何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

元琴光喜関に引退相撲を

2010-08-31 21:48:50 | 思いつくまま
元琴光喜関に引退相撲を=力士会が協力へ 8月31日18時57分配信 時事通信

 野球賭博に関与して日本相撲協会から解雇された大相撲の元大関琴光喜関が東京・両国国技館で引退相撲を開催できるよう、力士会が協力することになった。
 野球賭博関与を認めた力士のうち解雇されたのは琴光喜関だけで、仲間内には同情論が多い。引退相撲の収益は引退力士の収入となるため、現役が取組などに無償で出ることでせんべつ代わりになっており、31日の力士会で「元琴光喜関にも」とまとまった。
 元大関なら国技館で断髪式をする資格はあるが、解雇された場合の扱いは規定がなく、相撲協会は元琴光喜関から国技館使用の申請が出てから対応を検討するとみられる。 
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 このたびの賭博や暴力団関係者とのつながりにおいて、一人、解雇処分となったのが大関琴光喜であった。出場停止により番付が下がっても、解雇されるかどうかで今後において天と地ほどの差がある。自身の問題も含め、相撲界全体を考え、引退が撤回されないのなら、せめて引退相撲~断髪式という“花道”を飾らせてあげたいという気持ちに、ちょっと目頭が熱くさせられた。

 甘いと言われるかもしれない。感情に走っていると言われるかもしれない。しかしこの力士会の提案に対し、私は賛成したい。民間からの署名が必要であるのなら、そこにも協力したい。

 力士達のこの気持ちがあるのなら、きっと自浄作用もあるだろうし、再生も期待できるのではないか。琴光喜の処分に対して何もしようとしないのなら、自己防衛に走るのなら、いよいよ角界は世間から見離されるに違いないと思う。

 国技館に行けないかもしれないが、テレビ報道を通じて、画面の前で労をねぎらってあげたいと思う。
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リーダーが忘れてはならない3つの人間心理

2010-08-31 21:38:18 | Book Reviews
「リーダーが忘れてはならない3つの人間心理」 小阪裕司・著、フォレスト出版、2010年3月19日

p.22 しかし多くの方は人間不信からスタートしている・・・・・人間の根源的な力を発動させるという前提に立っていない方が多いので、いきおい「どうやってヤツらをつべこべ言わせずにやらせるか」という発想になっていくのです。

p.30 「会社にとって、マネジメントとは重要な課題であるが、それが会社の『目的』ではない」

p.32 竹田先生のお言葉を借りると「日本の経営者の多くは、会計から入るのが間違いなんだよ。会計をちゃんとやっていれば会社がうまくいく、そんなことはありえないんだよ」と。もちろん会計はちゃんとやっていないと会社は倒産しますが、会計をちゃんとやっていたって、お客さんがつくれないとだめなんだ、ということもおっしゃっていました。

p.32 やはり企業は人、なんです。

p.34 「人の問題というのは極めて、会社にとっては重要な要件ではあるが、あなたは日々の13%以上のエネルギーを割いてはいけない」ということ。逆に言えば「13%のエネルギーで済む最良の方法を見つけなければならない」ということです。

p.54-5 「神話となる」チームづくりにはまず基本的な三大原則があります。
 その1、それは「『快』と結びつける」。そもそも人は「ワクワクすること」しかやろうとしない。

p.62 どういうときに社員、チームメンバーが変わったか。どういうときに彼らの仕事が「快」と結びついたか。それは「お客さんからありがとうと言われたとき」だと言うのです。

p.63 「賃金を上げることが、実際に社員のモチベーション向上につながるのか」という研究が、組織心理学などの分野では長く行われていますが、賃金を上げることで不満は減少させられるが、満足は与えられない。

p.63 「こういう時代ですから、能力給、成果給を導入することで、成果を上げた人、能力を発揮した人に対して、それなりに報われるという報酬制度は必要だと思う。でも、能力給・成果給を会社に導入することで、モチベーションの高い組織がつくれるかというと・・・・・多くの方はそう思われるが、実際はそうではない」と。

p.64 魂のごちそうとは、「自分の力でなし遂げたことが誰かのためにもなり、そのことに対して与えられたフィードバック」です。これが人にとって最大の「快」なのです。これが人の心にスイッチを入れ、人間の持っている根源的な力を発動させる。

p.71 多くの社員、チームメンバーの心にスイッチを入れる、お客さんからの「ありがとう」。これはもちろん感謝を表わしているのですが、これもまた「ねぎらい」なのです。お客の、心からの「ありがとう」を通じて、あなたのチームメンバーは「あなたが存在してくれてありがとう」という感謝と敬意を受け取るのです。

p.75 「ねぎらい」とは無条件の行為だ、と。「ほめる」というのは条件付きの行為。

p.77 また「よくやった」と言われたい。またお客から、あんなふうに「ありがとう」と言われたい、と思う。
 またあのときのような気持ちになりたい。こうして自分の仕事が「快」と結びついていく・・・・・仕事が「快」を得るための活動になっていくんです。
 言われたからやるのではなくて、やらなければならない。この仕事を、給料をもらっているから、責任を背負わされているから「しょうがないな」と言ってやるのではなくて、自分の「快」のために、やる。

p.81 「たしかにあなたは、人生にもう何も期待できないと思っているかもしれません。けれどもその一方で、人生のほうはまだ、あなたに対する期待を決して捨てていないはずです。あなたを必要とする何か、あなたを必要としている誰かが必ずいるはずです。そして、その何かや誰かはあなたに発見されるのを待っているのです」

p.105 期待を態度にする。
 「あなたにはこういう役割を演じてほしいんだ」というものがなければいけません。

p.143 自分に「快」を感じさせてくれたものに対しては「快」を返す。「快情報→快応答」ということです。

p.148-9 では「(社員に)何に共感してもらうのか」。「売り上げをあげたい」ということでしょうか。少し違います。
 それはあなたの、「この事業をやりたいんだ」「こういう商売をしたいんだ」「この商品をつくって世に広めるんだ」・・・・・そういう衝動、情動です。そういった、心の底から湧き出る「事業欲」に共感してもらうのです。

