何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

「舞姫」は安全な乗り物だったのか

2011-01-31 23:03:12 | 薬害は人災だ
東京ドーム事故「同乗者のロック確認せず」女性アルバイト
産経新聞 1月31日(月)11時5分配信

 東京都文京区の東京ドームシティアトラクションズで、走行中のコースターから男性客が転落死した事故で、安全確認を担当した20代の女性アルバイト従業員が警視庁捜査1課と富坂署の事情聴取に対し、「同乗の3人の安全バーもロックされているか、手で押し込んで確認しなかった」と説明していることが31日、捜査関係者への取材で分かった。同課は同日、業務上過失致死容疑で現場検証し、バーのロックの状態や転落時の状況などを詳しく調べる。

 アルバイト従業員は聴取に対し、「口頭でバーを下げるよう乗客には伝えたが、手で確認はしなかった。バーは下りているように見えた」と説明。同課は男性客のロックが不十分だったとみて、従業員らから事情聴取し、確認作業の実態を調べる。

 同園によると、バーの確認について、責任者が係員に口頭で「手で押して確認するように」と指導していたが、運行マニュアルには「安全バーがしっかり倒されているか確認。乗車していないところも倒します」として、具体的な方法は記載していなかった。

 事故は30日午後0時40分ごろ、「スピニングコースター舞姫」で発生。知人3人とコースターに乗った羽村市の会社員、倉野内史明さん(34)が発進して約100メートルのU字カーブで左に曲がっている時に投げ出され、約8メートル下のコンクリートに転落し死亡した。

----- ----- ----- ----- ----- -----

 安全バーがしっかり倒されているか確認するというが、「しっかり」の中味があいまいだ。どのようなことが「しっかり」なのか。客観的ではない。
 
----- ----- ----- ----- ----- -----
 安全バーは各座席に設置されている。客が手前に引いて腹部のあたりで固定し、締まるとカチッと音がする仕組み。体形に応じて8段階で固定されるが、自動で確認する装置はなく、係員が目視や手で触れて固定具合を確認する。大柄などの理由で安全バーが固定できない場合は、乗車させない規定になっていた。
(中略)
 事故当時、安全バーの点検はアルバイトの女子大生が担当しており、女子大生は同庁の事情聴取に対し、「口頭で『安全バーを下ろしてください』とアナウンスしたが、手で触っては確認しなかった。バーが下りているように見えたので、発車しても大丈夫だと思った」と話したという。
(読売新聞 1月31日(月)1時47分配信)

----- ----- ----- ----- ----- -----
 安全バーは乗客が手前に引き、体格に応じて適切な部分で固定。運転中は解除できない。しかし、固定されなくても、係員がボタンを押すと発車する。倉野内さんは体重100キロ以上で、安全バーが固定されなかった可能性もあるという。
(毎日新聞 1月30日(日)20時37分配信)

----- ----- ----- ----- ----- -----
 会社側は火消しに躍起だが、この会見のあり方に早速批判が出ている。

 死亡事故という重大な事態にもかかわらず、社長が不在だったことに非難が集まっているのだ。

 企業の危機管理に詳しいリスクヘッジ代表の田中辰巳氏は「上場企業としてはあり得ない事態です。会見は企業側の危機意識が問われる場。社長不在ということは事故の重大性を軽視している証左に他ならない」と指摘する。
(中略)
先の田中氏は「企業側の対応をよく注視する必要がある。不祥事や事故を起こしたとき誰がどういう対応したか。企業側の体質が分かる。十分でない場合は、信用しない方がいい」。
(夕刊フジ 1月31日(月)16時57分配信)

----- ----- ----- ----- ----- -----

 今回の事故について、アルバイトの安全確認ミスを指摘する声があるが、その前にコースターの構造上の欠陥が考えられると思うのだがどうだろうか。
 
 まず、ある一定のところまでバーを倒し、固定が確認できるとランプがつくような構造にして、スタッフが手で押さえなくても固定が確認できるとか、固定が確認できないとスタートできないとか、コースターにフールプルーフ思想の設計や機能がなかったことはないだろうか。もしくは、固定未確認や何らかのアクシデントで解除された場合は、コースターに自動停止装置が働くとか。

 バーで固定する方式は、体格によってバーが確実に倒れているかどうかがあいまいであり、車のシートベルトのように、どうやっても飛び出さないような方式のほうが良かったのではないか。

 腹部にバーを当てる固定方式は、客がこの程度の固定でよいと思った程度と、係員が大丈夫であると判断する程度に違いはなかったのか。乗客にその判断を委ねるという点でも、固定方式上の問題といえるのではないか。

 スリルが楽しいコースターといえども、安全が保障されたうえでのこと。安全が前提だ。
 仮に、安全性を最小限に削いで、スリルを味わうとしたら、それはスリルと呼べるものではなく、もはや恐怖だ。


 
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自己プロデュース力

2011-01-31 22:38:54 | Book Reviews
「自己プロデュース力」 島田紳助・著、ヨシモトブックス、2009年9月17日

p.9 今日の授業をどんなに熱心に聞いたって、僕の漫才を君たちにあげることはできません。だけど、努力の仕方を教えてあげることはできます。

p.26-7 男の芸人はあの子たち(=若い女の子)を笑わせにかかったら絶対駄目。その先はない。自分たちの本当の「客」は誰か。それをしっかりと認識しておくことが大事なんです。

 薬局である自分たちにとって、評価してほしいところはどこか。患者さんが来てさえくれればいいのではなくて、どこを評価され、選ばれて来てくれているか。医療機関から近いから来た・・・、それでは明日にはつながらない。

p.29-30 僕がよく言うのは、「X+Y」でものを考えろ、ということ。
 「X」は自分の能力。自分は何ができるのか。これは自分にしかわからないのだから、自分自身と向き合って必死に探すしかありません。
 「Y」は世の中の流れ。これまでどんなことがあって、いまどんな状況で、五年後十年後、それがどんな風に変わっていくのか。これは資料がそろっているんだから、研究することでわかってくるはずです。

p.33 売れ続けるには、常に「X」と「Y」がぶつかっていなければいけない。そのためには、動いていく「Y」に合わせて、「X」を変化させなければいけないんです。

p.70 でも、知っていることが一分野でも一箇所でも、人より深かったら、「何でも知っている」と人は勝手に思ってくれる。

p.88 「遊ぶ」というのは、色々なものに興味を持って、ウロウロすること。もっと言ったら、ヘンな奴でいること。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分を生ききる

