羽を休める鳥のように

きっとまた訪れる薄紫の夕暮れを待ちながら

本の完成

2010年05月03日 | Weblog
「野上弥生子の文学とその周辺」がようやく出来上がってきた。
わたしが詩集を出す前にでるはずの本だったから、
予定より何年も遅れた。

固辞したつもりだったのに、結局、巻頭詩を引き受けてしまったので、
イマサラ読み返すと本気で恥ずかしい。
じぶんのなかでは、すでに「過去の作品」というか、
あの頃の作品、という印象で、詩には罪はなく無邪気だけれど、
製作者はそこを飛ばして読みたい気分。

年賦の件では、いい勉強をした。
わたしはそれまで野上弥生子というすごい作家のことを
あまりに知らなかったので、年賦に関わることで、
漱石の激励で弥生子が小説を書き始めた事を知り、
伊籐野枝と大杉栄に興味をもった。
夫亡き後、弥生子が哲学者の田辺元と交流し、たくさんの手紙が交わされたことも
興味深かった。

勉強の機会を与えてもらったことに感謝したいと思う。
本は弥生子ゆかりの「軽井沢高原文庫」にも置かれるという。