何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

語りによるジェネリック

2008-06-29 12:24:10 | くすり雑感
 ジェネリック使用促進を行う医療従事者側のキーマンは、紛れもなく薬剤師である。処方せん様式の再変更に伴い、適切に説明する努力義務が課せられた。日薬は処方せんに変更不可のサインがなければ変更しろというオーダーである、と強く言っている。そう解釈して積極的に使用促進をしなさい、という意だろう。

 しかし薬剤師の一存でジェネリックは使用できない。患者が同意しなければならないからだ。医師の顔色を窺う薬局もあるが、強く薬局に介入してくる医者もいるが、それは置いておくとしても、患者の意思が尊重されていることが重要である。患者を説得して、ジェネリックを使うことを強制してはいけないし、使わないように仕向けるのも適切ではない。

 薬剤師の説明により、ジェネリックへの変更に至れば「適切な説明をした」ということではない。改訂された薬担でもそのように述べていない。しかし、そういうふうに割り切ってとらえても、使用促進が目的なのだから、進む方向としては褒められる向きにある。

 ジェネリックを使って、よほどのケースを除いて、それほど問題が頻出するとは思えないが、プラセボ効果もあれば、そもそも自身の健康問題の解決を図るなかで試行していくのだから、そうはいっても変更による変化(という思いも含めて)、問題や不具合を引き受けるのは患者である。

 患者にしてみれば、ジェネリックは強制でもなく、単なる選択肢である。ジェネリックの使用促進が図られるかどうかにおいて、真のキーマンは国民であろう。

 薬剤師が説明をする、不安の解消を図る・・・、説明の内容の適切さや良否はともかく、薬の専門家による説明だから、国民は慎重に、ときに身構えるかもしれない。説明が逆に、問題が見られるであろうから予め心配させないよう、意図されていると勘繰るかもしれない。根拠に基づいているが、堅苦しい感じがある。
 
 それに比べて、近所のお茶飲み話や、知人、兄弟などの、一般の人の話は科学的根拠には乏しいものだが、案外、説得力があるような気がする。

 「もうワタシなんかだいぶ前から使っているけど、なんともないわよ、あなたも変えてみたら? 支払いも減るし、薬局の帰りにランチして来れるわよ」なんて言われたら、「そうねぇ、あなたが言うのなら今度やってみようかしら」なんて。

 医療従事者からの説明がエビデンス?に基づくものと言うのなら、まさに国民の間での気安く交わされる話は、語りに基づく使用促進として機能しているのではないだろうか。いわば、ナラティブ・ベイスド・ジェネリック Narrative Based Generic(NBG)。 

 ジェネリックに変更すると、体調変化に極端にナーバスになって、おそらく副作用などジェネリックによる変化とは考えにくいことを理由に、先発品へ戻す動きも少なくないが、「ちょっとくらいなによ、使っていけば気にならなくなるわよ。お隣のおバアちゃんもジェネリックに変えたって、この間言っていたわよ」、こういう言葉のほうがよほど心強いのかもしれない。
 
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プラス思考の習慣で道は開ける

2008-06-29 11:03:58 | Book Reviews
「プラス思考の習慣で道は開ける」 阿奈靖雄・著、PHP文庫、2002年5月15日

p.89 川上(哲治・元読売巨人軍監督)は“失敗”について、次のように述べています。
 「自分のやるべきことを知っていて、それを怠った選手がいた場合、私は、その選手をきびしく叱る。しかし、まだ教えていないことで失敗した場合には叱らない。練習に力を入れるよう仕向けた」
 当人に「失敗はしかたない。誰にでもあることだ。しかし、今日の試合での失敗は、もっと練習しておけば防げたはずだ」と川上氏は注意したそうです。

p.131 「世の中の事はすべて根気仕事である。根気の強い者が最後の勝利を得る」(新島襄)

p.154 「笑い」には一つの原則がある。その原則とは「優越感」だそうです。つまり、「人間は自分が優越感を感じたとき笑う」ということなのです。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニコチンパッチ

2008-06-27 23:14:14 | よくわからないこと
 昨今、ニコチネルTTSのテレビCMをよく目にするようになった。OTCになったことだけ見ると、その恩恵に預かりたい人には朗報であるが。

 本剤は当初、生活習慣改善薬として処方が必要だったはずだ。禁煙プログラムに従って、30mg>20mg>10mgと、一定期間ずつ使いながらタバコからの離脱を図るものだったはずだ。
 
 昨年からか、本剤の使用にあたり禁煙指導料が算定できるようになったことを契機に、薬価までつくようになった。スイッチOTCとが逆の、スイッチ医科向け薬だった。

 そんな経歴を持つ本剤がOTC化である。来年からはクラス1の要薬剤師薬でもある。
 専門医を受診しなければ使えなかった薬が、薬価収載を経て、改めてOTC化される。慎重な扱いを求められたり、セルフケアに規制緩和されたり、取扱の一定しない」薬だ。

 薬剤師は、禁煙指導の講習を受けて、禁煙指導薬剤師が取り扱うべきだろうか。まだそういう薬剤師は少なく、一般の薬剤師が取り扱う機会も多いだろう。
 専門医から一般の薬剤師へ。数奇な?運命というか生い立ちを持つ薬剤だ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人づきあいのレッスン

2008-06-27 22:22:56 | 薬害は人災だ
「人づきあいのレッスン」和田裕美・著、ダイヤモンド社、2008年6月12日
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

1錠ずつに使用期限表示が入る

2008-06-27 00:02:42 | くすり雑感
 ニトロール錠とセルベックスカプセルのヒート裏面に、使用期限表示が入っている。無条件にいいことだと評価したい。
 処方薬は、処方期間を経過したらそれ以上使用しないことが原則だとされているが、それはあまりにも教科書的というか、一般論である。実際には、その後も使用されている。

 処方通りに服薬できないことはいくらでもある。残薬ができれば、ただちにそれを捨てることなどありえない。使えるものは使う。またいつか必要な時には使おうとする、それは自然なことだ。頓服薬など今すぐ使わずに、やがて来るかもしれない具合の悪いときに使う薬だ。いつまでなら使ってよい、などという処方になっていない。

 1個単位で使用期限表示がなされたとはいえ、懸案事項もあるという。
 それは、期限が外箱に入った未開封の状態での試験データによるからだ。ヒートのままである条件下に置いたときにデータではない。期限表示より安定性の保障期間は短い可能性がある。

 無包装下のデータを持っている薬剤であれば、それよりヒートの状態のほうが安定性は期待できるから、それとセットで考えるという方法もある。
 しかしそんな複雑なことをしなくても、ヒートのままの安定性データが欲しいところだ。室温で、一般的な湿度での安定性データ。3年でも5年でも、結果が出るまでには時間がかかるが、外箱での安定性データよりはるかに現実的で有用なデータであるに違いない。昔から多くの者が望んでいただろうに、今まで前向きに検討されて来なかったのが不思議なくらいだ。

 来週収載される一部のジェネリックにも、ヒートに期限表示される製品があるらしい。薬価はすべて同一だから、そういった要素は差別化の重要な視点となる。
 期限表示ばかりではない。いろいろな特徴を前面に出して、アムロジピン製剤は30数社から市販される。プラスアルファをもたないジェネリックは医療現場から採択されず、あっという間に市場から消えるかもしれない。消えたくても、厚労省の手前、消えることも許されないといったことになるかもしれない。
 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

売り込まなくても売れる!実践編

2008-06-26 23:12:39 | Book Reviews
「売り込まなくても売れる! 実践編」 ジャック・ワース・著、フォレスト出版、2005年10月17日

p.30 高確率セールスは、営業マンではなく、お客が「ありがとう」と言う営業法です。

p.33 従来の営業手法は、情報過剰社会になる以前の、営業マンがお客に対して情報を提供し、教育・啓蒙、さらには説得することが有効だった・・・。しかし、いまやお客が自らの努力でかなりの情報を手に入れることができる。これまで営業マンが行う教育・啓蒙・説得を受け入れていたお客も、どんどんとそれに対して抵抗を示しています。「説得すればするほど売れない」という状況になってきている。

p.84-5 高確率セールスをより効率よく行うには、なるべく自社の競争力のあるところで勝負する必要があります。つまり、こちらの強みを高く評価してくれて、高く買ってくれる顧客と取引することが必要になります。

p.86 多くの営業マンがすべての人に買わせようとして、ついつい説得を始めてしまいます。それが、営業活動を非効率なものにしているのです。

p.95 高確率セールスにおける見込み客発掘は、今すぐ欲しいという《高確率な見込み客》と、それ以外の《低確率な見込み客》を選り分ける作業です。

p.103 人は自分自身の都合のよい時期に、そして自分自身の理由で《高確率な見込み客》になります。見込み客発掘の電話で、あなたの商品やサービスが見込み客にとって差し迫って必要だと説得できることなどまずありえません。

p.119-20
Q 高確率セールスのオファーにおいては、なぜメリットを言わないのですか? そのほうが見込み客が反応しやすいと思うのですが。
A メリットは広告やマーケティングにおけるコミュニケーションにおいて、見込み客にもっともよく伝わります。しかし、個々の営業マンが1対1の場面でメリットをはっきり伝えた場合、それはあまりにも見込み客にはよく聞こえすぎて、本当だと思われないケースが多くなります。その結果、むしろ不信感を生み、非生産的になります。信頼はビジネスの関係を成功させるうえで極めて重要であり、メリットを言わないことで、信頼が高まるのです。

p.129 例えば、気合いを入れて話すことは、大勢を相手にするコミュニケーションでは有効かもしれませんが、1対1のコミュニケーションでは嫌がられます。
 それは、営業マンに会う時、お客はその知識やアドバイスを「信頼・尊敬」できるかどうか、チェックしているからです。
 「淡々とした」口調というのは、見込み客発掘で成功するためにとても重要です。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

昼休みに通学路を清掃

2008-06-25 23:10:07 | いいものはいい
移動支局 高千穂大の学生 昼休みに清掃活動 東京・杉並 毎日新聞 2008/6.25

 毎日新聞「杉並・高千穂」移動支局が開局中の高千穂大(東京都杉並区大宮2)の学生たちが、昼休みを使ってキャンパス周辺の清掃活動を続けている。

 大学自治会のメンバーが中心となり、6年ほど前から自主的に行っている。毎週水、金曜日の昼休み、学生らが集まり、そろいのジャケットを羽織り、大学正門から京王井の頭線西永福駅に至る約1キロの通学路でごみを拾い集める。一番多いのが、たばこの吸い殻。1年生の時から続けている同大経営学部4年の田中智大さん(21)は「通学途中に吸い殻をポイ捨てする学生もいるが、僕たちの姿を見て『気を付けよう』と思うはず。これからも続けていきたい」と話す。

 大学近くに住む会社経営、冨岡丹蔵さん(88)は「若い人が自ら町を掃除して歩く姿は見ているだけで気持ちがいい。いつもながら頭が下がる」と話していた。

 せっかくの昼休みを、貴重な1時間を、最寄駅から大学までの路上清掃にあてる。好きなことをしていたほうが楽しい、その時間は休息に当てたい、必ずしも清掃する“義理”もない。

 でも始めてみて、続けることでわかったはずだ。やりがいと、楽しさと、見返りじゃないのだと。

 卒業するまでの一時的なこと。部活に勝るとも劣らない、素晴らしい経験となり、変え難い何かを得るに違いない 
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

がんばらない

2008-06-25 22:22:39 | Book Reviews
「がんばらない」 鎌田實・著、集英社文庫、2003年6月25日

p.71 学生運動のなかでよく使われた言葉に自己否定という言葉があった。この言葉を忘れて、偉くなっていくことを中心に考える人間になりたくなかった。

p.73 よい医療をするという競争意識も強かった。

p.80 医療に完璧はありえない。すべての人を救うことはできない。どんなに努力してもよい結果が出ないこともある。医療がよい結果を出せないとき、軌道修正ができるツールがあるかどうかということが大切である。

p.206 医という字は、かつて醫と書いていた。いくつかの解釈があるようだが、医は矢を引くということで、人間の「技術」を示し、殳は役の一部で「奉仕」を示し、酉は神に酒を奉ることで、「祈り」や「癒し」を示しているともいわれている。
 醫から医に字が変わったときに、医療は本来もっていた「技術」と「奉仕」と「祈り」の三位一体を忘れ去り、技術にのみ走っていったのではないだろうか。

p.256 「ああやって失敗しながら成長していくんだ」

 より良い医療に貢献しようとするから、その時点で出来うる最善の責務を果たそうとするから、そういう本質を根底に置いているからこそ、失敗は成長の糧となる。

 これがもし、医療は儲けの道具にでも位置づけられていたら、失敗さえしなければいいと、結果だけを求める、形作りをするようになるだろう。技術に走り、心を置き去りにしたまま、出来さえすればよいとばかり、次はもっとうまくやろうなどと考えもしないだろう。本質を見失い、自分たちの責務を二の次にすることがいかに愚かなことか。


p.257 いい職人は技術だけでなく、必ず、心を持っている。

p.279 「人は人われはわが家の涼しさよ」(小林一茶)
 他人をうらやまない、自分流の生き方に魅力を感じる。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

お金と英語の非常識な関係

2008-06-24 23:07:52 | 薬害は人災だ
「お金と英語の非常識な関係(上)」神田昌典・著、フォレスト出版、2004年7月22日
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あきらめない

2008-06-22 21:58:10 | Book Reviews
「あきらめない」 鎌田實・著、集英社文庫、2006年5月25日

p.62 ホテルも病院も完成ってないんだよ。今日より明日は少しよくしたい。

p.81 商業主義に毒された癒しが、ぼくたちの暮らしのなかにはびこっている。安っぽい癒しなんかいらない、とぼくは思う。人間のつながりのなかで、お互いが癒されていくプロセスが大切なのではないだろうか。結果だけが尊重され、過程が省略される日本という国には、深い意味での「癒し」は存在しにくいのかもしれない。

p.271 あきらめないっていうことは、あきらめることなんだ。ぼくたちの人生はあきらめの連続で成り立っている。
 『あきらめない』の主人公たちも、たくさんのことをあきらめてきた。あきらめて、あきらめて生きながら、時に、あきらめきれないものが、人生には待っている。
 大切なのはその時なのだと思う。その時、投げ出さず、放り出さず、丁寧に生きる姿を、『あきらめない』の主人公たちが見せてくれた。

Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

落語的学問のすすめ

2008-06-20 22:29:08 | Book Reviews
「落語的学問のすすめ」 桂文珍・著、新潮文庫、1993年1月25日

 気分の悪い話を聞かされるのは今日に始まったことじゃないが、心に余裕のない時に毎度お馴染みの人からされると、いいかげん“またかぁー”って思ってしまう。過去にもそういうことがあったので、その人には適度な距離を置いて接するようにしていたのだが、会議や研修でどうしても避けられないときもある。

 もうイヤだ。勘弁してよ、こっちの言っていることの意味を少しでも理解しろよ、せめて空気だけは読めよ・・・・・。

 いつもならやり残した仕事をして帰るのだが、今日だけは終業時刻で帰社。イヤなことを忘れさせてくれそうな本でも読もうと書店へ。

 こんなに笑うのは何と久し振りかと思った。笑うのを忘れていた自分に気づいた。
 これで気分転換、すっきり洗い流し、とまではいかないが、乾ききった心に多少なりとも恵みの雨となったようだった。

 何もかも忘れさせてくれるような本、くじけそうになったり落ち込んでいる気分を癒してくれ、またプラスへと気持ちを向かわせてくれるような本はあれば、もっと読みたいと思う。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

5%の人を動かせば仕事はうまくいく

2008-06-19 21:46:19 | Book Reviews
「5%の人を動かせば仕事はうまくいく」 長谷川和廣・著、すばる舎、2007年2月22日

p.22 やってもやらなくても、自分やそのまわりに何も影響を与えない仕事だとしたら、なかなか身が入らないもの。やる気のない状態で進められると、手抜き仕事になったり、ミスが生じやすくなるものです。それを防ぐには、実行した結果として何が起きて、それが相手にとってどんな意味を持つのかを示してあげたほうがいいでしょう。

p.42 1人ひとりの能力はそれほどでなくても、元気のいい社員のやる気に火をつけて、多くのお客さまや取引先の心を動かすことができれば状況は一変します。社員1人ひとりが持てる力を最大限に発揮すれば、自分1人ではできなかった難題も次々に解決します。

p.47 人を動かして仕事を進めるというと、「まわりの人間を手足のように使えばいいのか」と勘違いする人がいます。自分は司令塔の役割で、実際に現場で動くのはまわりの人――。人を動かすという行為をそんなイメージで捉えていると仕事はうまく回りません。

p.52 会社でビジョンを共有できているなら、指示を仰ぐ必要はなくなります。
 ノウハウだけでなく、目指すべきところも共有する――。そうすれば、まさにあなたの分身が自律的に、かつ積極的に物事を判断して動いてくれるようになります。それでこそ人を動かすメリットを得られるのです。

p.59 彼は貸し借りという損得勘定で動くのではなく、同じ目的を共有した結果として自分が動き、また相手も動くという状況を作ることを心がけていました。

p.125-6 ビジネスも職人の世界と同じです。たとえ雑用仕事そのものに大きな意味を見出せないとしても、雑用期間は先輩たちのワザを盗む絶好のチャンスとなり得ます。もともと仕事に対する情熱を持った社員ならば、それを理解することで雑用仕事に対する取り組みも変わってくるはずです。

p.219 製品やサービスの品質が優れていることが前提条件のひとつに過ぎなくなると、消費者の関心は、会社の社会的責任へと移っていきました。
 では、さらに時代が進んで、会社の社会的責任は商品選びの絶対条件になった後は、どこに消費者の注目が集まるのか。
 それはおそらく製品やサービスを扱う人の信頼性ではないかと思います。


Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上司につける薬!

2008-06-17 23:04:34 | Book Reviews
「上司につける薬! マネジメント入門 高城幸司・著、講談社現代新書1857、2006年9月20日

 “薬”をたくさん飲んだほうがいい上司や、飲んでも著効は期待できない上司が少なくない中、そんな重症者とどう向き合ったらよいか・・・、といった内容ではない。組織の中堅になり、少しずつ部下を持つようになったら、セルフケアをするための、自らをマネジメントし、治療手段もない手遅れの状態にならないための、早期治療、未然防止のための書である。

p.115 優れた経営者は、まず間違いなく、人の心を躍らせるビジョンを語ることができる。

 少なくともそのビジョンは、他人の受け売りであったり、ウケを狙ったようなものであるのではなく、経営者自身が誰よりも勉強して学んで身につけたものである必要があろう。他の管理職のほうが、はるかに見識があるような状態であるならば、経営者として相応しくない。

p.119 私たちは「自分たちのやっていることが世の中に役に立っているんだ」と言ってもらえたことで自信を持ち、その仕事が誇りとなった。
 事業にビジョンがなければ、メンバーは目の前の評価や報酬によってしか仕事選びをしなくなる。しかし心躍るビジョンがあれば、報酬も目の前の評価も飛び越えて、そのビジョンに向かって走り出せる。

 やりがいと報酬は、パラレルになれば良いが、ときにそうでないこともある。たとえ残念な結果であっても、確かに自分たちの取り組んだことには間違いはなかった、それなりの意義はあったと言える必要があるだろう。

p.126 どんなことでもいい、マネジャーには新しい何かを積極的にしかけてほしい。あなたが新たな動きをしかけて、メンバーがついていく状況をつくり出す。
 ひとつ注意したいのは、その「しかけ」が単なる負荷にならないように、ということだ。実現したときに面白いことが待っている――これがしかける際の絶対条件。

p.127 私はメンバーに対して「借金を返すことが君たちの役目」とは言わなかった。そんなふうに言われても少しもやる気が起きない。
 「これを返したら、きっと筋肉質の組織になっている。その力を活かして一気に儲かる構図をつくって、大きな投資をして日本一の情報産業を目指そう」
 しかけるだけでなく、それに呼応した動いたメンバーに対して、「やったことで後悔しない」と思えることをちゃんと担保してやらねばならないのだ。
 間違っても、「どでかいプロジェクトを立ち上げるぞ。しんどいだろうけど、会社としては重要だからやってくれ」というような流れにはならないように。

p.130-1 新事業を始めるとか、組織が何か新たな動きをする際は、それをメンバーに伝えるとき、必ず理由を説明する。決定事項だけ伝えて、あとは「いろいろあるんだよ」とか「細かいことはおまえらには関係ないだろ」的な言い方で済ませるのは御法度だ。
 上意下達的な企業体質から、これまでは(説明もせずに物事を進めることが問題であることについて)重要視されることがなかった。昔の上司は、部下に対して「ごちゃごちゃ難しいことを言うな。とりあえずやってみろ」と平気で言ったりした。
 もはやその理由を尋ねられたら、いや尋ねられなくても、「君がそれをしたほうがいい理由は・・・・・」と明快に語れなくてはならない。

 経営者層の決めたことには、理由を聞くことなく従ってもらうことが、正しい組織のあり方だ、反論は許されない、聞く余地はない、とする経営者を見たら、いかに組織運営の在り方を学んでいない者かと、嘆き悲しむしかないのだろうか。

p.166-7 お金は、もちろんあれば嬉しい。金がないばっかりに・・・・・と行動を制限されるより、金の心配をしないで何でもできるに越したことはない。だけど、それも「したいこと」「こうありたい理想の生活」があってのこと。金儲けが目的化され、そのために他のもっと大事な何かがすべて犠牲になったのでは本末転倒だ。
 「カネカネって言ってる人たちは満たされていないんですよ。金を稼ぐっていうのは自分の中の欠けているなにかを埋める作業なんだね。埋めるためにものすごいエネルギーを出す・・・・・」

 建前(大義名分)は建前、本音(売上拡大)は本音、といった感じで、両者は相矛盾するような位置づけにしている経営方針は、運営の仕方を知らないと白状しているようなものではないか。薄皮を剥けば、そこには金儲けにベクトルがすべて向いているような経営方針からは、とても筋肉質の組織は生まれないだろう。

p.203-4 私はどちらかと言えば根が楽天的だが、昔は営業の強烈なノルマに苦しんだこともある。そういう日々の中からいつしか身につけたことにひとつが「幸せ感のハードルを低くする」だった。
 たとえば、あと一歩のところで契約が結べなかった日、会社に戻ってしょげかえる代わりに「あの社長と一時間も話せるところまできた」と自分の成果を見つけて評価する。そうやって一日を絞めくくれば、明日への活力も湧いてきた。

 御意。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和田裕美の人に好かれる話し方

2008-06-15 16:32:04 | Book Reviews
「和田裕美の人に好かれる話し方 愛されキャラで人生が変わる! 和田裕美・著、だいわ文庫、2008年2月15日

p.21-2 営業マンなら「売りたい、売りたい、売りたい」と思いすぎると、どんな笑顔をつくっても押しの強すぎる空気を発散します。そうすると、会った瞬間にお客さんが「売りつけられそう・・・・・」と思い、警戒してしまいます。
 そして今度はお客さんから「警戒心」の空気が発散されるので、ピリピリにかわいたような、今にもヒビが入りそうな雰囲気ができあがってしまうのです。

p.54 「共感してますよ。私はあなたの話を聞いて、心がこんなに揺さぶられて、心で感じていますよ」ということをいかに相手に伝えるか、なのです。

p.186 <思いやりの松竹梅>
「自分がしてほしくないことを相手にはしないという思いやり」は梅。
「自分がしてほしいことを相手にしてあげる思いやり」は竹。
「相手がしてほしいことをしてあげる思いやり」は松。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

患者さんに働きかけなきゃ

2008-06-13 23:12:46 | くすり雑感
 ジェネリック医薬品の使用促進にあたり、薬局では大きく4つのケースがある。

1)文字通り、先発品の処方に対して、患者さんに働きかけてジェネリックを勧める
2)メチコバールやバイアスピリンなど、先発品のように使われてきたものを、これまで通り使い続けるケース
3)ジェネリック医薬品の銘柄処方において、そのまま調剤する
4)医者に、それもジェネリックにはどちらかというと消極的な医者に働きかけて、特定の薬剤だけジェネリックの銘柄処方に変更し、調剤率をはじめ、限定した範囲で使用していく

 この中で、2)や3)は明らかに薬局において、薬剤師は何も汗をかいていない。苦労することもない。
 薬剤師がすべきことは言うまでもなく、1)である。

 一方、最も悪質で、手を染めてはいけないのが、4)と言われている。医者詣でを指示するチェーン薬局もあるらしい。
 なぜならば、医者に働きかけて使用促進が図れるのであれば、国は薬剤師に使用促進のインセンティブなどつける必要がないからである。その分を医者にまわせば、もっと明確に使用促進が図れるだろう。
 次の改定を待たず、国は臨時の調剤報酬改定をすればいいだけのことだ。

 これをあるひとは次のように例える。
 彼女をくどきおとしたいのに、しかし彼女自身はハードルが高いがために、親にアプローチして説得をし、裏でこそこそ了解を得ようとしているかのようであると。

 薬剤師の向く方向が違うことは明らかだろう。このことに気づかない薬剤師というのは、いったいこれまでどのようなことをこれまでに学んできているのだろうか。薬局をやろうとしてきたのではなく、会社かビジネスをしようと、そういう視点でしか薬局を運営してこなかった証明みたいなものだろう。

 大手チェーンでも、「彼女の親」への攻勢を強めているそうだ。しかしその効果はたいしてあがっていないのだという。

 ジェネリックに限らず、そもそも薬局は安全確保に取り組む使命を負っている。「彼女」と真剣に交際しなければならないのだ。そういう側面でも、「親」を巻き込んだ取り組みをする事例がある。在宅や施設調剤など、とくにそういうケースが多い。それは本来の連携や協力とはほど遠い。「彼女」を思い通りにしたいのではなく、本音は調剤報酬算定をしようというだけのことだ。

 それはまた調剤報酬の仕組みが変わってしまえば、それまでのことは“水に流して”しまうことになる。薬局の未来を真剣に考えるのであれば、そういうやりかた、そういう経営方針の愚かさに気づいたら、はっきりとノーをつきつけようではないか。そういう考え方をする上層部には、この業界から退いてもらおうではないか。
 いつまでもはびこられても、仮にジェネリックにおけるこの考えを改めたところで、そういう者たちはいずれ別件でも同質の(低質の)考えを繰り返すだけだ。それは薬局の体質を貶め、劣化させるだけなのだから。まさに百害あって一利なしだ。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする