何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

ISOマネジメントシステムの崩壊は何故起きたか

2012-03-27 15:45:31 | ISO9001奥が深いか浅いのか
「ISOマネジメントシステムの崩壊は何故起きたか」 西澤隆二・著、近代文藝社、2009年6月30日

p.31 マネジメント活動は「コア活動」はしない。

p.32 マネジメント活動再度では「統制」であり、「コア活動」では「実施」である。

p.35 かって国鉄の職場には『マルにする』という隠語があった。小事故は現場で修復して知らん顔をしてしまう(マル秘にする)、という意味である。それを黙認し、あるいは積極的に隠蔽に加担する運転区長や機関区長は、人望が厚くなる。これでは、全職場に生かすべき『危険要因』の情報が、埋葬されてしまい、どこかで同じような事故が再発することになる。

p.38-9 工場の実践ではPDCA順でなく、CAPDの順で行く方が成果を得やすいといわれる。これはこのような個々の不良追跡からマネジメントの考えを学ぶのが一番理解しやすいという指導体験からくるものであろう。

p.47 通常、品質マネジメントの効果があがると一位、二位の不良内容の件数は減り、このため三位の不良内容の件数が一位になるなど、不良内容の順位の変化がみられるはずなのである。

p.49 品質マネジメント活動は「品質デ『コア活動』ヲ」マネジメントすることである。
 品質マネジメント活動では、品質はマネジメントの観点を示すものであって、マネジメントの対象相手は「コア活動」である。「コア活動」をおさえないと品質はコントロールできないのである。すなわち、「品質マネジメントのマネジメントの対象相手は『コア活動』である。」ということになる。
 不良を減らし、品質を向上しようとすれば「コア活動」を改善することになる。だから、品質マネジメント活動をする人は「コア活動」に深い関心を持つとともに、「コア活動」の分析や改善能力が必要となる。これを「品質マネジメントは品質をマネジメントすることだ」と誤解すると、品質というデータを扱うことだと考え、データ屋・事務屋となってしまう。「コア活動」がそのままだからデータや書類は増加するが不良はなかなか減らないという結果となる。

p.112 病院もミスをする。どんな病院も完全でない。しかし、その医療のマネジメントシステム、すなわち再発防止策を確実に立て、患者やその家族に信頼感をあたえるシステムは、このようなオープンに説明する姿勢と、マネジメント責任の明確化によって実現できる。

p.112 「ミスを報告したからといって、それを責めてはならない。責めたら、積極的にミスを報告しなくなり、大きな医療過誤を防止できない」

p.114 「コア活動」をしている現場に個別責任を転嫁すると、現場は本当のことを言わなくなり、看護婦の志望者は減るだろう。医療の現場の質は低下するだろう。

p.114 悪い知らせを持ってくる使者を殺してしまうという企業風土を変えよとデミングは言うが、これをしないと皆、黙するようになるであろう。デミングは「どんな職場でも、不安をかかえている人間は共通して、不手際な仕事をしたり、水増しした数字をでっち上げたりして損失を生む」と言っている。
 
p.114 「ミスを犯した個人を責めるよりも、ミスを犯さない『コア活動』のシステムづくりの重要性」

p.118 同社はISO14001の審査登録を取り下げた。マネジメントの問題なのだから、取り下げるのでなく、マネジメント不在の原因を調査して、PDCAにつなげるのが、ISO14001を認証した原点ではなかったのか。今こそPDCAをまわすときなのではないか。
 PDCAの原点の理解不足が、形ばかりの「勲章」としてのISO14001審査登録となり、逆にマネジメント不在を生み、そして、取り下げとなった。ますます、マネジメント不在となるだけである。

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待ち時間革命

2010-05-25 21:46:18 | ISO9001奥が深いか浅いのか
「待ち時間革命」 前田泉・著、日本評論社、2010年4月25日

p.10 医療機関は診療報酬を増やすことにつながることには行動を起こすが、患者の利便性のような直接診療報酬を増やすことにつながらないことに対してはこれまでほとんどなにもしてこなかった。

p.25 村上和雄氏は、「科学には表と裏の2面があります。表は客観的観測や論理で成立しているデイ・サイエンスと呼び、裏は直感や“自分はこう思う”といった科学者の熱い思い、感性などをナイト・サイエンスと呼びます。科学にはこの直感や主観、科学者の熱い思いがとても重要で、大発見の芽はすべてナイト・サイエンスから生まれています。なぜなら大発見は、常識や理性を越えなければならないからです」と述べている。

p.26-7 精神科医の春日武彦氏は、援助者の資質として「中途半端なところで時間が経過するのを我慢できるか?」「判断を留保したままで我慢できるのか?」をあげ、「中腰力」と呼んでいる。

p.43 自分の意志によって「遠回りをする」「わざわざ時間をかけて旅をする」「待つ」と言った行為を選ぶとその時間に価値が生まれる。自らの意志で待つ時間は価値を生み、意志に反して待たされる時間はむだになるのである。待つ時間か待たされる時間かがわかれるのは、待つという時間に自分の意志がどうかかわったかがカギのようである。

