羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

牡丹と菫(または萩)

2010年05月17日 | Weblog
高齢になった母と一緒に、故郷の福島県へと行って来た。
体力の衰えも日々実感している母は出発直前まで、
「やっぱり無理だと思う」と言いつつ、数時間経つと気を取り直して
支度を始める、ということをくり返していた。

結果としては思った以上に元気よく行って一泊して帰ってきた。
実家で待っていてくれた人たちと会い、祖先に墓参をし、
遊び場だったという神社に行ってすごく懐かしがり、
出身の小学校は様子が変わっていて首をかしげていた。

女学校へ通う鉄道の駅で、いつも男の子が待っていてくれた、
などという驚きの発言も飛び出した。
おさげ髪にセーラー服で頬を染めた母を思った。

一時はどうなることかと思った数年ぶりの帰郷。
暑くもなく寒くもなく雨にも降られず、本当に良かった。

母がよく遠足にきたという牡丹園。
ちょうど今が盛りと咲いていた。

桐、牡丹、ときて花札を連想する人もいるかと思うので、
ついでに書くと泊まったのは磐梯熱海という所の温泉宿で「萩姫の湯」という。


部屋からは『萩姫伝説の五百川』と線路が見えて、
赤べこのマークがついた列車がゴトゴト走っていく。
案内された部屋の名前は「菫」だった。