「逆説の仕事術」 鳥内浩一・著、マガジンハウス、2009年7月23日
p.23 しかし、一つ理解しなければいけないのは、消費者は、あなたの商品の魅力を簡単にわかってくれるほど「賢く」はないということです。まったく知名度のない人が、今までにない素晴らしい商品を考えました、作りましたと言っても、圧倒的多数の人にとっては、まったく説得力のない話としか思えないのです。
p.25 つまり、どこの誰かもわからない「得体の知れない」人物が、なじみのない「得体の知れない」商品を売っても売れないということです。ところが、なじみのある商品であれば、「得体の知れない」人物が売っても売れるし、売っているのがよく知っている人であれば、「得体の知れない」商品であっても売れる、ということです。
p.26 結局、「売る人」か「売る商品」のどちらかにブランドや信頼感がないと、売るためのハードルが非常に高くなることになります。商品がいい悪いではなく、消費者がすでにその商品に対して持っている知識や、抱いているイメージが、その商品を買うか買わないかを決める重要な要素になってしまうのです。
p.58-9 二宮尊徳が「遠きを図るものは富む」と言っているように、ビジネスを長い目で見て、収益化することを最初から急がずに、まずは集客に徹する。そして、より多くのお客様と最初の取引を始めるために、最初の取引のハードルはとことん下げる。割りに合わないかもしれませんが、最初は収益を捨て、お客様がNOと言うよりYESと言うほが簡単な提案をするのです。そして、期が熟したら収益を得ればよいのです。そういう広い目、長い目で商売を捉えていく必要があるのです。
p.70-1 参加者たちが唯一関心を持つのは、このセミナーに参加することでいったい何が得られるのか、いったいどんな得があるのか? ということだけです。それがなければ、どれだけセミナーの素晴らしさを説明したところで、顧客の心をつかむことはできません。そんなことは、彼らにとってはどうでもよいことなのです。
p.73 顧客が商品に対価を払うのは、その商品が提供するベネフィットに対してだからです。あなたが売っているのは商品ではなく、その商品を購入することによって顧客が最終的に得られる変化や結果、つまりはベネフィットなのです。極論すれば、顧客にとっては、望む結果が得られるのであれば商品は何でもかまわないのです。
p.75 あなたの顧客は自分自身のことについてしか興味はありません。だからこそ、顧客にどう貢献できるか、どんなベネフィットを提供できるかに集中する必要があるのです。
p.77 ベネフィットの質にも機能的・物質的なものと感情的・情緒的なものの2タイプがあります。
p.85 誰だって最高の買い物をsたいと思っています。高額な商品、一生に一度の商品ならばなおさらです。あなたが相手のニーズにしっかり応えられる資格があること、それが他の誰にも真似できない、あなただけが提供できるものであることを相手に客観的に伝え、安心感を与える必要があるのです。
p.86 顔が見えないチラシや広告、インターネットでは、特にこの「信じない」の壁がより高く立ちはだかります。海のものとも山のものとも知れない、それが顧客の本音です。もとよいあなたの言っていることを、顧客は疑ってかかっているという前提で考える必要があります。
p.87 この「信じない」の壁を乗り越えるために伝えるべきこと、どこかで見覚えがありませんか? そうです。「特徴」に他なりません。顧客にあなたの話を信用してもらうために、ベネフィットと特徴をワンセットで伝える必要があるのです。そしてその特徴は、あなたの独りよがりな自慢ではなく、顧客にとってのベネフィットを証明する客観的な事実である必要性があるのです。
p.112-3 商品起点の発想を顧客起点の発想に切り替えるのです。多くの人は、「どうやったら売れる商品が作れるか?」を考えるときに、「自分の商品に人々が求めているのは何か?」というように、商品を中心に発想を組み立てっていくことが多いと思いますが、これでは新しい切り口はなかなか生まれてきません。大切なのは、「顧客が一般的・普遍的に求めているのは何か?」を考える発想です。
p.113 このように顧客が普遍的に抱いているニーズを捉えるために有効なのが、顧客のポケットシェア、タイムシェアを分析するという方法です。つまり、顧客が普段何にお金を使っているか、何に時間を使っているかを調べてみるのです。そして、顧客がお金や時間を使っている商品やサービスが満たしている、顧客のニーズに着目するのです。その中に、顧客が持っている普遍的なニーズが隠れているはずです。そして、そのニーズを自分の商品で満たすことはできないか? を考えてみてください。