2011-01-30 22:33:50 | Book Reviews
「自分を生ききる 日本のがん治療と死生観 中川恵一×養老孟司、小学館、2005年8月10日

p.50 これは、なかなかいいにくいことでもあるんですが、つまり患者さんがいま受けている治療行為がどういう意味なのかを知らないところがあって、そこが非常に問題だと思うんですね。

p.80-1 僕は、そういう医療をやっておられる先生方は大変だなってことをいつも感じるんですよ。特に「死」にかかわる問題は、要するに社会的にいえばトラブルが起こりやすい、医療訴訟が起こりやすいというようなことがあって、率直な議論がしたくても、なかなかできないわけですよね。みんなが考えたくないことでもあるわけ。そんなこと考えたって、答えは出ないだろうって、いきなり頭からいう人からはじまって、常にそういった意見が問題を考えることを妨害するような状況にもなるんで、なかなかむずかしいところがありますよね。
 ですから、やってる方が大変だなって。そういうのをみんながある意味、はたから見てたって当然わかるはずのことなんですよね。死んでいく患者さんに対してどういうふうにケアしていくかってことを考えてくれる人なんてのは、それは給料の問題ではないということは、誰にだってわかるはずなんですよ。そしたら、そういうことをやってる方に対してはできるだけサポートしようということですね。そういうふうな雰囲気ができて、私は当然だという気がするんですよね。

p.92 だって、自分がお医者さんにやらせていることは一種の汚れ役なんだから。

p.112 「がんばった人が報われる」というあたりまえの原則を医療に持ち込まないと、この国の医療に未来はありません。

p.120 「命には限りがあり、それゆえ尊い」
 人生の時間を各人に与えられた資源と考え、大事に使っていくという気持ちが、「がんの壁」を乗り越えるためには必要です。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

心を強くする指導者の言葉

2011-01-29 22:12:32 | Book Reviews
逆境に克つ! 心を強くする指導者の言葉」 ビジネス哲学研究会・編、PHP、2009年6月17日

p.20-1 「偶然は、準備のできていない人を助けない」
 よく「おまえは運がいい」とか、「自分はついていない」などと、すべての結果を偶然に結びつけたがる人がいるものである。しかし、そういう人に限って、普段からの努力を惜しんでいないだろうか。
 日常の絶え間ない努力があればこそ、偶然のチャンスをつかまえることができる。

p.91 自分の職場の環境について、劣悪だと嘆く人は多い。しかし、その劣悪な環境で、一流の設備を持った会社の人間と同じことをこなせれば、彼らと闘うときには必ず優位に立てるのではないだろうか。「そのときのため」と考え、劣悪な環境で力を磨くことが、実力につながるのだ。

p.97 ドーピングというのは、その努力を否定し、こっそり近道をするようなものだ。しかも、この近道には健康被害という大きな落とし穴もある。
 勝負に勝つためには運も必要だ。しかし、このような姑息な手段を使っているようでは運を呼び込むことはできない。運を味方につけるのは、努力をしている人だけ。

p.100-1 「ときには嵐のような逆風が人を強くする」
 逆風を今後の自分のプラスにする方法は、真正面から向かいあうことだろう。心身とも強くなれるのはこの道だけである。

p.103 しかし、諦めない人にはときも味方してくれるものである。塵も積もれば山となるという言葉がある通り、どんなに些細なことでも継続していれば、やがて大きな結果が得られる。大切なのはやる気があるかどうか――この一点にかかっている。

p.108-9 「あなたがいつか出会う災いは、あなたがおろそかにした時間の報いだ」
 「明日やればいい」と考えていると、きっとそれを後悔するときがくるだろう。

p.114 『お客様は来てくださらないもの』『お取引先は売ってくださらないもの』
 だからこそ、いちばん大切にしなければならないのは信用であり、信用の担保は人間としての誠実さ、真面目さ、そして真摯であること。

p.118-9 「向上の従業員を使う支配人で、みだりに小言を言ったり、または厳重なる規則を設けて、規則攻めにするものは、多くの場合失敗する」
 「人を使う者は、使われる者の中に常に不平のあることを知っておかねばならぬ。使われる者の不平を巧みに、安全弁を設けて逃がすようにする。それが、人を使う者の手腕を要するところだ」

p.143 多くの人は「自分一人が黙っていても、大勢に影響はない」と考えやすいが、それは間違っている。悪だくみや過ちというのは、どこからともなく漏れていく。人に正される前に自ら正すのが企業としての責任である。

p.149 ビジネスで上司や同僚、取引先などとの摩擦を回避し続けると、誤った結論や判断が通ることになってしまう。間違っていると思いながら他人の意見に従い、やがて失敗したときに感じるのは未練や後悔だけだ。そんな思いをしたくなければ、摩擦を恐れないことである。

p.179 「たどり着きたいなら留まるな」。あたりまえのことのようだが、これができない人や企業は驚くほど多い。留まっていれば現状維持ができると思い込んでいるようだが、それは違う。今いるところに留まっていれば、待っているのは、じり貧だけである。

p.191 「あなたたちは単なる使用人ではなく、事業の協力者だ」ということを言葉や態度、そして待遇で示すことのできない会社の未来はあまり明るいとはいえない。

p.196 「人間である限り、欲望を持たぬ者はいない。しかし、その欲望は小さな私欲ではなく、国家や社会に利福をもたらす大きな欲望でなければならない」

p.199 未熟な部下を信頼して仕事を任せるのは難しく、リスクもある。だが、「何か問題がおきたら、私がすべての責任をとってやる」といった懐の深さを見せてやらなければ、部下は伸びない。

p.205 ビジネスでも、競争相手が大きく見えることがある。しかし、それは自分の怯える気持ちが見せる幻だ。誰よりも周到な準備をし、完ぺきに仕上げておけば、敵は小さく見えるようになる。大きく見えるのは自分に準備不足がある証拠と考え、より一層の努力をすればいい。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

招客招福の法則3

2011-01-28 21:58:42 | Book Reviews
「招客招福の法則 不況に負けない商売の本質 小阪裕司・著、日本経済新聞出版社、2010年11月22日

p.40 誰がやってもこういう(店主のひげをそる権利などという)特典はウケるものなのかというものだ。
 こういう特典がウケる背景には顧客との人間関係がある。つまり顧客がこの店や店主に好感や信頼感を抱いていないと、こういう特典は空振りに終わる。

p.45 絆づくりと顧客の感性を高めることとは、一見関係ないように見えるかもしれない。しかし信頼や愛着を感じる相手からの情報だからこそ耳を傾け、傾けるからこそ感性も高まると言えるだろう。成果とはこうしたいろいろな活動の相乗効果なのである。

p.57 店主はお客さんのためを思ってお知らせしたのであって、セールスをかけたわけではなかった。そしてその思いにお客さんは様々な形で応えているのだ。この店では本件に限らず、こういうことがしばしばある。
 日頃からの人間関係づくりと、お客さんのためにやるべきことをやる姿勢。そうした活動の結果として日々の売り上げが生まれてくるのである。

p.61 だからこそ売れないときは、商品の見直しや市場分析の前に、まずは本件のように、商品の価値がきちんと伝わっているかどうかをチェックすることだ。

p.73 一連の出来事を通じて店主はお客さんが何を求めているかが改めてわかったという。それは美味しい料理も含めた「心の豊かさ」なのだ。そしてそれを次々と提供してくれるこの店は、顧客にとってなくてはならない店なのである。

p.83 「顧客化」とはテクニックではないのである。

p.84-5 それは、どんなに景気が悪化しても消費がなくなることはないということだ。
 必需の消費はできるだけ控えるだろう。必要最低限にとどめようとする。
 必需消費は絞られる。だからこそ、我々は考える必要がある。絞られても残る消費に選ばれる店や会社になることを。

p.139 この店はずっと売り上げを伸ばし続けているが、その背景にはこういう商売への真摯な思いと実行力があり、それが他店との「違い」を生んでいるのだろう。そして今日の消費者は、そういう違いに敏感なのである。

p.141 人は他者に喜んでもらうことが、しばしば自分のことよりうれしい。

p.151 私は思う。この夫婦は店主らの手によるPOPから、商売に対する店の姿勢を感じ取ったのだろう。そして相談への店主の対応でそれに確信を得た。こういう事例に出合うたびつくづくと思う。いまは「誰から買うか」の時代なのである。

p.171 「信念」や「譲れないもの」を商品やサービスで形にし続け、不安な状況のなかでもぶれず、それでいて顧客動向の変化にも対応する。それは簡単なことではないが、結局そういう店に顧客は戻る。

p.172-3 そのうち一つは商売の芯である。それは、商売で大切にしているもの、商売を通じて表現したいもの、伝えたいこと、信念、美学、いろいろな言葉に置き換えることができるが、いずれも芯と呼べるものだ。
 確たる芯を持ち、それに共感するお客さんたちが支持者、応援団となり集う。それが業種を超えて、これからの景気のいい商売となるのである。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人間関係を良くする17の魔法

2011-01-27 22:19:14 | Book Reviews
「人間関係を良くする17の魔法」 一条真也・著、致知出版社、2009年1月30日

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

成功者に学ぶ「決断」の技術

2011-01-26 22:23:25 | Book Reviews
成功者に学ぶ「決断」の技術 夢をかなえる最強のコーチング 鈴木義幸・著、講談社+α文庫、2006年10月20日

p.5 選ぶ「対象物」は毎回変わったとしても、その「選び方」はほとんど変わることがありません。つまり、選ぶにあたっての「あり方」はすでに決断しているのです。
 選び方を決断しているがゆえに、どちらの対象を選択するかいつでも迅速に判断することができる。それが成功者なのです。

p.17 じつは、決めるというのは、「ひとつの言葉」に対して「ひとつの意味」を選択する、ということなのです。
 たとえば、「部下の話に耳を傾ける」という言葉に対して、「それは部下のモチベーションを高めるためになくてはならないことだ」という意味を付してしまえば、その行動は間違いなくおきます。

 p.17-8 「目から鱗が落ちる」というのは、ある言葉に、これまで自分が与えていた意味に加えて、まったく新しい、考えてもみなかった意味が第三者から提示されるがゆえに起こる現象です。

p.18 目から鱗が落ちたはずあのにうまく実行できないとき、それがじつは、無意識下に隠された、多数のほかの意味づけが邪魔しているがためであったりするのです。

p.19 つまり言葉に新しい意味を与え、実際の行動に繋げ、かつそれを継続するには、それまで自分がその言葉に与えていた意識上の「意味」をそぎ落とすだけではなく、無意識下の意味を顕在化させ、それをもそぎとる必要があるのです。そうしてはじめて、新しい意味が自分のものとなります。

p.85 「リーダーというのは、基本的に“外”に向いていて、闘いに勝つために戦略をつくり、チームに方向性を与え、鼓舞する人です。それに対してマネジャーは、“内”に意識があり、リーダーが闘いを仕掛けたときにいつでもスタッフをきちんと送り出せるよう、彼らを管理し、システムを整備し、さまざまな気がかりを取り払うことができる人です。 #MNG

p.118 「プライベートは『WANT(~したい)』が多いのに、会社は『MUST(~しなければならない)』ばかりですね。なぜなんですか?」

p.140 ボールも楕円形でどこに転がるかわかりませんから、細かい動きのシミュレーションは立てようにも立てられない部分があります。
 先の先まで読んでフォーメーションをつくることは難しい。だから、先取一人ひとりの自発性、自律性というものがたいへん強く要求されることになります。

p.160 「社長」という言葉に彼が与えている意味は、「社員を大切にする人」

p.180 帰り際、T先生はドアのところまで送ってくださり、「鈴木さん、今日は遠いところをありがとうございました。なにか気になることがあったら、いつでも言ってくださいね」とひとこと。

p.199 彼にとって「マネジメント」するということは、とりもなおさず「一人ひとりを見て、それぞれに違った動機づけをする」ということです。

p.206 彼は間違いなく“決めて”いました。人を支援するということは、相手が成果を出すまでつきあうことだと。風が吹こうが、雨が降ろうが関係ない。必ず成果をあげさせるのだと。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人生を変える自分ブランド塾

2011-01-25 21:36:22 | Book Reviews
人生を変える自分ブランド塾 ブレない人の74の習慣 中谷彰宏・著、成美文庫、2011年1月20日

p.5 人間の幸福は、自由の中にあります。

p.29 ブランドは、カッコいいことではありません。その人と一緒にやると、ワクワクすることです。

p.31 名前だけ覚えてもらおうというブランディングは、不可能です。ワクワクさせることができれば、みんなに覚えてもらえます。ブランディングは、人をワクワクさせることです。

p.49 急激にブランドをつくろうとした人は、急激に消えます。それはブランドではなく、ブームです。

p.84-5 バッシングされないものは、自分ブランドになりません。バッシングされたら、「よしよし」と思ってください。
 バッシングされている時に離れていく人は、流行っているから寄ってきた人です。
 バッシングまで行かなくても、バカにされていることがあるかどうかです。それがなければ、まだ八方美人なことをやっています。

p.121 ブランドは、どうしてもお金のほうに向きます。しかし、お金ではなく自分の方程式を持った人が勝つのです。

p.129 小さな分析の積み重ねで、やがて自分ブランドができます。ブランドとは、マークのことではないのです。

p.132 「やらなきゃよかった」で後悔することは、実は1つもないのです。「やっておけばよかったこと」は無限にあります。

p.140-1 大切なのは、方向性を決めることです。方向にこそブランドがあるのです。
 ワクワクするか、しないかです。ワクワクできて、相手が喜ぶことの掛算のポイントにあるのです。

p.154 自分ブランドにつながるのは、(生産拡大ではなく)品質向上の投資です。

p.176 「叱られること」は、「ほめられる」ことよりハードルが1つ上です。「○○と叱られるのを卒業して、○○とほめられたい」という発想の人はバージョンアップできません。

p.221 熱意は、(あって)当たり前なのです。熱意でほめられていてはいけないのです。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

繁盛する治療院の患者の心をつかむ会話術

2011-01-24 22:05:08 | Book Reviews
「繁盛する治療院の患者の心をつかむ会話術 儲かる治療院がやっている接遇・コミュニケーションのコツ 岡野宏量・著、同文舘出版、2010年12月15日

p.45 「言葉を濁す」という言葉がありますが、たしかに日常会話においては、そこまでしっかりと語尾を言い切る必要性は感じないかもしれません。
 しかし、それはあくまで日常会話だからこそ許されることであって、治療家としての「判断」を聞きに来ているからです。
 また、相手の質問に答える際にうまく答えられないことが繰り返されると、患者さんから信頼を失ってしまいます。

p.96 逆に、相手が怒った様子で、「上司に休日出勤を命じられた」と言ってきたら、「休日出勤を命じられたんですか(つらいですね)」というように(オウム返しで)答えます。ポイントは、「つらいですね」という感情を込めることです。これがあるかないかで、相手に伝わるこちらの印象が変わってきます。

p.106 質問するときには、つい自分が聞きたいことを聞きがちですが、上手な質問とは「相手が話したいことを聞く」ものです。相手がしっかりと答えてくれなかったり、会話が途切れたりするのは、自分の聞きたいことだけを質問しているせいでもあるのです。

p.110 外見をほめる際のコツは、モノだけをほめないことがポイントです。たとえば、「その髪型いいですね」よりも「その髪型似合いますね」のほうがよいほめ方です。
 なぜなら、モノだけをほめると、ほめているのはモノであって自分ではないと感じるからです。

p.114 治療家が、患者さんとの会話の中で共感を得るためのポイントは、事実を述べるのではなく、患者さんの感情を察した言葉をかけるということです。
 「○○がだいぶ硬くなっているので、だいぶつらいんじゃないですか?」と、肩がこってつらいという患者さんの気持ちに寄り添うような表現にすると、患者さんは共感してくれていると感じるのです。

p.119 それに対して、「治療を通して、患者さんの生活を豊かにする」、あるいは「患者さんを幸せにする」という返答をする人は、患者さんの心をつかんでいることが多いようです。
 なぜかと言うと、患者さんは痛みを取ったり、治療をされるためだけに治療院に来ているわけではないからです。

p.141-2 このように、ある程度こちらが生じ得る状況を示す場合には、次の4つに関連する示唆質問をするといいでしょう。
①仕事に関すること・・・・・「このままいったら、仕事への影響はありますか?」
②趣味に関すること・・・・・「このままいったら、趣味を行う上で問題は出てきますか?」
③生活に関すること・・・・・「このままの状態だったら、生活上支障が出てきますか?」
④家族に関すること・・・・・「このままでいくと、お子さんへの影響はありますか?」

 上手な示唆質問とは、相手が絶対になりたくないという、受け入れ難い状況をイメージさせるものです。患者さんの返答が、患者さん自身で受け入れ難いものであればあるほど、示唆質問の効果は高いと言えます。

p.151 治療の利益とは、その治療によってどんな利益が得られるのかということを説明します。要は、患者さんの顕在ニーズを満たすことができるとアピールするのが、治療の利益になります。
 治療の利益を伝える際には、4つの質問の段階で、実際に患者さんが使った言葉を用いることが有効です。

p.158 患者さんを心からよくしたいというスタンスがある治療家は、4つの質問を使いこなすことができます。逆に、このスタンスのない人は、いつまで経っても表面的で、不自然な質問しかできないのです。
 なぜ、心から患者さんをよくしたいと思っていないと、4つの質問をマスターできないのでしょうか? それは、4つの質問の根本には、「患者さんをよくするために患者さんの本当のニーズを知りたい」という気持ちが必要だからです。

p.158-9 患者さんをリピートさせられる治療家は、総じて患者さんへの思い入れが強いように感じます。患者さんにその思いがしっかり伝わっているからこそ、その先生に診てもらいたいと思い、何度も通院するのでしょう。

p.214 治療家の皆さんにお伝えしたいことは、患者さんは「顧客」ではなく「クライアント」として考えることの重要性です。
 サービスを提供する側からすると、顧客とは楽な関係でいられます。なぜならば、サービスを提供するだけで結ばれているからです。一方、クライアントとの関係は、相手の結果に責任を負うのでプレッシャーも多くなります。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分ブランドの教科書

2011-01-23 15:07:49 | Book Reviews
図解 フジマキ流 至上最強のあなたをつくる 自分ブランドの教科書」 藤巻幸夫・著、インデックス・コミュニケーションズ、2007年12月31日

p.10 「こうすれば安心」という道が見えない心細さはある。
 だがその代わりに「私はこうありたい」と一歩前に踏み出せば、それが共感を呼び、人を集め、大きな波を起こしうる時代なのだから。

p.14 野心がすべて叶うかどうかは、時の運である。
 けれども、野心をしっかと胸に抱いたとき、あなたというブランドは間違いなく一回り大きなものに成長していく。

p.16 自分がどう見られているかよりも、自分がどうありたいかだ。
 いいじゃないか、はじめは多少浮いたって。誰かを笑うだけで自分は動かない人よりも、力んでいる人のほうが断然いい。

p.18 周りから信頼されるブランドになるには、行動の「軸」をもつことも大切になる。軸とはなにか。それは、「誰かのために」頑張るという意識。

p.28 だが、予言しておこう。あなたのブランドが成長すればするほどに、弱みとも絶対に無関係でいられなくなる。
 弱みの分野についても、きちんと知り、より自分を理解するということ。
 そんな絶妙のバランス感覚をもつことも、自分を知りブランドを築くうえでは非常に大切なことになる。

p.30 より忌憚のない意見がほしいなら、まずはくだらないプライドを捨てること。
 自分はくだらないプライドを捨てていること、信頼できる人と本音をぶつけ合いたいと思っていることを、あなたのほうから態度で示していくのだ。

p.40 そのためにも心がけてほしいのが、自分の強みをこれからも鍛え続けていくことだ。
 くれぐれも、いまもっている力だけで結果ばかり追いかけるような摩耗するだけの武器にはしないでほしい。

p.42 武器を身につけられる場の99%は、仕事以外と認識せよ。

p.44 いまの仕事を、ブランドを手に入れるという目標に近づくための1ステップだととらえ直せば、状況はずいぶんと変わる。

p.46 本から得られるノウハウは、自分で手に入れた武器を改良したり修理したりするような、あくまでも補助的なものだと認識しよう。

p.52 自分の力不足から、くだらない常識を身にまとわなければいけないときはあるが、実力が伴ってきたら、おかしな常識はどんどん蹴っ飛ばせばいい。

p.62 武器を持つ人は頼もしいが、それだけで周りが心酔することはない。ただしそこに信念が加わり共感を呼ぶようになると、その人を応援したり、共に歩もうとする人がグンと増える。

p.68 では、センスはどうやって磨けばいいのか?
 今日からでも五感を研ぎ澄まし、目にすること、耳にすることすべてから、社会の動きや街の変化をめいっぱい感じ取っていこう。

p.82 最新鋭の技術やノウハウを目の当たりにできたなら、あえて過去の技術やノウハウも調べてみる。
 なぜそうするのかと言えば、メジャーなものだけで自分のセンスを磨くというのが、以外に安直で危険だからである。
 興味ある分野を追いかけて名高い一流の世界を味わうことは、間違いなくセンスを高める。だがそこまでだと、まだとがったところがない。メジャーなものに乗っかっただけのセンスと言えなくもなく、風向きが変わると、時代遅れなセンスになりかねない。

p.102 表現する力は練習によって絶対に高められる。

p.122 「私を誰だと思っている」などと地位や肩書きにこだわる余計なプライドは醜い。プライドをもつなら、それは自分の信念へのプライドであるべきだ。

p.124 あなたは「与えられたポジション」によってそこにいるのか、それとも「周りが手放さない」からそこにいるのか、もし与えられたポジションに甘んじているならば、評価はされていようが、あなたの立場は盤石ではない。危機感を募らせよう。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

私が一番受けたいココロの授業

2011-01-21 21:43:50 | Book Reviews
「私が一番受けたいココロの授業・講演編 比田井和孝・比田井美恵、ごま書房新社、2010年3月9日

p.10 「やり方」の前に、もっと大切なものがあるんです。それは、「やり方」の土台となる「あり方」なんです。「あり方」と言うのは、「心のあり方」です。例えば、何かをやるときに、「どんな思いで」「どんな心構えで」「何のために」やっているのか、ということです。
 そこに、土台となる「あり方」が伴っていなかったらうまくいかないんですよ。表向きは、「やり方」だけでうまくいくこともありますよ。でもね、長い目で見たら、そこに「あり方」が伴っていなかったら、結局はうまくいかないものなんです。#MNG

p.19 「保護者や社会がお客様だ」と考えれば、学生達を「保護者や社会が望む人間」に成長させることが学校の使命や役割になるわけですし、そう思えば、厳しいことも言えるわけですよ。

p.23 安全運転のために一番大事なものって何だと思いますか?
 「一番大切なものは、コミュニケーション能力だ」と。「コミュニケーション能力がないと、安全運転ができない」と。

p.57 「もらおう」と思って働いているのか、「与えよう」と思って働いているのか。

p.61 「もらうこと」ばかり考えている人は、みんな周りの人のせいにするようになります。こういう人のことを「くれない族」って言うそうですね。

p.67-8 たかがスイーツ1個かもしれませんが、その先に、その人や、その会社の人間性とか、考え方とか、あり方全部見えてくるんですよ。

p.73 心から、お客様を喜ばせたいと思っていたからこそ、お客様の心が見えたんだと思います。お客様が本当に望むことが見えたんだと思います。「商品を買ってもらいたい」ということばかり考えていると、心の目が曇って、お客様の心は見えなくなってしまうと思うんです。