p.46 医療機関が受ける苦情・クレームの第1位は、待ち時間の長さに対してであるが、医療機関が「待ち時間」ゼロを目指すことが患者を呼び込むことになるわけではない。ある程度の待ち時間は医療技術の高さに対する安心感を与えるという調査結果だ。

p.53 米国の医療経済学者ドナベディアンは、医療の質を「構造:Structure」「過程:Process」「結果:Outcome」の3つの枠組みによって測ることを提唱した。

p.54 患者が評価した総合満足度への影響因子を調べてみると、「医師に関する満足度」がもっとも強く影響し、2番目が、「自覚症状の改善や病気に対する不安や悩みの軽減」であり、「受付」「看護師」「待ち時間」は優位に影響を与えるものではあるが、その影響力の強さは限定的であった。
 医療側が総合満足度を改善しようとするときには、待ち時間の問題よりも、医師と患者のコミュニケーションを充実させることにより注意を払うべきでありということである。

p.55 改善の優先順位でいえば明らかに医師と患者のコミュニケーションにあるということを認識していただきたい。つまり間違っても待ち時間解消のために医師とのコミュニケーションを犠牲にするようなことがあってはならないのである。

p.57 開業したての頃にはゆったりと診察できたのに、評判がよくなって患者が増えたために、診察時間が短くならざるをえなくなる。この場合こそ、短い診察時間のなかでも患者に「よく聴いてくれた」「わかりやすい説明だった」という評価を得られる面談スキルの向上が求められる。これは、クリニックの成長とともに乗り越えなければならない壁である。

p.57-8 つまり待ち時間に対する不満は、総合満足度への主要な影響因子である「医師の態度や対応」が満たされた後に出てくる不満であると解釈することができる。
 マーケティングでは、総合評価の中心的な要素のことを本質サービス(機能)と呼び、この場合、「医師の態度や対応」が該当する。また総合評価への影響は少ないが、ある程度重要な要素を表層サービス(機能)と呼んで、この間合いは「待ち時間」があてはまる。一般的に市場が成熟する過程においては、まずは本質サービスで争われ、本質サービスに差がない状態になると、その後、表層サービスの差別化へ移行していく。

p.62 多少待ってでもコストを負担せずによい先生に診てもらいたいのである。患者は待ち時間「ゼロ」を求めているわけではないのである。

p.67 「受付時におおよその待ち時間の長さを知らせてもらうことで、待つ覚悟をさせてほしい」。これが患者の抱いている本音なのではなかろうか。

p.78 われわれの調査では、多くの人が「待ち時間」を「むだ」「苦痛」ととらえているものの、「ふだん読めない本や雑誌が読める時間」「考えごとをする時間」「ほっと一息つく時間」という肯定的な捉え方をする人もすくなからずみられた。

p.87 待ち時間の短縮は、患者満足度の中心をなす医師とのコミュニケーションとトレードオフの関係にあり、待ち時間を短くすることはある程度可能かもしれないが、コミュニケーション時間を短縮しなければならないことになる。

p.105-6 病院か、診療所か、予約制での受診か、飛び込み受診かにかかわらず、必要な基本的対応は、
 ①受付したときにどれくらいの待ち時間になるか伝える
 ②待っているさいに、順番が変わったり、受付時に案内した時間より大きくずれる場合にはきめこまかに声かけする
 である。この2つの対応はどのシステムを運用する場合でも絶対にはずせない。

p.130 富永氏は、「ほとんどすべての医療機関において、外来に来た患者さんやご家族がもっとも長く過ごす空間はおそらく待合室です。したがって、待合室でのアメニティを向上させることは大変大切です。そこで、診療までの間にやむをえずいる空間という発想から脱却して、待合室をずっといたくなるような空間・場にすることはできないだろうか」と考えたという。
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食品は何が命? では薬局は?

2008-02-02 00:27:01 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 昨日は、天洋食品に対して、食材を素手で扱っているくらいだから、あまり信用も期待もせずに、ISO9001認証取得の意味を考えていたが、なんとこの会社、認証を受けていたらしい。

天洋食品が、国際的な衛生管理手法である「HACCP」を取り入れていたことも、「信頼」につながっていた。加ト吉(香川県観音寺市)は「HACCPや国際標準化機構(ISO)の認証を取得していたことが取引を始める要因になった」と説明する。

 おそらく9001だと思うが、他の規格の可能性もある。日本でも認証を受けておきながら不祥事を起こしている会社はいくらでもあるから、そういう点では驚きはしないが、衛生管理すらできない食品会社が認証とは・・・。

 コスト削減に躍起になる会社は、たいてい安全を確保する部分や教育などの費用に手をつける。検査体制や製造にかかわるコスト、そして人件費なんて、たいした迷いもなく削減にかかる。ときに、それはさも当然のように。

 コスト削減は、安全面においてリスクを増すこととトレードオフの関係にあるようだ。経費を減らしながら、安全なサービスを提供することを使命とするようなことを考える経営者がいたら、概ね自己矛盾だろう。言葉ではなく、実際にその組織の行っている行動を見てみると、わかるはずだ。

 耳の痛い薬局はないか。そう考えると、薬局ではサービスの質も大事だが、薬剤が適切に(処方せん通りに正しく、という意味ではない)交付されていることは、まさに“命”に相当するものと思われる。ただ、それだけじゃダメだけど。しかし、それができていないことは、根底から信用を失うことになる。

 効く・効かないの前に、口に入っても大丈夫か、品質面において問題ないかだけでなく、治療上や、副作用や相互作用の観点で、少なくとも問題がないことが確認されていることが最優先だ。どうも有効性の前に、安全性が優先するようだ。処方せん通りの正確な調剤じゃ、何も専門性が加味されていないから、そんなレベルの調剤を目指すようなものは論外である。

 食品だって、美味しいことは重要だけど、その前に安全であることが重要だ。乗物も、早かったり乗り心地も重要だが、安全輸送があってのことだ。少し「何か」が見えてきた気がした。
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安全は顧客の評価が証明する

2008-01-31 23:23:40 | ISO9001奥が深いか浅いのか
製造工程、大半が手作業=被害3件、すべてに有害成分-中国製ギョーザ 1月31日19時31分配信 時事通信

 中国製冷凍ギョーザの中毒問題で、製造元の「天洋食品」(中国・河北省)では、調理から梱包(こんぽう)に至る主要な工程が手作業だったことが31日、分かった。健康被害を出した3件の商品すべてに有害な有機リン系薬物が付着していたことが、千葉、兵庫両県警の調べで判明しており、混入の可能性が多岐にわたる疑いが強まった。

 ギョーザの製造では、原材料のチェックに始まり、具を皮で包む「成形」作業などを手作業で実施。機械化されているのは、野菜などを刻んだり、具を練ったりするなど一部に限られていたという。

 天洋食品がISO9001を取得していたかどうかなんて、どうでもいいことなのだが、ISO9001ってなんのためにあるのだろうかと、ふと考えさせられた。

 取得してしまえば、どうか実態は利益優先で顧客重視の姿勢なんて全く見えないどころか、建前にしているにすぎないのに、外見的に“優良企業”のお墨付きをもらったかのような組織もある。まさに「偽」。儲け一辺倒であろうと、ISO9001の認証を受けているんだから、その活動は正しいんだ、経営方針は“何をやっても”適切なんだ、と言わんばかりだ。

 ISO9001を取得していると世間に公表しているということは、安全文化があり、常にそれを高めようと改善を続けていますよ、という意味であり、それが実際に実行されていなければならない。イメージだけでは意味がない。

 顧客に対して、製品やサービスの品質を確保し、提供していますよ、ウチの製品やサービスははそういった努力をしている中でのものですよと、安心を買ってもらうために、ISO9001を取得していることを前面に出す意味があるのだろう。

 安心の伴った製品やサービスを提供する十分な体制を整えていますよというアピールであり、このマークさえあれば体制が整っていることを意味しているわけではないのだ。それを証明するのは製品やサービスを購入してくれた人が、確かにそうだな、と評価してくれることである。それを代行するのが「第三者評価」なのだろう。

 取得や更新を目的とし、認証マークで実態を繕うような組織は、本末転倒にならぬよう、反省すべきだろう。
 
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「不祥事」を止めるISO思考

2007-08-14 12:53:52 | ISO9001奥が深いか浅いのか
『「不祥事」を止めるISO思考』 有賀正彦・著、光文社、2007年。

 アイフルの営業停止を例に、

 業者としての社会的意義と貸付を望む側(顧客)の心理メカニズムを強く認識し、どういった相手に、どういった方法で貸したり取り立てたりするべきなのかを徹底的に管理しなければ、「成果主義」による負の相乗効果を生むのは目に見えている。

 社員に対し、
(1)自らの持つ業務や意義や価値をどのように認識させて
(2)順法性を担保した上で目標達成のためにどのような役割を期待し
(3)どのように行動させるべきか

 以上をどのように管理していたのだろうか。大手上場企業であることから、社内ルールや規範はそれなりに決められているのではないかと思うが、それが機能していなかった。

 つまり、日常の業務管理や業務監視、内部鑑査などがそれぞれ機能していなかったことになる。業務監視、内部鑑査が機能していれば、少なくとも金融庁の行政処分より前に自社で内部統制が発揮されたはずである。 (p.96-7)

 
 消費者金融業という職業について、社会の中での活動意義をどう考えていたのかが足りなかったというか、欠けていたためにノルマを課して数字を追い、強引な取り立てに走るような運営方法になってしまったのではないか。

 社会における自分たちの活動を、どこに足場を置いて進めるかをないがしろにしていたのではないかと思われる。それがあるとないとでは、同じ消費者金融業を営むにしても、やりかたも進めかたも大きく違ったものとなろう。それは結果として、社会の中で必要とされるか、ダーティなイメージになるかも大きく異なる。

 それについて、社内体制を整備するのに効果的なのがISO9001だ。いびつな運営システムが出来上がっていないか、社会に受け入れられる体制となっているか。それらを客観的に見つめることを忘れて自らの行動だけをひたすら追い求めていくと、知らず知らずのうちに社内体制が歪められていく。転落していく瞬間は、社外からとくに指摘されるものでもないし、介入されるようなものでない。腐敗して初めて気がつくようなことになってしまうのだろう。

 しかし、そこに行くまえに防ぐ手立てはないのだろうか 
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資格は単なるパスポートでないのでは

2007-03-30 19:08:53 | ISO9001奥が深いか浅いのか
<全日空>無資格で整備確認63回 3月30日11時58分配信 毎日新聞

 全日空は30日、整備士11人が航空法上必要な資格を取らずに、63回にわたって作業完了を確認していたと発表した。国土交通省は、資格管理が不十分として厳重注意するとともに、再発防止策を4月13日までに報告するよう求めた。

 問題があったのは羽田、成田、関西の各空港の整備場。脚や操縦室パネルといった個々の整備作業が問題なく終わったかどうかを確認するには、機種ごとに認定される「確認主任者」の資格が必要だが、昨年1月~今年3月の33機63回分の作業で、無資格の整備士11人が確認していた。このうち1回は、個々の作業ではなく、飛行機全体の整備が終わったことを承認し、飛行を許可したものだった。

 11人には、類似した機種での資格はあったため、会社側が誤って資格者名簿から作業表に記入した。

 先日のシンドラーエレベータに続き、同じ構造の不祥事が続発しているように見受けられる。以前、JR東日本関連でも同様のことがあったし、薬局業界こそ他人事ではない。半ば公然の事実化さえしている気配もあるくらいだ。

 スタッフの力量については、ISO9001の6.2に規定されるが、このような事件を繰り返しみているとその重要性がいよいよ実感できる。
 力量の有無をとかく「資格」で線引きするのはわかりやすいが、法的にはそれでっよいが、有資格者であることが安全確保の十分条件ではないだろう。無資格者はそもそも論外なのだ。

 「資格」が絶対的なものかというと、将棋の世界でプロ(という有資格者)より強いくらいのアマチュア(無資格者)がいるくらいだから、常にその技量を磨いているかどうかも重要である。
 資格が必要とされるのは、単なる作業労働者としてではなく、判断能力を求められる場面が随所にあるからではないか。その判断の視点も、広く深くなることで、レベルアップや差別化にもつながる。

 薬局薬剤師の無資格調剤への批判もそういう観点からもっと業界内部で重大に受け止められてもいいように思う。アルバイトでもできる作業を独占的にできるための単なるパスポートであるかのようになっていないか。そんなレベルの業務であってはいいわけではなく、質を担保するものであると思うのだが・・・ 
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安全管理体制で欺くとは

2007-03-28 19:18:08 | ISO9001奥が深いか浅いのか
シンドラー社、昇降機検査資格を不正取得 実務歴を詐称 朝日新聞 2007.3.27

 東京都港区で昨年6月、死亡事故が起きたエレベーターの製造元「シンドラーエレベータ」(東京都江東区)の社員53人(うち退職者9人)が、実務経験が必要年数を満たすように経歴を詐称し、法定の定期検査を行うのに必要な昇降機検査資格を不正取得していたことが27日、分かった。新潟県三条市の保守会社「ハイン」も14人(同1人)が同様に詐称していた。

 国土交通省はこの67人の資格を26日付で失効させた。さらに、会社ぐるみの経歴詐称とみて、失効者が法定検査した両社の各約1300台の再点検を指示する。他社にも自主点検を指示する。

 昇降機検査資格は、各エレベーターが毎年1回受ける法定検査の責任者に必要な資格。67人の経歴詐称は、1月下旬~2月初め、国交省などに匿名の情報提供があり、資格者講習を行う日本建築設備・昇降機センターが本人や会社に聞き取り調査をして判明した。

 資格者講習を受けるには、学歴に応じて2~11年(00年度までは3~15年)の実務経験が必要で、申込書には所属企業の責任者が実務経験を証明する欄がある。

 両社の失効者は、入社年を実際よりも古く偽り、営業職なのに技術職を装うなどしていた。中には実務経験ゼロなのに、15年以上と虚偽申告した例もあった。調査には、「上司の指示だった」「自分は書いた覚えがない」などの証言が出ている。


 シンドラーエレベータによる事故では、エレベータの点検、管理状態があいまいであった。エレベータはビル内の「縦の鉄道」だと考えれば、安全管理には万全の態勢がとられてしかるべきであった。

 エレベータを検査する者の力量がないにもかかわらず、さも有資格者がいるかのように見せかけていたことが会社ぐるみであることがわかり、もうほとほと愛想が尽きた感じもする。

 ビル内のエレベータを付け替えることは簡単ではないだけに、一度、設置してしまった者の勝ちみたいになっているのだとしたら、同業他社としても許せない話だろう。住民もやりきれないだろうし、直接のユーザーでない者でもこのうえなく腹立たしい。既得権を白紙に戻すようなことにつなげることはできないのだろうか 
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安全宣言は、「安全体制整備確認のお伺い」

2007-03-02 13:11:53 | ISO9001奥が深いか浅いのか
不二家 「安全宣言」一般菓子の製造再開 3月2日10時17分配信 毎日新聞

 大手菓子メーカー、不二家の桜井康文社長は1日会見し、チョコレートなどの一般菓子の製造を同日再開したと発表した。「ネクター」などの飲料も近く製造を再開し19日から委託先のサッポロ飲料で販売を開始し、ケーキなどの洋菓子も23日から順次フランチャイズ店で販売再開する。期限切れ原料の使用問題が発覚して約2カ月で、ようやく事実上の「安全宣言」をした。だが、大手スーパーなどは販売再開に慎重な姿勢を崩しておらず、販売が軌道に乗るかは不透明だ。

 不二家は山崎製パンの支援で、各工場に米国の衛生管理手法「AIB」を導入し、安全衛生管理を抜本的に見直した。秦野工場(神奈川県秦野市)など一般菓子の3工場は28日までにAIBの監査を完了したことなどから、有識者会議の「『外部から不二家を変える』改革委員会」(委員長・田中一昭拓殖大教授)が一般菓子の製造再開や洋菓子の再開計画を了承した。

 一般菓子は、山崎傘下のコンビニエンスストア「デイリーヤマザキ」などが今月中旬以降、販売を始める。ただ、販売再開は小売り企業の判断次第で、「品質管理の国際規格『ISO9001』の再認証なども見極めてから考える」(セブン&アイ・ホールディングス)と様子見姿勢が強い。


 案外、はやく店頭に不二家製品が並んでしまうのかなとも思っていた。そうしたら過去のことなど、時間の問題で風化してしまうのだろうか、とも危惧していた。
 しかし、消費者のみならず、大手スーパーでも慎重姿勢を示しているというので、そこに期待したい。売れる商品(アイテム)が欲しいとばかりに、また販売再開で売上げを復活させた、販売再開に慎重でない他店の動向を気にする余り、甘い“審査”で販売再開にならないよう願う。

 あるある大事典での納豆ダイエット捏造に関連し、番組作成にかかわった日本テレワークに対して、テレビ朝日が番組の発注停止措置をとった報道が先日あった。

 テレビ朝日は27日、ねつ造が発覚した「発掘!あるある大事典2」の制作会社「日本テレワーク」(東京都品川区)に対し、再発防止策と業務改善策を示すまで番組制作の発注を停止する通告書を送ったことを明らかにした。一連のねつ造問題で、放送局が下請け、孫請け制作会社への発注停止を公表したのは初めて。 2月27日19時54分配信 毎日新聞

 その組織の活動を取り巻く別の組織も、良くも悪くも影響を受けるのであるから、あるまじき行為(不適合)に対して厳しくも将来を見据えた目で接することは大切だ。何でも許してあげることが優しいわけではない。

 不二家も、自ら安全宣言することの意味を、安全確保ができたと自社は考えているということで、そのお伺いを社会にするといったことで捉えべきだと思う。それを一般顧客にも理解してもらう意味で、しばらくは“お詫び”価格で販売するということを検討してみてはどうだろうか 
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不二家埼玉工場、研修ほとんどなし

2007-02-05 14:26:48 | ISO9001奥が深いか浅いのか
不二家埼玉工場、研修ほとんどなし…外部改革委が視察  読売新聞 2007.2.3 より

 大手菓子メーカー「不二家」(本社・東京)の再生に向けた助言を行う「『外部から不二家を変える』改革委員会」は3日、同社の埼玉工場(埼玉県新座市)と秦野工場(神奈川県秦野市)を視察した。

 消費期限切れの牛乳を使用して洋菓子を製造していた埼玉工場では、社員やパート従業員に対する研修がほとんど行われていなかったことが判明し、改革委は、早急に研修システムを確立するよう同社に指示した。

 視察したのは、改革委の田中一昭委員長(拓殖大教授)や委員のほか、同社の桜井康文社長ら計10人。

 視察後、田中委員長は、手作りの工程が多く、従業員による高度な衛生管理が求められる埼玉工場について、「きちんとした研修システムがなく、新人は職人芸を盗んで仕事を覚えるという雰囲気だった」と指摘。同工場のパート従業員からは、「これまで一度も研修を受けたことがない」という証言もあったという。


 耳を疑うような内容ではないか。ISO9001の審査で、指摘事項のひとつとして研修の不備が挙げられていたが、このようだとは思わなかった。個人商店が軒先でお菓子を作って細々と売っているのとは違う。それで済ませているところに、根の深さを感じる。

 生命や健康にかかわる業種でありながら、社会人なら自ら生涯学習をして当然だ、個人で研修から何かを得るのだから、その費用は個人でもつべきだ、などとする組織もいまだにあると聞く。教育・研修は、リターンの計算できない投資だと思っているようだ。

 自分たちは社会に対して何をしているか、認識が欠けているのだろう。自分たちがどうありたいかだけを追い求めているからのように思われる。根底にある発想が違えば、教育・研修をするにしても、その実態が雲泥の差となって現れる。その典型のように思えた 
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不二家の是正指摘7項目

2007-02-01 09:34:33 | ISO9001奥が深いか浅いのか
不二家3工場、国際規格の認証「保留」 7項目に不備(朝日新聞) - goo ニュース

 不二家は31日、スーパーなどで販売する卸売り菓子の3工場が取得していた品質管理の国際規格認証について再審査を受けたところ、基準に達しない7項目の是正報告を求められ、認証を「保留」されたことを明らかにした。再度の認証は早くても数週間かかる見通し。また認証が認められても、小売り各社が「安心のお墨付き」と受け取る保証はなく、すぐの販売再開は厳しい情勢だ。

 不二家が31日までに審査機関から指摘された、不備は7項目に及ぶ。業界関係者は「指摘は広範囲で、問題の根深さを改めて感じる」と驚く。不二家商品への信頼回復を狙った再審査だが、むしろ「逆効果」となる可能性もある。

 是正を求められた「7項目」とは、
●管理責任者の権限が不明確。従業員と意思疎通が図られていない(5.5.2、5.5.3)
●不良品が適切に処理されていない(7.5)
●品質マニュアルを含む文書管理、記録に不備がある(4.2.2、4.2.3、4.2.4)
●従業員教育が不十分(6.2)
●取引先の認定基準があいまい(7.4)
●製造工程の検査態勢が不適切(7.3.4、7.3.6、7.5.2)
●内部監査が徹底されていない(8.2.2)

 ということだそうだ(朝日新聞 2007.2.1)。規格要求事項の部分は推定である。

 やはり内部監査が機能不足だといわれたか・・・、というのが第一感。東横インの不祥事の際、これを防止できたとしたら内部品質監査ではないかと思った。

 品質管理責任者が問われたのは意外だった。ISO9001を中心になってすすめる役割を持つからという管理責任よりも、内部での意思疎通を良くして、すみやかに不適合の発生、流出を防がなければいけない、そういう役割があるということだろう 

 安全管理システムの不備を指摘した7項目ではあるが、マネジメントレビューが機能していなかったであろうことや(誰もこの製品販売をとめようとしなかった)、法的にも耐えられない状態であること、食品が美味しい以前に安全であるのは当然という想いをないがしろにしたり、5.1や7.2.1において、是正指摘がなされなかったのは、なんでだろう 

 さらに「改善の機会」としていったい何項目の指摘があるのか、ちょっと想像がつかないところだ 
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期限切れ菓子とデータ捏造の共通点

2007-01-30 09:56:25 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 不二家の一件以来、一段と期限切れ製品の流出について回収をする旨のお知らせが多い(目に付く)。これだけ多いと、表に出るのは氷山の一角で、現実はこんなもんじゃないと誰もが思うだろう。関西テレビも、「あるある」で放映された他の健康情報において、次々と捏造疑惑が取りざたされている。関西テレビや日本テレワークだけのことかと、視聴者はどう思うだろうか。

 お菓子もテレビ番組も、両社においていわば“製品”だ。それを顧客に提供する。その製品に不適合が見つかったのである。
 とすれば、製品が生み出されてくる過程に問題があったのではないか、ということだ。製品を計画する段階(7.3.2)、部分を作成していく製造過程(7.3.4)、できあがった製品が顧客の要望を満たすかどうかを確認する妥当性確認の段階(7.3.6)、それを顧客に引き渡していいかどうかを確認する段階(7.5.2)、期限切れやデータの信憑性について、いたるところでチェックすることができたはずである。それらがおろそかになっていた。ひとことで言ってしまえば、プロセスに甘さがあった。ISO9001を取得していたのに・・・、というのはそういうことを指すのだろう。

 しかしそれらの関門でひっかからずに、ことごとく通過してしまうのは、もっと上層部からの力が働いているからとみるべきだろう。警告を解除してしまったのは担当者かもしれないが、そうさせた“黒幕”こそ追求されるべきではないか。組織内文化、体質がそうさせたのであれば、それを生み出された土壌からは、改善されたものは芽生えない。そこをそのままにしていて何かが再発したら、その影響を受けた者はもちろん、他の顧客や組織内の職員をも裏切ることになる。これまで是としてきたものの中に、非が潜んでいるのではないだろうか 
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ペコちゃんに罪はない、が・・・

2007-01-11 14:35:03 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 不二家、全店で洋菓子販売休止 期限切れ牛乳使用が判明(朝日新聞) - goo ニュース

 大手菓子メーカーの「不二家」(本社・東京)が昨年10月から12月にかけて、消費期限が切れた牛乳を使ってシュークリーム約1万6000個を製造し、関東などに出荷していたことが分かった。同社は事実を把握した後も、公表や回収の呼びかけをしなかった。一部報道で表面化したことを受けて11日に記者会見し、当面、全国約800の直営店・フランチャイズ店で洋菓子販売を休止すると発表した。

 製品の不適合があったにもかかわらず、それを承知しながら、何の対策もとらないまま、さらに公表もせずにいた。情報の隠蔽、顧客の裏切り、・・・厳しく言えばそんなふうにもなろう。

 不二家、期限切れ牛乳使用シュークリーム 福島など出荷 河北新報 2007.1.11 より一部抜粋

 不二家は「過去にも数回、同様のことがあった」としており、期限切れ牛乳の使用が常態化していた疑いもある。
 シュークリームは出荷前の細菌検査で問題はなく、同社に対して現在までに健康被害の報告はないという。同社は「社内規定に反する行為」と責任を認めているが、食品衛生法に触れる可能性も浮上している。
 不二家によると、社内の諸問題改善に向けて設置したプロジェクトチームが昨年11月に調査したところ、埼玉工場の原料仕込み担当者が「11月7日消費期限の牛乳四ロット(60リットル)分を、11月8日に使用した」と証言。
 さらに担当者は「捨てると怒られる。においをかいで品質的に問題ないと判断したら使っている」と、これまでにも期限切れ牛乳を使っていたことを認めたという。

 不二家は昨年6月、ISO9001を認証取得した。埼玉工場ではなく、銀座の本社ではあるが。品質管理の重要性を認識していた証しであろう。逆に言うと、食品業の老舗にもかかわらず、いままで十分な体制ではなかったのかもしれない。

 「社内規定」とは、ISO9001による品質マニュアル等を含むのかもしれない。「社内の諸問題改善に向けて設置したプロジェクトチーム」とは、内部品質監査ではないかもしれないが、それをも含む態勢を指すのだと思われる。

 「捨てると怒られる」。こういう文化なのだ。誰が、どういう理由で怒るのか? 言うまでもないかもしれないが、捨てるのはけしからんと考える理由や意識こそ、改められるべきだろう。

 「消費者の信頼を深く裏切り、おわびする」と記者会見で社長が述べている。消費者は食品が安全だであることは当然だと考えている。期限切れの材料など使われるはずがないと考えている。7.2.1の不適合か、工程において期限切れの材料など使うことになっていないだろうから、7.5の不適合か。
 これまでも類似例があったということだが、こういう事件ではいつも5.1(経営者の責任)または5.2(顧客重視)の不適合の存在を感じずにはいられない 
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改善を強要されているように思われているとしたら

2006-12-01 10:29:50 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 先日、内部品質監査に携わる機会を得た。業務監査や検査、指導、粗探しのようなものではなく、一緒になって今後のより良い活動に向けて見直しをする協同作業の場だと説明して臨んだのだが・・・。

 確かにウィークポイントや危うい(怪しい)活動が見つかれば、何らかの改善指摘を残す。被監査部署にとって、それは無視して済ませることのできない課題でもあり、ただでさえ忙しくてノルマに追われているのに、あまり歓迎しない(しばしば迷惑な)置き土産のようでもある。

 もっと現実に突きつけられているものがある。それをこなすのに汲々としているのに(それすら、もはや改善指摘のひとつなのだが)、内部監査による指摘は優先性や重要性に乏しく、渋々やらされるものといった印象を計らずも与えてしまうようだ。

 ISO9001では、苦しみを与えようなどと少しも“計画”していない。むしろ内部監査が、被監査部署にとって前向きで、活き活きと、伸び伸びとしか活動ができて、パフォーマンスが向上するきっかけになればと、監査員自身も自分たちは味方だと思っているくらいではないだろうか。

 にもかかわらず、このギャップ! と言うか誤解と言うか・・・

 すぐにでも指摘を受けてアクションを起こせとは言わないが、なぜそのような改善指摘になったのか、
・その根拠や理由が十分説明できていないからだろうか
・理解が得られていないのだろうか
・改善“指摘”とは言うものの、その意図するところは改善“提案”であって批判や注意ではないことが伝わっていないからだろうか

 あれしろ、こうしろ、と指図してくるのは、よほどの事態でなければしたくないものだ。要点を押さえつつも、目的が果たせるよう、具体的なアクションは被監査部署自身が積極的に考えてもらえるよう、その勇気や元気を与えてあげられるように内部品質監査の腕前を磨いていかなければいけないのだろう、と思った 
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いまさら作り直すことが困難なケース

2006-09-14 14:03:13 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 中央道の阿智PAから岐阜県よりの場所で21台の玉突き事故がおきた。

 <長野・中央道>「毎月のように事故」…また魔のカーブで 毎日新聞 2006.9.14

-----転載ここから
 現場から約1キロほど離れた阿智PAの店員男性は「現場は急なカーブで、しかも下り坂。過去にも死亡事故が起きている。特に雨が降るとスリップ事故が増える」と話す。また、同PAにあるガソリンスタンドの男性店員(23)は「こんなに規模が大きい事故は初めてだが、毎月のように事故が起きている。正直、またかと思った。交通量が多い時や雨が降っている時に、大型トラックの事故が多い」と話した。

 名古屋への高速バスを運行する「信南交通」(長野県飯田市)の男性運転手(53)は「カーブが長くてきつく、常に運転しにくい場所だ。見通しもかなり悪く、道幅も狭く感じるほど圧迫感がある。また、カーブの直前までほぼ直線なので、スピードを出してくる車が多い」。中央道をよく通るという群馬県桐生市の50代の男性は「下りの後のカーブで、この辺りはよく事故が起こる地点。距離感もつかみにくい」と話した。
-----転載ここまで

 全員が事故を起こすわけじゃない、毎日事故が起きているわけじゃない、でも知る人は少なからずヒヤリとした経験があり、実際、しばしば事故が起きている・・・、そんな道はあちこちにあるだろう。
 長野道の更埴ジャンクション付近で、軽井沢方面から長野方面に向かい、松本方面から来た車線に合流する付近も急カーブで、先日もトラックから積荷が高速下の一般道にまで落ちるほどの事件も報道されていた。

 いまさら高速道路の構造自体を変えることも難しい。費用もかかるが、できればそうして事故が減ることがドライバーにとっては何よりだろう。減速して、安全運転を心がければ、現状でもいいのだが、そういうマナーに解決策を求めるのではなくて、根本部分が改善されるのが、理想的だと思う。

 しかし道路を作り変えるなんて現実的には実行性が乏しいものである。そこで、それを補う何らかの対策が施され、少しでも事故が減ってほしいと思う。どうやっても、そこを通過する前には減速しなければならないような仕組みにするとか、である。
 阿智PA付近はあまり通ったことがないが、既にそれなりの対策がなされていた、それでも起きてしまったのが今回の惨事なのかもしれない。

 根本対策がそう簡単にできない、今回のようなケースに対する予防処置は、相当念入りに計画しないと、再発が防げない。道路公団など、アタマの痛い話かと思う。
 道路の話ではなくても、同様に「いまさら作り直すことが困難な問題」って、どこにでもあると思う。いまさら家を建て直すわけにはいかないとか、大人になって今さら高校からやり直すなんてできない、などである。
 できっこないと、ハナから諦めてしまいそうなことではあるが、それを補う何らかの対策をもって、できる限りの対策をとらない限り、忘れた頃に同じ苦悩を繰り返すのだろう 
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クレーン船操業による首都圏停電

2006-08-15 13:01:48 | ISO9001奥が深いか浅いのか
大停電 3時間後復旧 千葉県警クレーン船作業員事情聴く 毎日新聞 2006.8.15
-----転載ここから
 調べでは、送電線に接触したのは「三国屋建設」千葉事務所(同県船橋市)の380トンのクレーン船で同所長(43)と操縦士(30)が乗り、しゅんせつ工事に備えて船を固定するための金属製のくいをつり上げる作業をしていた。タグボートには乗組員(23)が乗っていた。クレーンのアームのほぼ中央に黒く焦げた接触痕が確認された。

 現場付近には高圧線への注意を呼び掛ける看板が設置されており、同社の内規では「安全を確認できない場合はクレーンを下げて運航する」と定められている。調べに対して3人は「今回の現場に行ったのは初めてで、送電線があるのは知らなかった」と話している。

 同社の木股健二会長は「午前6時ごろからクレーン船を動かしていた。操縦士はベテランで、普段は高さを確認していた」と話している。
-----転載ここまで

 たまたまお盆で帰省中の出来事だったが、知った時には既にかなり復旧していた。影響を受けた人も多かっただろうだけに、復旧の早さはさすがだと思う。予め想定した手順があったのだろうか。

 一方の三国屋建設。本社は茨城にあり、ISO9001を取得している。この9月には更新時期を迎えているから、そろそろ更新審査直前の出来事だったのではないだろうか。まさか千葉営業所は、拡大審査の対象になっていなかったのだろうか?

 事故当日の天候も悪くなかったようだし、遵守すべき作業手順に違反して、航行中にクレーンを上げて作業をしていたことが原因だとすれば、効率よく作業を済ませようとして事故を起こした東海村の原子力発電所の臨海事故と同じ構図である。これまでもしばしばやっていた・・・、それまで問題は見られていなかった・・・、本来の手順じゃないと知りつつ継続して行っていた・・・、それが取り返しのつかない大事故に発展した。

 経験も十分ある作業員だったというが、教育が徹底されていなかったともいえる。油断もあったのだろうか。安全確認を怠ってしまったその原因は何か。たいした理由ではないと思うのだが、得てしてそんな時に事故は起きるものだ 
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