p.139 顧客は商品を買っているのではなく、商品を購入することで最終的に得られる結果に対して対価を支払っているのです。顧客は、本当は何がほしくてあなたの商品を買ったのか? いったいその商品に何を求めたのか? 顧客の真のニーズに応えるためには、そこを考えなければならないのです。
p.140-1 顧客である百貨店は、化粧品がほしくて(化粧品メーカーの営業マンである)あなたから化粧品を買うのでしょうか? そうではないはずです。百貨店側からしてみれば、「売れる化粧品」が欲しいということなのです。さらにいえば、化粧品を通して得られる売上が欲しくて、あなたから化粧品を買うのです。だから、彼らにとっての関心、興味、本当のニーズというのは、化粧品を通して得られる売上です。つまり、その化粧品がどのくらい売れる商品なのかということに興味がある。どうやったらその化粧品が売れるのかということに興味があるのです。
p.142 価格以外での付加価値を提供することで、値下げ圧力を跳ね返すことができるのです。
p.144 どうしてもコンサルタントに頼らざるを得ない。つまり、社内ではできないことをやってくれるからこそ価値が高いのです。そういった利益に直結すればするほど、自分たちにはできないことになればなるほど、顧客が求める結果に近づけば近づくほど、より高い報酬というものを正当化しやすくなります。だからこそ、値下げ圧力を跳ね返して、高い報酬を取ることができるのです。
p.185 効果的なマーケティングにおいて2ステップアプローチが必要になる理由は、最初から何か商品を買おうとか、自分に今何か解決すべき問題があるなどと思っている人はほとんどいないからです。
ですから、まず最初に、顧客に自分のニーズや欲求に気付いてもらうことから入っていく必要があります。
p.186-7 見込み客を顧客に育てるには、しっかりステップを踏んで、あなたの商品のよさについて理解してもらわなければなりません。それが欲しいとか、必要があるという心の準備ができていない顧客を相手に、いきなり大きなYESを取ろうとするのではなく、小さなYESを積み重ねていくことが必要不可欠なのです。 #GE
p.203 ここで必要なのは、自分の商品を売るという発想でなかう、顧客の購買のサポートをするという発想です。顧客と面と向かうスタイルの営業ではなく、顧客と同じ方向を向いて、適切なアドバイスをしながら彼らが本当に欲しいものに導く。同じ方向を向いて一緒に歩いていくという営業のスタイルなのです。
とにかく自社の商品を売りたいという営業マンと、自分にとって最適なもの、一番よいものを親身にアドバイスしてくれる営業マン、いったいどちらの言葉を信頼するかということです。答えは明らかでしょう。
競合他社の商品を紹介したり、顧客にとって自社の商品が必ずしもベストでない場合があることをいうのは勇気がいることかもしれませんが、あなたがそれを教えなくても、いつか顧客は自分でその情報を手に入れるでしょう。真実を知ったとき、顧客はどのように感じるでしょうか。売り手の都合で正しい情報をくれなかった人からもう一度買い物をしたい、あるいは友人を紹介したいと思うでしょうか。逆に、本当に顧客の立場に立って必要な情報を包み隠さず話してくれた人のことをどう思うでしょうか。
p.204 これはどの業界にもいえることですが、たくさんの商品があふれているなかで、顧客にとっては、いったいどれが本当によい商品なのかは、非常にわかりづらいものです。だからこそ、先ほど述べたような、顧客のアドバイザー的な立場で情報提供することが重要になってくるのです。
p.205 顧客に対し、これを買えばいいですよ、こういう視点で商品を選んだらいいですよという基準を示せる、あるいは他社に対しても示せることが、具体的には顧客を守るという役割につながります。 #GE
p.221 結局、ジョイントベンチャーを成立させるためには、
・相手にいかに楽にやってもらうか
・相手の本業をいかによくすることができるか
・相手が求めるニーズにいかに応えることができるか
p.248 どんなに商品のメリットやベネフィットに惹かれたとしても、売り手が不信感を抱いたり、「この人からは買いたくない」と思われてしまったら、制約に結び付くことはありません。人は誰でも、自分の気持ちをわかってくれる人や、自分のことを真摯に思ってくれる人、自分が好きだと思う人から買い物をしたいと思うのではないでしょうか。
顧客は、最後には商品のメリットやベネフィットに共感してモノを買うのではなく、商品を売る人の理念や思いに共感してモノを買うのです。
p.277 どんな仕事においても、成果を出せるかどうかは、相手の立場に立って考えることができるかどうかにかかっているのです。「自分中心のパラダイム」から「相手中心のパラダイム」に自らを変えることができるかどうかが鍵なのです。
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p.23 しかし、一つ理解しなければいけないのは、消費者は、あなたの商品の魅力を簡単にわかってくれるほど「賢く」はないということです。まったく知名度のない人が、今までにない素晴らしい商品を考えました、作りましたと言っても、圧倒的多数の人にとっては、まったく説得力のない話としか思えないのです。
p.25 つまり、どこの誰かもわからない「得体の知れない」人物が、なじみのない「得体の知れない」商品を売っても売れないということです。ところが、なじみのある商品であれば、「得体の知れない」人物が売っても売れるし、売っているのがよく知っている人であれば、「得体の知れない」商品であっても売れる、ということです。
p.26 結局、「売る人」か「売る商品」のどちらかにブランドや信頼感がないと、売るためのハードルが非常に高くなることになります。商品がいい悪いではなく、消費者がすでにその商品に対して持っている知識や、抱いているイメージが、その商品を買うか買わないかを決める重要な要素になってしまうのです。
p.58-9 二宮尊徳が「遠きを図るものは富む」と言っているように、ビジネスを長い目で見て、収益化することを最初から急がずに、まずは集客に徹する。そして、より多くのお客様と最初の取引を始めるために、最初の取引のハードルはとことん下げる。割りに合わないかもしれませんが、最初は収益を捨て、お客様がNOと言うよりYESと言うほが簡単な提案をするのです。そして、期が熟したら収益を得ればよいのです。そういう広い目、長い目で商売を捉えていく必要があるのです。
p.70-1 参加者たちが唯一関心を持つのは、このセミナーに参加することでいったい何が得られるのか、いったいどんな得があるのか? ということだけです。それがなければ、どれだけセミナーの素晴らしさを説明したところで、顧客の心をつかむことはできません。そんなことは、彼らにとってはどうでもよいことなのです。
p.73 顧客が商品に対価を払うのは、その商品が提供するベネフィットに対してだからです。あなたが売っているのは商品ではなく、その商品を購入することによって顧客が最終的に得られる変化や結果、つまりはベネフィットなのです。極論すれば、顧客にとっては、望む結果が得られるのであれば商品は何でもかまわないのです。
p.75 あなたの顧客は自分自身のことについてしか興味はありません。だからこそ、顧客にどう貢献できるか、どんなベネフィットを提供できるかに集中する必要があるのです。
p.77 ベネフィットの質にも機能的・物質的なものと感情的・情緒的なものの2タイプがあります。
p.85 誰だって最高の買い物をsたいと思っています。高額な商品、一生に一度の商品ならばなおさらです。あなたが相手のニーズにしっかり応えられる資格があること、それが他の誰にも真似できない、あなただけが提供できるものであることを相手に客観的に伝え、安心感を与える必要があるのです。
p.86 顔が見えないチラシや広告、インターネットでは、特にこの「信じない」の壁がより高く立ちはだかります。海のものとも山のものとも知れない、それが顧客の本音です。もとよいあなたの言っていることを、顧客は疑ってかかっているという前提で考える必要があります。
p.87 この「信じない」の壁を乗り越えるために伝えるべきこと、どこかで見覚えがありませんか? そうです。「特徴」に他なりません。顧客にあなたの話を信用してもらうために、ベネフィットと特徴をワンセットで伝える必要があるのです。そしてその特徴は、あなたの独りよがりな自慢ではなく、顧客にとってのベネフィットを証明する客観的な事実である必要性があるのです。
p.112-3 商品起点の発想を顧客起点の発想に切り替えるのです。多くの人は、「どうやったら売れる商品が作れるか?」を考えるときに、「自分の商品に人々が求めているのは何か?」というように、商品を中心に発想を組み立てっていくことが多いと思いますが、これでは新しい切り口はなかなか生まれてきません。大切なのは、「顧客が一般的・普遍的に求めているのは何か?」を考える発想です。
p.113 このように顧客が普遍的に抱いているニーズを捉えるために有効なのが、顧客のポケットシェア、タイムシェアを分析するという方法です。つまり、顧客が普段何にお金を使っているか、何に時間を使っているかを調べてみるのです。そして、顧客がお金や時間を使っている商品やサービスが満たしている、顧客のニーズに着目するのです。その中に、顧客が持っている普遍的なニーズが隠れているはずです。そして、そのニーズを自分の商品で満たすことはできないか? を考えてみてください。
