何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

プロフェッショナルな修理

2009-01-31 21:32:18 | Book Reviews
「プロフェッショナルな修理」 足立紀尚・著、中央公論新社、2007年3月25日

 リビルトされた製品は、その品質の高さから新品に勝るとも劣らない状態で仕上げられる。職人芸、高い技術によって支えられている。
 その「人」なくしてはできない部分もあろうが、スタッフがいてチームがある。その逞しさは眩しく映り、縁があればそこに加わりたいとすら思わせる。好きでなければつとまらないだけでなく、それは幻想か錯覚であることはわかりすぎているのだが、そのくらい魅力に溢れている。

 修理によってモノが再生するということがこれほどまでに脚光を浴びているとは思わなかった。単なる技術屋の存在あってのことではなく、プロフェッショナルな取り組みがなされていることで、輝いて見え、そのアウトプットが社会に受け入れられているようである。

 何でも修理をすればいい、というものではない。修理も極めるほどに高める奥深さがあるのだ。専門性を買うニーズがあり、ユーザーがいる。汚れ仕事のようであるが、実にやりがいのある仕事ともいえる。
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医薬分業は後戻りするか(2)

2009-01-31 09:06:53 | よくわからないこと
 先の投稿の続報だ。

 新潟県薬 分業の利点、患者にじかにアピール(日刊薬業 2009.1.28)

 新潟県厚生連の三条総合病院(三条市)が院内処方に切り替える方針を示したことに対し、地元の新潟県薬剤師会が医薬分業の利点をじかに患者に訴える取り組みを開始した。同院の処方せんを受けた調剤薬局が重複投与などを指摘したデータをまとめ、患者に分業の実績をアピール。病院窓口で院外処方を希望するカードも作成した。(中略)

 県薬はこれに加え、患者が同院で院外処方の希望を意思表示するカードや、医師と薬剤師がそれぞれ専門性を発揮する医薬分業の利点を啓発するパンフレットを1万枚ずつ作成。日本ジェネリック医薬品学会から後発医薬品普及に向けた啓発パンフレットの提供も受けた。市内の薬局を訪れた患者に提供する考えだ。(後略)

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 患者を味方につけ、院外処方を希望するよう促す・・・、そう考えるのはある意味自然だ。というか、一般的だ。ただ、こういう事態になった時にこれまでの評価がモノを言うのだから、後手に回っているようにも思えなくもない。

 院内処方せんと院外処方せんは違う。医者も医事課等の事務職員も薬剤部も、外来患者に対しダブルスタンダードで業務を進めるのは煩雑だし、トラブルや医療ミスのきっかけにもなる。どちらかにしたいと考えるだろう。

 とすれば、患者にどちらでもお好きなコースを選択できますよ、といったふうにアナウンスするのは考えにくい。原則は院内ですが、ご希望があれば院外にも対応しますよ、程度だろう。それすらどこまで積極的に行うかも疑問だ。口頭で「院内でお渡ししますがよろしいですか」くらいの説明であれば、思うことがあっても「はぁ、そうですか・・・」くらいにしか言えないのではないか。病院側はそれで同意がとれた、あるいは希望があったと受けとめるだろう。

 主治医(この場合、病院側)とトラブルをおこしたくない(機嫌を損ねたくない、気まずい関係になりたくない)と思えば、不本意であっても従わざるを得ないと考える患者は少なくないだろうことは、容易に想像できる。にもかかわらず、それを同意した、希望があったと受けとめるのは拡大解釈ではないか。

 そういう状況に置かれた患者が、診察あるいは受付で「院外処方でお願いしたい」などとどこまで言えるのか、残り時間が少ない中で、保険薬局側が働きかけるには並大抵ではないだろう。

 ジェネリックの希望ですら、なかなか口に出していえないのだ。医者に「私はジェネリックにあまり信用がおけないと思っているが」などと言われれば、それでもジェネリックにしたいとは言いにくいのと同じだ。