p.82 日本人っていうのは、本当に誠意を見せたらわかってくれるんですって。

p.106 「当たり前のことを、当たり前じゃない情熱でやる時、ツキの扉が開く」

p.163 「人を喜ばせた人にしか見えない世界がある」

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

幸せを引き寄せるお金の習慣

2011-01-20 22:19:09 | Book Reviews
幸せを引き寄せるお金の習慣 佐藤伝・著、中経出版、2009年11月30日

p.19 「ないもの以外、全部ある!」

p.47 「夢=職業」ではありません。それを達成したときの“どんな気持ち”が欲しいのかを考えてみることが必要です。

p.60 自分にとって、今まで「お金」が人生の優先中にのかなり上位にあったけれど、それよりも、「なんとなくイイ気分」でいることのほうが、優先順位が高い、ということを知っていただきたいのです。

p.81 お金に認められるには、誰かのためになっている喜びをかみしめながら、楽しく働くこと。
 みんなを幸せにするぞ!という大きな志(ビジョン)があると、不思議に天(宇宙)が味方するのです。

p.112-3 「自分のために他者と競争する」という姿勢から、「自分とみんあのために、誰かを応援する」という姿勢に変わることができたとき、人は別のステージに立てるのです。

p.193 例えばこれまで、自分の得にならないからと、ケチケチ渋っていたことにも目を向けてみてください。
 相手からの感謝や、お返しなどは、いっさい気にしないことが大前提です。
 誰かのためになるのであれば、自分に利益がなくても、惜しみなく積極的に使っていこう・・・・・そういう心意気が大切です。

p.242 お金のトラブルというのは、実のところ、その本質は、「人間関係のトラブル」なのです。

p.243 どのビジネスパーソンも、時間を管理しようとやっきになりますが、時間は管理できません。管理できるのは、時間ではなくて仕事なのです。

p.244-5 お金のトラブルは、お互いのコミュニケーションがきちんとできていないという証拠を突きつけられているようなものです。では、いったい、起こってしまったトラブルは、どうやって解決したらいいのでしょうか?
 答えは、いたってシンプルです。「真心で解決する」。これしかありません。

p.255-6 人間関係において、「絶対に許さない!」という感情が、自分自身を苦しめる元凶なのです。
 この原因に気づいたある心理学者が到達した、素晴らしい解決策があります。それは次の魔法の言葉です。
 『私はあなたを許します。私が自由になるために』

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

たった5分で「あなたと一生仕事をしたい」と思われる話し方

2011-01-18 22:22:42 | Book Reviews
『たった5分で「あなたと一生仕事をしたい」と思われる話し方』 小宮一慶・著、PHP研究所、2010年3月4日

p.66 どんなに営業トークが上手であっても、相手のニーズがないものは売れないという厳然たる事実を忘れてはいけません。要らないものは、誰になんと言われようが、要らないのです。そんな商品を売れるとしたら、それは営業マンではなく、詐欺師というべきでしょう。
 どこにどういうニーズがあるのか知った上でないと、本当の営業はできないのです。

p.99 人脈といえるのは、「電話一本で助けてくれる人」だけ。

p.143 ゴールドマン・サックスは、お客様の利益にならないと思ったら、その案件には絶対に手を出しません。短期的に見たら、自らの儲けを手放しているのと同じです。
 しかし、そんな経営を長年続けていると、ここぞという時に選んでもらえる証券会社になれるのです。
 そこにあるのは、顧客からの絶対的な信頼です。

p.144 口先だけで「お客さまのために」と言ったところで、大金を支払うことで敏感になっているお客さまの目はごまかせません。
 目先のお金に目がくらみ、聞こえのいいことをアドバイスしたところでたちまち見抜かれてしまいますし、そうなったら今後重要な案件を任されることはないでしょう。逆に、心底相手のためを思ってのことであれば、厳しいことを言っても伝わります。

p.147 長期的な視野に立てる企業と、短期的な儲けを追うしかなかった企業の違いは、一流の人間と二流の人間の違いそのものです。目先の利益を追うかぎり、自分の信念まで曲げざるを得ません。そして、信念を曲げるような人間は決して信頼されることはないのです。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

トレジャー/ 成功者からの贈り物

2011-01-16 15:40:23 | Book Reviews
「トレジャー成功者からの贈り物 犬飼ターボ・著、飛鳥新社、2010年7月23日

p.19 成功は全部で7段階ある。
1あきらめ・・・・・社会に関わることをあきらめている。引きこもり。
2快楽・・・・・目の前の楽しいことだけをする刹那的な生き方。子供、遊び人。
3社会適応・・・・・社会の中でルールに従い順応している。正しい大人。
4自分軸・・・・・自分のやりたいことを軸に実現している。我が道を行く人。
5バランス・・・・・自分と関係者とお金のバランスを取っている。みんなが従うリーダー。
6ビジョン・・・・・チームをビジョンに向けて動機付けを行える。社会貢献者や社会変革者。
7ミッション・・・・・使命に気づき偉大な存在とともにそれを遂行している。

p.62 「人は思われている通りに行動するものだから、『あなたは笑顔が素敵ですね』と言われると笑顔になってしまうものなんだよね。で、ある行動をとった直後に褒めるとその行動をもっとするようになるって感じかな」

p.63 人はいい影響を他人に与えたことが分かると嬉しくなるものなんだよね。

p.80 みんなが望んでいることは、お金や待遇だけではないのだ。大切にしてもらっているという実感だ。それはスタッフもお客様も同じだ。

p.91 「メンタルブロックというのは、トラウマと同じで、心のブレーキになっているものさ。先に進もうとしてもメンタルブロックがブレーキをかけて、同じ行動パターンを繰り返させるんだ」

p.95 「偉大なリーダーとは完成された人のことではないんだ。完成に向って成長している人のことなんだよ」

p.105 「困った出来事が起きたら、『私は何を学ぶためにこの出来事を体験しているのだろうか?』と自分に問いかけるんだ」

p.129 「自分が本当に望む夢にこそ壁は多く現れるものなんだよ。そして、壁が現れたということは成長してその妨害を乗り越えろというサインなんだ」

p.129 「それから、君が反対されてへこんだという話だけど、人とは違う道に進もうとする人はみんな経験することなんだよ」

p.131 「でも君は、本当は自分で成功すると認めたいんだよ。ところが、その認めたいという想いを自分で認めていないから、他人に認められたいと思った。これは、自分で想いを認めないと、代わりに誰か他人に認めてほしくなるというこころの作用なんだ。『自分を認めたい』という想いを認めないと、『認められたい』になる。『役に立ちたい』という思いを認めないと、『感謝されたい』になる。『自分を愛したい』という想いを認めないと、『愛されたい』になる」

p.166 「たとえば“我慢つぶし”だ。サービスの質を高めたかったら、小さい“我慢”をどんどん潰していくんだ」
 「そういう小さい我慢の積み重ねが、大切にされていない、もてなされていないっていう感じになると思うんだ」

p.166-7 「でも、“価値ある不満”は放って置いていいんだ。たとえば値段が高いとか、場所が不便だとか、いつも席がいっぱいで入れないとか、料理が品切れになってしまうとかね。逆にそこにこそ高い価値を感じる人がいるんだよ」

p.169 目配りと耳配りはやろうと思えばマニュアル化できる。それに対して心配りはマニュアル化ができない。その人に合わせた配慮だからだ。

p.170 野島の店には基本のサービス以外の目配り・耳配り・心配りにマニュアルが一切なかった。その理由を尋ねると「マニュアルがあると『お客様を喜ばせたい』ではなくて『マニュアル通りにしなくちゃ』になるからだ」と答えた。野島は心の通ったサービスを提供する店にしたいのだ。

p.232-3 体の異変は問題に気づいて成長しなさいというサインだ。
 今君がビジネスで追求しているものが最初に目指していたものとずれているってことだよ。

p.236 「コウジは、勝つことが第一で、お客様を喜ばせることがその手段になっていたんだよね。」「その通りです。だから仕事を楽しめなかったんですね」「そう。でも君は本来、“喜ばせたい”という想いにフォーカスしていたはずだ。それさえ忘れなければ今後はきっとブレないよ」

p.238 「弓池さん、段階が上にいくほど成功するんだと思いますが、どうして下の段階でとどまってしまうことがあるんでしょうか?」「それは、主に両立できないと思っているからだよ」

p.239 「関係の遠い人に対しては想いやりを持って喜ばせることができるのに、関係が近いスタッフには厳しくなってしまうことってあるよね。それは本当の幸せを追求していないからなんだ」

p.241-2 「“対立する”というのは、お互いが正しさを主張し合い、価値観が衝突することなんだ」「お互いが正しいと思っているということがポイントだね。だから、対立して話し合えば話し合うほど、価値観の違いがはっきりして心の距離は遠くなるんだよね」
 「もう1つの“向き合う”っていうのは2人で共通のビジョンのほうを見るっていうこと」「ビジョンとは目的地だよね。こうして同じ目的地を2人で見つめながら話し合うだよ。『どんなビジョンを目指そうか?』『どうやったらこのビジョンを実現できる?』って。でも、さっきみたいにお互いを見て話すと、目的地が見えなくなるだろう。するとどうしてもどっちが正しいか、相手がいかに間違っているかに話が進んでしまうよね。目的地が同じだってことが分かれば、そこにたどり着く道は大して重要だと感じなくなるんだよ」

p.243 お客様の満足だけを追求しているとスタッフが辛くなる。スタッフが幸せを感じながら働いているときにこそ、お客様を心から喜ばせることができる。

p.246 質を上げてお客様の喜びを追求するということは、サービスの価値が上がって売上が増えるということだ。たとえば、お客様が500円のビール1杯に1000円を喜んで払うようなサービスをスタッフが提供できればビールの売上が倍に増える。そうやって質を上げて売上を増やせば利益が増える。

p.276-7 「サービスの手法を全部マニュアルにしてしまうと店長の個性が生かされないよね。するとサービスの質は落ちる。かといって店長が自分の個性だけで経営をすると、お客様が店長についてしまうので辞めたときにお客様が離れるんだよ」
 「そうだね。柱を作るといい。つまり経営理念だよ。もともとお店は会社の理念から生まれている。店長に、『自分らしさを出してもいいけど、理念から外れないように』って教えておくといいんだよ」

p.277 「それから、普段から店長には、『自分が辞めても半年は売上が持つようにやりなさい』って言っておくといいよ。そして、アルバイトにも理念を伝えること。店長が代わっても店の理念がぶれないことにつながるから」

p.281 「全ての夢を叶えることが、自分の幸せを追求することになるわけではないんだよ」

p.287 結局、コウジが叶えようとしていた夢は、自分が尊敬さえたいという欲求だったのだ。弓池に教わった通り、自分で想いを認めないと、代わりに誰か他人に認めてほしくなるのだ。


★★★★★
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

虚妄の成果主義

2011-01-15 11:40:43 | Book Reviews
「虚妄の成果主義 日本型年功制復活のススメ 高橋伸夫・著、日経BP社、2004年1月19日

p.17 単純な「賃金による動機づけ」は科学的根拠のない迷信である。

p.28 日本型の人事システムの本質は、給料で報いるシステムではなく、次の仕事の内容で報いるシステムなのだということである。

p.34 もともとは内発的動機づけだけの状態で、職務遂行と職務満足はくっ付いていたのであるが、金銭的報酬を与えたことで、そのインパクトの強さから、職務遂行と職務満足との間に金銭的報酬が割り込んでしまい、両者は分離してしまったのである。こうして金銭的報酬を介して、職務遂行と職務満足が結び付くようになってしまった以上、金銭的報酬が与えられなくなると、職務満足も得られなくなり、さらに次の職務も遂行されなくなってしまったのである。

p.42 今、多くの日本起業にとって必要なものは、従業員が生活の不安を感じることなく、それ故、事業の成功に必要な仕事に専念できるような「何か」なのである。

p.42-3 経済的苦境に陥ると、現場から遠い経営者ほど、ついつい安易に「切る論理」を探し始める。成果主義も年俸制も底を流れるものは「切る論理」であろう。しかし、それでは一時的な業績回復はありえても、企業の永続的発展は望めない。アイデアのない経営者ほど、マスコミ受けを狙って、暗にな人件費削減をニュースにしがちである。確かに、短期的には市場も反応するだろう。しかし、そんなものはしょせんその場しのぎに過ぎないし、いつまでも削減し続けられるわけもない。市場が求めているのは、長期にわたって安定的に利益を出せるきちんとした事業構築なのである。むろん、それには時間がかかる。だから、今すぐにでも打ち出さなくてはならないのは、新しい事業戦略のアイデアの方なのだ。そのためには何が必要なのか。企業を成功に導いてきた偉大な経営者達がしてきたことを振り返ってみるべきだろう。

p.49 淘汰された企業の人的資源を含めた資源を吸収しながら成長を続けていく企業があってこそ、はじめて産業構造の変化が起こり、より効率的な企業モデルが普及していくことになる。

p.110 コスト意識をもつことは一見合理的だが、これでは「人材」に対する扱いではない。使い捨ての消耗品と同じ扱いなのである。
 成果主義という選択肢を捨てる覚悟をするところから、本当の意味での企業革新が始まる。成果主義という安易な選択肢を捨て去って、初めて企業や組織にとって、一体何が重要で、今、何をしなければならないのかが見えてくるはずである。必要なことは、人件費にコスト意識を持つことではない。10年後、20年後の未来を考えた人材への投資こそが、今、求められているのである。

p.117 そもそも、目標を達成すること自体が、快感を伴っていたもののはずなのに、その後、それが金銭的報酬に連動したときにわき起こる不条理感。

p.125 生産性に連動した給与制度は、一般的に、長期的な生産性向上に悪影響を及ぼす。なぜなら給与が生産性に連動していれば、一時的にではあれ生産性の低下するような製造工程や製造方法の変化に抵抗するという現象が、現場で発生するからである。それとは逆に、給与システムを動機づけに使うことなく、時間単位の給与を支払うことで、技術革新や製造工程・製造方法の変化に抵抗・反発がなくなり、それどころか、むしろ歓迎されるようになるという現象も指摘されている。

p.130 「管理」では、上から与えられた目標・標準の周りに設定した許容範囲を逸脱した場合、原因を分析し、原因を除去する強制的行動がとられる。それに対して「改善」では、現場で常に標準作りが行われ、それは「標準の改訂」あるいは「目標の上方修正」を意味するようになる。

p.131 ところが20世紀末になると、トヨタに代表されるような、工員の自発性に依存した「快善」が成功することは、誰の目にも明白になる。いまや「改善」は米国はじめ世界中の工場にも移植されている。テイラーがまれなケースだと切り捨ててしまったことが、条件さえ揃えてやれば、本当は頻繁に起こり得るものであったことが実証されたのだ。自発性を信じても良かったのである。

p.133 作業者の作業能率は、工場の照明度や休憩時間などの物理的環境条件よりも、彼らの心理的・情緒的なものに依存するところが大きいことがわかったのである。

p.162 自己決定度が上がるにつれて、満足比率もまた上昇するというようなきれいな直線的関係が得られる。

p.172 内発的に動機づけられていれば、人は、自己の環境を処理し、効果的な「変化」を生み出すことができたとき、有能さを感じるのであり、それはまさに自己決定的であると感じていることにほかならない。

p.179 ある人は、過去の実績がある人よりも、アイデアのある人に社長をやってほしいとまで言い切っていた。われわれが必要としているのは、過去の実績ではない。未来なのだ。過去の立派な功績に報いるために社長にするなんていうのは馬鹿げている。社長職は名誉職ではないのだ。

p.181 要するに、社長でいること自体が目標になってしまっていることが情けないんですよ。自分の責任が問われないようにって、はっきりしたことを言わないわけでしょう?
 実際には、己の保身のために、トカゲのしっぽ切りに走る経営者の何と多いことか。昨今のリストラも成果主義も、しょせんはトカゲのしっぽ切りである。経営陣の過去の無策が招いた付けを社員に回そうという発想は、どうにもいただけない。

p.185 見通しがあれば、従業員の職務満足は向上し、退出願望は弱まるということがわかったのである。

p.190 長期雇用を前提とする日本の会社では、「今」満足している必要はないのであって、将来の見通しさえ立っていれば、人は現時点の苦しいことや、つらいことにも耐えられるものなのである。見通しさえ立っていれば、今の仕事に対して決して満足しないような人でも、会社を辞めたりせずに、チャレンジを続けられるのだ。

p.216 経済的苦境に遭遇すると、すぐに「切る論理」に走る経営者がいる。彼らは、一時しのぎの、本来してはならない資源の削減や圧縮を繰り返すのだ。その結果、終身コミットメントを壊してしまった後に残る殺伐とした風景のみが広がり、もはや共存共栄は存在しえない。

p.229 優秀な人間は、やろうと思えば何でも自分でできてしまう。しかし、一人でできる仕事なんて、試験を除けば、この世に何一つ存在しない。この世のすべての仕事が共同作業であり、誰かと一緒に営んでいくものなのだ。そのことを若者、特に優秀な若者には皮膚感覚で理解してほしいと心から願っている。

p.230-1 本書が批判している「成果主義」とは、①できるだけ客観的にこれまでの成果を測ろうと努め、②成果のようなものに連動した賃金体系で動機づけを図ろうとするすべての考え方、なのである。

p.234-5 経営者にではなく、中間管理職に、これだけは言っておきたいことがある。例えば、○○不祥事と名のつく事件の時には、必ずといっていいほど「会社のために」と不正を働く人々が登場するが、こんな自分への嘘や甘えは許せない。日本のサラリーマンが好きだからこそ許せない。なぜなら、本当は「会社のために」不正を働いているだけではないか。わが身かわいさで、上司や周囲の不正に手を貸し、目をつぶっているdけではないか。背任行為を「会社のために」などとうそぶくとは自己欺瞞も甚だしい。本当に会社のためを思っていたら、会社の中での自分の地位や出世、そして周囲の目が気になっても、体を張ってでも不正を正すべきである。それこそが本当に会社の未来を考えた行動というものだろう。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする