何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

営利は何に優先していたのか

2008-01-31 23:43:46 | 薬局経営
東京都の石原慎太郎知事は31日、中国製の冷凍ギョーザで中毒被害が出たことについて「本当に迷惑する」などと記者団に述べた。

-中国製のギョーザから…

「論外だね、あれ。サリンにもなんだろ、有機リン酸ってのは。独裁統制国家なんだから、そこんところはちゃんとしてもらわなきゃな。しかしやっぱり、片一方で資本主義やりだすと、営利優先になってあんな羽目になるんだろうね。ほんとに迷惑するわな」 1月31日12時57分配信 産経新聞

 営利優先でも利益優先でも売上優先でも同じこと。

 儲けが欲しくて欲しくて、そのために何を後回しにしていたのか、必要なところに対する投資を惜しんだのだろう。安全面への投資なんて、そういった組織では削られやすい筆頭だ。

 コストをいかに安く抑えるか、という意識は“猛烈に”強い。何かあれば、二言目には「これはコストも安く済みますから」なんてことが出てくる組織は要注意だ。
 コストはどれだけかかってもいい、という意味ではない。まず、やるべきこと・果たすべきことが十分なレベルで達成されているかが先決だ。それを達成し、保たれる中で、より低コストでできる方法があるのであればそれを選択するのは構わないが、安い道具や材料ありきで達成をめざすと、粗雑なレベルになってしまったり、カタチばかりの意味をなさないものが出来上がってしまったりする。

 価値観も、方法も、ゴールも、製品も、すべて営利優先であったがために、似ても似つかぬものが出来上がってしまう。
 利益を否定しているのではない。社会の中に存在するのなら、認められる存在になることなくして、コスト削減といった言葉が重要な観点になって、安直に、組織の中を大手を振って歩かれては困るのだ。
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安全は顧客の評価が証明する

2008-01-31 23:23:40 | ISO9001奥が深いか浅いのか
製造工程、大半が手作業=被害3件、すべてに有害成分-中国製ギョーザ 1月31日19時31分配信 時事通信

 中国製冷凍ギョーザの中毒問題で、製造元の「天洋食品」(中国・河北省)では、調理から梱包(こんぽう)に至る主要な工程が手作業だったことが31日、分かった。健康被害を出した3件の商品すべてに有害な有機リン系薬物が付着していたことが、千葉、兵庫両県警の調べで判明しており、混入の可能性が多岐にわたる疑いが強まった。

 ギョーザの製造では、原材料のチェックに始まり、具を皮で包む「成形」作業などを手作業で実施。機械化されているのは、野菜などを刻んだり、具を練ったりするなど一部に限られていたという。

 天洋食品がISO9001を取得していたかどうかなんて、どうでもいいことなのだが、ISO9001ってなんのためにあるのだろうかと、ふと考えさせられた。

 取得してしまえば、どうか実態は利益優先で顧客重視の姿勢なんて全く見えないどころか、建前にしているにすぎないのに、外見的に“優良企業”のお墨付きをもらったかのような組織もある。まさに「偽」。儲け一辺倒であろうと、ISO9001の認証を受けているんだから、その活動は正しいんだ、経営方針は“何をやっても”適切なんだ、と言わんばかりだ。

 ISO9001を取得していると世間に公表しているということは、安全文化があり、常にそれを高めようと改善を続けていますよ、という意味であり、それが実際に実行されていなければならない。イメージだけでは意味がない。

 顧客に対して、製品やサービスの品質を確保し、提供していますよ、ウチの製品やサービスははそういった努力をしている中でのものですよと、安心を買ってもらうために、ISO9001を取得していることを前面に出す意味があるのだろう。

 安心の伴った製品やサービスを提供する十分な体制を整えていますよというアピールであり、このマークさえあれば体制が整っていることを意味しているわけではないのだ。それを証明するのは製品やサービスを購入してくれた人が、確かにそうだな、と評価してくれることである。それを代行するのが「第三者評価」なのだろう。

 取得や更新を目的とし、認証マークで実態を繕うような組織は、本末転倒にならぬよう、反省すべきだろう。
 
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安全性への警告は迅速に

2008-01-31 23:03:03 | 薬害は人災だ
情報伝達、迅速化へ見直し=ギョーザ中毒で初動の遅れ反省-政府 1月31日21時2分配信 時事通信

 福田康夫首相は31日夜、中国製冷凍ギョーザによる中毒問題で、最初の被害発生から政府が情報を把握するまでに1カ月かかった反省を踏まえ、地方自治体から政府への情報伝達の在り方を見直す方針を明らかにした。首相は「被害が拡大しないためにも初動捜査が大事だ。そういう危機管理の原則がきちんと守れる体制は必要だ」と記者団に語った。

 同問題で、最初に被害が発生したのは昨年12月28日だったが、その時点では、地元の保健所や警察は情報を厚生労働省や警察庁に報告しなかった。これに関し、首相は「(中毒発生の報告を受けたのは1月)30日の夕方ぐらい」とした上で、「情報が伝わらなかったことは改善しないといけない」と指摘した。

 安全性に係わる情報が、その第一報が活かされていなかったようだ。まさか冷凍食品で・・・、これまでたくさん使われているものが・・・、いろいろと疑いを否定したくなるような思いは関係者の脳裏をかすめたことだろう。しかも年末である、御用納めの日に、早く帰って年越しの準備をしたかったのかもしれない。しかし事件はスケジュールを選ばない。

 薬害C型肝炎でも、418名の感染者が記載されたファイルが倉庫に眠ることになってしまった厚生労働省。ファイルの保管の仕方を改善するなどというが、その本質は国民の安全を守る意識に乏しいことだろう。てっきり医療機関がすると思ったと述べた当時の局長は辞任に追い込まれたが、もっと矢面に立って糾弾されてもよいだろう。

 TVで福田総理のコメントを見ていてもどこかひとごとだ。これまで輸入食品の安全管理には最善かつ万全の体制をしいてきた、そこをかいくぐったかのように多くの国民に対して「食の安全」を守ることができず、誠に残念である、といったふうに、自身のこととしてのコメントは微塵もない。国民は家族と同様くらいにとらえた、悔しさが出てこない。
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添付文書などをかならず読もう

2008-01-30 22:36:16 | くすり雑感
 厚生労働省と日本薬剤師会が共同で出している「知っておきたい薬の知識」という小冊子の中に、薬の正しい使い方というページがある。その冒頭に、

1.添付文書(能書)などをかならず読もう。

という項目がある。それに続いて「その1」には、
2.用法・用量を正しく守ろう。
3.服用時間を守ろう。

 「その2」にも3項目あって、
4.服用時の注意を守ろう。
5.併用をさけよう。
6.高齢者の薬の使用は特に注意しよう。

 全体を通じて、処方せんにより交付された薬を意識したものか、OTCを購入したときを想定したものなのか。どちらにも当てはまるように、書かれているようである。その中での「1.添付文書(能書)などをかならず読もう」である。ここだけは、基本的にOTCを購入したときだろう。

 “添付文書(能書)など”の「など」って部分が、使い方の説明書であると解釈すれば、処方せんによる調剤の場合にでも通用するが、添付文書は調剤時には渡さない。患者用添付文書だ、なんて言い訳も妙だ。

 しかしこの小冊子、そのあたりの配慮が素晴らしく「添付文書」の部分を除けば、実にどちらにも通用するように上手に出来ている。

 でも医薬分業も定着してきて、その中でのパンフレットのように思われるのだが(ジェネリックについても触れているページがある)、注意の1番目に添付文書のことが書いてあるから、そこだけ「おやっ?」と思う。

 逆に言えば、どう見てもOTCを購入したときを念頭においたものには見えない。そうであれば、もっとOTC向きの注意があってもよさそうだ(購入時の注意、など)。

 精巧にできているのだが、振り返ってみるとどこかあいまいな小冊子に思えてくる。
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内部告発者の葛藤

2008-01-29 23:08:17 | よくわからないこと
ミート田中社長初公判 配合割合を指示 起訴事実認める 朝日新聞 2008.1.29

 02年5月ごろには、入社間もない三男が社内で耳にした不正をただしたが、田中社長はこう答えたという。「ああ、そうだよ」「そうでもしないと、もうからないだろ」

 ◇

 法廷には、不正を告発したミートホープの元役員、赤羽喜六さん(72)の姿があった。

 苫小牧市のホテルで支配人をしていた12年前、顔見知りだった田中社長に誘われて営業担当の幹部に。懸命に取引先を開拓して業績を上げたが、工場の現場で行われていた数々の不正を耳にし、苦しんだ。「告発」を決意したのは06年春。農水省の出先機関などで次々と門前払いにされた末に朝日新聞に情報を持ち込み、ようやく世間の知るところになった。

 法廷では何度か被告席の田中社長と目があった。やつれた顔に、表情はほとんど浮かばない。「生い立ちが貧しく蓄財に走った。財は成したが過信に陥り、人の言うことに聞く耳を失った」。赤羽さんは、田中社長の半生をこう表現した。

 偽装に直接手を染めたわけではないが、自分にも責任の一端がある。そんな思いは消えない。「消費者、食品工場関係者の皆様、申し訳ありませんでした」。閉廷後、記者に囲まれて口をついて出たのは、謝罪の言葉だった。

 赤羽さんは当初、匿名での報道を望んでいたが、事件が社会問題化したことを受け、「自分の言動に責任をもつために実名で発言したい」と考え直した。


このテの偽装事件の多くは内部告発によると言われる。槍玉に挙げられた会社では、わけなく内部告発者が誰なのか、想像がつくだろうし、判明するだろう。 
 告発は、会社を窮地に陥れた大罪なのか。それとも手荒いやりかただが、やむにやまれぬ再生を願う愛社精神や、それ以上に社会に背くことは許されない正義感によるものなのだろうか。

 内部告発者の名前が明らかにされることは珍しい。今でも葛藤があるだろう。
 しかし、私は正否はともかくとして、勇気ある英断であると評価したい。正当防衛に限りなく近いが、殺人といえばそうだ、みたいな悲劇なのだろうか。答えなんて出ていなくていいから、当時の思い、今の思い、直接聞いてみたいと思うのだ。

 こういう苦しい立場の者を生んだのも、突き詰めればミートホープ自身だ。内部告発者は、その意味で“被害者”ともいえる。たいへんな人生を味わうことになってしまったのだから。
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申し入れには解雇で応戦

2008-01-29 22:47:54 | よくわからないこと
「腐った食材を指摘し解雇」 調理師が地位確認申し立て(共同通信) - goo ニュース

愛知県豊橋市の給食会社が運営する社員食堂で調理師として働いていた三重県の男性が、腐った食材などを使わないよう会社に申し入れたところ、一方的に解雇されたとして、29日までに津地裁に地位確認などを求める労働審判を申し立てた。申立書などによると、同社は愛知県や三重県など46カ所で社員食堂を運営。腐った野菜の納品などを男性は再三指摘したが改善されず、07年9月「営業方針に支障を来す」と解雇された。

 こういう記事って、必ずといっていいほど、対極的なものを含めて意見が割れる。「腐った食材」とは言うが、かたや「腐っていない」と認識が別れているのかもしれないし、昨今の偽装報道を思えば、申し入れは必要かもしれないが、それによって一方的解雇通告はやりすぎだろうと思う。

 しかし報道は「申し入れ」でも、関係者の受け止めかたは「会社批判」や「経営批判」かもしれないし、これまでのいきさつもあったりする。またお互いに今回だけのことで、申し入れや解雇になったのではないのかもしれない。積年の何かがあったのかもしれない。

 不透明な部分がある報道は、消化不良のもと。どうせ報道するなら周辺のことも加えて欲しいと思うし、真偽を問うのであれば、社名を出してもいいのではないかとも思う。

 この男性、自身が正義であると思うのであれば、とことんやってみてはどうだろうか。第二のミートホープ事件になるかもしれない。
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M社、情報提供(調査依頼)を拒む

2008-01-28 23:17:14 | よくわからないこと
 これまで「新薬メーカー」として活動し、都心に本社を構えるM社であるが、昨今、ジェネリックにも参入する方針を示しており、先日、ある品目について、調査依頼をした。数社のジェネリックの中から薬局で採用する品目を選定するための、品質や情報面を中心とした調査だった。

 しかしその旨について電話すると、相談窓口に出た担当者は、たいして苦もなく迷いもせず、その依頼を拒んだ。プロモーションコードに抵触するというふうに聞こえたが、後から再確認するとそのような依頼は社の方針として受け付けていないということである。

 こちらとしては、A4サイズの用紙1枚程度の調査項目において、所定のエクセルのファイルに必要事項を記入して返信してもらうだけのことであり、後々便利なように配慮した情報収集のつもりだった。必要な資料があれば送付するのは構わないというが・・・。どうやら、そういう依頼が多くて、あちこちから受けているとやりきれないので、断っているらしい(MR氏いわく)。

 調査にご協力いただけないということは、数社のジェネリックを比較する場から降りるということにもなりかねず、薬局で採用する候補から辞退することにもつながるのですが構いませんか? と尋ねると、それでもよいと相談窓口の担当者は言う。

 ならば残念であるが仕方ない。
 これが大病院からの依頼でもそうだったのだろうか。ジェネリックでなくても、先発品やM社の主要品目であっても、薬事審議会の調査資料であっても情報提供を拒否したのだろうか。

 今回の品目は辞退したが、別の品目においては、取り上げて欲しいといっても難しいことも覚悟のうえだったのか。新薬が収載されたときは「また別のこと」とでも思っているのか。
 担当者個人の問題ではないようである。遠からずM社は時間の問題で他社に吸収でもされて、消滅していくのではないかと思わざるにはいられない。
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ミュルレル先生の遺志

2008-01-27 23:04:25 | 心に残ること
歴史文化ライブラリー67「薬と日本人」 山崎幹夫・著、吉川弘文館・発行、1999年5月1日

 新年早々、ある講演会で著者は、現在の日本の医薬分業を、薬の専門家をこの国に誕生させるにあたり尽力された、レオポルド・ミュルレルさんの胸像のことを触れられた。東大の竜岡門を入ったところからわけなく、ひと目につきにくい場所にあるのだそうだ。山崎先生は、ミュルレルさんの胸像を探すために靴をダメにしてまでも木々をかきわけてその前に着いたそうだが、薬学部の校舎の脇から下山先生の胸像の前を経由すると、案外カンタンにその前までたどり着けた。

 道路からちょっと見上げれば見えるほどのところにあるのだが、日頃は低木に囲まれていてひと目につきにくい。近くまで行ってみたが、胸像の土台に彫ってある文字も判別しにくく、ミュルレルさんかどうかはっきりしない。しかし、髭をたくわえ、頑なに前を見つめる力強さは、まさしくドイツ人らしかった。


 今は調剤報酬改定を目前に控え、ジェネリックがどうのこうの騒いでいるが、ミュルレルさんが「薬学は医学と独立した科学であり、医師、医学者が立ち入る領域ではない。日本に伝わる古来の医療慣習は直ちに正さなければならない」(p.50)と主張してくれたことから、日本に薬学が生まれ、その後日本の先駆者によって医薬分業の体制整備が図られてきたのだ。

 それがまるで今は医薬分業は当然で、フィーの算定要件がどうなるのかと戦々恐々としている向きもある。日本に全く薬学というものがない時代に、ミュルレルさんが医学とは切り離した薬学の必要性を主張され、誕生させたことを思うと、調剤報酬にやきもきするばかりで、日本における医薬分業の質をどこまで高めてきたのか、国民の健康に寄与する医療従事者としてやってきたのか、原点を忘れてうつつをぬかしている自分を振り返って、たいへん恥ずかしい思いがした。

 今のそんな風潮の日本を見て、ミュルレルさんは嘆いているにちがいない。味方が誰ひとりとしていない中にあって、薬学の根を植え付けてくれたからこそ今がある。ミュルレルさんが、日本もここまできたかと微笑んでくれる時代に向けて、まだまだ薬剤師はもっともっと精進すべきであると思った。

 また機会があれば胸像の前に行ってみたいと思う。きっと同じことを自問自答するだろう。
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デキる上司

2008-01-25 22:50:16 | 薬害は人災だ
「デキる上司」白潟敏朗・著、中経出版・発行、2007年3月6日
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TV番組へのご意見はココ

2008-01-24 23:45:25 | 思いつくまま
みの、坂出事件被害姉妹の父に謝罪(日刊スポーツ) - goo ニュース

みのもんた(63)がTBS系「みのもんたの朝ズバッ!」での問題発言について、謝罪していたことが23日、分かった。みのは昨年11月、香川県坂出市の幼い姉妹と祖母の殺人事件をめぐり、姉妹の父山下清さん(43)の行動を疑問視。山下さんが、警察に通報するまで1時間経過したことに「普通ならすぐ電話しないかね」、「不思議だね」などと発言していた。

 BPO(放送倫理・番組向上機構)にも視聴者から「犯人視している」などの意見が多数寄せられていた。


 BPOなんて知らなかった。国民生活センターだって、利用したことがないというのに。テレビ番組への苦情は、放送局以外に訴えるところがあるなんて。しかも、電話(03-5212-7333)やFAXでもいいし、メールフォームでもよい。こういう機関が、視聴者である国民の意見を受けつけてくれるだけでも心強い。

 最寄りのJR駅なぞ、どこかに「投書箱」があるらしいのだが、フツウに歩いていても案内表示すら目にしない。目に入るのは、旅行のお誘いポスターだけ。どうやってよりよいJRに、愛されるJRになろうとしているのか、まだまだ道のりは長いような気がする。駅員に聞けばいいのだろうが、それじゃ意味がない。JR側が乗降客に求めてくるようでなければ、意見を聞き入れる姿勢ではないと思うからだ。

 さしあたってどこかの番組に対して言いたいことがあるわけではないのだが、機会があれば活用してみたいと思う。声が集まらなきゃ、何も変わらないのだから。
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矛盾を抱えて苦しい立場

2008-01-23 23:08:05 | 思いつくまま
 今春の調剤報酬改定でも、調剤基本料の一本化が見送られるようだ。現在、基本料の考え方がどうあれ、患者さんにしてみれば42点と19点の2本立てになっているように見えるのは事実だ。大手チェーンの社長は、業界団体の記者会見の場で、自社の業績に大きく影響する部分だけに強い不満を表明しているという(薬事日報 No.12480,3,2008,1/23)。

 自社だけではないとはいえ、多くの薬局には関係ない話だ。業界団体にはさまざまな薬局が加盟している。激怒するのは勝手だが、団体の名のもと、自社だけの問題ではないが、とくに自社に強くかかわる問題を大きな声で話題にしないでもらいたい。

 ところで、この件に関連して、元・日薬のU先生が「調剤基本料が、実質的に一物二価であり、サービスできる内容は皆等しく、違いを説明できない。面分業を進める上でも、料金が低いところに患者が集中して、かえって逆効果。当初はその点が反映されて議論されてきたはず。同じサービスが同じ料金というのが、社会保障制度の原理原則である。患者に分かりやすい調剤報酬体系の整備を表明しながら、残念な結果といわざるを得ないが、くじけることなく、今後も努力していきたい」と述べられたと報じられており、驚いている。

 算定要件はしばしば変更されたが、その一物二価か四価か知らないが、それを長年続けてきた側に、ついこの間までいたのはU先生ではないですか。それが党の鞍替えをしたがごとく居場所を変え、ましてや批判する発言をするとは信じ難い。これまでの積年のツケが今の姿ではないのですか。なぜそんな矛盾に満ちた側面を抱えた制度を作り、これまで運用してきたのですか。今になってそんなこと言ってもいいんですか。

 矛盾を抱えながらも、当時はそれを上回る“大義名分”があったと理解している。それは医療機関の門前で、処方せんを大量に応需し、医薬分業の進展に影響を与えてきた大手チェーンの存在だったのではないか。
 面分業を阻害するから一物二価は不適切だというなら、門前から撤退することも併せて提案してはどうだろうか。

 U先生は、ときに自らの良心を自ら裏切るようなことを言わざるをえない状況に立ち、葛藤を抱えつつ、相反する思いにやせ細りながらうつむき加減に表舞台に立っておられるように見える。元気に見えるが、同時に寂しさも漂っているのだ。

 U先生でなければできないことはたくさんあるし、U先生次第で、今後の医薬分業がさらに前進するか混沌に陥るか、それほどのエネルギーも持ち合わせているように思う。どうか、目を覚ましてもらいたいと切に願うばかりだ。
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書籍名の流行「なぜ~は~のか」

2008-01-23 22:36:44 | 思いつくまま
 「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」というベストセラーがある。私は、読んでいない。タイトルは、まさしくその通りで「なんでだろう」と思うのだが、自分にとって急務の書ではないような気がしている。それよりも読みたい本がどっさりあるのだ。

 ところで、この本が大ヒットして以降、「なぜ○○は~~のか?」といった書名がやたらに目につく。
 『本やタウン』で、書名もしくは副題に「なぜ○○は~~のか?」とあるものを拾ってみたら、なんと2400件余がヒットした。驚きの、というか予想外の件数だ。

 「さおだけ屋」以前から、そのような書籍名はあったのであるが、素朴な疑問が興味をひくだけでなく、そこに隠されたものがあったり、そこから学ぶものが見つかったりと、近年、急増しているような気がしてならない。

 2400件余を、出版年度で再検索できないので、年度の構成を知るには、一冊ずつチェックしていかねばならず、それはタイヘンな作業だから行っていない。書店をぶらつきながら、なんとなく眺めてみて、とにかくそう感じるのだ。

 まぁブームだとしても、別に構わない。手にとって買わせるための、二匹目のドジョウ戦法だとしてもいいさ。でもできれば、もうちょっと気を遣って欲しいね。「○○法」、「○○術」、「○○学」、「○○力」なんてものもそうかもしれない。個人的には、「○○入門」なんていうのが、誰にでもわかるわかりやすい内容かなとか、これでわからなかったら自分の才能がないってことなんだろうと諦めがつくようで、気にいっている。
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ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか

2008-01-21 22:48:06 | Book Reviews
「ひと相手の仕事はなぜ疲れるのか 感情労働の時代 武井麻子・著、大和書房・発行、2006年12月30日
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「原因」と「結果」の法則

2008-01-19 22:18:42 | Book Reviews
『「原因」と「結果」の法則』 ジェームズ・アレン・著、坂本貢一・訳、サンマーク出版、2003年4月25日
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再生紙偽装で企業は再生するか

2008-01-18 23:42:27 | よくわからないこと
<再生紙偽装>品質は現場任せの無責任体質 会見の大手4社 1月18日22時9分配信 毎日新聞

 製紙業界大手5社が再生紙の古紙配合率を偽装していた問題で、18日に会見した大手4社のトップは口々に「古紙の配合比率が基準を下回っていたことは知らなかった」と強調した。品質管理は現場に任せ、問題を認識していなかったとの釈明だが、波紋が全国に広がる中、「品質優先のため、表示を偽っても構わない」という体質を放置してきた責任が問われそうだ。

 大王製紙の井川意高社長は、社内調査で一部の営業担当の部長などは偽装を把握していたことを認め、「企業倫理の欠如から内部統制機能が働いていなかった」と述べた。三菱製紙の佐藤健社長も「(品質は)工場が管理しており、本社は関与していなかった」と監督体制が不十分だったことを認めた。ただ、同席した専務は、工場長時代に偽装を認識していたことを認めた。

 偽装を公表せずに生産を続けたことについては、「我が社だけ(配合率の)基準を満たすことができなくなると、顧客を失うとの心配があった」(井川社長)と品質低下によるシェア低下を恐れて偽装を隠してきた経緯を明らかにした。

 「業界ぐるみで偽装していたのではないか」との見方も出ているが、「そのようなことはないと思っている」(北越製紙の三輪正明社長)などと否定した。だが、業界最大手の王子製紙の篠田和久社長は「当社の体質と業界の体質がイコールだとすれば、古い体質を少し引きずっている」と述べ、「環境重視」をアピールしながらも表面的な姿勢に過ぎなかったことを認めた。

 言われなければシロートにはわからなかった。業界関係者や、紙質に詳しい者でないと、「紙」は疑念すらもたなかった分野だ。

 偽りはいけない。しかし今となっては、他社に先駆けて1社で不正を公表した日本製紙が、正直者のように思えてきた。他社は「みんなで渡れば怖くない赤信号」状態だ。そのうえ、社長辞任を表明しているのも、日本製紙だけだ。

 他社が追随して、オレもやっていたなどと白状するとは思わなかったのかもしれない。他社は、慌てて、偽装公表も“談合”的な感がしないわけでもない。

 確かに、辞任の前に現状の是正というのも経営者にとって大きな使命のひとつだろう。しかし、是正すべき現状を作ってきたのは社長自身なのだから、社長がすべきなのは是正よりも反省、進退を明確にすることだろう。技術的な是正は残された者でも十分だ。

 再生紙偽装:「環境重視」に製紙技術は追いつかず 毎日新聞 2007.1.18 環境マイエコ

 しかし、古紙の状況はここ数年で大きく悪化した。最近では、感熱紙やノーカーボン紙などが混入して品質が劣化。古紙配合率を上げると、再生紙の白さや強度、保存性などの品質が保てなくなり、「100%再生紙は元々、不可能に近かった」(大手製紙)との声も出ている。

 さらに、高度成長が続く中国向けに品質の良い古紙の輸出が増加し、国内の古紙は不足している。王子製紙の篠田和久社長は「江別工場(北海道)は、札幌のオフィスから出る何も書いてない品質のいい古紙を期待したが、競争が激しくて確保できなかった」と漏らした。 
 
 食品のようにただちに国民の健康に結びつくものではないとはいえ、環境問題に関心が一層高まる傾向を見せる昨今、いつまでもウソをつき続けることはできないと、日本製紙の中村雅知社長は考え、決断したのかもしれない。
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