 改めて、医薬分業は薬剤師が機能することで患者の安全を守る社会的なシステムだと思う。多くの処方せんに問題があるわけではないが、率からすれば少ない割合ながら疑義照会によってプレアボイドを果たしてきた。全処方せんのうちの割合の多寡ではなく、健康にかかわることにはそのような安全確保の精度が必要ということだ。院内の薬剤師ではできないという意味ではない。それは同一組織外の者によって果たされる必要があり、院内で行うのは勧められないということだ。医薬分業の本質というか原点に立ち返るようなことだ。

 新年度まであと2か月。三条市およびその周辺だけの問題ではなく、国内全域に影響を及ぼす問題提起のように思われる。医薬分業だから、地球規模の問題といったら大袈裟かもしれない。もっと広い意味で安全文化も問われるているのかもしれない。
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人生で大切なこと

2009-01-30 23:56:05 | 薬害は人災だ
「松下幸之助が直接語りかける人生で大切なこと」PHP総合研究所・編著、PHP研究所、2008年11月7日
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父親に、その職業にあこがれる

2009-01-30 23:10:44 | 心に残ること
第54回青少年読書感想文全国コンクール:福岡市内の3人入賞--中高姉妹も /福岡 〔福岡都市圏版〕毎日新聞 2009年1月30日 地方版

 「第54回青少年読書感想文全国コンクール」(全国学校図書館協議会、毎日新聞社主催、内閣府、文部科学省後援)の審査結果が29日発表され、福岡市内の筑紫女学園中と、福岡雙葉の中高姉妹の3人が入賞した。喜びの声や読書の楽しさを聞いた。

◆全国学校図書館協議会長賞
 ◇本の世界に新たな発見--筑紫女学園中3年・中野蕗さん(14)

◆サントリー奨励賞
 ◇作品通し自ら成長--福岡雙葉中1年・夏目祐衣さん(13)

◆サントリー奨励賞
 ◇瞬時の感情を描写--福岡雙葉高1年・夏目芽依さん(16)

 姉妹そろっての受賞に「一緒に賞がもらえるなんて……。二人で驚いています」

 芽依さんにとって読書は息抜きの時間。妹祐衣さんとは、お互いに書いた文章を交換して読み合ったのだそう。そんな姉妹も普段は理系科目が得意。将来の夢は二人そろって父の職業、薬剤師。
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 薬剤師になりたいと、父の職業に憧れるって微笑ましい。さぞかし娘から愛されるお父さんなんだろうし、薬剤師という仕事をしているところを、その苦労もやりがいも見て育ってきているんだろう。人から愛される仕事をしてきているから、子供たちも憧れるのだろう 
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フォーカス・リーディング

2009-01-29 23:37:27 | 薬害は人災だ
「フォーカス・リーディング」寺田昌嗣・著、PHP、2008年8月18日
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医療過誤

2009-01-28 22:14:46 | 薬害は人災だ
「医療過誤 帝京大学溝口病院元医長の告白 中島英明・著、五月書房、2002年12月28日

p.55 一方、医療側の恣意的な過失、つまり「犯罪行為」が存在するという可能性もゼロではありません。病院や医師が自分たちのやりたい治療、能力不足や勉強不足のためにそれしかできない治療を、むりやり押しつける形で医療行為をしてしまう場合もあるのです。その結果、患者が迷惑を被る、あるいは死亡してしまうこともあるわけです。あるいは稚拙な技能しか持ち得ない治療者が不適切な治療をして、「案の定起こってしまった」という不幸な結果を招くこともあります。こうした治療行為に対してはミスや過誤ではなく、「医療犯罪」と呼んでしかるべきであると考えられます。

p.63 日本医療従事者たちは、お互いに持ちつ持たれつの共犯関係にありながら、お互いに深い不信感を抱きあっています。

p.90-1 不正請求に対して、病院経営者は「正直に医療費を請求すると病院の経営が成り立っていかないからだ」などと反論します。もちろんこんな言い訳は、世の中のほかの業界では成立しません。輸入牛を国産牛と偽った食肉会社は、それだけで世間の厳しい指弾を受けました。医療界に限ってそんなことを言うのは、「病院はみんなの役に立っているのだから、まず経営が成り立つためには多少の不正は仕方がない」といったおごりがあるからです。経営が苦しいのと、違法行為をするのと、一緒にしないでもらいたいものです。

p.91 医者は目の前の患者が「自分の家族だったらどう治療するのか」ということを考えて治療すれば、日本国民からの医療不信を払拭できるはずです。そんな良心的な医者が損をしないような医療改革をしていくことが不可欠です。

p.92-3 米国では医学部入学試験時に、スタッフたちが総出で受験生に医者の資格があるかどうかを問うために面接試験をします。この時、面接官の「何故医者になりたいのか?」の問いに、経済的理由を挙げると即失格だといわれています。ところが、日本のトップといわれている医学部では大半の医学生が「医者は収入がいいから」「儲かるから」と答えたそうです。どこの医学部でもそうであるとは信じたくありませんが、国民が医学に期待するものと、医学生たちの意識には大きなギャップがあるようです。

p.138 いったん患者が訪れると、自分で抱え込んでしまい患者を逃すまいとする開業医がいます。診断がつけられなかったり、自分の手に負えそうもないとわかっていても、「専門医を紹介しましょう」とは言いません。自分のクリニックの売り上げを減らしたくないからです。しかし、これは事故のもとと思ったほうがいいでしょう。
 「すべてを私に任せておけば大丈夫」と、謙虚さがなく自信過剰である医師は警戒すべきでしょう。

p.139-140 開業医の中に漫然と患者を抱え込んで旧態依然とした独りよがりの治療を続け、どんどん糖尿病を進行・悪化させてしまうケースが少なくないことです。「開業医は患者を抱えこむな」といわれています。開業医は患者のことより収入を考えて思わず抱え込むことによりトラブルが生じていることへの警告ですが、実際には収入源である患者を抱え込むことが少なくありません。保険医療養担当規則には、担当医が自分の診療内容について「疑義があれば対診(他の医師の意見を聞くこと)するように」と定められています。開業医がそれを守れば多くの事故は防げるはずなのです。

p.141 小児科などでは診察室に入ると「お母さんは外で待っていてください」と、患者と家族を引き離そうとする医師がいます。家族も治療の内容を知りたがり、本人も認めるのであれば医療内容は家族にも公表されて当然です。こんな時、「保護者にすべてを見せてください。親に見せられない診療をなさるのでしたら、連れて帰ります」といった抗議をすべきでしょう。こうしたあなたの毅然とした態度が医療をより良いものへと変化させるのです。

p.148 それが無駄なことであろうがなかろうが、医療機関はできる限り検査の機会を作り出して、財源としています。「胃におかしい影があるから」と、患者に何回も内視鏡検査を受けさせている人間ドックも少なくありません。
 しかし、ここで言っているのはそんな問題ではなく、経営を優先させた無駄な検査が、医療過誤の機会をも作り出しているということです。
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一筆啓上

2009-01-27 23:03:15 | 心に残ること
一筆啓上、時々お前の夢を見る。子供たちにも出てやってくれ 1月27日12時49分配信 読売新聞

日本一短い手紙のコンクールとして知られる福井県坂井市(旧丸岡町)の「第6回新一筆啓上賞」の入選作が27日、発表された。

 今回のテーマは「夢」。国内外から、思い思いに夢をつづった6万1283通が寄せられ、大賞5点、秀作10点などが選ばれた。

 大賞となった福井市の小学2年・手賀梨々子さん(8)の作品は、「ゆめの国のお友だち」にあてた愛らしい手紙。「いつも、あそんでるとちゅうでバイバイ。ごめんね。朝、ママがおこしにきちゃうんだ」と書いた。

 同じく大賞の岩手県、農業岩渕正力さん(64)の作品は「時々お前の夢を見る。子供たちにも出てやってくれ」と、24年前の交通事故で逝った妻への思いがにじむ。
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 なんてピュアなことか。多くを語る必要もなく、優しさも溢れている。その時を一生懸命生きていることも伝わってくる。そういう思いが出せることが、素晴らしい。感動を与える。
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不都合な真実

2009-01-27 22:45:02 | Book Reviews
「不都合な真実 ECO入門編 アル・ゴア、ランダムハウス講談社、2007年6月27日
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食は命

2009-01-27 22:24:19 | 薬局経営
 売らない我慢「食は命」 朝日新聞 2009.1.27 夕刊

 千葉県のJR柏駅をおりると、高島屋、そごう、イトーヨーカドー、そして小さな食品専門店「京北スーパー」がある。
 売れる商品をそろえるのが商売の常道。この店は違う。創業者の石戸孝行(71)が言う。「健康のためにならないと考えたら、売れる商品でも我慢。私はそう決めました」

(中略)

 石戸のあこがれだった増井(徳男)は01年、86歳で死去した。紀ノ国屋は東京と神奈川にあわせて13店を展開、高級食品スーパーとしての地位を固めている。後をついだ長男の徳太郎(63)は、85年7月におこった騒動を、教訓にしている。
 オーストリア産ワインの一部に有害物質が含まれていたことが発覚、しかもテレビニュースは、紀ノ国屋のラベルがついたワインの映像を流した。
 徳太郎は、店のワインをすべて撤去した。アメリカやフランスの大使館から、自国のワインまで撤去するのはおかしいと抗議がきたが、方針を変えなかった。1カ月以上をかけ一本一本検査し、安全だと確認してから戻した。
 「お客から大きな信頼をいただいた。食品を売ることは、お客の命にかかわること。責任ある商売です」

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 高級食材ということから単価も一般のスーパーの3~4倍するようなイメージもあって、紀ノ国屋は近くにありながら縁遠い店だと思っていた。何を持って「高級」かどうかもわからずに、食の安全にそこまで力を注いでいるとは知らずにいた。食料品販売は、人の食の安全を守ること、安全な食品を提供することだと位置づけているのだろう。

 さて薬局はどうか。人の命を預かっているという意識はどこまであるのだろうか。
 売れるものなら何でも扱うようなことになっていないか。安全を提供しようと、どこに「こだわり」や信念を見せているのだろうか。利用者の目に、それらがどこまで映っているのだろうか。


 そういうことが業界では「薬剤師の姿を見せる」という意味にも通じる。売るための安全ではない。安全を提供することで、顧客に評価してもらうことだ。
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儲けのネタ帳

2009-01-26 22:54:46 | Book Reviews
人にはちょっと教えたくない 儲けのネタ帳」 岩波貴士・著、青春文庫、2008年7月20日

 これは使えそうだな、と思ったアイデアは下記の通り。

p.36 頻繁に使う「消耗品」を広告に使う(ケース付きポストイット)。

p.62 「お知り合いの方で、この商品を欲しがりそうな方はいませんか?」
 お客様の知人は、お客様と同様のライフスタイルをしている場合が多く、かけ離れた人間同士が知人である場合は稀です。だからお客さまの知人の中にも購入してもらえる人がいる確率が高いのです。

p.76 「すみません、うながされていたようですが大丈夫ですか?」
 注意の言葉ではなく、心配の言葉をかける。

p.90 「業務用」の3文字。
 一般向けの商品ではなく「プロ用の高級品」であることが伝わる3文字。

p.103 「ポケモンが大好きなお子さんのお母様へ」
 人は自分が「2つの条件」に該当する場合に初めて振り向く。

p.111 新しい情報を得た際には、まず逆の立場で考えたり、応用例を考えたりすることがアイデアを出すコツ。例えば、自社ブランドの商品を持ちたいと考えた際に、他の会社に制作してもらう「製造代行サービス」。

p.113 ある商品から、購入者のライフスタイルを想像し「別商品の重要」を推測したり、商品購入者のもつ「裏の需要」を読み取ることで、新たな商品の販売につなげることができる。
 例えば、「高枝切りバサミ」を注文したかたに、海外旅行のご案内や、リフォームのお誘いが届いたりする。
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天職の作法

2009-01-25 10:07:16 | Book Reviews
「天職の作法 「人生が開花する人」が知っていること 小阪裕司・著、大和書房、2004年6月14日

p.72-3 「生きていればね、まい日なにかが起きるのよ。けれどその起きたこと自体は幸・不幸の性格を持っていないのよ。幸・不幸の性格づけをするのはわたしたち人間よ」
 起こった出来事に対して、これはどういう意味を持つのかと。たとえばそれがひどい出来事だとしても、自分にとって、価値を持つとしたら一体どういうことなのかと。そういう質問をしてもいい。そうすると、出てくるわけです。何か。ちょっと見えてくるんです、道が。

p.134 人生に、自分が歩いてきた道の先に、新しいステージが立ち現れてくると、それは常にファイアーウォーク。
 そして私たちの人生にも、このような瞬間が訪れる。いろいろなものを背負ったまま、ファイアーウォークの火以上の火を渡る瞬間が。

p.166-7 メンターというのは探すものじゃないということです。メンターというのは引き寄せるんです。引き寄せるものなんです。
 何をあyって引き寄せるかというと、開化の道を生きていると引き寄せるんですね。そして先ほどの五つの力を使えていればいるほど引き寄せる。
 勝手に出逢うと言い換えてもいい。
(五つの力:素直である力、かぶく力、演じる力、恥じる力、許す力)
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日本の薬はどこかおかしい!

2009-01-24 13:10:49 | 薬害は人災だ
「日本の薬はどこかおかしい!」 鳥越俊太郎・中井まり・福田衣里子、青志社、2008年7月17日

p.128 原告だけでは絶対に変わらなかったと思います。みんなで追い詰めなきゃ動いてくれないのはどうなんだろう、って疑問はやっぱり残りますけどね。国民の命を守るのに、本当は「責任がどうのこうの」という話でもないと思うんです。責任があろうとなかろうと、国民の命を守らなきゃいけないはずなのに、逆方向に走っている気がします。

p.161 (募金箱を)盗んだ子は、盗ったことによって悲しむ人がいることが想像できないのかな。薬害の問題も同じ。薬をビジネスとしてしか考えていなくて、使う人がどうなるとか、使う人のことまで考えていない。想像できないんでしょうかね、売ることしか考えていないのかな。

p.186 (ムコ多糖症では)「患者がたくさんいないから熱心にやらなくてもいいや」という、製薬会社のビジネスが生んだ、一つの間違った結果ですよね。(薬害C型肝炎では)これはどんどん儲かるからと、厳しくチェックせずにバンバン売ってしまった。利益という観点から見たら、同じですよね。それと癒着しているのが日本の薬事行政。


おかしいのは「薬」そのものではなくて、そんな状態に薬を置いてしまっている「人」なんだなぁ、って改めて思う。
 承認から販売、使用に至るまで、それぞれの場面で係わる人が、それぞれの責任と役割を果たさないでどうするのか。そこに携わる人を変えてしまうのは、ビジネスであり私欲だ。病んでいる人のことに思いが及ばないのだろう。
 病人が回復することを願うんじゃなくて、薬を買ってくれることを願っているのだろう。それでは薬の扱われ方がまるで変わってしまう。製造、販売、医療、直したり体調を心配するのと、買ってる使ってくれさえすればいいのとでは、やり方がまるで異なる。買って使ってくれればいいのだから、安全性への対応など、真っ先に影響を受けるのも当然のように思えてしまう。たいへん残念なことだ。

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大学病院のウラは墓場

2009-01-23 23:25:40 | Book Reviews
「大学病院のウラは墓場 医学部が患者を殺す 久坂部羊・著、幻冬舎新書、2006年11月30日

p.34-35 大学病院の問題の根本は、世間が大学病院の医師に医療者であることを求める点にある。大学病院の医師は本質的に(治療ではなく、研究を本分とする)医学者である。
 今や医学が進み、治療も研究も厳密になって、必要な医学的知識も細分化された。少し専門分野が違うと、互いにやっていることがさっぱりわからないくらいだ。研究に専念すれば治療の腕を磨くひまがなく、治療に専念すれば研究を進めることができない。医学者であることと、医療者であることが両立できない時代になったのである。

p.36 医学者の本音の部分で、診療を嫌っている。うるさい患者、ものわかりの悪い家族、無理難題を押しつけ、わがままを言う患者や家族にはうんざりさせられる。さらにはなかなかうまくいかない治療。
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人生が全部うまくいく話

2009-01-22 22:22:01 | Book Reviews
「人生が全部うまくいく話」 斎藤一人・著、三笠書房(知的生きかた文庫)、2004年1月10日

p.52-3 サラリーマンが何人集まっったって、サラリーマンなんだよ。俺たちは、プロの商人なんで、負けるわけがないんだよ。大手が出てくるとかなわないって、そんなことはないよ。
 大手なんかに負けるわけがないんだよ。どだい承認になりたくない奴が、サラリーマンになったんだから。商人になりたくてなった奴が、なんでサラリーマンの集団に負けるんだよ。負けちゃいけないんだよ。俺たちは。

 薬剤師って、サラリーマンしていないか。「薬の専門家」だなんて、キレイな言い方すぎないか。猛烈に自分を鍛えて、汗や泥にまみれて(そのくらい、ということ)、できる限りの知識と技量と責任感を持って、国民の健康維持・管理・向上に尽力するプロフェッショナルじゃなければいけないのではないか、そういう使命があるのではないか。

 だから、会社から給料をもらっているような、言われたことを淡々とこなすような、そんな仕事の仕方をしていてはいけないし、もしそういう組織が薬局をしていても、そういうところには負けちゃいけないのだろう。いや、負けるはずがない、と思う。

 もともと勝ち負けを争うわけではないし、売上が勝ち負けの基準でもない。だがどちらのスタイルが国民をはじめ、スタッフにとって期待を感じ、輝いてみえるかは明らかだ。


p.55-7 いつの時代にも、経営にコツというものはない、ということです。
 「コツがないってことを早くわかる」のがコツなんですよ。で、ただひたすら真剣に、真剣に仕事のことを考える。寝ても起きても仕事のことを考えて、今の時代にどうやって合わせるかっていうことをいつも考える。
 簡単に言えば、ひたすら努力するしかないんだっていうことなんです。それが「おもしろいんだ」ってとらえるしかないんです。
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依願退職

2009-01-21 23:11:40 | Book Reviews
「依願退職 愉しい自立のすすめ 高任和夫・著、講談社文庫、2002年2月15日

p.68 しかし、役員たちも、事態を深刻に受けとめていなかった。
 「認識が甘かっただけでなく、なにかあればお上が助けてくれるという気持ちと、相場がいつか好転してくれりという神風頼みみたいなところがあったんですよ」
 森山さんと山一の経営者たちとのちがいは、外の風に当たっていたかどうかだ。経営者にとっての「外」とは、大蔵省と総会屋だけだったのではないか。

p.72 山一の自主廃業で明らかになったことの一つに、再就職に関しては、子会社によっては親会社より売れ行きがいいという興味深い現象がある。
 また山一証券の内部でも、エリートコースに乗った人より、そうでない人のほうが売れ行きがいいという事実は、方々で見たり聞いたりした。たしかに、「内務官僚」と呼ばれるエリートは、会社あってのものであり、ほかの企業風土の中で通用するものではない。ただ、困ったことに、大会社ほど内務官僚が幅を利かしがちなのだ。

p.112 不況のときには「会社のために」という幼稚な正論を押しとおそうとする権力者が幅をきかす。会社への忠誠心コンクールだ。

p.181-2 出ない杭は腐る。
 出る杭は打たれるという。では、出ない杭はどうか。「地中で腐るんだよ」と恐るべき真理を教えてくれたのは、電話会社の友人だった。どのように腐るか。私の見るかぎり、ほぼ例外なくひねもす病にかかる。
(ひがみの「ひ」、ねたみの「ね」。文句の「も」、すれっからしの「す」、のぞき(あるいは、のどか)の「の」、単純(あるいは短気)の「た」、悋気、吝嗇の「り」)
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