忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

共感が原動力

2017-08-09 | 共に

 【 地 軸 】 2017.7.28 地方紙1面下段コラムより

[ 「障害者に思いやりと優しさを」。その言葉を目にするたび心がざわつく―。最近、難病で車いす生活の女性が語るのを聞き、心を揺さぶられた。
 ▲レストランでは店員が自分の方を見ることなく介助者に注文を聞く。電車に乗るときも駅員は介助者に行き先を聞く。まるでその場にいないかのように。「同等に見ないままの『優しさ』では何も変わらない」。
 ▲先日亡くなった評論家の犬養道子さんは、紛争地に出向いて難民救済に当たる一方、1997年から2年半、当時の聖カタリナ女子大・短期大で教壇に立った。福祉の道を目指す学生に伝え続けたのは、対等な立場で相手を理解する大切さ。
 ▲支援活動を始めて間もなく、ベトナム難民の少年から届いた手紙に教わった。「先生は僕より一段高い所に立って奨学金や衣服をくれる。けれど僕の気持ちは理解してくれない」。恥じ入った。「理解する」の英語「 u n d e r s t a n d  」は「下に立つ」と読める。上から見下ろすのでは理解できないと。
 ▲大学でも一人一人との交流を信条とした。教授室を解放し、扉に「空気と学生はノックせずに入れ」の張り紙。膝を交え、悩みや希望に耳を傾けた。
 ▲共生社会が求められて久しい。「自分がつらいことは他人もつらい。共感が原動力」「相手を見て聞いて、何が必要か考える癖をつけよう」。分け隔てなく共に温かな社会を築こうとした犬養さんの思いを、胸に刻む。]

 ( 忘却への扉 ) 幼少時の病気がもとで知能に障害を持った兄を思い出す。兄と2人で市内の商店街の店に入った。
 兄に必要な商品を買うためで、店主と店員にも説明した。だが、どちらも兄に直接話かけることも聞くことも一度もせず、会話は私を相手にするだけ。
 私宛にはがきや案内状が届く店で、利用もしていたが、兄への態度に腹が立ち、出ようかとも思った…。兄の決定を聞き購入はしたが、気分は収まらずその後、店との縁を切った。 [分け隔てなく共に暖かな社会]でありたいと望む。