羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

遠くにいる

2010年07月14日 | Weblog
ふとパソコンから顔をあげたら鳥がいた。
隣家の屋根のさらに向こうのアンテナ。
雨を見るつもりで投げた視線の先で、
鳥は羽をたたんでアンテナの端にとまり雨を受けている。
何の鳥だろう?
遠すぎてわからない。
オモチャみたいな双眼鏡を持ってくる。
窓をあけて見る。
隣家が留守でよかった、そうでなければちょっとアヤシイ。
むかしむかし野鳥を見に行っていた頃に使っていた双眼鏡は、
たしか押入れの奥にしまいこんであるからとりあえずこの
冗談のようなプラスチックの双眼鏡で・・・。と見てみると、
鳥がいた場所に鳥らしきものは姿勢をかえてそこにいる。
尾も羽も輪郭は定かではなく「こっちを向いた正面!?」と考えてみる。

雨がつよくなってきたよ、こっちにおいで、と心の中で呟く。

よくよく見てみるとかすかに動いているから鳥に間違いない。

なんだか気になって、時どき窓の外を見ていたけれど、
いつまでもみているわけにもいかず、とうとう夜になった。
一夜明けてまず隣の屋根のさらに向こうのアンテナを見る。
信じられないことだけれど、まだそこに鳥らしき何か、がある。
とうとう娘に確かめてもらうと、
「うん、そうみたい。あのふくらみかたは鳥だね、遠いけど。」

だけど、同じ鳥が同じ姿勢でいつまでもいることはないだろう。
仕事から帰っても遠くには何かが見える。
こんど、押入れからちゃんとした双眼鏡をだしておこうと思った。
隣の家の窓が目前なので、すこし気が引けるけど、。