p.150 いいお客さんとはすなわち、みなさんのやっていること、事業やその理念に共感してくれている顧客コミュニティのメンバーだと言うことができます。そういうお客さんはあなたのもとをなかなか離れませんし、商品んを良く買ってくれますし、口コミや他のお客の紹介もしてくれます。

p.152-3 共感軸を明確にする――そのためには「ビジョン」を描いておくことです。
 「ビジョンとは何か」というと、それはミッション――会社の使命、存在目的、存在意義のようなもの――がより具体化されたもの、視覚化されたものです。
 そして大事なことは、その具体的に描いたものをチームで共有することです。

p.177 だから設定する目標は、みんなが「不可能だ」と思うくらいがちょうどいいんです。

p.190-1 この「乗り越える」ということに関して、大事な条件があります。それは「試練を乗り越える」ときは、彼ら自身の力で乗り越えさせる必要があるということです。
 短気な社長やマネジャーは、つい「こうやれ」って指示してしまったり、場合によっては途中から自分がやってしまったりしてしまいがちですが、そうするとたとえ結果が出ても、彼らは感動しない。「まあよかったね」ぐらいで終わってしまう。スイッチが入ることはないのです。
 ですから、そこをグッとこらえてください。そして、チームメンバー自身で考えさせて、試練を乗り越えさせる。
 でも、最初の試練っていうのは、やはりまだ乗り越え慣れしていない人もいるし、乗り越えるための知識も十分持ち合わせていませんから、たくさんヒントは出してあげないといけない。そういう意味では最初の試練だけは、あなたが99%それを乗り越えるお膳立てをしてもいい。ただし彼らにとって、あなたの言ったことを言った通りやった、という結果ではいけない。彼ら自身が考えて乗り越えていくこと、それが重要なのです。

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信念を貫く

2010-08-30 21:50:29 | Book Reviews
「信念を貫く」 松井秀喜・著、新潮新書355、2010年3月20日

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「Do処方、特変ナシ」から脱却せよ!

2010-08-29 22:51:17 | Book Reviews
『「Do処方、特変ナシ」から脱却せよ!』 川添哲嗣、日経BP社、2010年6月28日


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厚労省と新型インフルエンザ

2010-08-28 09:38:20 | Book Reviews
「厚労省と新型インフルエンザ」 木村盛世・著、講談社現代新書2026、2009年12月20日

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君の思いは必ず実現する

2010-08-27 22:16:38 | Book Reviews
「君の思いは必ず実現する」 稲盛和夫・著、財界研究所、2010年5月21日

p.24 どのとき、大事なことは、幸運であれ、災難であれ、人生で起こるいろいろなことは、神様が与えてくれた試練なのだ、と考えることです。その試練が幸運であったときは、それを「ありがとう」と素直に感謝の心で受け止め、慢心せず、謙虚さを失わず、さらに努力を続けることです。また、その試練が災難であったときには嘆かず、恨まず、腐らず、ねたまず、愚痴をこぼさず、ただひたすらに明るく前向きに努力を続けることです。

p.91 ただ「残るにしても辞めるにしても、ただ漠然と不平不満だけを言っていたのでは、人生というものはうまくいかないだろう」ということは強く感じていました。
 わたしはいまになって、そのように悩みながら、苦しみながら、それでもコツコツと仕事をやっていくというひたむきな努力こそが、やがて偉大なことを成すということを、改めて強く思います。

p.98 目標を定めて、それに向かって努力しているとき、人は「どうしたらいいのか」、あるいが「自分は正しいのか」といったことを、自問自答します。しかし、なかなか答えが見つからず、途方に暮れることがあります。それでも逃げ出さずにひたむきに努力と工夫を続けていると、ふと自分の背中を押してくれるものが必ずあるのです。

p.101 若い人はみんな自分なりに「偉大なことを実現したい」という夢と希望を持つことでしょう。ただし、それは一歩一歩の地道な努力から生まれるということだけは知っていてほしいと思います。実現するための地道な努力をしないで、大きな夢だけを描いていたのでは、それはいつまでたっても夢にとどまっていたままです。

p.101 若いみなさんは「そんな一歩一歩では歩みが遅くて、一生かかったってできないのではないか」と思われるかもしれませんが、そうではありません。一歩一歩の積み重ねが、実は魔法のような相乗効果を生んでいくのです。日々の地道な努力が生む小さな成果こそが、さらなる努力と成果を呼びよせ、いつの間にかあなたを信じられないような高みにまで運んでくれるのです。

p.123-4 みんな生きていくために必死で努力をしているのです。それが自然界の姿であって、努力をするというのは特別なことではありません。生きていくためには当たり前のことなのです。

p.134 わたしはそのような予測がつかない時代においては、習った知識をどれだけ記憶しているかということだけで、優秀とか劣っている、という評価を下すのではなく、その知識をいかに活用するかということに力点を置いた教育が必要だと思うのです。 #RM

p.144 人柄が良いとか人間性が良い、ということは、人間として一番価値が高いものです。少しぐらい知識があるとか創造性が豊かである、ということよりも、もっと大事なのは人間性なのです。

p.149 わたしが考える道徳とは、人間として正しいことを貫くということです。「うそをつくな」「正直であれ」「人に迷惑をかけるな」「人にはやさしくせよ」といった当たり前のことであり、世界のどこでも通用する普遍的なものです。

p.161-2 苦難にぶつかったときに、打ち負かされて世をすね、人をうらやむような生き方を選ぶのか、それとも西郷さんのように、ひたむきな努力を重ね、苦労を乗り越えていくのか、ここに人間として成長できるかどうかの分かれ目があると思います。

p.164-5 「この宇宙はどんな人にも平等に、すばらしい豊かな未来を保証しています。いまはどんな逆境にあっても、どんな不幸に遭遇していても、あなたの未来には輝くようなすばらしい幸運が待っています。それを得ることができるかどうかは、あなたの心次第です」
 「自分の未来には輝くようなすばらしい幸運が待ち受けていることを信じなさい。そして人をうらんだり、ねたんだり、世の中をすねたり、そういう暗い思いは一切持ってはなりません。明るく自分の人生を見つめなさい。希望を燃やしなさい。きっと自分の人生にはすばらしい幸運が待ち受けていると信じて、それを少しでも疑ってはなりません。それを信じて自分の人生を歩みなさい」

