【 地 軸 】 2017.7.25 地方紙1面下段コラムより
[ 小さいころから口げんかが弱かった。後で[あの時、こう言ってやればよかった]と悔やむことが度々。強弁だと分かっていても言い返せない自分の口下手さを嘆くばかりだった。
▲大妻女子大学の野崎昭弘名誉教授は、強弁術の要諦を①相手のいうことを聞くな②自分の主張に確信を持て③逆らうものは悪魔である(レッテルを利用せよ)④自分のいいたいことを繰り返せ⑤おどし、泣き、またはしゃべりまくること―と「詭弁(きべん)論理学」(中公新書)に書いている。
▲40年以上も前に発刊された本だが、もしかすると安倍晋三首相は参考にしているのではないか。森友・加計学園問題では野党議員の質問を遮って「印象操作」とレッテルを張り、自らの街頭演説に批判のコールをする聴衆を「こんな人たち」と「悪魔」視した。
▲そして招いた東京都議選での自民党惨敗と内閣支持率の急落。昨日の予算委員会の閉会中審査で「不徳の致すところ」と反省を口にしたものの、政策決定の過程に「一点の曇りもない」という答弁は全く変わらず。
▲中でも、加計学園の獣医学部新設計画を知ったのが今年1月の認可時との主張は理事長が「腹心の友」である点からも到底信じがたい話。国民のもやもやは募る一方だ。
▲今日は参院の審査がある。内閣改造前の最後のチャンス。野党には後悔のないよう疑惑を追及してもらいたい。直接言い返せない、問いただせない人たちに代わって。]
( 忘却への扉 ) 強弁術の要諦野崎教授の「詭弁論理学」(中公新書)にある①~⑤まで。安倍晋三首相が参考にしているのでは?とコラムにある。
そうかもしれないと思いながらも、40年以上も前に発刊された本まで自己保全の道具にと勉強するとは、さすが安倍首相。だが、使い道を間違っている。
私も近い関係のあったパワハラ好きの自称最高権力者から、この強弁術を叩き込まれそうになった過去がある。その人の⑤は、おどし、怒鳴り、𠮟りつけ。
だが、「詭弁」をどうしても認められず、聞き役に徹し諦められた。もちろんパワハラは受けたが、一方的に黙っているのは駄目だと時には反論もした。辞める前にも他の人のいる場で、本人に直接批判したことを良かったと思っている。