何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

モチベーションを思うまま高める法

2011-11-29 21:07:20 | Book Reviews
『モチベーションを思うまま高める法 成果が早く出る「新しい時代のニンジン」 小山龍介・著、三笠書房、2011年4月15日

p.7 とすれば、「成功するために努力しよう」という目的の設定が間違っているのです。
 努力そのもの、取り組んでいることそのものが楽しい、ワクワクする、どんどんやりたい・・・・・。そうした気持ちから、無心に取り組む。その結果、思いもかけない成果を手に入れる。成功は直接の目的ではなく、あくまで副産物として考えることが重要なのです。

p.22 外資系コンサルティング会社では、「アップ・オア・アウト」という言い方がされました。数年がんばって、昇進できなければ会社を辞める。

p.33 会社のしくみに乗せられて、モチベーションを上げさせられていた今までが間違っていたのです。「人から言われるから、やる気を出す」という状態は、本当の幸せではなかった、と。

p.37 成功する人は、例外なく「成功をゴールにしない人」
 「成功」とは結局、他人が勝手に評価して決めるレッテルです。成功を目標にした瞬間に、他人がどう評価してくれるのかということに関心がいきます。その結果、自分がやりたいこと、やるべきだと感じていることではなく、人から成功だと思われていることに手が伸びてしまう。つまり、他人の価値観に従って生きることになってしまうのです。

p.46 外発的動機づけの報酬をモチベーションとした瞬間に、仕事そのものへの興味が失われ、仕事の楽しみはなくなってしまうということ。

p.66 尊厳のために生きる――。これは、モチベーションを高め、維持していくための最高の方法です。

p.66-7 決して「成功」を目指してはいけない。これは、尊厳を守るためでもあります。
 他人の評価を前提にした「勝ち組」を目指す方法は、あなたを卑屈にするでしょう。「他人の失敗」を前提とした「勝ち組」という目標設定は、あなたを傲慢な人間に変えてしまうかもしれません。尊厳を求める生き方をするためには、「成功」というワナにはまってはいけないのです。

p.68 どんな時代、どんな状況になっても、精一杯、自分のベストを尽くす。ここにこそ人として、生命としての尊厳が含まれています。

p.69 絶望的な状態に置かれてなお、そこで「より良く生きる」ために努力できるか。そこに人間としての尊厳があるのです。

p.74-5 たとえそのことが好きであっても、上達しなければ、決してやる気は長続きしません。
 つまり、「好きなこと」ではなく「上達できること」に取り組むべきなのです。

p.78 おもしろい仕事を探すのではなく、仕事をおもしろくする。そのためには、日々の小さな上達を実感することが重要なのです。少しでも上達を実感できれば、のめり込んでいけるのです。

p.80 大切なことは、あくまで自分が「上達できること」にフォーカスすることであり、上達すべきという基準で考えてはいけません。

p.84 ギャップをことさらに強調するのは、モチベーションを高めるという点において逆効果になりやすいのです。自分の欠点ばかりにスポットライトを当てることになり、本来発揮されるべきやる気を抑えつけてしまうことになるからです。

p.87 古い人参によるモチベーションは、長期間維持することができません。現状の欠乏感から、虚しさにからめとられてしまうのです。
 こうしたことを避けるには、今取り組んでいる仕事そのものへ注意を向けるようにすることが大切です。将来のきらびやかな理想像や、それに伴う報酬やご褒美に気を取られるのではなく、仕事自体に楽しみやワクワクすることを見つけ出すことが大切なのです。この楽しみやワクワクの源泉となるのが、成長です。内発的動機づけという点では、自分自身の成長こそが最高の報酬となるのです。

p.98 気持ちが折れてしまいそうなら、こうした他人の評価を気にしないことです。残念ながら、他人が成長していくのを歓迎しない人もたくさにます。「勝ち組」を目指している人にとっては、他人の「成功」は自分の失敗ですから、なるべくその芽を摘んでおきたい。「そんな程度ではダメだ」という評価が、相手のモチベーション低下に効果があることを、もちろん承知しているのです。

p.128・130 つまり、「自分には何がコントロール可能だろうか」と問うのです。コントロールできないことはしょうがないと割り切る。そしてできるところについては、全力を尽くす。

p.143 「どうせ変わっていないだろうな」と思って人に会うのでは、変化を見逃してしまいます。 #RM

p.176 その人の本当にやりたいことを感じ取り、熟練するためのポイントを見つけ出し、フローを邪魔する他人の目を取り除いてやる。こうすることで、他人をやる気にさせていくことができるでしょう。

p.190 こうした中で仕事をしていると、「成果主義」というのはやる気をそがれます。最善を尽くしたとしても、必ずしも結果がついてくるとは限らないからです。
 成果主義が機能しないもう一つの理由は、結果を出したのはあくまで、チームメンバーの力だということ。
 つまり、評価は成果ではなく、プロセスに対して行うべきなのです。

p.194 褒める代わりに「認める」ということを心がけます。
 もしつくったことそのものを認めるだけでなく、褒めてしまったら、後からその資料の欠点を指摘しにくくなってしまいます。「なんだ、褒めたのにけなすのか」となってしまいます。持ち上げられて落とされると、ショックが増してしまうのです。
 よく「褒めて育てる」ということが言われますが、これを言葉どおり受け取ったら、まったく効果がないだけでなく、子供の能力をダメにしてしまいます。褒められるためにやろうとしてしまい、取り組んでいるおとそのもののおもしろさを感じられなくなってしまうのです。


Comment (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分を広告する技術

2011-11-28 22:08:01 | Book Reviews
「自分を広告する技術」 佐藤達郎・著、講談社+α新書、2011年10月20日
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

経営の教科書

2011-11-27 14:51:44 | 薬害は人災だ
「経営の教科書 社長が押さえておくべき30の基礎科目」新将命・著、ダイヤモンド社、2009年12月10日
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大きな成功をつくる超具体的「8 8」の習慣

2011-11-25 22:50:49 | Book Reviews
『大きな成功をつくる超具体的「88」の習慣』 小宮一慶・著、講談社+α文庫、2011年8月20日

p.52 怒りの感情やネガティブな感情が出たら、それはそれで仕方がない。しかし、それをできるだけ早く断ち切る。左手首の輪ゴムを見て、それを引っ張って離す。「パチッ」とやるのです。そこでネガティブな感情を断ち切ります。

p.53 積極思考になれたかどうかの簡単な見分け方は、自分の近くにいる人を誉めることができるかどうか。それも、心からです。

p.68-9 従来のゼネラリストは、多くのことをアマチュアとしてやってきた人のことを指していましたが、これからは専門席をいくつも持った人を本当のゼネラリストと呼びます。専門的スキルを本当の専門家ほどではないが複数持ち、それらの関連を理解しながら仕事ができる人です。それだけ世の中が高度化、複雑化しているのです。

p.72 これらのことは、ほとんど週末に毎週数時間ずつ勉強しました。ウィークデーは忙しいし、疲れているので、あまり時間をとれません。
 週末まで勉強して疲れないかと思われるかもしれませんが、逆です。週末に勉強するとリフレッシュします。ウィークデーは実務に追われますが、その実務の深いところにある理論を勉強して知ると、実務が面白くなります。「あっ、そうだったのか」とわかることがたくさんあります。

p.76 週末だけとなると、1週間の空白があるために、どうしてもスタートダッシュが利きにくいものです。1週間のあいだにいろいろなことがあるので、前週末にやっていたことを忘れるとまではいかなくても、取り戻すのに時間がかかります。
 そこでお薦めなのは、ウィークデーに「つなぎ」を入れておくことです。「つなぎ」と言ってもたいそうなものではありません。前週末に勉強したことを少しだけ復習したり、書いた文章を読みなおしたりしておくだけです。10分もあれば大丈夫、たとえ5分でも次にやるときに大分違います。

p.141 だらだらと長い文章をパワーポイントの画面に映し出して、単調に読み上げるのは下手な人のやることです。長い文章を紙で相手に渡すのはかまいませんが、同じ文書をパワーポイントで出す意味はなにもありません。手元の文章を見れば済む話だからです。
 その代わりに、話に関連する映像や、文章をまとめた図などをパワーポイントで示したほうがずっとインパクトがあります。文章を読めばわかることなら、わざわざ長ったらしく説明する必要はありません。


Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

運命を変える大きな力がもらえる本

2011-11-23 10:44:26 | Book Reviews
「運命を変える大きな力がもらえる本」 佐藤富雄・著、中経の文庫、2007年2月5日

p.44 彼がそんな事態に陥ってしまうのは、無意識のうちに悪い選択をする習慣を身につけてしまっているからだ、と。つまり、「何か不慮のことがあるといけない」という心配も度を超すと、それを望んでいるのと同じことになってしまう、というのです。

p.60 「自分の人生だ、責任は自分自身にある」と受けて立ったとき、すべてを変える力が生まれてきます。

p.135 何かを成し遂げようとする際、その行動の核となる発想が決め手になります。それも、規制の概念や常識にとらわれない自由で型破りな発想こそが成功の鍵となり得ます。

p.159 「ニューマンスキル」とは、人間がより良く生きていくために駆使される技術のことです。こうなりたいと望むだけでなく、すでにそうなっているつもりになって振る舞う、振りをするというのも、ヒューマンスキルの方法なのです。
 尊敬する人物を持ち、かくありたいと思うその人と自分自身を重ね合わせて考え、行動するという習慣は、実際に多くの効用をもたらします。最初は途方もない考えに思われるような高い望みも、時の経過とともにやがてしっくりと心に馴染んできます。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。

2011-11-22 12:32:19 | 薬害は人災だ
「ドラッカーが『マネジメント』でいちばん伝えたかったこと。」 小宮一慶・著、ダイヤモンド社、2011年7月7日

p.3-4 ドラッカーのマネジメントにおけるキーワードは、二つしかないからです。それは、「マーケティング」と「イノベーション」です。
 「マーケティング」とは、お客さま、社会など「外部からの視点」を徹底させていくこと。「イノベーション」とは、世の中が変わることを前提に、世の中の変化に合わせて、「現在と未来のバランス」をとりながら、今より良くするために企業活動を行うことです。

p.9 ドラッカーはこれら私利私欲については徹底して否定しています。マネジメントは機能だからです。こうした欲を排除しなければ、真に成功することはできないと説いています。

p.20 企業は、「社会が関心を持っていること」とは対極にある、「自分たちが関心をもっていること」――いくら儲かっただとか、儲けたいだとか、どういう戦略をとれば儲かるだとか――ばかりを追い求める傾向があります。しかし、社会にとっては、企業がいくら儲けようが何の意味もない、どうでもいい話なのです。社会から見てどうでもいいことばかりに心が奪われている企業は、社会から見向きもされないので、衰退の道をたどるしかなくなってしまう。

p.30-1 そもそも、「働く人を生かす」というのは、どんな意味が込められているのでしょう? 私は、ここでいう「生かす」とは、「人が生き生きと働く」というニュアンスが含まれていると考えています。
 ルンルン気分で出社している人は、仕事が楽しいと思っている人です。仕事が楽しいと感じているということは、お客さまのため、社会のために良い仕事をしようという使命感をもって働いていることにほかなりません。良い仕事をするという使命感は働きがいにつながっていきますから、そういう人がたくさんいる会社は、間違いなく社員は、楽しそうに生き生きと働いています。

p.35 企業は存在しているというだけで社会に少なからず害を与えていることがある・・・

p.44 「顧客を創造すること」という表現は、ちょっと注意が必要です。「ノルマなどを課してでもお客さまを増やす」と解釈してしまう人がいるからです。でもそれは違うと思います。「顧客を創造すること」というのは、あくまでも、お客さまが求める商品やサービスを提供した結果、たくさんのお客さまに買ってもらえることを指していると私は考えています。

p.50-1 「利益は成果の判定基準である」というのは、提供している商品やサービスが適正かどうかの判定基準だというもので、企業活動が適正かどうかの尺度だということです。お客さまをはじめとする社会からの評価だという意味です。
 ここが肝心なのですが、利益を出すために仕事をしてはいけないのです。利益が出るくらいの仕事をするということです。
 仕事の内容が良ければ社会からの評価は高くなり、結果として、利益が出るからです。 #RM

p.58 逆に、金持ちになりたい、地位や名誉が欲しいと思って仕事をしているうちは私利私欲なのです。ビジネスマンの私たちは、良い仕事をした結果金持ちになるのは私利私欲ではないということです。

p.62 ドラッカーの言う「われわれの事業は何か」というのは、事業内容を指しているわけではないのです。私は「お客さまに求められる事業の本質は何か」を考えるという意味だと解釈しています。「われわれの事業は何か」との問いは、企業を外部すなわち顧客と市場の観点から見て、初めて応えることができる」

p.65 企業は、ビジョンや理念という土台にすべきものを掲げ、外部環境と内部環境を正確に分析する。それにより事業のバックボーンを定義し、マーケティングおよびイノベーションの考え方を取り入れながら具体的な戦略を立てていく――。

p.67 「企業の目的としての事業」という一文は、他社との違いが明確で「存在意義」が明確な事業、言い方を換えれば、「独自の方法でお客さまの満足や感動をもたらすことができる事業」とは何かについて十分に検討しなければ失敗してしまうということです。

p.68-9 


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

世の中の意見が〈私〉と違うとき読む本

2011-11-19 22:26:28 | Book Reviews
「世の中の意見が〈私〉と違うとき読む本 自分らしく考える 香山リカ・著、幻冬舎新書、2011年3月30日


Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方

2011-11-18 22:23:43 | Book Reviews
9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方 福島丈二郎・著、中経出版、2010年11月25日

p.19-20 誰も手抜きをしない。それは、社員1人ひとりが、リーダーシップをもっているからです。
 「リーダーシップをもつ」とは、端的にいうと、「ホスピタリティ・マインド」(思いやり)をもって、人の模範となるように行動することです。
 その結果、後輩たちも、「あの上司や先輩のようになりたい」と、上司や先輩を模範に行動するように育っています。すなわち、社員1人ひとりが、上司や先輩と同じようにリーダーシップをもち、仕事に取り組んでいます。
 言葉を換えれば、主体的に、かつ積極的に仕事に対するこだわりをもち続けています。

p.35 理想の上司・先輩
 ・リーダーシップをもっている
 ・ゲストや後輩をよく見ている、よく声をかける
 ・困っている人がいれば、すぐに声をかけ、手助けをする
 ・改善点を見つけたら、すぐに改善にとりかかる

p.40 トレーナーたちは、「自分がトレーニングすることによって成長していく後輩の姿を見るのがうれしいんです」と言います。
 お金とか地位うんぬんよりも、人を育てていくことに“快感”があり、やりがいがあるというのです。

p.45 先輩キャストは、パークでゲストをお迎えするように、親しみを込めて笑顔で挨拶をし、手厚く、後輩キャストを迎えます。この背景にあるのは、「人は、自分が扱われたように人を扱う」という考え方です。

p.52-3 仕事に対してどう取り組むべきか、それはなぜかといった動機づけをされることもなく、ちゃんとしたトレーニングも受けられないとなると、後輩の期待や希望の熱は、一気に冷えてしまいます。そして、文字どおり、モチベーションをもてない状態になり、働きがいを見出すこともできなくなってしまうのです。新人なりの仕事に対するパフォーマンスも、当然落ちていきます。
 こういうケースが重なると、無気力で、ただ目の前の仕事をこなしていくスタッフで固められた職場ができあがってしまいます。

p.62 組織は「人」のために存在している

p.85-6 リーダーシップに必要な2条件
 ・ホスピタリティ・マインドをもっていること。「ホシピタリティ」の語源は「客を保護する」ことですが、私は「自主的・主体的に相手を思いやること」と解釈しています。
 ・自分が模範になること

p.93 日頃よく見てくれている上司や先輩の言うことであれば、後輩や部下も、「自分のことをよく見る先輩の判断だから、間違いないだろう」「たしかに、そうだなあ」と安っ得して受け入れることが多いものです。
 「自分の存在が認められている」という後輩の自覚を促すことになり、仕事に対するモチベーションを高めます。

p.99 成果についてばかり声をかけていると、「いつも自分や会社のことばかり考えている人だ」という印象を後輩に与えることになります。

p.119 良好な人間関係をつくり、活発なコミュニケーションを実現するためには何が必要なのでしょうか。ひと言でいえば、相手の存在を認めるということです。

p.136 たとえば、会社が提供している価値観や自社の魅力と、顧客が会社に対して感じる価値観、魅力が一致している部分が広いほど、会社と顧客の間にズレがないことになります。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

錯覚の科学

2011-11-16 22:05:46 | Book Reviews
「錯覚の科学」 クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ、文藝春秋、2011年2月10日

p.18-9 そこで科学的には、“非注意による盲目状態”と呼ばれている。ゴリラが見えないのは、視力に問題があるからではない。目に見える世界のある一部や要素に注意を集中させているとき、人は予期しないものに気づきにくい――たとえそれが目立つ物体で、自分のすぐ目の前に現れたとしても。つまり被験者は、パスを数えるのに夢中で、目の前のゴリラに対して「盲目状態」になっていたのだ。

p.32 非注意による見落としを少なくするには、照明ずみの方法が一つある。予想外の物やできごとを、できるだけ予想のつくものにすることだ。

p.78 変化を予測していない場合は、完全に気づかない #RM

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やればわかる やればできる

2011-11-09 18:59:42 | Book Reviews
「やればわかる やればできる 小倉昌男の経営と仕事についての120項 小倉昌男・著、講談社+α文庫、2005年11月20日

p.5 だが、マニュアルを守っていれば良いサービスが維持できるかというと、そうではない。普通のサービスは維持できるだろう。優れたサービスが提供できるかというと問題がある。
 では、優れたサービスを提供するにはどうするか。それはマニュアルを離れて臨機応変に対処することである。それが可能になるのは社員に気働きによえう。お客さまの立場に立ち、お客さまの気持ちになって考えることから始まり、必要な行動を起こすのである。

p.23 私どもの仕事はあくまで荷主さんが中心で、その荷物を代わって運ばせていただくのであるから、常に荷主さんの心になっていなければならない。それには相手に惚れるようでなければ、いつでも荷主さんのことを考え、どうすれば相手を喜ばせることができるだろうと努力を重ねることはなかなか難しいと思う。

p.27 ヤマトは常に良いサービスを提供する。そして運賃は、サービスに対するお客さまの満足の対価として頂戴していることを、はっきり打ち出す姿勢が、必要なのではないか。

p.29 宅急便を始めてみて、会社は営利を目的とするという言い分は間違っていたのではないかと思う。私たちはお客さまを喜ばすことを目的に仕事をする。お客さまはそれに感謝しその仕事が長続きするように会社を儲けさせてくださる。それが正しいのではなかろうか。

p.31 サービスがダントツなら、お客さまの信頼を得て取扱量もダントツ、収入がダントツなら利益もダントツになると、信じて疑わない。

p.33 「収支が先か、サービスが先か」。サービスが先であることを忘れてはいけない。

p.40 「私たちは、大都会の営業所より幸せですよ。なぜって努力をすれば他社とのサービスの違いがはっきり出て、目に見えて荷物が増えていきますからね。村の人たちに喜んでもらって、本当にやりがいがあります」

p.53 サービスの悪さに腹を立てても、わざわざ投書をする人はまれで、黙ってこらえている人が、大半なのだから、他社に対する投書でもヤマトに向かって言われたものと受け止め、自戒しなければいけない。

p.93-4 この管理という間接業務は、いくらでも精密にやることができるし、また簡単にすませることもできるものである。ではいったい管理業務の適否を判断する物差しは何であろうか、私はそれは“目的意識”だと思う。なぜなら、管理業務というのは営業目的を最も効率よく達成するための手段であるから、目的をはっきり認識してはじめて、それに適合した簡素で効果的な手段としての管理業務のあり方が決まってくるからである。ところが往々にして手段を目的と取り違え管理のための管理業務が発生したり、やたらに精密な統計をとり記録を残すことをもって善しとし、あるいは状況が変わっても昔ながらの業務をかたくなに守ることに汲々としたりしがちである。

p.115 宅急便だって、革新的な輸送技術があるわけではない。お客さまに百パーセントの完璧なサービスを提供することも、儲からないといわれている宅配の市場で利益を出すことも、固定観念を破った新しいアイデアを積み重ねることによってのみ、可能なのである。

p.130 「事業の目的は、人を育てることであり、人を育てるとは品性を良くすること」「企業の成長は、そこに働く人々の成長に正比例する」

p.149 当社はいわゆるサービス業であって、仕事がまったく人間的なのが特色であり、社員の働きそのものを売っているのであるから、第一線社員の仕事ぶりがただちに会社の評価となってはねかえってくる。

p.211 目標として掲げる(未達率という)数字は、その目安にすぎない。もし事故を隠して事故ゼロの記録を作っても、喜びではなく空しさを感じるだけではないか。荷物の玄関先放置がなくならないのは、未達率という数字に惑わされているからではないか。 #RM

p.214-5 嘘の報告をして記録を作ったとして、いったい何になるだろう。もし後の事故が発生しなくて事故ゼロ他一斉のお祝いをしていたらと思うと、ぞっとする思いである。目的は事故のない会社にすることであり、記録を作ることではない。 #RM

p.220 (トップの経営者が老齢だということに加えて)もうひとつ危ない会社になりやすい条件は、女性的な会社だということである。
 女性的会社という表現は適切ではないが、言わんとするところは、つまらない形式に非常にこだわる会社だということである。

p.243 姑息なやり方は、目先の売り上げを伸ばすことには役に立つが、長い目でみると営業力が弱くなり、結果的にはマイナスになることは明白である。
 なによりもイージーな商売に慣れて、営業力が弱くなるのが恐ろしい。

p.245 全員経営とはいったい何なのか。それは社員のひとりひとりが、日常の仕事を監督なしに、自分の考えでやるということである。社員が、仕事の目的を正しく理解し、目標を設定し、仕事のやり方を工夫し、目標以上の実績を上げるべく努力する。しかもそれを、上司の指示や命令、監督なしに、自主的に、自律的に実行する。というのが前任経営の姿なのである。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「伝説の社員」になれ!

2011-11-07 22:08:16 | Book Reviews
『「伝説の社員」になれ! 20代に稼げる自分をつくる方法 土井英司・著、草思社文庫、2011年2月10日

p.29 「音楽家は音楽を演奏してはじめて音楽家たりうる」

p.59 ストレスを、苦痛ではなくステップアップの踏み台に変えるには、条件があります。できないことを自分以外のせいにしないことです。

p.65 「教育ATM機説」
 学んだ内容や知恵は、困ったとき、必要になったとき、いつでも引き出すことができるからです。

p.113 成功するには、成功の方法を学ぶより失敗しないやりかたを学ぶほうが近道です。成功する方法は明日には陳腐化しますが、失敗の要因はいくつかにまとめられるからです。

p.117 両替機で両替するようなことを、自分の仕事だと勘違いしている人がいます。手もとにある一万円を千円札十枚と交換するようなものです。
 給料分だけの仕事をしていては会社も満足しませんし、あなた自身が大きく飛躍することもないのです。

p.161-2 誰もが思っていることを、どうわかりやすく表現するか。今までにもあったものを、現代的なものにどう結びつけるか。これが未来をつくるポイントです。

p.163 もう一つの対処法は、今のブームを一過性のものにしないで、付加価値をつけてブランド化すること。

p.164 明らかな需要があって、かつ誰もそのことを知らない。参入障壁が高くて、長期にわたって重要が続きそうな仕事。そこで自分の強みを生かせるなら、ぜひ、勝負をかけるべきです。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

選ばれる人になる34の習慣

2011-11-06 11:18:35 | Book Reviews
「選ばれる人になる34の習慣 チャンスをものにする人は何をやっているのか 門田由貴子・著、ダイヤモンド社、2011年9月29日

p.iv 「人生は、毎日がオーディション」

p.117 たとえば、パワハラ上司に向かって「アンタなんか、大キライ!」と言いたい衝動にかられることがあるかもしれません。これは、「言いたいこと」です。でも、本当にそれを上司に向かって発言してしまったら、職場で「問題児」扱いされてしまうでしょう。
 だから、「言いたいこと」は、たいていの場合、「言ってはいけないこと」なので、気をつけなくてはいけません。
 職場というビジネスシーンでは、自分の感情かや気持ち、本音を丸出しにすることは、未熟で幼いことと考えられます。
 ちなみに、ある人の調査によると、「言うべきこと」と「実際の発言内容」が一致している人は、日本人のうち5%だけなのだそうです。

p.162-3 たしかに、人から自分のことを悪く噂されるのは、決してうれしいことではありません。とはいえ、しょせん噂話なんて数日間しか続きません。毎日、忙しく働いているうちに、すぐに忘れ去られてしまいます。それに、噂話のたいていの理由は、羨望と嫉妬です。
 勇気を出して手を挙げられない人たちにとっては、勇気を出してチャレンジした人が羨ましくて仕方ないので、噂話をして憂さ晴らししているのです。だから、職場の噂話なんて、負け犬の遠吠え。いちいち気にする必要なんてありません。もしも噂されたら「あぁ、周りの人たちは、私のことが羨ましいんだな」と思って平然としているうちに、噂の嵐は過ぎ去ってしまいます。

p.194 自分のエゴを満たすために頑張ることは「偏った努力」で、会社や関係者を喜ばせるために貢献することが「正しい努力」です。「正しい努力」は、必ず報われます。しかも、数多くの喜びをもたらしてくれます。

 ただし、会社の方向性、方針、考え方が正しいことが前提である。社会的責任を果たし、存在意義があると認められる状態であることが前提である。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私の心に響いたサービス

2011-11-04 22:22:53 | Book Reviews
大切な人に伝えたい 私の心に響いたサービス リピーターを呼ぶ感動サービス2 思いやりの原点に触れる七十二話 坂本光司・著、同友館、2007年12月10日

p.75-6 企業をイメージや社名で判断すると大切な“コト”を見落とし、見失ってしまうということを知らされました。

p.102-3 「管理職の最大使命・役割は、部下を管理することではなく、フェロー(同志)をリード、支援することである。
 より具体的に言えば、管理職たる職責はその組織の顧客の満足と幸せのために果たすべき高い目標をフェローに対して明確に示し、その実行に際しては可能な限り権限の委譲と情報の提供をしなければならない。
 そしてその推進者であるフェローが常に最高の状態、最善の方法で職務に専心できるよう、よい環境を準備し、彼・彼女がよりよい成果を実現できるよう継続的にサポートしなければならない。
 そして、やがて彼・彼女が成長してくれたならば、邪魔にならないようにしなければならない」

p.127 「産業・企業の盛衰は、重要の法則ではなく供給の法則によって決まる。つまり、顧客満足度の高い感動的商品やサービスを創造し、提案すれば、好不況にかかわらず企業は成長・発展する。日本の農業者も、問題は外にあるなどと言わず、内にあると思って、顧客満足度の高い価値ある農産品をつくり、売るべきだ」

Comment (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

バカになれる人はバカじゃない

2011-11-03 09:33:19 | Book Reviews
「バカになれる人はバカじゃない」 小宮一慶・著、サンマーク出版、2011年5月20日

p.15 そして、(小さい行動であっても)良いといわれることは一日も早く始めたほうがいい。それを何回やるかで、考え方の質が違ってきます。やればやるほど、それも徹底的にやるほど、深いところまで到達できる。

p.21 英語のことわざに「easy come, easy go」というフレーズがあります。簡単に手に入れたものは、簡単になくなってしまうという意味です。やはりコツコツ身につけたものしか、自分の身につかないのです。

p.23 一般的に、行動は一か月で定着するといわれています。一か月、毎日続けられたことは一生続けられる。だから一か月間、履物をそろえてみる。良いと思うことは素直にやってみる。そしてそれが良いことだと信じて、行う習慣をつけることが大事です。

p.53-4 あまたある会社の中で、どうしてこの二社が伸びているのか。それを考えていたところ、私はある共通点に気づきました。それは「考え方」です。二社の社長とも、徹底して「良い仕事」をすることを追求していました。儲けることを目的にしなかった。お客さまに喜んでいただくために、良い仕事をする。つまり、お金を稼げるくらい「良い仕事」をしているわけです。ここが大事です。
 利益を出すために仕事をする。利益が出るくらい良い仕事をする。この二つは、一見同じように見えますが、考え方は180度違います。
 つまり、仕事が「手段」なのか、仕事が「目的」なのかということです。利益を追求するのは、仕事が手段です。良い仕事を追求するのは、仕事が「目的」です。どちらがより儲かるかというと、良い仕事を追求するほうなのです。
 なぜならお客さまは、「お客さまのために良い仕事をしようとしている会社」と「金儲けがしたいと思っている会社」と、どちらが好きかと言われたら、良い仕事をしてくれるほうに決まっているからです。つまり金儲けのために仕事をしようとすると金儲けすらできません。

p.75 「私に立つ場所を与えよ。そうすれば世界をもちあげることができる」
 この言葉を、ドラッカーはどこで紹介しているのかというと、「企業の目的」のところで引用しています。企業はどこで何をするか、だれを顧客にするのかを正しく定義さえできれば、必ず成功する。

p.81 どんなに小さな一隅でも、自分にしかできない役割を大事にして、使命感を持って全力投球する。そしてほかのだれも照らさない一隅を照らすことが、人として生まれてきた大きな意味ではないでしょうか。

p.100 悔しさや劣等感をバネにして、それをエネルギーにしている人は、バネの分しか伸びません。バネは縮んだ分しか伸びないからです。

p.110 人は「利」がないと動きません。人はだれでも豊かに、幸せになりたい。「利」を追求するのは少しも間違ったことではありません。大切なのは、「利」と「義」を一致させることです。自分が幸せになることが、世の中全体が幸せになること。それが「利」と「義」の一致です。

p.113 信念や正しい考え方を身につけるのは、一朝一夕ではできない。だから自分でコツコツ勉強してください。そう伝えているのです。
 自分の考えと、毎日の行動や思っていることを照らし合わせながら、これは本当に正しい生き方なのかと、つねに反省しながら生きていく。なぜなら、反省しなければ人は成長しないからです。

p.123 うまくいっている会社はみな共通するパターンがあります。すなわち、一番にお客さまを大切にし、二番目に社員を大切にし、最後にお金を大切にする。この順番が入れ替わることはありません。

p.128 使命感とは何か。それは自分がいなくなったら相手が困るだろうという思いです。
 自分にしかできない、自分の体質に合った、使命感が持てる仕事をしないとうまくいかないのです。

p.139 仕事の意義を深めていって、「みんなで幸せwになろう」とか「楽しく仕事をしよう」というのは意味の問題ではなく、意識の問題です。これを伝えるのはまさに、部下から信頼を得たリーダーでなければなりません。
 つきつめれば、リーダーとは意識を伝えられる存在かどうか、といってもいいでしょう。そして意識が伝わるかどうかは、言っている人がそれを信じて、実践しているかどうかにかかっています。信じたことは実践できます。

p.149 「宇宙の原理」に従っていればうまくいく。それは世の中に役に立つことをしればいいということです。ということは自分の側からではなく、世の中の側からものを見る視点が必要です。企業でいえば、会社の側からではなく、お客さまの立場に立って商品づくりを考えなければいけないということです。

p.149-150 社会は企業に対して三つのことしか関心がないとドラッカーは記しています。
 一番目は、その企業がと旧うの使命を果たし独自の貢献をしているかどうか。二番目は、働いている人が生き生きとしているかどうか。三番目は、企業が社会に与える害悪を除去しているかどうかという点です。社会はこの三つ以外に、企業に対して関心を持ちません。

p.151 「お客さま第一」を掲げている会社でしたが、売り上げが思うように伸びない。そこでもっとお客さまを訪問する回数を増やして、商品を丁寧に説明しようということになりました。商品やサービスを改善するのではなく、営業社員には一人一人訪問回数の目標をもうけ、こまめに取引先にうかがうようにしたのです。
 でもよく考えてください。何度も何度も営業に来られたら、お客さまは迷惑ではないでしょうか。「訪問100回」などという目標を設定するのは、企業の勝手、自分たちの都合です。用もないのに訪ねて来られるお客さまこそいい迷惑です。
 そこを多くの人や会社は間違ってしまう。視点を自分たちに置くから、こんなバカげたことをやってしまうのです。

p.152 お客さまの視点に立てば、私たちはベストを尽くして良い仕事をする。それだけです。だから良い仕事をするためにがんばりますが、お客さまを集めて数字をクリアするためにがんばるわけではありません。 #RM

 内部で決められたことを守って調剤していれば、それが患者さんの安全確保になるかというとそうではない。患者さんのことを基本に、処方を考える必要があるからだ。強く内部の取り決めに目を向けるよう求めることは、それさえ守っていればよいのであれば、患者さんのことなど意識に入らなくなる。そういう調剤体制は、患者さんの安全確保レベルが低下するにとどまらず、調製工程にばかり意識が向くので、スタッフ自身の成長が阻害されてしまうマイナスも少なくない。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる

2011-11-02 17:23:13 | Book Reviews
「トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋ができる 居酒屋の神様が教える繁盛店の作り方 宇野隆史、日経BP社、2011年3月28日

p.21 売れない原因を考えるのだって同じ仕事なんだから、「悩む」んじゃなくて、おもしろいと思えばいいと思うんだ。

p.27 そんな(一見、多くの者があまり行きたがらないような)場所で店をやる子は、自分自身が凄く楽しいから、そこで商売するんだと思うんだ。そういう価値観は、お客さんに伝わる。だから、お客さんにとっても楽しい店ができるんじゃないか、そう思うんだよね。

p.34 店にあ「遊び心」を出す余裕がなくなるような無理な投資はしちゃいけない。これが、オレたちの商売が成功する秘けつだと思うんだ。

p.45-6 例えば、飲食店をやっていて店がオープンする前に雨が降ったら、「雨が降っちゃって、お客さん減らないといいなぁ」なんて考える人が多いんじゃないかな。でもそこで、「今日も満席になるぞ。さあ、お客さんにどんなサービスをしよう」って考えられる人は絶対に強いよね。
 お客さんの入りだけを心配する人と、新しいサービスを思い付く人。どちらの店が繁盛するかは言うまでもないよね。

p.51 店を流行らせるには、お客さんがどうしたらより楽しく店で過ごせるかを常に考えて、どんな小さなチャンスも逃さず相手にアピールしていく。そんな貪欲さが必要なんだ。

p.56 店に来たら、お客さんはやっぱり「得をしたい」と思うわけでしょ。だから、これだけいい素材を安い値段で出して頑張っているなと思わせたり、店内がきれいですごく気持ち良かったり、色々な配慮がある店は、どんな時代でもお客さんを引き付ける力がある。

p.56-7 行列ができることで有名な都内の人気寿司屋では、ほかの寿司屋から新しい職人が入って来るたびに、「今までの原価の考えは捨ててくれ」と教えるそうだ。原価が頭にあると、お客さんにいかに得してもらうか、楽しんでもらうかというところから、考えがそれていってしまうからね。
 儲けだけにこだわらないこと。それが客商売の基本だ。

p.57 安売りを前面に出した店の大方のメニューは、材料の質を落として原価率を低くしている。お客さんが本当に得をしているかと言えば、そうじゃない。だから、長い目で見れば、その商品にいつまでもお客さんが付いて来るわけじゃないと思うんだよね。

p.81 大手チェーンが得意とする「会社を大きくするための商売」と、個人店の「自分が食べていくための商売」は違うってことだ。つまり、個人店には個人店の勝ち方がある。

p.110 楽しい、という磁場を作れる人は、「勝てる」人だ。逆に、それができなければ、どんな場所でも商売するのは難しい。

p.136 どうしてそれだけ(の数量)しか出なかったの?と聞くと、店の子はただ「売れなかった」って言う。でも、そうじゃなくてそれは「売る能力がなかった」ということなんだ。

p.175 よく、「客の身になって考えろ」と言うでしょ。あれは、「客の身」と考えるから分からなくなる。「客」ではなくて、「自分」なんだよね。どんな店だったら自分が楽しいか。それを考えれば、おのずといい店ができる。

p.193 そういう(クレームを胸にしまい込んでしまう)人は、口には出さなくても「この店にはもう来ない」と思って帰るよね。そんなふうに、目に見えないところでお客さんを失うのは、とても怖いことだ。

p.216 重要なのは、店の子たちが「生きた言葉」でお客さんにおいしさを伝えられること。自分で実際に食べてなければこれはできないから、ここではまかないにお刺身を出した。

p.223 一度来たお客さんが再び訪れることがなかったら、それは全部自分たちの責任ということだ。

p.224 この時期には、普段飲まないような人も店に来る。新しいお客さんが、馴染みのお客さんに連れられどんどんやって来る。そのお客さんをどうリピートさせるか。それを考える方が、断然、店のためになるよね。

p.226 忙しい、というのは店の事情であって、お客さんには関係ないことでしょ。忙しい時期だって、普段と同じようにお客さんはいい時間を過ごしたいと思ってる。それにどれだけ応えてあげられるかが、後でリピートしてくれるかどうかにつながってくると思うんだ。

p.239 景気が悪いときってのはさ、ある意味、飲食店経営の最高の教科書だと思うんだ。危機感があってみんな、真剣に考えるでしょ。それで「売る」ために考え付いたことは、全部やってみる。当たってもはずれても、それが店の底力になっていく。

p.246 店は、いかにお客さんに来てもらうかが大事なんじゃなくて、いかに帰ってもらうかが大事なんだって、分かってきたんだ。

p.247 「飲食店は健全な“ネズミ講”だよ」

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする