルコ・ポーロの「ジンギスカン」が許せないようなもの・笑)。
そしてオリジナルアルバムを聴くようになる。

僕がNENAのアルバムで最も好きなのは「?」(当時ドイツ語習ってたはずなのに・・・読めない)。
特にシングルカットされた「レッテ・ミッヒ(私をタ・ス・ケ・テ)」がひたすらかっこいいのだ。
ギターとキーボードは大したことないのだが(失礼)、このバンドはベースが上手い!
(カジャグーグーみたいなものね・笑)。
「レッテ・ミッヒ」の間奏ベース・ソロには当時感動した。
NHKの音楽番組に出演したときにも、この曲を演奏したがあの出しゃばりベースは忘れられない。
でもNENAの”わき毛”がやっぱり映っていたのも覚えている(^^;)。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Greatest Albums(その39) Baby Alone In Babylon/Jane Birkin

2006-02-10 | 僕のGreatest Albums


セルジュ・ゲンスブールもシャルロット・ゲンスブールもこのシリーズに登場したことだし、やっぱジェーン・バーキンを出さない訳にはいかないでしょう。

ちょっと前に、野島伸司脚本のドラマに「無造作紳士」と
「イエスタデイ・イエス・ア・デイ」が使われて、再注目されましたよね。
僕はそれ以前から(おそらくゲンスブールを聴くようになってすぐ)よく聴く音楽になっていました。
あの息も絶え絶えのウィスパーボイス、か細いんだけど味のある歌。好き嫌いは分かれるだろうけど、
好きな人はおそらく一度は虜になったはず。

ジェーン・バーキンのアルバムで最も好きなのは「バビロンの妖精/Baby Alone In Babylone」。
この原題が示すようにセルジュお得意の英語を使った言葉遊びを聴くことができる。
おまけにこのタイトル曲は乗用車の名前をひたすら羅列するもの(「自動車ショー歌」ではないゾ)。
セルジュが清少納言風に”シックなるもの”を並べ続ける「シック」も雰囲気ある名曲。
後にセルジュがセライブでも歌っているが、こっちはなんともいやらしい。
他にも「さよならは早すぎる」ではフランス語の語感の響きが面白いし、
マリリン・モンローを歌った名曲「その名はノーマ・ジーン・ベイカー」も収録している。

セルジュの元を離れてからも音楽活動を続けているが、やはり70年代のセルジュの楽曲の輝きは永遠のもの。
セルジュの追悼コンサートで”私はさよならを言うためにここに来た”と歌うジェーンに、僕は涙した。
自分の葬式でこの曲を流したいと思った。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Greatest Albums(その38) The Age Of Plastic/Buggles

2006-01-27 | 僕のGreatest Albums
ラジオ・スターの悲劇+3ラジオ・スターの悲劇+3
バグルス


ユニバーサルインターナショナル 2005-09-21
売り上げランキング : 18,163


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

僕らはラジオ育ちだ。耳にしてきた音楽たちはラジカセのスピーカーから聞えてきたものだった。
しかしそうした音楽を聴くきっかけは、80年代にはMTVに場を奪われていく。
そんな過渡期に現れたのがバグルスであり、名曲”ラジオスターの悲劇”だった。
それにしてもなんてうまい邦題だろう。近頃こんなうまいタイトルがあるだろうか。
時代を見事に表現した曲。ピアノとシンセのイントロ、個性的なヴォーカルと女性たちの♪あーわ、あーわ。
何もかもが強く印象に残った。

バグルスはどうしてもこの曲だけで語られがちだけど、アルバム「The Age Of Plastic」もなかなかどうして名盤である。
タイトル曲”プラスティック・エイジ”が僕は特にお気に入り。むかーし選曲会議にも出したなぁ。

このシリーズでも様々なキーボーディストが登場してきた。
バグルスのジェフリー・ダウンズは、この後トレバー・ホーンとイエスに加入。
そしてプログレ系メンバーと共にエイジアでセールス的にも大成功を収めることになる。
ソロアルバムではジャーニーあたりのメジャ-な楽曲をインストでカバーするという、
およそプログレ系ミュージシャンンとは思えないミーハー振りもみせる。
そんなところが、どうも憎めない。

時代が生んだ名曲「ラジオスターの悲劇」は、今でも魅力を失わない。
映画「ウェディングシンガー」のサントラではギターポップに姿を変えてカヴァーされている。

ウェディング・シンガー(1)ウェディング・シンガー(1)
ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ カルチャー・クラブ ポリス ワーナーミュージック・ジャパン 1999-02-05売り上げランキング : 62,919


