【 南海トラフ 津波に戦々恐々 】 高知県 男性( 69・自由業 )
◇最近、地震速報が頻繁に出るようになり気をもんでいる。東日本大震災のときの大津波の情景は昨日のことのように思い出され、地震情報と相まって夜が怖い。まして私の住む町、土佐清水市は30年以内に起こるといわれている南海トラフ地震で、国内最大の最高34㍍の津波が到来するとの予測がされており戦々恐々の体である。
◇私は少年の日に津波の恐怖を体験。1960年5月、チリ大地震の津波が遠く太平洋を渡り押し寄せてきた。御荘湾が真っ黒に変身し、不気味な渦を巻き海の底を見せた数分後、ごう音とともに海が盛り上がった。私は必至で逃げ家の2回屋根までよじ登り、見下ろすと海水が町中に流れ込んだ。津波は4メートルほどで最悪の危険からは解放された。しかし、南海トラフ地震の津波は34㍍である。
◇そんな情報がある中、先日和歌山県広川町の「稲むらの火の館」を訪ねた。幕末の防災人、浜口悟陵が造った600㍍の堤防の上を歩き、危機管理意識の高さを学んだ。「備えは備えとし、一朝事あるときは急ぎ高台へ逃げるべし」。悟陵の教えである。稲むらの火を必要としないことを祈りたい。]
《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より
( 忘却への扉 ) 先日、瀬戸内海沿岸を走るバスで隣席になった人が「あの霞んで見えるのが山口県。このすぐ前に日本最大級の活断層、中央構造線がある。もし四国電力伊方原発に事故が起きれば、瀬戸内海は放射能で汚染される」。
そんな危険な場所と分かっていて国と企業は核発電所を建設したのだ。隣席の人が下車したのは距離では離れていても立ち並ぶ原子炉がはっきり見える場所を過ぎてから。
南海トラフ地震に対しても愛媛県は原発稼働有権か軽く見過ぎている。核発電所の有る伊方町の隣りの町で、大きな、津波と原発事故時の避難マップを見た。詳しいようで、この建物に逃げては助からないとの疑問をもつ。
避難マップの場所が危険だと思えば、山へ登れ。公共建物の上階に避難し、下りて山へ。そう簡単にはいかない。原発事故時は放射能汚染状況によって、遠方に避難が必要となる。「机上の空論」、「絵に描いた餅」で安全神話も安心保障もない。住民の命がかかっているのに。