p.139 顧客は商品を買っているのではなく、商品を購入することで最終的に得られる結果に対して対価を支払っているのです。顧客は、本当は何がほしくてあなたの商品を買ったのか? いったいその商品に何を求めたのか? 顧客の真のニーズに応えるためには、そこを考えなければならないのです。
p.140-1 顧客である百貨店は、化粧品がほしくて(化粧品メーカーの営業マンである)あなたから化粧品を買うのでしょうか? そうではないはずです。百貨店側からしてみれば、「売れる化粧品」が欲しいということなのです。さらにいえば、化粧品を通して得られる売上が欲しくて、あなたから化粧品を買うのです。だから、彼らにとっての関心、興味、本当のニーズというのは、化粧品を通して得られる売上です。つまり、その化粧品がどのくらい売れる商品なのかということに興味がある。どうやったらその化粧品が売れるのかということに興味があるのです。
p.142 価格以外での付加価値を提供することで、値下げ圧力を跳ね返すことができるのです。
p.144 どうしてもコンサルタントに頼らざるを得ない。つまり、社内ではできないことをやってくれるからこそ価値が高いのです。そういった利益に直結すればするほど、自分たちにはできないことになればなるほど、顧客が求める結果に近づけば近づくほど、より高い報酬というものを正当化しやすくなります。だからこそ、値下げ圧力を跳ね返して、高い報酬を取ることができるのです。
p.185 効果的なマーケティングにおいて2ステップアプローチが必要になる理由は、最初から何か商品を買おうとか、自分に今何か解決すべき問題があるなどと思っている人はほとんどいないからです。
ですから、まず最初に、顧客に自分のニーズや欲求に気付いてもらうことから入っていく必要があります。
p.186-7 見込み客を顧客に育てるには、しっかりステップを踏んで、あなたの商品のよさについて理解してもらわなければなりません。それが欲しいとか、必要があるという心の準備ができていない顧客を相手に、いきなり大きなYESを取ろうとするのではなく、小さなYESを積み重ねていくことが必要不可欠なのです。 #GE
p.203 ここで必要なのは、自分の商品を売るという発想でなかう、顧客の購買のサポートをするという発想です。顧客と面と向かうスタイルの営業ではなく、顧客と同じ方向を向いて、適切なアドバイスをしながら彼らが本当に欲しいものに導く。同じ方向を向いて一緒に歩いていくという営業のスタイルなのです。
とにかく自社の商品を売りたいという営業マンと、自分にとって最適なもの、一番よいものを親身にアドバイスしてくれる営業マン、いったいどちらの言葉を信頼するかということです。答えは明らかでしょう。
競合他社の商品を紹介したり、顧客にとって自社の商品が必ずしもベストでない場合があることをいうのは勇気がいることかもしれませんが、あなたがそれを教えなくても、いつか顧客は自分でその情報を手に入れるでしょう。真実を知ったとき、顧客はどのように感じるでしょうか。売り手の都合で正しい情報をくれなかった人からもう一度買い物をしたい、あるいは友人を紹介したいと思うでしょうか。逆に、本当に顧客の立場に立って必要な情報を包み隠さず話してくれた人のことをどう思うでしょうか。
p.204 これはどの業界にもいえることですが、たくさんの商品があふれているなかで、顧客にとっては、いったいどれが本当によい商品なのかは、非常にわかりづらいものです。だからこそ、先ほど述べたような、顧客のアドバイザー的な立場で情報提供することが重要になってくるのです。
p.205 顧客に対し、これを買えばいいですよ、こういう視点で商品を選んだらいいですよという基準を示せる、あるいは他社に対しても示せることが、具体的には顧客を守るという役割につながります。 #GE
p.221 結局、ジョイントベンチャーを成立させるためには、
・相手にいかに楽にやってもらうか
・相手の本業をいかによくすることができるか
・相手が求めるニーズにいかに応えることができるか
p.248 どんなに商品のメリットやベネフィットに惹かれたとしても、売り手が不信感を抱いたり、「この人からは買いたくない」と思われてしまったら、制約に結び付くことはありません。人は誰でも、自分の気持ちをわかってくれる人や、自分のことを真摯に思ってくれる人、自分が好きだと思う人から買い物をしたいと思うのではないでしょうか。
顧客は、最後には商品のメリットやベネフィットに共感してモノを買うのではなく、商品を売る人の理念や思いに共感してモノを買うのです。
p.277 どんな仕事においても、成果を出せるかどうかは、相手の立場に立って考えることができるかどうかにかかっているのです。「自分中心のパラダイム」から「相手中心のパラダイム」に自らを変えることができるかどうかが鍵なのです。
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