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕のGreatest Albums(その37) Tommy february6/Tommy February6

2006-01-16 | 僕のGreatest Albums


久しぶりにお気に入りアルバムを。今回はtommy。
ほんっとにこのブログが取りあげる音楽には一貫性がない。それはよーくわかっている。
でも好きになったら仕方ない。グッとくる音楽だったなら、それでもう僕にとっての「名盤」たりうるのだ。気づいたらCDの棚にそのアーティストのCDがコンプリートならんとする勢いで並び始める。Tommyもそんなアーティストのひとつだ。キキ&ララとコラボしてからレジに持っていくのが、男としてすっごく恥ずかしくなったけど(泣)。

だいたいブリリアント・グリーンが大好きだった。英語詞の心地よさとギターポップのシンプルなかっこよさにひかれたのが最初だった。そしてTommyとしてのソロ活動。最初は何を血迷ったか?と思った。硬派にひずんだギターバックに歌う川瀬智子に惹かれていたから。

でもそこは、やっぱりエイティーズ。アルバム2曲目の トミー・フェブラッテ・マカロン や、軽自動車のCFに使われた 君の瞳に恋してる のカヴァーを聴いたのが運の尽きだった。カッティングにチョッパー風シンセベース、ユーロビートにありがちなシンセのメロディ、サビの音を追うシンセベル、ストロベリー・スイッチブレイドやノーランズのカヴァー。アルバムに仕掛けられたいくつもの80年代的アイテムに僕はもう夢中になってた。

もうひとつ、Tommyに惹かれる理由がある。別にメガネフェチって訳じゃない。それは川瀬智子嬢の裏キャラだから。つまり誰もが持つ”変身願望”を具現化したキャラであるからなのだ。同じ理由で僕はマシュー南が好きだし、ジギー・スターダストを名乗っていた頃の気味悪いデビッド・ボウイも嫌いではない。僕もこのサイトでtakという別キャラを名乗っているけど、これはほとんど”素”なので、演じていたり誇張したりする部分はほとんどない。もちろん十分楽しんでいる。仕事を持つ人ならば、誰もがオンの自分とオフの自分を持つはずだ。オンの自分は本当の自分を抑えて、”ちょっと演じている自分”だという人もいるだろう。それもある種の”変身”なんだろうけど、実はそれはとても疲れることだったりする。Tommyのように変身した自分を楽しめるのは大事なこと。そんな意欲的なTommyに僕は元気をもらっている気がするのだ。


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕のGreatest Albums(その36) LE ROI SOLEIL/カヒミ・カリィ

2005-11-09 | 僕のGreatest Albums



以前の職場を辞めてすぐの頃。charaの♪Swallowtail Butterflyに泣いた話は前にも書いた。ちょうどその頃、僕はカヒミ・カリィに夢中になっていく。だいたいシャルロット・ゲンスブールのアルバムを始め、フレンチポップは大好きだったし、ジェーン・バーキンのようなウィスパーボイスはかなり好き。日本にもそんなシンガーがいたのだ。同時期にNHK-FMで彼女の番組も始まり、毎週聞いたものだ。エンディングの「おやすみなさい」を聞くのが何とも言えずカ・イ・カ・ンだった。歌ってるというより吐いている息の方が多そうなウィスパーボイス。しかもプチ失業中の折、ミニアルバムばかりがディスコグラフィーなので、経済的にも助かったのだった(笑)。

”渋谷系の歌姫”と呼ばれたこの頃の代表作が「Le Roi Soleil」。当時森永ハイチュウのCMにはタイトル曲が使われ、本人も出演した。数年前にはNHK教育の「フランス語講座」でも使われていたっけ。「ちびまる子ちゃん」の主題歌となったハミングがきこえるも収録され、カヒミの入門盤としては最適とも言えるか。僕は「Girly」と並んでよくカーオーディオに持ち込むアルバム。

フレンチぽい作風から次第に脱皮していくカヒミ。最近の作品では音のアートとも言うべき独自の世界が展開されている。特に僕が好きなのは2003年作の官能的な傑作「トラペジスト」。空中ブランコ乗りに扮した主人公が彷徨う愛の世界。どこかエロティックで、近寄りがたい雰囲気が漂うのだが、聴き込む程にその魔力に夢中になれる。延々と続くつぶやきとサウンドエフェクト、ジャズあり、キングクリムゾン風あり・・・まるで悪女につかまった弱い男、いやいや悪魔のような無邪気さをもつロリータに夢中になる男のように、僕はこのアルバムの魅力に落ちた。聴覚からの官能・・・そんなアルバム。ときどきこの快感が欲しくなる。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕のGreatest Albums(その35)Tug Of War/Paul McCartney

2005-11-01 | 僕のGreatest Albums


洋楽を聴き始めた小学校高学年から中学生の頃。友達から借りたレコードの中で、最も好きだったのがウイングス・グレイテスト・ヒッツだった。アナザー・デイから夢の旅人まで、70年代のポールの軌跡を収めたベストアルバムである。このアルバムを僕は聴きこんだ。歌詞カード前にしてジュニアズ・ファームを歌い、心のラブソングをハモったものだ。これ程歌いながら聴いたレコードはなかったな。だから来日中麻薬所持で逮捕された事件は衝撃だった。しばらくNHKの電波からビートルズが、ポール・マッカートニーの曲が姿を消したのは忘れられない出来事だった。

ポール・マッカートニーのアルバムで一番好きなのは・・・あれこれあるけど、やっぱり「タッグ・オブ・ウォー」だろう。ジョージ・マーティンをプロデューサーに迎え、生き生きしたポールが聴けるアルバムだ。スティービー・ワンダーとの共演2曲は、高校時代友達と真似しながら歌ったっけ。僕はワンダーラストとテイク・イット・アウェイが大好きだったな。特にジョンを歌ったヒア・トゥデイには泣ける。数年前発売されたベストアルバム「夢の翼」はウイングス、ソロ名義の作品を集めた飽きることのないアルバム。これをカーオーディオで聴くともう歌いっぱなしなのだ。


先日、ポールのツアードキュメンタリー映画「ゲット・バック」を観た。ビートルス映画からお馴染みのリチャード・レスター監督。もうこんなの観るとウズウズしてしまう。新旧の楽曲がズラリと並ぶけど、アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼアのかっこよさを改めて認識。うぉー!これライブで歌ってみたい!


コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕のGreatest Albums(その34)

2005-10-21 | 僕のGreatest Albums
B00005G5WWIV~Maybe Tomorrow
レベッカ 宮原芽映 NOKKO


KRE 1994-11-02
売り上げランキング : 4,815


Amazonで詳しく見る
by G-Tools


僕の音楽的ルーツを遡るシリーズ第34弾。今回はコピーバンドもやっていたレベッカを。レベッカを初めて知ったのは、ラブ・イズ・Cash だった。邦楽PV番組で、マドンナの Material Girl にそっくりなアレンジの曲が流れていたのがそれだった。虎柄の服を着てキンキン声を張り上げるNOKKOを、特別上手いとは思わなかった。しかし個性のある女性ヴォーカルが元来好きなだけに、レベッカが僕のフェバリットとなるのに時間はかからなかった。僕の大好きなヒッチコック映画に出てくる、謎の女性の名でもあったしね。

大学で音系サークルに入ったが、そこでもレベッカは人気があった。先輩のバンドは ステファニー や Nothing To Lose、 ラブ・パッションを演奏していた。まぁなりゆきもあるのだけれど、僕は数々のバンドでレベッカを演奏した。特に4作目の「Rebecca4
Maybe Tommorrow」を始め、多くの曲をやったもんだ。でも不思議な事に フレンズ だけがいまだにやったことがない。

アルバム「Maybe Tommorrow」はレベッカが最も勢いがあった頃の作品。全く飽きさせることのない全10曲。ホット・スパイス ではほんのちょっとの歌にやたらと焦らされる。それに続く プライベート・ヒロイン は、4分打ちドラムが気持ちを高揚させてくれる。しっとりとした コットン・タイム。この曲の並びは完璧だ。ベースのメロディーをフィーチャーした 光と影の誘惑 もいい曲。これは今でもバンドでやってみたい曲のひとつ。B面最初は一転してハードな印象の ボトム・ライン。この12インチのヴァージョンがまたかっこいい。ラストを飾るバラード メイビー・トゥモロー に勇気づけられた人も多かったことだろう。そういえば、このアルバムを買った後くらいが、ちょうどLPとCDの過渡期だったような記憶があるな。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕のGreatest Albums(その33)

2005-10-02 | 僕のGreatest Albums
B00005HWVQA LONG VACATION 20th Anniversary Edition
大滝詠一


ソニーミュージックエンタテインメント 2001-03-22
売り上げランキング : 542


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

言わずと知れた大瀧詠一氏の大傑作。一家に一枚の大ヒット作。81年に発表されたこのアルバムを僕が聴き入ってしまったのは、高校時代である83年頃かな。僕らは「ナイアガラトライアングルvol.2」を聴いて大瀧詠一にただならぬ興味を持ったものだ。高校時代って好きな音楽を即みんなで共有できていた。今ではその音楽の感動をいくら周りに語ったところで、みんな価値観も趣味も多様化してたり、昔と変わってたりするからそうはいかないんだよね。あの頃は本当によく音楽の話題だけで1日楽しめた。そんなアルバムが「ロング・バケーション」だったし、「イーチタイム」だったし、「ナイアガラCMスペシャル」だった。

全く捨て曲がない奇跡のようなアルバム。♪君は天然色 のイントロ、これまで聴いたことのない不思議な残響音で三連符を叩きつけてくるのだが、これがなんて心地よいことか。どこにあるのかも知らないくせに、その島に憧れた ♪カナリア諸島にて。最近SONYのCFで使われた ♪スピ-チバルーン は涙が出そうになったし、男の切なさが染みる ♪恋するカレン も素晴らしい。ビーチボーイズのファンならたまらない傑作パロディ ♪FUN×4。そして名曲 ♪さらばシベリア鉄道 まで飽きることはない。

実は最近「ナイアガラ・トライアングルvol.1」を購入した(伊藤銀次の昔のお歌が聴きたかったのが本音だけど)。改めて思うのは大瀧氏の才能と人徳。この「ロング・バケーション」も聴き継がれて欲しいアルバムだ。僕の音楽体験の始まりは父親が持っていたレコードだった(これについては後に触れることになるだろう)。僕が子供に「これ聴いてみろよ」とニッポンのロック/ポップスを選ぶなら、迷わずこれをその1枚に選ぶだろう。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

僕のGreatest Albums(その32)

2005-09-07 | 僕のGreatest Albums
B0000W3RKS明日に架ける橋
サイモン&ガーファンクル


Sony Music Direct 2003-12-17
売り上げランキング : 13,792


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

あれは中3の3月。高校入試を終えた翌日だった。合格発表まで中1日あって何もすることがない。親はだめだったときのことを考えるべき・・・みたいな顔していたけど、家であれこれ考えるよりも映画観たいな・・・と思った僕は雨が降る中映画館へ出かけた。親は玄関を出る僕に、「あんた、余裕だね」と嫌味?ととれる言葉を投げたのだった。大分のセントラルロキシーでは2本立てが上映されていた。1本はニュートンファミリーの主題歌 Smile Again が懐かしいカナダ映画「イエスタデイ」、そしてもう1本はダスティン・ホフマンの「卒業」だった。

今思うと「卒業」ってとんでもないお話だ。人妻ロビンソン夫人との不倫から始まって、ストーカーまがいの主人公の行動、そして花嫁強奪まで、やりすぎだろ?と思えることばかり。でも僕はその「卒業」にたまらなく魅力を感じた。大学は出たけれど何をしていいかわからない主人公が、高校進学の進路決定を明日に控えた自分と重なったのか、その日の気持ちは覚えていない。でも帰り道に僕はレコード店でサントラ盤を手にしていた。それがサイモン&ガーファンクルとの出会いだった。

以来僕の尊敬するアーティストの筆頭はビリー・ジョエルとポール・サイモンとなる(フィル・ラモーンつながり?・笑)。ちょうどS&Gはセントラルパークのコンサートが行われた頃。2枚組のライヴアルバムも発売された頃だ。僕は代表曲を多数演奏したこのライヴ音源に聴き入った。S&Gのアルバムは「パセリ、セージ、ローズマリー・アンド・タイム」や「ブックエンド」など好きなアルバムばかりだ。でもやはり最も好きなのは「明日に架ける橋」。不滅の名曲たるタイトル曲、ボクサー、フランク・ロイド・ライトに捧げる歌 などいい曲が多いよね。ステレオのある部屋にこもって、アート・ガーファンクルなりきりで高音を張り上げていたのは、僕です(恥)。

僕はその頃からオリジナル曲を作るようになる。そして誰かのために曲を捧げる、という行為に憧れていた。逆に「私のために歌を作って」と言われたら最高だ。これは当時僕が心底思っていたこと。しかもそれがこんな台詞であったなら・・・僕はもう何もいらない。
「ねぇ、私のポール・サイモンになって」 
コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする