何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

商いの道

2013-12-30 14:11:44 | Book Reviews
経営の原点を考える 商いの道 伊藤雅俊・著、PHP研究所、1998年12月25日

p.3 では、「(企業成長の)秘訣は?」と問われますと、「お客さまとお取引先を大切にする」「嘘をつかない」「感謝の心を忘れない」といった、商いというより人間としての基本を、毎日毎日飽きずに繰り返してきただけと申し上げる以外にないのです。もちろん人間ですから、少しうまくいき始めると、慢心したり、驕りたくなる時もありました。それを注意され、また自ら振り返って反省し、基本に戻る、その繰り返しであったような気がします。

p.15 忘れてはならないのは、お客さまからの信用が小さいうちはまだしも、大きくなった時です。その時ほど、一旦、信用を失ってしまうと、瓦礫のように崩れてしまう危険性があるのです。信用が小さいうちは一生懸命反省して取り戻せても、大きくなってしまったらもう取り戻せないこともあるのです。
 それとともに信用というものは、大きくなればなるほどさらに信用を高めようとすれば、それまで以上の精進が必要になるのです。

p.20 たった一つの笑顔にも心からの感謝が必要なんだよ、そのためには自分の感情なんて言ってられないよ――商いを成功させるということは、それほど凄まじい思いも必要なことを幼心に母から学んだような気がします。

p.26 ひがんだり、すねたりする人は、大成できないと、私は思っています。

p.28-9 だから「お客さまは来てくださらないもの」という気持ちで毎日の商いをしなければならないと母は私たちによく言っていました。
 店が暇な時こそ、いつお客さまがいらして対応できる態勢を整えていなさいというのです。まだお見えにならないお客さまのことを考えておくのが、商人だというのです。来ていただくことの幸せを心から喜びなさいというのです。

p.33 お客さまが安心感と満足感を持って商品を買っていってくださる、私どもを信頼されて買っていってくださる、そのありがたさに、商いの本質があるように思います。

p.34 店の経営で壁に突き当ったら、迷わず初心に帰り、現場に立つことです。

p.36 「伊藤さん、腹を立てて新しいことをやれば、あんたは気持ちがいいだろうよ。でも、それでは全部駄目になるよ。人生ってのは、誰でも重荷を背負っているんだよ」

p.35 「商人は孤独を生甲斐にしなければならぬ」
 そういう(企業のリスクを知らない)集団の中で、たった一人畏れをもって経営をするというのは、とても孤独なことです。経営者の決定に対して、誰も責任を持ってくれません。成功すれば褒めて持ち上げるけれど、失敗すればけんもほろろです。しかも一歩間違えれば社員やその家族を路頭に迷わせてしまうことにもなりかねません。

p.46 私は、何が売れるかわからなくなった時には、街に出て、そこに行き交う人を見ます。そしてどんなものに興味を示すか、どんなものを手にとるかを観察します。

p.47 時代に流行りとは関係なく、いつの世も変わらずお客さまが望んでおられるものがあります。それは、心からの気持ちのよいサービスを得られることです。

p.50 メーカーが製品の価格をつける場合、普通は原価計算に則って決めるわけですが、松下(幸之助)さんの場合は、価格が先に出てくるそうです。例えば、洗濯機がいくらだったらお客さまは買ってくれるだろうか、と考えるのだそうです。

p.58 私は、給与が“下されるもの”ではなく、社員が“決めるもの”である、と認識しています。

p.58 社員がやる気をなくす原因は、自分の努力が会社から正当に評価されていないと思い込んだ時です。給与面でも、待遇面でも、なぜ自分はこの立場にいるのか、という説明がなされなければ、疑心暗鬼になり、仕事への熱意もなくなります。公正にして誠実な対応が、ここでも必要になります。

p.67 目に見えないプラス・アルファーを供給するのに、企業規模の大きさは必要ありません。むしろ社員一人一人のクオリティーが勝負になるのです。

p.74 経済書や経営書などを必死に勉強し、頭の中で経営の理屈がわかったとしても、経営者にはなれません。お客さまや社員と日々接し、成功と失敗の織りなす中で得た知恵があってこそ、立派な経営者になれるのです。

p.76 売れる商品とは、お客さまが欲しいと思っている商品です。お客さまの心の奥底の、お客さま自身も気がつかない欲求を満足させてこそ、プロの商いだと私は考えています。そのためには、お客さまのことを、一番に考えることのできる仕組みを作り上げることが必要です。

p.90 「会社は自分の力で作っているのではなく、世間さまに作っていただいているのですよ」

p.96 ものが売れないのは、誰のせいでもない、自分の商いがお客さまのニーズに応えていないためと反省して精進しています。

p.103 お客さまの信頼を得られなければ、商いはうまくいかない、そのためには、人間一人一人を大切にし、誠実に接することによって、信頼を得なければならないということを、どんな場合でも(松下幸之助さんは)実践していらっしゃると感じたのです。

p.115 適正な競争とは、公正な精神のもとに秩序を重んじてなされ、お互い常に対立しながらも、同時にそれ以上に、調和、協調の気持ちを忘れてはならないものというのです。

p.123 商売好きな人は商売に滅ぶから、創業者は気をつけなさいよと。その実はついついのめるこんで視野が狭くなり、「気を見て森を見ず」になってしまうということなのです。

p.148 会社にとって、一番大切な財産は、資産ではなく、売上げでもなく、実は、人さまとの関係なのだ。


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どん底から最高の仕事を手に入れるたった1つの習慣

2013-12-29 16:39:57 | Book Reviews
「どん底から最高の仕事を手に入れるたった1つの習慣 福島正伸・著、中経出版、2013年8月23日

p.26 失敗からは学ぶことしかない

p.38 「では、ずっと失敗が続いたらどうなんでしょうか?」
 「そうしたら、こう思うだろう『こんなにうまくいかないってことは、きっと誰もできないぞ』って。『もしできたらすごいことになる』って、ワクワクするじゃないか! 失敗の連続は自分の弱さを知り、自分を磨いて本当の強さを持つために起こることなんだから、あきらめちゃもったいないよ」

p.39 「ピンチ」。その意味は、「チャンス」と書いた。その出来事をピンチと考えた時だけピンチとなるだけであって、チャンスと考えればチャンスになる。

p.90 どん底は、人の次元が変わるところだって・・・・・。

p.94 自分と同じような悩みを持つ人たちの役に立てることを考えればいいんだ。もっと自分の経験を、社会に生かしていけばいいんだ!

p.102 職場でお互いが競争すると、自分一人で仕事をすることになってしまう。そうなると、一人ひとりの能力だけで取り組むことになり、チームで仕事をする意味がなくなってしまう。全員が他人の支援をすれば、そのチームの仕事の成果は最大になる。

p.111 自分のすべてを受け入れてくれたその上司のために、最高の結果を出そうと誓った

p.115 「人が幸せになる組織のキーワードはね、「相互支援」。つまり、社員が助け合う組織ってことだよ。信頼し合い、助け合っている組織なら、きっと社員はみんなワクワクしながら仕事をいていると思うんだ」

p.116 信頼っていうのは、相手の発言や行動を見て、それが信頼できるかどうかじゃない。相手をそのまま受け入れることなんだよ。つまり、想い通りにならない相手をこちらが信頼することさ。

p.125 そもそも夢を実現したと言われるすべての人たちは、それぞれがまったく違った方法、経緯で成功しており、しかも誰もが恵まれない環境から成功したのだ。そこには人、モノ、カネ、情報、時間、など、いわゆる「経営資源がすべて整っていたから、夢を実現することができた」という人など、一人もいなかったのである。

p.126 共通していたことは、俺が会った成功者はみな考え方にぶれない軸があったということだ。
 すぐれた起業家の共通項は「いかなる環境や条件の中でも、自らの限りなく能力と可能性を最大限に発揮して、道を切り開いて姿勢」にある。

p.135 「一度やると決めたことが、どんなことがあってもあきらめない。そして、毎日成長し続ける。そんなあんたの姿が、人を育てるのよ」

p.152 「ピンチをチャンスに変えるんだよ! こっちの本気が周りに伝わることをやるんだよ」

p.154 一生賭けても何も成果が出ないかもしれない。それでもあきらめずにやるって。

p.154-5 窮地に置かれたとき、人は目の前に二つの道を見いだす。一つは、楽を求めてその窮地から遠ざかろうとする道。そしてもう一つは、どんなに苦しくてもその窮地の真っただ中を突き抜けていこうとする道。誰だって、真っただ中に向かう道を進みたいとは思わないだろう。しかし、窮地から遠ざかろうとする道の先は、たいてい途切れているものである。

p.158 僕は自分で話をしていて、『覚悟をすると、こんなにも他人の意見に振り回されないようになるのか』と、不思議なくらい自分の心が動じないことを感じていた。

p.166 『仕事は作業じゃない、企業理念を現実にするのが仕事だってことがわかった』『毎日の仕事が、世の中に役だっている実感がするようになった』

p.175 「そもそも、人を変えるために必要な本気って何でしょうか?」
 「私が、御社の社員のすべてを受け入れ、信じ切る勇気を持つことです!」

p.217-8 人生は、どんなに努力をしても、思い通りにならないことが、次々と起こってくることがある。それによって、努力とはまったく正反対の結果になることもあるかもしれない。だけど、どんな結果になろうとも、その先に未来があるって・・・・・。

p.222 お前が会社を変える必要なんてないよ。会社を変えることができるのは社員なんだから。

p.223 権力なんかよりも、真面目に一生懸命に生きることが人の心を動かす。

p.224 社員をやる気にさせるのが、社長の仕事だぜ!

p.243 どの道を選ぼうが、その道を一生懸命に進めばいい。サラリーマンになろうが、起業家になろうが、そこで必ず夢は見つかる。自分が体験したことに意味を見いだせば、自分の中に夢の種があるんだ。

p.244 どんな夢を見つけたって次々と、いろんな出来事が降りかかってくる。それを逃げないで受け止めれば、人生は、感謝と学びばかりの毎日になるよな。

p.246 人は誰しも、一人だけで幸せになることはできない。幸せは人と人との関わり合いの中で自分の存在が必要とされ、感謝されることによって生まれるものだからだ。それは、自分の存在価値の実感そのものである。

p.246 「相互支援社会」。それは、誰もがお互いに感謝し合っている社会。そのために必要なのは、人を信じること、人を支援すること、社会に貢献することによって、すべての人が助け合うこと、そこでは、誰もが自分が今ここにいる価値を実感できる。どんな環境に置かれていたとしても、そこで幸せに生きることができる。

p.252 思い通りにならないことがつらいと思うのではなく、思い通りにならないことから学ぼうとすれば、毎日が楽しくなるのです。

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山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス

2013-12-15 20:27:52 | Book Reviews
「山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス」 宇都宮恒久・著、日本能率協会マネジメントセンター、2012年11月30日

p.5 感動のサービスは特別な場所、特別の日のものでしょう。ハレのサービスです。それに対して幸せを感じるサービスやおもてなしは日常の中にあります。日々暮らすなかでのちょっとした喜びや楽しみ、安堵感、そういったものでしょう。

p.27 何かできることはないのか? お客様に少しでも快適に、そして少しでも幸せな気持ちを味わっていただくために何かできることはないか、とアンテナを立てている人だけが、チャンスをものにできるのです。

p.31 統制されたサービスや日常を忘れるような感動のサービスを提供できるわけではありません。でも日常に密着しながら、乗務員さん一人ひとりがその場面、場面で気づき、考えてサービスを提供しています。規制の強い業界であっても、一見成熟した業界であっても、まだまだサービスを向上させる可能性があるのです。

p.43 儲からないと思っているお客様は本当に儲からないのか。そういう疑問を持ってみるとまた違った世界が見えてくるはずです。

p.52 事情に合わせた適切なサービスは決してマニュアル化できないのです。乗務員さん一人ひとりが現場で考え、判断し、行動するしかないのです。

p.55 日常に即した最高のサービスはマニュアルでは実現しません。むしろ「マニュアルに書いてないから」とサービスを制限する力が働くかもしれません。そこがマニュアルの怖いところです。その点、理念は何万ページのマニュアルに負けません。もちろん理念が現場できちんと実践されることが前提です。

p.89 大事なのは子どもの健康か、喫煙の自由か。どちらが真の常識でしょう。声の大きな人の“常識”にとらわれてはいけないのです。

p.120 「企業同士の競争は、究極的に人と人との競争である。会社の規模や資金力でも知名度でも、グループ企業の支援でもない。また、建物でも決算書でもない。人である。人と人とがつくる社風こそが企業を支える無二の資産である」

 ハッとさせられる。あわよくば自分も手に入れたかったことが方向違いであったことに気づかされ、反省させられる。

p.128 人は十回言って、ほんの一瞬、微風が吹いたか吹かないかくらいのものでしょう。次の瞬間、言われたことはすっかり忘れてしまうでしょう。百回でも足りません。
 行動に移すのは一万回です。一万回、それを口にしてこそ浸透するのです。

p.136 タクシーが単に移動の手段であるとすればどのタクシー会社の運転手さんでもいいでしょう。でも、中央タクシーの乗務員さんでなくては絶対にダメなんだと言われるような社員でありたい、そういう理想を書いたのです。

 まさにそう。ウチの薬局もそうありたい。

p.161-2 数字を頭に置いてしまうとサービスがないがしろにされかねません。売上げや利益を念頭に置いていたら今乗せたお客様が困っていても、次のお客様を乗せるために走り去ってしまうでしょう。お客様主義を徹頭徹尾守るには数字を掲げる経営は不可能なのです。

p.173 「欠勤するな」「遅刻するな」「事故を起こすな」 このように「○○するな」の叱り方は決して社員のやる気を引き出せません。気が重くなったりして萎縮してしまいます。

p.174 企業の根幹は何でしょうか。私は人間関係だと思います。人間関係が良くなるとよい社風ができる。良い社風は良いサービスをもたらし、その結果、業績が上がっていくのだと思うのです。

p.176 中央タクシーの理念は「お客さまが先 利益は後」ですが、社内にあっては「仲間が先 利益は後」と言ってもいいような雰囲気があります。

p.184 私たちは仕事をしながら他人の人生に触れ、他人の人生を変えてしまう力があるのです。自分の仕事が、他人の人生を良くも悪くもするという視点に立たなければいけません。

p.185 お客様の人生を良くするも悪くするも、幸せにするも不幸にするも自分たちの責任感と使命感にかかっていると覚悟する必要があります。

p.187 人を運ぶのは「機能」かもしれません。でも機能だけではお客様の信頼、感動を得ることはできません。まして、お客様の人生に触れることはないでしょう。もしあってもそれは苦痛を伴う悲しい触れ方でしかないでしょう。

 薬を渡すのは、薬局の機能に過ぎない。薬を渡すだけなら、どこの薬局でも、医者でも、医院の事務員でもできることだ。ということは薬を渡すことだけとったら、そこに薬局の役割はないのだと思う。その人の生活や考え方に合わせて、係ることがなくては、なくてはならない薬局にはなることなどできない。

p.194 いろいろ(人と)比べる中で一番いけないのが、自分の仕事にプライドが持てないことです。自分の仕事を卑下してしまうとやる気が出ません。やる気が出ないから仕事がぞんざいになります。投げやりな仕事に対してお客様は感謝しません。

p.200 変化を嫌う業界でしたから、ちょっとしたサービス向上をはかれば少し差がつき、もっとやれば他が追随できないほどの差ができます。

p.208 経営者の最大にして最後の仕事。それが経営の権限委譲だと言われています。

p.212 本来、お客様主義とは人間主義と言えます。ですから、獲物を前にした狼やハイエナのように狂気にかられたように利益を追い求めたときに最初に喪失していくのは、人間性でありましょう。

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鍵山道場

2013-12-09 23:07:07 | Book Reviews
鍵山道場 人間力を磨く法則 鍵山秀三郎・著、ぱる出版、2008年9月1日

p.18-9 皆が皆、自分にとっての目先の利益だけを追い求めれば、他人のことに思いが行かなくなります。自分以外の者は押しのければいい、蹴落とせばいい、という考えで行動すれば、日々小さなぶつかり合いが生まれます。それが積み重なったとき、大きな事件として噴き出すわけです。

p.79 私は、掃除をしたから「業績が伸びた」などという具合に、掃除と経営を結びつけるのはあまり好きではありません。しかしながら、日々の掃除を通じて、地域社会やお客様方との間に良好な関係が築かれていったのは確かです。

p.89 私自身は「会社が儲かるから」とか「運がよくなるから」などと思って掃除に取り組んだことは一度もありません。

p.112 相手側の理不尽な要求を受けてしまえば、今度は私が社員に理不尽なことを強いなければなりません。

p.140-1 惰性の世界で生きている人ほど、自分が閉塞状況に置かれると、こうした(大きな天変地異や社会の激動などの)「外の力」を望みがちです。しかし、そんな大きな力は滅多にやってきませんし、仮にそうした力が働いたとしても、惰性の世界で生きている人の本質はほとんど変わらないものです。
 そうした人々は「今日」という日を「昨日の続き」という程度にしかとらえていません。今日が昨日の続きですから、明日も今日の続きです。「何かを変えなければ」と考えていても、朝目が覚めれば、昨日と何も変わらない一日が始まってしまうのです。

p.142-3 でも、本当は「今日」という日は、歴史上始まって以来の「今日」という日であるはずです。今日は「昨日の続き」ではなく、自分が一回も出会ったことのない、まったく新しい一日なのだということです。
 朝、目が覚めれば、その日はまったく新しい一日なのです。だから、自分もまったく新しい自分として生きていかなければなりません。そう考えるとき、人は「新しい自分」を求めます。自らの変化を求めていくことになるのです。

p.145 「やっても無駄」という気持ちを乗り越えて、それでも少しずつ地道に続けていくことができるかどうか。この強い気持ちがあってこそ、小さな変化がいつしか大きな変化へとつながっていく力になるのです。

p.154-5 「明日からでいい」と考えてしまうと、次の日になっても、また「明日からでいい」となってしまい、結局はやらずに終わってしまうからです。
 何をやるかを決めたら、手間ひまを惜しまずに一所懸命打ち込み、続けていくことです。

p.156 私も、社内の掃除を続けながら、もっと効率よくきれいにする方法はないかということを常に考えてきました。注意したいのは、「手抜きをするための方法」を考えるのではないということです。大切なのは、まず一つのことを徹底すること。その「徹底」の度合いをさらに高めていくためにどうすればいいかと考えるのが、本当の「工夫」です。

p.173 自分に足りないものを挙げ連らねる人は、人を貶めることで自分の地位を引き上げようとします。それでも足りない場合は、うわべだけを着飾ったりしながら、「自分はあの人よりも上なのだ」ということを誇示しようとします。

p.181-2 仕事の現場などで、他人に親切にするということは、その人の骨折りや労働を正当に評価してあげることです。成果主義が横行している中では、たとえば同じ部署にいる人が成功すると、その人がどんなに正当な手段で仕事を成功させたとしても、つい妬みやうらみのような妄想が頭をもたげがちです。

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社員が会社のために動きたくなる51のこと

2013-12-08 22:25:46 | Book Reviews
「社員が会社のために動きたくなる51のこと」 吉田和彦・著、あさ出版、2013年7月25日

p.23 社員が自ら動ける仕組みづくりは社長自身のためだけではなく、社員のためにもなります。社員が自分で考えられる人間になるからです。要するに、人が育つということ。社長が何でもやっていたら人は育ちません。人を育てるというのは社長の任務のひとつといえます。

p.28-9 不信感を持っている社員は、社長や会社のために率先して動いてはくれません。社長の思いやりが伝わることで、社員は「自分たちのことを思ってくれている社長、そして会社のために」と自分も必死になって動いてくれるのです。

p.43 極端な話をすると、子どものおむつが安いものしか買えず、おしりがかぶれてしまった。このかぶれは社長の責任です。

p.55 自社でまったく知らないことがあるというのは、社長としてはあってはならぬこと。

p.60-1 「いい社長」は、社員から尊敬されている。「最高の社長」は、社員から「いるのかいないのかわからない」と思われている。この状態をつくり出すには、「社員に仕事を任せることができる社長」にならなければなりません。

p.62-3 社長はつい口を挟みたくなっても、基本的にはグッと言葉を飲み込んで我慢し、社員が間違った方向に進んでいるときだけアドバイスしましょう。それが、社員の成長につながったり、社長がいなくても、変わらずうまく回る会社をつくることができるのです。

p.126 社員に自ら動いてほしいなら、判断軸を伝えておくことです。会社の方針がはっきりと決まっていれば、社長が何も言わなくても、社員それぞれが方針に沿って考え、行動してくれます。

p.150 「社員ができない」と嘆く前に、まずは作業の仕組みを見直しましょう。人を責めても根本的な原因は解決しませんし、仕組みを見直すことが社長の仕事なのです。

p.163 社長は「人」ではなく、「仕組み」にメスを入れましょう。「仕組み」が変われば、自ずと「人」も変わります。


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