p.173 「それはしょうがありませんな、苦労するのは生きている証拠です」
 「災難に遭うのは過去につくった業が消えるときです。業が消えるのですから喜ぶべきです。どんな業があったのかわかりませんが、その程度のことで業が消えるならお祝いせんといかんですな」

p.180 わたしは事業の世界で生きてきましたから、会社経営の話をたとえにしましたが、三毒、つまり欲望、怒り、不平不満の三つが、その人の心を支配したときには、経営だけでなく、どんな人生でも多くの間違いを引き起こしてしまいます。

p.183 忍辱という漢字の意味は「辱めを忍ぶ」ということです。人生においては、人から侮辱されることも、けなされることもあります。そういうときには、人の心を惑わせる煩悩の三毒の一つである怒りが心を支配してしまいがちです。しかしそうなってしまえば、人間はえてして大きな間違いを起こしたりするものなのです。
 だからお釈迦様は、侮辱されることがあっても、辱めを受けることがあっても、耐え忍びなさい、と教えておられるわけです。現在、どんなつらい境遇にあろうと、厳しい環境にあろうと、それに耐え、ひたむきに努力を続けることが、心を磨くことにつながるのです。

p.190 しかし、会社として長い時間をかけてチームを育てていく方針があるにしても、怠けるような人は残すつもりはありません。残っていく選手はよく練習する人、努力する人です。なぜなら、必死で努力する人間しか伸びていかないからです。

p.197 それよりも、もっと大切なことは、その人の人間性です。つまり、あの人はすばらしい人だから一緒に仕事がしたい、ついていきたいと思われるような人間性こそが、もっとも大切なことなのです。

p.204 磨くということは苦労を重ねて頑張るということです。人間ですから、何をやるにしても、ついつい怠けたいという気持ちが心の中にもたげてきます。その怠けようとする気持ちを克服して、自分を鍛えていくことが、心を磨いていくことになります。

p.218 わたしは、人生の目的とは、この世で地位や名声やお金を得ることではなく、自分の心を少しでも美しく磨いていくことだと思っています。
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「ありがとう」と言われる商い

2010-08-26 21:33:28 | Book Reviews
『「ありがとう」と言われる商い 価値を生み出し繁盛するワクワク系商人の道 小阪裕司・著、商業界、2010年6月21日

p.23 物質的に満たされ、多くのサービスや情報に触れている現代のお客さんは、モノやサービスの消費に「心の充足」を求めるようになった。

p.30-1 あるワクワク系の寝具店では、たとえば枕を買いにきたお客さんにこう言うそうだ。「あなたは今日、ぐっすり眠れて、いい目覚めをし、気持ちのいい一日を送る、そういう日々を買いに来たんですよ」モノを売る店と心の充足を売る店との違いは、こういうところに表われる。

p.37 絆づくりが志向するところは、自社・自店の顧客コミュニティを築きあげることである。また、よく誤解されることだが、絆すくりは「囲い込み」ではない。
 ただ、注意したいのは、絆づくりがうまくできるようになっても、動機づけができていないともったいない状況になるということだ。

p.65 お客さんが流出していく最も大きな理由、それは「忘れる」ということだ。
 「忘れる」ことは人にとって当たり前のこと。だからこそ、お客さんを流出させないために最も大切なことは、お客さんにあなたの店を「忘れさせない」ことなのである。

p.66 (お客さんに忘れさせないために)一番大切なことは、お客さんにまめに「接触」することだ。eメールでも何でも、とにかく接触することだ。大事なことは「接触の方法」なのではなかう、「接触すること」なのだ。

p.73 ニューズレターの紙面上で、商品などのセールス(動機づけ)をしてはいけない。セールスと一緒にしてしまうと、どちらの内容も読まれなくなってしまい、どちらの目的も達成できなくなってしまうからだ。 #NL

p.73-4 ニューズレター作成のポイントについて解説しよう。人間関係をつくり、育てるためのニュースレターのポイントは、人間味のあるレターとなっていること。まず、自分自身・店スタッフの人となりや、店の個性が感じられるものであることが大事だ。
 ニューズレターで書くべき内容の主なものは、次の三つだ。
・自分の個人的な情報
・お客さんの声
・お客さんを教育・啓蒙する情報

p.82 ワクワク系の実践には、必要な活動が二つある。二つの活動が両輪のようにそろってこそ、ワクワク系の実践は実を結んでいく。
 車輪の一つは、ここまでお伝えしてきた「絆づくり」、優良な顧客コミュニティをつくり育てること。そしてもう一つの車輪が「動機づけ」である。

p.82-3 絆づくりの活動をきちんと行い、いい顧客コミュニティを育んでいたとしても、お客さんに動機が生まれるのを待っているだけでは、お客さんはあなたの期待どおりに買物をしてくれるとは限らない。だからこそ、あなたからの積極的な働きかけで、「行きたい」「買いたい」という気持ちを生むことが大切なのだ。

p.91 どんな場合でも、チラシ、POPなどお客さんの目に触れるすべてのものは、お客さんに対してメッセージを発信しているという意識を忘れずに、動機づけのメッセージを考えることが基本だ。
 その際には、メッセージを送るお客さんを想定し、そのお客さんの「快・不快」の視点、あるいは「買う理由」の視点などから、動機づけのメッセージを探っていってほしい。

p.96-7 お客さんが毎日来たくなる店とは、そこに行くたびにささやかな発見と驚きがあり、飽きない店だ。そうなるために必要なことは三つある。
 1.いつも少しだけ変化している
 2.いつもお客さんの期待を少しだけ上回る
 3.お客さんにとってストレスがなく、心地よい

 変化は小さくていい。むしろそれがいつもあることによって、お客さんには次回来店への期待感が生まれるのである。

p.100 思いがけず、喜ばしい驚きを与える――これが、印象深い、感動を呼ぶ、そして「いつもお客さんの期待を少しだけ上回る」ためのポイントだ。
 「お客さんを感動させる」というと、特別なプレゼントを用意したり、多額の経費をかけることを思い浮かべがちだが、その必要はない。むしろ、お金がかからないものこそ、真にお客さんを感動させるんだと。

p.141 儲けるために働くのではなく、地域を豊かにし、感性に磨きをかけるために儲ける――それが達成されたとき、共和堂は感性豊かな地域創造集団い成長しているに違いない。

p.213 彼らは商品を買いたいのではなく、買いたいものは「事件や冒険」だった。その「楽しみ」、それによって「生活に別の次元を加えてくれる経験」を手に入れたかったのだ。

p.217 お客さんが知りたいことは、「どうすれば私の望みが叶うのか」。そして望みは今、「心の充足」。朝起きてから夜寝るまでを、いつもワクワクした気持ちで過ごしたい。この望みを叶えてあげること――これが商売の原点だ。

p.218 商人とは、お客さんが毎日をワクワク過ごすために、何によって、どうすればそれが手に入るのか、それを教える「師」だ。

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社長になる人に知っておいてほしいこと

2010-08-25 17:50:36 | Book Reviews
「社長になる人に知っておいてほしいこと」 松下幸之助[述]、PHP総合研究所[編]、PHP研究所、2009年9月11日

p.16 だからいちばん熱心にやる。そうすると部下が熱心にやっている社長の姿を見て、なんとかわれわれもやってあげないといかんというとえ、期せずして皆がよく働くようになる。

p.17 窮状に陥っても悲観しないことです。

p.22-3 百人の人を緊張させて、大いに成果をあげようと思えば、あなたの活動をjはたの人が見て“気の毒な”というようにならんといかんでしょうな。
 そのための一つの方法として、あなたが意見を求めるということをしきりにやらないといかんですね。つまり、皆に相談して、皆がそれに関心をもってやるという方法がいいのではないかと思いますね。

p.28 “これはこんなものだろう、これでいいだろう”ということで、みずから限界をつくってしまえば、一歩も進歩することができないだろうと、進歩は無限であるというふうに考えてそれと取り組んでいけば、際限なく私は進歩していくと思うんです。

p.32 小便が赤くなるほどの心配をしたことがあるか。それほどに熱心に社業に取り組んでいるか。その真剣さなくして、奇跡は起こらない。

p.36 (さまざまな人を束ね、力強い指導を行っていくために、最も大切なものは)その会社の使命感に立つということが大事でしょうな。

p.45 ぼくは、誠実なものを売って、儲けさせてもらうというのは第二のことで、第一は、より必要なものを運ぶことだと思う。

p.48 商売人はやはり儲けることの適格者やないといけないですね。

p.59 結局社会と関連して、相互の生活を向上させることに一つの使命がある。商売であがった利益は、法律上は個人のものであるけれども、しかし実質的には社会の共有財産である。したがってその一部は自分の良識で使うことが許されるけれども、大部分は社会から預かった金である。その事業をもっとたくさんするために、という意味で預かった金だ、と解釈したんです。

p.62 経営者として最後の決断を下すのは実に孤独な仕事ですね。
 日常の小さな決断はそれ(損得)でもいいけれど、最高戦略はそれだけではいけない。やはり何が正しいかということに立脚することが大切ですし、その根底をなすものは正しい経営理念ですね。常にそれに照らして判断を下すということです。

p.66-7 結局、私は経営者たるものは、常に目標を与えなければいけないと思います。そうすれば、人の性は善良でありますから、基本的に間違いがなければ賛成してくれると思うんですね。
 そのことに誤りがなければ、目標を掲げることによって、人心はそれに集中させられます。そこによどみというものがなくなっていくんやないかという感じがしますね。

p.80-1 もちろん、雑音も聞かないといかんですよ。雑音を全部遮蔽してしまうと、それは独断になる。ただ、雑音にとらわれないようにする。雑音の聞き分けですな。それができない経営者だと、これは具合が悪い。雑音を聞き分けられないと誤診することになる。経営者としての誤診は会社に損をかける。その意味で、経営者は、雑音も聞きながら、それを聞き分けることで、初めて正しい決断が下せる。

p.91 知識を使うのは人間自身である。だから知識が発達すればするほど、それを使いこなして好ましい人間生活にマッチするように、知恵そのものを高めていくということをしないかぎりは、すべて災いの剣となる。

p.102 やはり人間が第一である。人間のために組織がある。組織のために人間があるのではない。それに徹しないから、間違いを起こしてしまう。

p.107・109 私は人使いのコツがもしあるとするならば、誠心誠意ということを考えてその人と接していくほかないと思いますが、さらに具体的にいうと、その人の長所を多く見るということが大事やと思うんです。
 長所に六分、短所に四分、目のつく人なら、だいたいは使えると思います。

p.110 つくる人がいて、売る人がいて、買う人がいる。供給者と需要者のあいだには“見えざる契約”がなされている。その契約に、はたして忠実な仕事ができているだろうか。

p.114 あなたのご商売は、あなたの店のものであるか、あなたの店のものであると同時に社会のものであるかどうか、お得意先のものであるかどうか。公共性をどれほどあなたがおもちになるかということによって、その決心はできるはずですよ。

p.116 商売をやっていると、商品を吟味して、自信をもって販売するのですが、当然買う人の身になって考えないといけません。お得意先の仕入れ係になっているんだという心がけが必要です。そうすると、得意先は何を必要とされているか、どういう程度のものをどれほどほしがっておられるか、品質はどうか、値段はどうか、量はどれくらいか、いつ仕入れたらいいのか、そういうことを考える。それが仕入係の役目です。そうして考えていくと、お得意さんの意にかなうように、商品を勧めることもできるようになるわけです。 #generic

p.119 「それなら結構や。ぼくも値切ることは値切ったが、きみに損をさせたり、儲からないようにはしたくない。そんなことしたら、長続きせんからな」

p.135 第一、ぼくが使われる立場に立ったとき、怖いオヤジさんやったらかなわんもの。やはり、何でもものが言える人、そしてある程度理解できる人、全部理解できなくても、ある程度理解できる、そういう感じの主人のほうが仕えやすいものね。
 結局、部下なら部下がぼくに対して、“安心感”をもつかどうかということでしょうな。
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こころから感動する会社

2010-08-24 21:48:04 | Book Reviews
こころから感動する会社 この目覚ましい中小企業の底力を見よ! 泉谷渉・著、亜紀書房、2009年9月20日

p.15 現状における売上・人員などの企業規模だけで、その会社を評価することは、唾棄すべきことだとの思いがある。

p.21-2 「すばらしい高付加価値商品・サービスを生み出すのは、常に人である。そして人は、環境で育てられる。環境とは、企業文化のことを言う。人を育てる環境を維持し、成長を続けるために、企業文化として定着するまで、嫌になるくらい徹底して動機付けをすることだ。これが経営者の仕事なのだ」

p.23 尊敬できる企業とは、徹底的に人を育て上げる文化を持つ企業である。市場機会をとらえ、商品をつくる前にコンセプトシートがつくれる人材を育てることが重要だ。

p.34 せっかく神様が社員たちに多くの暇な時間を与えてくれたのだから、ここはエデュケーションしかないと考えた。大不況の今こそ、社員に教育投資すべきなのだ。

p.41 櫻井社長は、10年前に「感動する会社」をつくりたい、とひたすらに考えた。社員が感動する。お客様が感動する。下請けなどの協力企業が感動する。この三方に感動がなければ、企業としての魅力がないと考えたのだ。

p.60 企業は人がすべてだ。言い換えれば、人の創造力がすべてだ。技術的な教育も重要であるが、人間として必要なマナー、礼儀、さらには文章をきちんと書けることが必要だ。

p.63 吉田松陰は、士農工商という江戸時代の身分制度の下にあって、「それでも勉強することに差別はない」と教えた。

p.91 『成熟期にシェア拡大を狙う投資はまったく無駄金』、成長期と比べて成熟期には投資の回収が格段に難しくなるので、大型の投資はできるだけ控えたい。

p.184 社員にいつも言っていることは、顧客が出せない仕事を取ってこいということだ。つまりは、外注に出してもいいという程度の仕事は、重要度が薄いわけであり、そんなものを取っても意味がない。とても外注さんには回せないものですよ、というコアに近い仕事を取ってくることこそ、賞賛に値すべきなのだ。

p.210 日本においては、工業製品をつくるメーカーの人たちは、みな口をそろえて、「お客様の喜ぶ顔が見たい」と言う。これが外国企業ならば、製品が売れて、ばくばくと儲かり、高笑いする自分の顔が見たい、ということになる。つくった製品はともかく、極端なことを言えば、儲かりさえすればよいのだ。品質が悪かろうとも、お客様が喜ばなくとも、儲かればよい。

p.213 この本で一番聞きたかったことは、会社は何のために存在する、ということだ。ほとんどのカンパニーが、「それはお客様の感動のためにある」と、明確に答えたのだ。そしてまたこうも付け加えた。「どこまでも、どこまでもロマンを追っていきたい」
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「いのちの授業」をもう一度

2010-08-23 21:27:41 | Book Reviews
「いのちの授業」をもう一度 がんと向き合い、いのちを語り続けて 山田泉・著、高文研、2007年5月25日
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素直な心になるために

2010-08-22 16:42:01 | Book Reviews
「素直な心になるために」 松下幸之助・著、PHP文庫、2004年4月19日

p.15 (人間同士が争うという)こうした不幸な姿というものは、いったい何が原因で生じたのかというと、もちろんそれはいろいろ複雑なものがあって一言ではいえないであろうと思います。けれども、やはり一つには、お互い人間が利害を争い、欲望にかられて、ねたんだり、憎んだりした結果、そういう不幸な姿が生じたという場合が多いのではないでしょうか。

p.17 素直な心とは、私心なくくもりのない心というか、一つのことにとらわれずに、物事をあるがままに見ようとする心といえるでしょう。

p.20 特別の修行をした特別の人だけが素直な心になれるというものではない。この素直な心になることをつねに心がけ、自分なりに工夫をこらし、実践につとめていけば、だれもが素直な心になれるということです。

p.32 素直な心になったならば、もちろん私心は働くけれども、それにとらわれることなく、他の人びとのことも十分に配慮する、というような姿になると思うのです。

p.76 ただ大切なことは、なすべきことは私心をはなれて断固として行う、ということです。

p.155 なぜ、素直な心がないとムダや非能率がふえてくるのか。これは一つには素直な心がない場合には、お互いに調和する心、譲りあう心といったものが低調になるからではないでしょうか。
 素直な心がなければ、それぞれが自分の立場とか利害得失にとらわれがちになるでしょう。そうすると、やはりどうしても相手に対する配慮もうすくなってしまいます。

p.208-9 つまりお互いに、相手が自分の考えに従わないから、自分の考えに反対するから、自分を軽視して認めようとしないから、自分の利益にならず害になるからとか、あるいは自分から見て明らかにまちがっているから、自分の気にくわないことをするから、などといった理由によって、相手を憎んだり非難したりするわけです。

p.210 相手がまちがっているというその相手の考えというものも、それは全面的に否定し排除されるべきものではない、ということです。つまり、どのような考えであっても、とり入れるべき何らかのものはもっていると思うのです。そしてそう考えるほうが、あらゆる考えを有効に生かしていくという好ましい姿にもつながりやすいのではないでしょうか。

p.215 すなわち、悪というものに対する対処のしかたというものは、基本的にいって悪の存在をあるがままに認めた上で、これを適切に処遇しつつ共同生活の中に包容するというか、許し入れておく、というようなところにあるのではないかと思うのです。
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「また会いたい」と思われる人の38のルール

2010-08-21 23:19:50 | Book Reviews
『「また会いたい」と思われる人の38のルール』 吉原珠央・著、幻冬舎、2009年10月10日

p.16 「反応がよい」というのは、簡単に言うと、「思いやりをうまく表現できる」ということなのです。そういう人は、その場の空気(雰囲気)をさわやかに変えてしまいます。空気が変われば、お互いに話がしやすくなったり、信頼できるようになったりするわけです。

p.17 反応というのは、相手や状況に合わせて意識的に行なうべきものであり、また反応には目的をこめるべきです。

p.22-3 自分が言うことも態度もポジティブであれば「私にはもっと可能性がある」「私にはできる」といったよい洗脳を自身でしていることにもなるのです。それを見ている周りの人たちは、輝いている運のよい人にひかれて、寄ってきます。仲間になりたいと思うので、似たような人たちが集まってくるでしょう。

p.42 どのように相手の欲求ポイントを見極めればいいのでしょうか。それはずばり、相手が会話の中でよく使う言葉=キーワードをうまくとらえることです。

p.51 聞き手に感謝しながら、聞き手の反応を感じて、それに応えながら話をして、聞いていた相手が本音で満足して、初めて「話を聞いてもらえる人生」となるのです。

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もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2010-08-20 20:43:07 | Book Reviews
もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海・著、ダイヤモンド社、2009年12月3日

 どのビジネス書を読むにしても、自身の置かれている状況に当てはめながら、どこまで応用できるかを考えながら読むだろう。高校野球のマネージャーの観点からドラッカーの「マネジメント」を当てはめてはいるものの、同じようにわれわれが「マネジメント」をどこまで活用できるだろうか。

 結果とプロセスについては、参考になる。やるからには結果につながるのが好ましいことはいうまでもないが、だからといって結果さえ出ていればプロセスはどうでもいい、適当でいいというわけではない。
 プロセスを大切にすることも重要だが、あまりにも結果との乖離が続くようでもいけない。結果との距離を参考にしながら、プロセスの持つ意味を理解したうえで、最善を尽くすことになるのだろう。

 調剤において、事務スタッフによる入力ミスに関連し、入力ミスがあってもその後のプロセスで十分カバーできる。カバーできるからといって、事務スタッフはテキトーに入力をして次に引き渡していていいわけではない。できる限りの知識と技術を発揮することに務めることだ。その結果をみて、さらに改善につなげることが重要だ。 #RM

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なぜこの会社はモチベーションが高いのか

2010-08-19 22:05:18 | Book Reviews
なぜこの会社はモチベーションが高いのか ~働く皆が幸せな会社~ 坂本光司・著、商業界、2009年9月25日

p.2 筆者はこうした「ヒト」であれ「人材」であれ、社員を他の経営要素、経営資源と並列に扱うような経営の考え方・進め方には反対です。また筆者は「人材」という文字も嫌いです。材料ではあるまいし、「人財」という文字を使うべきなのです。
 というのは、「モノ」であれ「カネ」であれ「技術」であれ、はたまた「情報」であれ、人財である社員がつくり、利活用する経営要素、経営手段だからです。加えていえば、好況を持続するのも、また不況を克服するのも、その唯一の経営資源は、新しい感動的価値の創造的担い手である人財をおいて、他には存在しないからです。まさに企業の盛衰は、人財の有無やその優劣にかかっているといっても過言ではありません。

p.3 業績不振の企業のリーダーたちは、これとは逆に、自社の業績を高めることや、会社を成長発展させることこそ自身の最高・最大使命と勘違いし、まるでアメとムチを社員の目の前にぶら下げたような、社員への愛や社員の幸福を実現しようという気持ちがまったく感じられない経営を実践してきたのです。

p.13-4 「企業の業績が高い結果として、高賃金が支給され、また福利厚生も充実し、その結果として社員のモチベーションが高まるのでは・・・・・」と、疑問を持つ読者もいるかもしれませんが、それは誤解です。

p.14 私は不況という経済現象は、いつの時代も経営者や社員という内部人財と顧客という外部人財の「2人の人財」によって人為的に創られるものと、いつも理解認識しています。というのは、ミクロである企業の不況とは、時代・顧客が求める新しい感動的価値の創造力や提案力が低下、あるいは比較劣位化することにより訪れるからです。

p.14 また欺瞞に満ちた経営や人を犠牲にしたような経営を行う人々に対する買い控え運動によっても、ミクロ、つまり企業の不況は訪れます。まさにミクロである企業の不況は、時代・顧客が求める新しい感動的価値の創造的担い手たる社員と、そのサービスを受ける顧客のモチベーションの低下によりもたらされるといっても過言ではないのです。

p.17 このように売上高の動向別で見ても経常利益率の動向別で見ても、社員のモチベーションが高い企業ほど、その業績も高く、逆に社員のモチベーションが低い企業ほど、その業績も低いということが分かります。その意味では経営者をはじめ組織のリーダーたちは、企業の業績を高めることを最優先した経営を行うべきといえます。

p.22 一般社員への「職場ではどんな時に一番生きがいを感じますか」という設問に対し、最も多かったのは「仕事が面白いと感じる時」28%、以下「自分の仕事を達成した時」23%、「自分が進歩・向上していると感じる時」17%、そして「自分の仕事が重要だと認められた時」12%と続いています。一方「賃金・福利厚生等が良い時」や「昇進する時」は、いずれもわずか1%程度となっているのです。

p.32 「社員の情報を正直に公開できない企業が、お客さまに対して正直でいられるはずがない」というのが上田社長の持論です。

p.56 伊藤社長の願いは「社員の夢を叶えられる会社にしたい」ということ。日本電鍍工業を「100年企業」にして、皆が安心して勤められる会社となればよいと考えています。

p.61 「私たちは病院規模を拡大せず、小規模経営に徹してきました。それは最終的には医療の質を維持するためですが、もう一つは職員と患者様全員の顔が見え、コミュニケーションを保てる人数の限界という意味で現状の規模にこだわりたいというのが経営者としての私の哲学であり、信念でもあるのです」

p.61 「成長よりも成熟が大切です。小規模であっても社会的価値を創造し続けることができる病院として充実していくこと。この時代に生き残っていくためには人が集う病院、人を引きつける病院、いわゆるマグネットホスピタルになっていくことが必要です。まずは職場としての魅力を備え、働く人たちに納得し、満足してもらえる環境をつくること。そして『ここで働きたい』と思われる病院になること。病院の質は規模の大きさでは決まりません。」

p.63 「待遇などの条件だけで仕事をする人は経営者がどんなに心血を注いで想いを語りかけても結局、組織に定着させることはできません。雇用条件によって職場を選ぶような価値基準の異なる人を採用していては職員が定着しない悪循環から脱することは難しいのです」
 であるならば価値観を共有できる人の採用に徹底的にこだわろうということです。

p.67 「仕事とは人に感動を提供すること」

p.86 「働くスタッフが不満を抱え楽しさを感じられずに働いていたら、美味しい菓子をつくったり、良い接客ができるわけがない」

p.89-90 それでもオープンキッチンにこだわる理由は、パティシエにお客様を感じてもらいたいからです。どんなお客様が自分の作ったお菓子を食べてくれるのか、そのお客様がどのような表情で買いに来るのか、どれだけ楽しみに待っていてくれるのかを実際に見てもらうことが大切だと考えるからです。

p.96 教える教育ではやるべきことを指示されるため「なぜ、それを行うのか?」という本質を理解しないまま行います。そのため作業をすること自体が仕事となってしまいます。それではいつまでたってもやらされ感が抜けず仕事を楽しめません。 #edu

p.109 「伝統とは革新の連続」

p.122 課題としては田島社長曰く「経営理念を納得して理解し自らの行動で示してくれる」「周囲の人が喜んでくれることが仕事の上で最大の喜びと理解する」スタッフをどれだけ増やせるか、どれだけ社内に浸透できるかだといいます。

p.133 「夢をあきらめるな!バカとよばれてもいいじゃないか!(Stay Hungry. Stay Foolish)」

p.182 「社員が成長すれば、お客様が喜ぶ。お客様が喜べば、会社の売上や利益が上がる。会社の売上や利益を気にするのなら、社員の成長を気にすれば良い」


p.190 管理職はその組織がお客様の満足と幸せのために果たすべき使命・役割を部下に対して、明確に示さなければなりません。そしてその実行に際しては、可能な限り権限の委譲を行い、部下が常に最高の状態、最善の方法で職務に専心できるよう良い環境を準備するとともに、継続的にサポートしなければなりませrん。そして部下が成長したならば、邪魔にならないようにしなければなりません。

p.190-1 社員のモチベーションが高い企業においては、好不況にかかわらず人財の育成に注力しているばかりか、より人財たらんと意気込む人々をあらゆる機会をとらえ、発掘・発見する努力をしているのです。そして、こうした社員にこそチャンスを与え続けていくのです。

p.191 モチベーションの高い企業や組織、さらにはその結果としての業績の高い企業には、もともと優秀な社員、モチベーションの高い社員が豊富にいたわけではなく、普通の社員をモチベーションの高い人財に変身させてしまう魅力的なトップとミドルの存在と見事な組織風土・企業文化が形成されているのです。
 しかしながら一方、社員のモチベーションの低い、その結果として業績が低い企業においてはこのことがまったく逆で、せっかく人財たらんと意気込む社員が自身の目の前にいるにもかかわらず「管理」という名の冷たい刃物で、みすみすそのやる気を削いでしまっているのです。

p.192 「株主等出資者」を追求すると、どうしても短期の業績に目を奪われ、「社員とその家族」「社外社員とその家族」(外注企業・下請企業)「現在顧客と未来顧客」「地域住民」への思いが弱くなってしまうのです。

p.195 仕事に対するやりがいを簡単にいうと、「仕事を通じて、自身の成長が確認できる」とか「自分が担当している仕事が真に世のため、人のために役だっているという実感がある」とか、さらには「主体性を持って、仕事に取り組んでいる」といった状況です。

p.203 経済的にはある程度豊かさを手に入れた社員は、今やお腹を満たす制度や社内競争激化させる制度ではなく、心を満たす制度の方がより重要と判断しているのです。
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論語と算盤

2010-08-19 00:04:59 | Book Reviews
現代語訳 論語と算盤」 渋沢栄一・著、ちくま新書827、2010年2月10日

p.8-9 もともと「資本主義」や「実業」とは、自分が金持ちになりたいとか、利益を増やしたいという欲望をエンジンとして前に進んでいく面がある。しかし、そのエンジンはしばしば暴走し、大きな惨事を引き起こしていく。だからこそ栄一は、「実業」や「資本主義」には、暴走に歯止めをかける枠組みが必要だ、と考えていた。

p.9-10 栄一は、この『論語』の教えを、実業の世界に植え込むことによって、そのエンジンである欲望の暴走を事前に防ごうと試みたのだ。

p.29 自分も驕らないようにし、相手も侮らず、お互いに信頼し合って隙間風の吹かないようにとわたしは努めている。

p.35-6 わたし自身が逆境に立たされたとき、自分でいろいろ試し、また何が正しい道筋なのかという観点から考えてみたことがある。その内容をここで明かしてしまうと、それは逆境に立たされた場合、どんな人でもまず、「自分の本分(自分に与えられた社会の中での役割分担)」だと覚悟を決めるのが唯一の策ではないか、ということなのだ。現状に満足することを知って、自分の守備範囲を守り、「どんなに頭を悩ませても結局、天命(神から与えられた運命)であるから仕方ない」とあきらめがつくならば、どんなに対処しがたい逆境にいても、心は平静さを保つことができるに違いない。
 「人にはどうしようもない逆境」に対処する場合には、天命に身をゆだね、腰をすえて来るべき運命を待ちながら、コツコツと挫けず勉強するのがよいのだ。

p.66 物事の善悪や、プラス面とマイナス面を見抜けないような人では、どれだけ学識があったとしても、よいことをよいと認めたり、プラスになることをプラスだと見抜いて、それを採ることができない。

p.66-7 「智」ばかりで活動ができるかというと、決してそうではない。そこに「情」というものがうまく入ってこないと、「智」の能力は十分に発揮されなくなってしまう。

p.70 単に自分の財産とか、地位とか、子孫の繁栄といったものは二の次にし、もっぱら国家社会のために尽くすことを考えている。なので、人のために考え、善行を心がけ、人の能力を援助し、それを適所において使いたいという思いを、はちきれんばかりに持っている。この心がけが、世間の人から誤解を招くことになったそもそもの原因かもしれない。

p.81-2 こんな場面(単純に割り切れないこと)に陥ったなら、相手の言葉に対して、常識に照らし合わせながら自問自答してみるとよい。こうすると「相手の言葉に従うと、一時は利益を得られるが、あとで不利益が起こってくる」「この事柄に対しては、こうきっぱり処理すれば、目先は不利でも将来のためになる」といったことが、はっきりわかってくるものである。

p.88-9 人というものは往々にして、その仕事が自分の利害には関係のない他人事だったり、儲かっても自分が幸せにならず、損をしても不幸せにならなかったりすれば、その事業に全力で取り組もうとしない。ところが自分の仕事であれば、この事業を発展させたいと思い、実際に成長させていく。これは争えない事実なのだ。
 しかし一方で、そういった気持ちが強すぎ、他人に勝とうとしすぎたり、世の中の空気や事情を読まないままに、自分さえよければいいという気持ちでいたりしたら、どうなるだろう。必ず自分もしっぺ返しをくらい、一人で利益を上げようと思ったその自分が、不幸に叩き落とされてしまうのだ。

p.89 「物事を進展させたい」「モノの豊かさを実現したい」という欲望を、まず人は心に抱き続ける一方で、その欲望を実践に移していくために道理を持って欲しいということなのだ。その道理とは、社会の基本的な道徳をバランスよく推し進めていくことに外ならない。

p.93 「まっとうな生き方によって得られるならば、どんな賤しい仕事についても金儲けせよ。しかし、まっとうでない手段をとるくらいなら、むしろ貧賤でいなさい」ということになる。やはりこの言葉の一方の側面には、「正しい方法」ということが潜んでいることを、忘れてはならない。

p.99 人情の弱点として、利益が欲しいという思いがまさって、下手をすると富を先にして道義を後にするような弊害が生まれてしまう。それが行きすぎると、金銭を万能なものとして考えてしまい、大切な精神の問題を忘れ、モノの奴隷になってしまいやすいのだ。

p.102 お金の本質を本当に知っている人なら、よく集める一方で、よく使っていくべきなのだ。よく使うとは、正しく支出することであって、よい事柄に使っていくことを意味する。

p.141 「致良知(ちりょうち)――心の素の正しさを発揮する」といった考え方は、すべて自分を磨くことを意味している。自分磨きは、土人形を造るのとはわけが違う。自分の心を正しくして、魂の輝きを解き放つことなのだ。自分を磨けば磨くほど、その人は何かを判断するさいに善悪がはっきりわかるようになる。だから、選択肢に迷うことなく、ごく自然に決断できるようになるのである。

p.144 何にせよ、社会に生きる人々の気持ちが利益重視の方向に流れるようになったのは、およそ世間一般から人格を磨くことが失われてしまったからではないだろうか。
 もしかりに国民の頼りとするべき道徳の規範が確立し、人々がこれを信じながら社会のなかで自立したとしよう。そうすれば、人格はおのずから磨かれるようになる。その結果、社会のことを考えるのが大きな流れとなり、自分の利益だけを追求すればよしといった風潮はなくなるであろう。

p.157-8 そもそも何かを一所懸命やるためには、競うことが必要になってくる。競うからこそ励みも生まれてくる。いわゆる「競争」とは、勉強や進歩の母なのである。しかしこれは事実である一方、「競争」には善意と悪意の二種類があるように思われる。踏み込んで述べてしまえば、毎日人よりも朝早く起きて、よい工夫をして、知恵と勉強とで他人に打ち克っていくというのは、まさしくよい競争なのだ。しかし一方で、他人のやったことが評判がよいから、これを真似してかすめ取ってやろうと考え、横合いから成果を奪い取ろうとするのは悪い競争に外ならない。

p.164 「一個人の利益になる仕事よりも、多くの人や社会全体の利益になる仕事をすべきだ」という考え方を、事業を行ううえでの見識としてきたのだ。そのうえで、多くの人や社会全体の利益になるためには、その事業が着実に成長し、繁盛していくよう常に心がけなければならない。

p.168 およそ人として、その生き方の本筋を忘れ、まっとうでない行いで私利私欲を満たそうとしたり、権勢に媚びへつらって自分が出世しようとするのは、人の踏むべき道を無視したものでしかない。それでは、権勢や地位を長く維持できるわけではない。

p.181 「信用こそすべてのもと。わずか一つの信用も、その力はすべてに匹敵する」

p.218 現代の人の多くは、ただ成功とか失敗とかいうことだけを眼中に置いて、それよりももっと大切な「天地の道理」を見ていない。彼らは物事の本質をイノチとせず、カスのような金銭や財宝を魂としてしまっている。人は、人としてなすべきことの達成を心がけ、自分の責任を果たして、それに満足していかなければならない。

p.219 とにかく人は、誠実にひたすら努力し、自分の運命を開いていくのがよい。もしそれで失敗したら、「自分の智力が及ばなかったため」とあきらめることだ。逆に成功したなら「知恵がうまく活かせた」と思えばよい。成功したにしろ、失敗したにしろ、お天道さまからくだされた運命にまかせていればよいのだ。こうして、たとえ失敗してもあくまで勉強を続けていけば、いつかはまた、幸運にめぐまれるときがくる。

p.220 人生の道筋はさまざまで、時には善人が悪人に負けてしまったように見えることがある。しかし、長い目で見れば、善悪の差ははっきりと結果になってあらわれてくるものだ。だから、成功や失敗のよし悪しを議論するよりも、まず誠実に努力することだ。そうすれば公平無私なお天道さまは、必ずその人に幸福を授け、運命を開いていくよう仕向けてくれるのである。
 正しい行為の道筋は、点にある日や月のように、いつでも輝いていて少しも陰ることがない。だから、正しい行為の道筋に沿って物事を行う者は必ず栄えるし、それに逆らって物事を行う者は必ず滅んでしまうと思う。一時の成功や失敗は、長い人生や、価値の多い生涯における、泡のようなものだ。
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