何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

社員第一、顧客第二主義

2012-07-29 21:48:04 | Book Reviews
サウスウエスト航空の奇跡 社員第一、顧客第二主義」 伊集院憲弘・著、毎日新聞社、1998年11月10日

p.34 “緊張を強いられるようなことの多い仕事に従事する人たちほどユーモアセンスが必要なんだ”

p.60 リーダーシップとは・・・・・
 「誠実で、献身的、そしてあなたの部下のために一所懸命働くサーバント(召使い)「であり、人生の悩みや喜びを分かちあえること」

p.101 日本の企業の特徴として、アメリカやヨーロッパの企業と比較して、どちらかと言うと、社内に“官”の発想に近い思考をする人がわりと多いように思えてならない。面白いことに、これらは管理的な機構に身を置いている人に多い傾向があるように思える。

p.103 この“社員第一、顧客第二”というスローガンは、決して“お客さまはどうでもいい、大事なのは社員なんだ”という意味でないことはハッキリしている。社員が、心からお客様第一に徹してくれるには、まず、社員全員が“自分たちは会社から大切に取り扱われている”という実感を持てるように努めるというのが、ケレハー社長以下の経営の姿勢であることを、具体的に表しているのだ。

p.104 “社員第一”が実は“顧客第一”と表裏一体であることは、サウスウエスト航空のひとりひとりの社員自身が十分に理解しているのである。

p.173 私たちが他の人々のために奉仕することは、結局、自分たち自身のためにもなる。

p.191 アメリカ人のすべてが陽気で“型破りなサービス”を心待ちにしている人たちばかりではないことも確かであり、サウスウエスト航空のサービスに対して好感を持っていない人が存在するのもきわめて当たり前なことである。
 しかし、サウスウエスト航空のすごさは、このような人たちの声に対して、“わが社のポリシーがお気に召さなければ、どうぞ別の航空会社をご利用ください。私どもは今のサービスポリシーを変更するつもりは毛頭ございませんので”と堂々と回答するところである。

p.204 ケレハー社長をはじめ、社員たちが最も多く口にするのは「やらなければならないから、やるのではない。自分がやりたいから、やるんだ!」というフレーズである。これが、2万6000人の全社員の合言葉になっていることに凄味さえ感じる。

p.215 ユーモアセンスを発揮しながら、自分も楽しく、お客様をも楽しませて、サービスする側もサービスを受ける側も両方がハッピーな気分になる。これが“I am OK, You are OK”という状況である。

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負けるもんか

2012-07-28 09:42:29 | Book Reviews
「負けるもんか」 川合真紀・著、泰文堂、2012年8月5日

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ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと

2012-07-27 22:23:20 | Book Reviews
「ディズニー サービスの神様が教えてくれたこと」 鎌田洋・著、ソフトバンククリエイティブ、2012年7月2日

p.72 『与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを運ぶ人は、それによって、自分自身の喜びと満足を得る』

p.95 ゲストに楽しんでもらうため、一生懸命になるということはとてもいいことです。ただ、ゲストの先を歩くばかりではなく、ゲストと向き合い、時には見守ることも大事なおもてなしなんですよ。

p.144 確かに、悪知恵を働かせる奴もいるかもしれない。だとしても、この店に入った奴は俺の客だ。今日の客は、未来の常連なんだよ。それに、商売ってのは信頼関係を築いてこそ成り立つんだ。(仮に、二度とその客が来なくても)待ってる間は、『来なかった』ということにはならないだろう?

p.202 『ああ、僕が病気になったのは、不公平だからじゃなくて、きっと神さまが与えてくれた試練なんだ』って思えたんです。絶対に越えられる試練なんだって信じ続けられたから、僕は病気に勝つことができたんだと思います。

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茜雲 総集編

2012-07-23 22:54:38 | Book Reviews
「茜雲 総集編  日航機御巣鷹山墜落事故遺族の20年 8・12連絡会・編、本の泉社、2005年8月12日

 題名の「茜雲」の由来について、「JAL123便の窓から見えたはずの、夕日に染まる茜雲に、鎮魂の祈りを込めました」と解説されている。この表紙の色、ぞっとした。なぜなら、おそらく墜落した瞬間であろう、西の空が、この表紙のとおりの色で丸く輝いた瞬間を見ているからだ。庄内の酒田市で、それは見事な茜色の夕焼けを見たことがある。それは言葉もでないほどの夕焼けで、素晴らしかった。しかし、8.12の茜色は、それに比べれば人工的な色だった。本書の題名や表紙に文句を言うつもりは毛頭ないが、けっして忘れることのできない瞬間の色も、茜色なのだ。。


p.21 航空運賃は各安になり、サービスは多様化し便数は増大しました。でも安全はどれだけ確保されたのでしょう。コマーシャルに「便利で快適」の言葉は出てきますが「安全」の文字は見つけられません。

p.117 彼はきっとみんなの待つ家にもどりたいのでしょう。愛する人を失った悲しみはいやせません。また忘れてはいけないのです。彼は殺されたのですから・・・・・と同時に、私たち家族の幸せと夢をも壊されてしまったのです。

p.143 日航よ、ボーイング社よ、ジャンボ機の絶対安全の神話の上に、疲労した古い機体を使用していたり、労賃を安くするためと慣れで整備、点検不十分なまま飛ばしていたのだったら、絶対許せるものではないぞ。人間の命より、企業の利潤追求を優先していく。この構造の上におきた自己であってはならない。

p.163 利潤の追求を一とする企業体は、人の命の尊さをどう考えているのでしょうか。

p.205-6 今回の事故に限らないとは思うが、遺族は肉親の死を納得するために、その死が「無駄ではなかったのか」という疑問の上に立ち、「なぜ死なねばならなかったのか」という死の意味を問い始める。その過程を経て、初めて遺族の心の中で肉親の死が少しずつ確認されていくように思う。愛する人を失った悲しみは、月日の経過とともに心にさらに深く染みこんでいくが、真の原因の解明を求め、再発の防止を願う遺族の気持ちも同じように強く深くなっていく。

p.247 目的を持った人の歩みは速く、目的のない人の歩みは遅い。

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若き薬剤師への道標

2012-07-22 22:47:59 | Book Reviews
「若き薬剤師への道標 薬学・薬剤師の歴史を辿り、現在を照らす 佐谷圭一・著、薬事日報社、2009年10月12日

p.70 私はこの十文字検索を始めてから、患者さんの訴えが副作用の訴えに聞こえてなりません。

p.85 「自己」と「他己」はまったく別のものでありながら、視点を変えることで重なり合います。医療の原点とは、「他己」を「自己」ととらえ、患者や医師、薬剤師、看護師、それら自分が関わるすべての人を世界一尊いと思うところにあるのです。

p.130 強制分業から経済分業に路線変更してまがりなりにも医薬分業が進んできたのは、薬価差をなくして処方せん料を上げてゆくという厚生省も了承した路線があったからにほかなりません。

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一生折れない自信のつくり方

2012-07-21 11:47:37 | Book Reviews
「一生折れない自信のつくり方」 青木仁志・著、アチーブメント出版、2009年11月25日

p.5 自信とは、その人自身の思い込み。「できる」という考え方です。だから、あなたが「できる」と思えば、自信があります。ただし、思い込みだけでは、「一生折れない自信」にはなりません。

p.6 だから、現実の延長線上に理想を置いて、達成するたびに少しずつ理想のレベルを引き上げていきましょう。これが挫折せずに自信をつける秘訣です。何事も自然体が一番。決して無理をしない。

p.9 変われない人は、変わるプロセスで味わう苦痛よりも、変わらないことで得られている何かを選んでいる。だから、変われません。

p.38 人は自己信頼感があるからこそ自立した豊かな人生を送れます。

p.42 一生モノの折れない自信を目指すのなら、積極的に苦痛感情を受け入れ、自分の理想に向かって努力していく覚悟と行動力が必要でしょう。

p.51 自分に合った人間が会社に入ってくる。集まるのは自分の生き方に共鳴した人間です。私は、社員を幸せにしたいと思っています。ただ、それを判断するのは社員です。

p.63 今のあなたに必要なのは「勝つ」ことではなく「強くなる」ことです。

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寝る前に読んでください。vol.2

2012-07-19 18:05:36 | Book Reviews
寝る前に読んでください。vol.2 佐藤光浩・著、アルファポリス文庫、2012年6月30日

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ユダヤ人大富豪の教え2

2012-07-18 22:09:11 | Book Reviews
「ユダヤ人大富豪の教えⅡ さらに幸せな金持ちになる12のレッスン 本田健・著、だいわ文庫、2006年6月15日

p.34 お金から解放されると心から決めた人間だけが、自由になれるんだよ。

p.38 セルフイメージの高い人間は、外的状況がどうであれ、すべてを変えていく力を持つ。もし、現実が自分の望まないことだらけなら、その現実を変える努力をする代わりに、自分のセルフイメージを変えることに全力を注ぐべきなのだ。

p.145 事あるごとに、美しく生きることが大切だと繰り返し語っていた。お金にしても、いかにたくさん儲けるかではなく、いかにきれいに儲けるかを考えなさいと言っていた。
 美しく儲けるというのは、多くの人を幸せに豊かにするということだよ。

p.157 私は、幸せになれる人と、そうでない人、豊かになれる人と、なれない人の差はたった一つだけだと思っている。それは、この信頼だ。自分と周りへの深い信頼がある人だけが、幸せで豊かな人生を実現することができる。

p.172 人はなかなか変われないものだよ。よほどのことがないと変わらないようにできているのだ。健康、経済、男女関係や人間関係で破綻的なことを経験しなければ、人は変われない。

p.173 来年の状態がよさそうであれば、何も変わる必要がない。しかし、来年の自分の人生がイヤだと思うなら、どこまでイヤだと思うかが、人生の分かれ目だね。

p.192 お客が新しいお客を連れてきてくれるようにすればいいのだ。多くの人を巻き込んだビジネスは、安定する。

p.214-5 幸せな金持ちたちは、パートナーをとても大事にしているのだよ。彼らは、何かうれしいことがあったら、パートナーに知らせ、落ち込んだり、苦しいこと、悲しいことがあったら、パートナーに慰めてもらうのだ。それにはお金もかからないし、夫婦の絆は深まるし、いいことばかりだね。

p.266 過去をありのままに受け入れ、自分や周りの人、社会、歴史、すべてを許してあげることだ。すべての人が彼等なりのベストを尽くしたのだから。そして、それは全員にとって、ベストだったのだから。
 過去を受け入れ、未来をしっかりと見つめ、現在を真剣に生きるのだ。


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ちょっといい話

2012-07-17 22:59:09 | Book Reviews
「ちょっといい話 佐藤光浩・著、アルファポリス文庫、2009年5月7日

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寝る前に読んでください。

2012-07-11 21:25:37 | Book Reviews
寝る前に読んでください。 佐藤光浩・著、アルファポリス文庫、2012年3月20日

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幸せになる生き方、働き方

2012-07-08 07:34:34 | Book Reviews
幸せになる生き方、働き方 塚越寛・著、PHP研究所、2012年5月7日

p.17 見返りを期待してはいけません。「忘己利他」に徹したとき、ごく自然に周りがあなたを幸せにしてくれるようになるのです。

p.19 「ありがとうと、いわれるように、いうように」

p.22-3 つまり運というものは、単純に「いいか、悪いか」でとらえるべきではなく、本人が「つかめるか、つかめないか」によって決まるということです。
 では、どうすれば運をつかめるのでしょうか。私はこれまでの経験から、運をつかむ人には「行動力」と「先見性」があると確信しています。何かにつけて積極的に行動できる人は、それだけ人と出会う機会が多くなります。また、あちこちで行動していれば、たくさんのヒントを日常的に発見できます。

p.35 夢への道筋から外れない範囲で、一日一日少しずつ達成感を味わえることをやっていくのです。昨日よりも今日、今日よりも明日、わずかでも進歩していれば十分です。

p.38-9 教育現場でも、企業の研修等においても、知識やスキルの習得にばかり重点が置かれているように感じられます。もちろん知識やスキルも大切ですが、それらを習うだけで満足することなく、私たちはもっと大切なことを学ばなければなりません。
 人としてまず学ぶべきことは、「いかに生きるべきか」という根本的な命題ではないでしょうか。

p.43 つまり、「立派な肩書き」によって、人は立派になるのではないのです。立派な社会人とは、「人の役に立っている人」のことです。人の役に立つとは、何らかの能力を身につけて、生産的な活動に取り組み、誰かを幸せにするということです。

p.45 そうした(相手を出し抜き利益を得ようとするような)やり方ではなく、まずは身近な人を幸せにする方法を考え、努力すべきだと私は考えます。

p.50 本当の「優しさ」とは、「相手を思いやること」です。

p.53 人生を歩んでいくうえで、たとえささやかでも「公」を意識した行動を取ることが大切です。そうした優しさの積み重ねが、住みやすい社会をつくっていくのではないでしょうか。

p.77 とにかく「迷ったら原点に戻る」という意識を持つことが大切です。

p.87 このように、一流に触れることによって、一流の商品やサービスがどういうものであるかがわかります。これを自分の仕事に活かしていくことによって、仕事のレベルアップを図ることができるのです。

p.90-1 「今が最低だ。これ以上悪いことはない。ということは、次は必ず今より良くなる。だからもう心配するな」「自分は悲劇の主人公だ。今はどん底にいるけど、物語の最後には絶対ハッピーエンドを迎える。だからもう悩むな」

p.94 働くのは会社のためでしょうか? それとも自分のためでしょうか? 答えは両方です。

p.95 会社の規模や初任給の額やランキングの順位ではなく、本当に意欲を持って働ける職場かどうかを基準に考える必要があるでしょう。

p.100-1 そもそも仕事において、やるべきことをきちんとやっていたら、必ずその結果は出てきます。
 もしも結果が出ないとしたら、それはどこかに至らなかったところ、正しくなかったところがあるからだと判断します。結果が出なかったとき、「景気のせいだ」「あの会社が倒産したせいだ」「災害があったせいだ」などと、外に原因を探そうとしたら、結局は反省できず、間違った方向に進みます。

p.102-3 そんな(ライバル相手との)消耗戦ではなく、商品なり売り方なりサービスに独自性を持たせるよう努力していきましょう。自らオンリーワンの存在になれれば、競争見積もりをしないで済みます。私の会社ではオリジナル商品の開発に力を入れ、敵をつくらず、過当競争を避けることに力を注いできました。

p.129 確実に売上げを上げる極意は、自分の周囲に「ファン」を増やしていくことに他なりません。極論すれば、「ファンづくり」こそが仕事だといってもいいでしょう。ファンをつくるためには、よい商品をつくらなければなりません。顧客も地域も大事にしなければいけません。

p.130 仕事をしていくうえで、何らかの決断をしなければいけないときがあります。そんなとき、私たちは何を基準に最終的な結論を下せばいいのでしょうか。
 私は常々、「公に照らして、動機が正しいかどうか」を熟慮して物事を決めるようにしています。動機が正しければ、実現困難な事業でも、時間をかけて努力することで必ずうまくいくものです。

p.137 進歩軸を基準に未来を予測し、そこにトレンド軸をミックスすることで、人々の心(ニーズ)をつかむことができるのです。

p.148-9 もしも皆さんの中で、将来、経営者を目指す人がいるとしたら、従業員に支払う給料、つまり人件費は、仕事の「目的そのもの」であることを忘れないでいただきたいと思います。
 というのも、世の中には、会社が利益を上げることが唯一最大の目的であって、従業員の給料は、目一杯働かせて利益を上げさせるための「手段」だと考える経営者が多すぎるからです。

p.154 会社は社員全員の幸せのために存在しています。言い方を換えれば、たとえ経営者が株式を百パーセント保有していたとしても、たとえ一人で苦労を重ねて創業したのだとしても、その経営者のためだけに会社が存在するのではない、ということです。これを経営者は厳に自覚しなければなりません。

p.164-5 お客様を大切にするとか、顧客を第一に考えるとは、具体的にどうすることを指すのでしょうか。それは、「自分たちがほしいと思える商品・サービスをお客様に提供すること」だと考えます。
 自分ではほしいと思わないけれど、とりあえず稼ぐために売る、というのは最低の商売だと思います。粗悪なものでも何でも売ってしまえ、だまされたほうが悪い、といった意識が見えます。
 どんな業種でも、自分がほしいかどうかを基準にして、商品やサービスを開発していけばいいのではないでしょうか。

p.171 人件費を削る会社があります。福利厚生の質を落とす会社があります。劣悪な職場環境を放置している会社があります。無駄を省く努力は必ず必要ですが、社員の幸せを奪ってまで利益を確保するのは、根本的に間違っているといわざるを得ません。

p.173 そのためには単純に売上高を追求するのではなく、付加価値の高い「いい仕事」をして、着実に利益を出していけばいいのです。

p.192 同業他社とは、どのように共存していくのが理想といえるでしょうか。
 いちばんいい方法は、新製品の開発、新しい用途の開発、潜在的な市場の掘り起こしなどを通して、「市場のパイそのものを拡げていくこと」です。

p.198 会社は永続してこそ価値があります。無理をすると倒産する危険性もあります。では、どのようにすれば会社を限りなく永続させられるようになるのでしょうか。
 一つには、急成長を避け、毎年少しずつ成長していける形を築くことだと考えています。成長のスピードは遅くて構わないのです。むしろあえて低成長を維持するほうがいいでしょう。売上目標や利益目標を立てたりせず、前年をほんの少し上回る状態を守り続けることが重要です。

p.201 老舗には次のような特徴があります。
 一 無理な成長はしない。
 二 安いというだけで仕入れ先を変えない。
 三 人員整理をしない。
 四 新しく、より良い生産方法・材料を採り入れる。
 五 どうしたらお客様に喜ばれるかを常に考え続ける。

p.211 成果主義のもとでは、数字を気にするあまり、同僚の失敗を喜んだり、成績の悪い年長者を軽んじる人が出てくる可能性があります。すると協調性は失われ、「和」が保てなくなります。経営を長い目で見たら、年功序列型を守っていくべきだと考えます。

p.213 社員を規則で縛ったり、評価という名のもとに社員の行動を管理・漢詩することもありません。社員の管理や集金にかかる人件費が不要になります。
 つまり性悪説はお金がかかるのです。それよりも、社員やお客様を信頼して、福利厚生やサービスの充実にお金を回すほうが、結果的には会社の発展につながるのではないでしょうか。

p.218-9 企業にとっても「内部留保」には、人間にとっても皮下脂肪と同じような性質があります。景気の変動や臨時の支出に備えて、ある程度は蓄えておく必要がありますが、内部留保をひたすら多くすることによる弊害も心配しなければなりません。
 それよりも、一定の緊張感を保ちながら、社内のお金を有効に使って社員教育や研究開発、職場環境改善を継続し、常に前向きに進み続ける「筋肉質」の経営を心がけたいものです。

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人を幸せにする会社

2012-07-06 23:50:46 | Book Reviews
21世紀をつくる 人を幸せにする会社 坂本光司+価値研、ディスカヴァー、2012年6月15日

p.24 最終的に利益を生み出す源泉は、よく言われる「人・モノ・金・情報」から、目に見えない「共感資本力」へと移り変わってきているということです。経営理念や価値観を土台にして社員一人ひとりの個性や能力を引き出し、いい商品、いいサービスを創造し、社員の間、企業と取引先や顧客との間を共感を媒介にして深く結び、らせん的発展を創りだしているのです。

p.25 人は「これだ!」「すごい!」と身が震えるような“感動”、そして“共感”を覚える瞬間があります。
 もうひとつは、“人格を刻みこむような仕事ぶり”を見て、その生き方、あり方に深い感銘を受けたり、“期待をはるかに超えるサービスや商品”に巡りあった瞬間です。本気の仕事、ひたむきに仕事に打ち込む姿は、時として鳥肌が立つような感動を与えます。そして、顧客は、共感に対して、金銭だけでは測れない価値を見出して、自らがメディアとなって社会に伝播させてゆくのです。

p.31-2 特に社会のありようが大きく変わろうとするとき、今まで業界の非常識だと言われたことや弱みだと思われていたことが、それを突き詰めることによって、いつの間にか他社の追随を許さない圧倒的な優位性になることが少なくありません。そうした変化は、すでに社会のあちらこちらで、静かに、しかし確実に起きているのです。
 「“弱み”という先入観は、視点を変えると他にはない“強み”である」

p.33 価値ある企業の商品やサービスの本質は、目に見える価値を超えた、目に見えない価値にあります。経営理念の先に見えるより良い社会、商品・サービスに込められた働く人の想い、共につくり、共に感じ、参画することの喜びこそが、価値ある企業の商品にほかなりません。それを生み出している企業資源が、後で紹介する「経営理念力」「人財育成力」「信頼形成力」、そして、そこから生まれる「共感資本」なのです。

p.33 共感には、顧客や取引先を通じて、商品やサービスの良さを社会に発信する伝播力があります。顧客のメディア化です。分かりやすくいうと「口コミ」です。周りの人に語りかけたくなるような、ついつい自慢してしまいたくなる良さがその商品やサービスにあれば、社会に共感の輪が広がり、さらには、たらいの水紋が反響してまた内側に戻るように、社員のやる気に火を灯します。こうして、企業と顧客、取引先が共感という軸でお互いに影響を与え合い、関係性を深め、らせん的発展を描くのです。

p.35 『社会共通の価値』を創造している。
 ①社員など人を大切にすることによって生みだされる“こころの価値”
 ②地域社会、自然や環境、伝統や文化、教育などへの貢献によって生みだされる“社会の価値”
 ③会社の活動を通じて、国や自治体の負担が軽減されることによって生みだされる“公共の価値”

p.35-6 目に見えない3つの『企業資源』を大切にしている。
 ①正しい経営理念を浸透させる“経営理念力”
 ②社員のやる気を高める“人財育成力”
 ③社員同士、社員の家族、取引先や地域社会などとの絆を結ぶ“信頼形成力”

p.38 会社と顧客、取引先などとが共感という軸で関係性を深め、お互いに影響し合い、『価値のらせん的発展』を描きながら成長する企業こそが21世紀をつくる“価値ある企業”の姿なのです。

p.39-40 利益に先行する「3つの指標」とは
 【人財育成に関係する項目】
 ・一人あたりの教育予算が高い
 ・社員のモチベーションを高めるための施策が多い
 ・売上高研究開発比率が高い

p.42 「生活の木」の重永社長は、赤字の時期も徹底した社員教育を行ってきました。仕事にやりがいを感じ喜びを見出すことができない社員が顧客に感動を与えることは決してないという信念からです。重永社長にとって、教育費はコストではなく、利益を生みだす価値そのものなのです。 #EDU

p.43 経営の神様と呼ばれた松下幸之助は、このような言葉を残しました。「会社経営の成否の50%は、経営理念の浸透度で決まり、残りの30%は社員のやる気を引き出す仕組みづくりで決まり、残りの20%は戦略戦術である」 つまり経営理念の浸透(経営理念力)と社員のやる気を引き出す仕組み(人財育成力)が成功の80%を決めるというのです。

p.45 「自分は、誰のために、何のために働くのか」という想いを持っている人、「当社は、誰のために、何のために事業を行うのか」という大義を持っている会社は、逆境においても強いのです。「人のため、社会のため」という、本当の“まごころ”で取り組み仕事は、上から命じられて、“いやいや”する仕事と違って、いかなる困難をも克服する力、新しいものを生みだす力、人を喜ばせる力があるのです。

p.47 価値ある企業は、社員が働きやすい環境を整え、やる気と能力を引き出す施策を講じ、納得性の高い人事評価、多様な人財の採用に前向きであることなどが分かりました。

p.47-8 業績が悪くなると真っ先に削られる予算が、教育費、交際費、研究開発費、交通費など、4Kといわれる予算です。どの予算から削るかで、経営者の考え方が分かります。社員は、それを敏感に察知するのです。
 なかでも厳しい環境だからといって最後まで削ってはならないもの、それが人財育成のための予算です。

p.48 「社員のやる気、情熱に火をつける方法は、信じることである」

p.56 上席の指示命令に盲従するのではなく、一人ひとりが経営理念に仕え、想いと行動を一致させて輝きを放つ社員が多い会社は、間違いなく価値ある企業といえるでしょう。

p.72 渡邉さんは、新規営業に行くとき、必ずISFネットの経営理念や大義の話を先にするそうです。そこで、「そんな説明を聞いているのではない。商品の話をしてくれ」と言われたら、その場でパンフレットを閉じて帰ってくるのです。
 「確かに一時的には厳しい状況だったが、それによって良質な顧客との信頼b関係がより強くなった」と渡邉さんは笑顔で言います。資本関係でも契約関係でもない、共感し、共有できる価値観こそがもっとも強固な信頼となるのです。

p.92 取引先に不条理なことをする企業に好感情を抱くことはない。さらに、消費者の価値は、強い企業ではなく、社会にやさしい企業を支持するように変わってきており・・・

p.131 「いい仕事も、悪い仕事もない。そう感じる自分の心があるだけなのだ。最高の顧客サービスは、与えられた仕事を、自分自身が心から楽しむことなのだ」

p.151 群言堂の商品は、手づくり感にあふれ、どこか温かみがあります。
 また登美さんは、「モノにどれだけ思いを込められるかが大切であり、思いを込められずにモノを売るのは単なるモノ売り」と言い切ります。この会社では、単に売上が上がればいいのではなく、ものづくりを通して、お客様にどれだけの思いが伝えられるかを大切にしていきたいと考えているのです。売上の数字だけを追い求めて四苦八苦している会社とは一線を画しているのです。

p.186 めのやは、いつの日にか、「日本でいちばんよい会社に勤めている」と社員に言われる会社を目指して日夜経営に励んでいます。なぜなら、お客様にこの店があってよかったと満足していただくには、社員がこのお店が好きであり、商品が好きであり、何よりこと会社で働いてよかったという想いがなくてはできないと考えているからです。社員の笑顔がなければお客様の笑顔を見ることはできないし、従業員が幸せと感じられなければ、お客様のありがとうがないと考えているからです。

p.187 お客様に対しても、単にモノを売るのではなく、このお店がお客様の人生に一瞬でも「安らぎ」や「愉しさ」を提供できるようにしたいと考えています。なぜなら、モノ余りの時代、お客様はモノが欲しくて店に来るわけではなく、お店の接客や商品を通して、少しでもいいことが起きるかもしれない愉しさや夢を感じることを期待して店を訪れるからです。

p.194 坂本光司教授は、「商店街の問題は外ではなく、内にある。魅力的な商店街とは、単にイベントやハードに力を入れるだけでは難しく、商店街を構成するそれぞれの個店が時代変化に目覚め、生活者にとってなくてはならない魅力的な店づくりをすることが再生の決め手」と日頃いわれているが、地域活性化にも通じる話である。

p.231 「しあわせ社会学の確立と実践」
 通販事業の成功が目的ではなく、通販事業を通じたしあわせ社会の実現が目的なのです。

p.231-2 一般的には、社員や取引先をリストラして収益を高めることで株主価値を上げようとする企業も少なくありません。しかし、何かの犠牲の上に成り立つ利益が、永続し続けることがあるのでしょうか?

p.236 どんなに表面上は立派な態勢を構築したとしても、上意下達に盲従し上席からの指示命令がないと行動できない社員が多い会社は、決して責任ある企業にはなれないでしょう。

p.265 経済活動を通じて社会を豊かにするはずの起業、それを支える金融資本は、いつのまにか短期的な利益を追い求め、自らの“想い”“あり方”ではなく、利益をいかに生み出すかという“やり方”ばかりに目を向けるようになりました。その理念なき経営思想は、競争原理という名のもとに他社との比較優位を競い、同じ目的・目標に向かって夢を追うはずの社員同士をいたずらに競わせ、その結果、自分というものの存在価値そのものを見失ってしまいました。近視眼的な効率主義や利益志向は、人と人との関係性を分断し、伝統や文化を壊し、地域に根ざした良き風土までも風化させてしまったのです。

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人生に悩んだら「日本史」に聞こう

2012-07-03 00:19:29 | Book Reviews
『人生に悩んだら「日本史」に聞こう 幸せの種は歴史の中にある ひすいこたろう&白駒妃登美・著、祥伝社、2011年6月20日

p.50 “夢”は自分が実現したいもの。一方、志は、自分が実現できなかったとしても、ほかの誰かが代わりに実現してくれたら、それでいいと思えるもの。つまり、志とは、個人の夢を超えた思いです。

p.71 人生とは、自分のファンをつくる挑戦だと思うのです。そして、自分のファンは世界でたったひとりでいい。そのひとりとは、自分です。自分を自分のファンにできるかどうか。

p.75 粋な大人とは、他人を思いやる感性を持ち、それを瞬時に表現できること。

p.76 個を考えているうちは野暮。命のつながりのなかで発想するのが粋なわけです。

p.85 強い立場になった者がやるべきことは、相手の気持ちをいたわること。権力を握ったときこそ、権力を使わない。権力を握ったときこそ、思いやるのです。

p.136 私は、かわいげのない人って、世の中にいないと思います。みんな“かわいげ”を持っている。でも、それを素直に出せる相手と、出せない(出したくない?)相手がいるだけ。人は誰でも、相手に好意を持っていれば、その人の前ではかわいげのある人になれます。

p.144 人から信頼される方法は、まず自分から先に信頼しちゃうことです。人間関係は鏡の関係。嫌えば嫌われるし、信頼すれば信頼されます。


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一億人に伝えたい働き方

2012-07-01 12:33:22 | Book Reviews
「一億人に伝えたい働き方 無駄と非効率のなかに宝物がある 鶴岡弘之・著、PHP新書、2012年6月29日

p.23-4 ―店づくりの基本的な考え方について教えてください。
 一言で言うと効率を求めない店。現場に徹底的に言い聞かせたのが、効率は考えなくていい。客が納得するまで話をしてやれということ。

p.27 ポイントは結局、カネで釣るってことでしょ。我々は金で釣るんじゃなくて、思い出をきれいに残すための商品でお客さんに来てもらう。そうするとポイントをやめた段階で、一瞬、お客さんが離れるんだけれども、最後は戻ってくる。

p.28 ―効率を求めないと、利益が減っていくのではないですか?
 それが、利益率は上がってるんですよ。だってポイントをやめれば利益は上がるよね。お客さんも瞬間的に減ったけど、結局、戻ってきて、売り上げが伸びて利益も増えている。

p.29 お客さんは、広告で目にするカメラしか知らない。だから最初は、なんでそんなカメラを押しつけようとするんだって思うよね。
 今は、サトーカメラのほうが全然ものがよくて安いじゃんと、みんな思ってくれている。

p.54-5 結局は、店の質がいいか悪いかで、お客さんが来るか来ないかが決まるんです。
 「お客さんに対して責任の持てる店」にしようと神経を使っているわけです。

p.71 機屋ができるせめてもの営業活動は、「メーカーの担当者とマージャンをして、酒を飲んで、加工賃を上げてくださいとお願いすること」だった。前田社長は、「こんなのは本当の商売じゃない」と考えていた。

 ジェネリックの処方を増やすために、患者へ働き掛けるのではなく医者に働き掛け、ジェネリックが調剤できるよう、その銘柄を書いてもらうようにする薬局が散見される。その活動をしていて、後ろめたくないのだろうか。患者を出し抜くわけで、医者がそう処方しているからと、陰に隠れて逃げているようなものだ。その結果、加算が算定できて、薬局の収益が上がる、上司から褒められる、それがうれしいのだろうか。薬剤師のやることか。そんな活動や、それを指示する者に対して、これは違うと思わないのだろうか。


p.94 こんなこと言うの、うるさいとおもうやろ。けど、お前のところで事故が起きて部品が入ってこなくなるとうちが困る。それを防ぐのが、わしの仕事なんや。だから、うるさいと思うだろうけど、次に来るときまでにあれをなんとかしとけよ、と。
 あいつらはなんとか立ち直れると思うから、わしにしばらく教えさせてくれ、と。あとになって「そう言ってうやったんやぞ、わしは」と教えてくれました。

p.96 源がなかったら「社会に貢献、社員を幸せに」なんて言っても、絵に描いた餅や。だから利益を上げなあかん。税金は会社をよくする経費やと思いなさい、とおっしゃった。

p.100 あんたのやり方はまだまだ二流、三流の経営やで。もっと社員が自ら動くような、社員が喜々として働く会社を目指さなあかん。会社の長たるもの、部下の誰よりも損をする覚悟で、社員を喜ばす実践をするんや、と。

p.114-5 森本社長にとっては、社員に「この会社で頑張ろう、この仕事で頑張ろう」という気持ちになってもらうことがいちばん重要なのだ。それができれば、周りが何も言わなくても、若手は見よう見まねで先輩社員の技を学び取るようになる。一度やる気に火がつけば、勝手にどんどん成長していくのだという。森本社長はじっくりとそれを待つ。だから「安易に教えてはいけない」というわけだ。

p.178 うちのスタッフ一人ひとりが楽しみながらつくっていますから、どんどん新商品が出てくる。とにかくお客様を楽しませたい、飽きさせてはいけないという思いをみんなが持っています。


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