こんにゃくゼリー、また幼児死亡 対策取られず17人目 朝日新聞 2008年9月30日12時10分
国民生活センターは30日、兵庫県の男児(当時1歳9カ月)がこんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせる事故が7月にあり、9月20日に死亡したと発表した。こんにゃくゼリーは子どもや高齢者には窒息の危険があるとされ、95年以来の死者はわかっているだけで17人となった。規制する法的な枠組みがないとして抜本的対策がとられず、被害が広がっている。
センターによると、事故のあった製品は業界最大手「マンナンライフ」(群馬県富岡市)の「蒟蒻(こんにゃく)畑 マンゴー味」。凍らせたものを7月29日に祖母が与えたという。
こんにゃくゼリーでは95~96年に8件の死亡事故が相次いだ。センターの注意喚起や業界団体の注意表示で97~04年は8年で3件と減ったが、05~07年の3年で5件と再び増加の兆しを見せている。昨年3月には三重県伊勢市で男児(当時7)が学童保育所でおやつに出されたゼリーで窒息死した。
センターは昨年7月にも業界団体や国に対して事故防止策の検討を要望。しかし、食品衛生法を所管する厚生労働省は「食中毒対策など衛生面で危害の恐れがない」、日本農林規格(JAS)法所管の農林水産省は「表示の問題ではない」などと主張。いずれの省庁も現行の法体制では規制できないとして、「すき間事案」のままになっている。
こんにゃくゼリーは通常のゼリーより硬く、弾力性が強いため、のどに詰まらせやすい。全国こんにゃく協同組合連合会や全日本菓子協会など業界3団体は昨年10月から商品袋の表面に「お子様や高齢者の方はたべないでください」と書いた統一警告マークを表示しているが、01年以降に事故が相次いだEU(欧州連合)や韓国では、既に販売が禁止されている。
○消費者庁で規制を
佐野真理子・主婦連合会事務局長の話 これだけ多くの方が亡くなり、「行政のすき間」の商品として問題となっていたのに、行政が何もせず放置してきた結果、また1人亡くなった。警告マークをつけて済む問題ではないことが明らかになったし、そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい。早急に消費者庁を設置して、規制すべきだ。
○表示を改良したい
マンナンライフの話 これまでの事故を受けて、業界団体で協議し、商品に警告マークをつけてきた。表示を大きくするなど、消費者にさらにわかりやすく改良したい。製造を中止する考えは今のところない。
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「こんにゃく」にも「ゼリー」にも罪はないが、これを組み合わせたこの製品は欠陥を持ったまま市場に置かれている。相手が「こんにゃく」や「ゼリー」だと思うから、何もそこまでメクジラ立てなくても・・・、などと、回収も改善もされないまま、危険が放置されていることはないだろうか。
危険性があると知りながら、それが市場にあったのなら、この男児は死ななくてもよいのに犠牲になってしまったことになる。男児の祖母の胸中は察して余りある。まさに人災といえるのではないか。
想定された危険性に有効な手立てが打てないのなら、この組み合わせの製品は製造可能な製品であっても存在させるべきではない。せっかくの食感を持ち合わせていても、なくてはならぬ食品ではない。だからEUや韓国では販売禁止となっているのだろう。
商品への警告マークもあった。しかし個装にまで施されていたのだろうか。意義を果たせないのなら、メーカーの、責任逃れのために表示したにすぎないことになる。どの程度に表示を改善するか知らないが、表示だけで済む問題なのか。TVや各種広告で大々的に警告を発すべきではないか。そして、新表示品ができるまで、現表示品を回収してはどうだろうか。
どこか薬害を起こした問題のある薬剤にも似ている感じがしてならない。
国民生活センターは30日、兵庫県の男児(当時1歳9カ月)がこんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせる事故が7月にあり、9月20日に死亡したと発表した。こんにゃくゼリーは子どもや高齢者には窒息の危険があるとされ、95年以来の死者はわかっているだけで17人となった。規制する法的な枠組みがないとして抜本的対策がとられず、被害が広がっている。
センターによると、事故のあった製品は業界最大手「マンナンライフ」(群馬県富岡市)の「蒟蒻(こんにゃく)畑 マンゴー味」。凍らせたものを7月29日に祖母が与えたという。
こんにゃくゼリーでは95~96年に8件の死亡事故が相次いだ。センターの注意喚起や業界団体の注意表示で97~04年は8年で3件と減ったが、05~07年の3年で5件と再び増加の兆しを見せている。昨年3月には三重県伊勢市で男児(当時7)が学童保育所でおやつに出されたゼリーで窒息死した。
センターは昨年7月にも業界団体や国に対して事故防止策の検討を要望。しかし、食品衛生法を所管する厚生労働省は「食中毒対策など衛生面で危害の恐れがない」、日本農林規格(JAS)法所管の農林水産省は「表示の問題ではない」などと主張。いずれの省庁も現行の法体制では規制できないとして、「すき間事案」のままになっている。
こんにゃくゼリーは通常のゼリーより硬く、弾力性が強いため、のどに詰まらせやすい。全国こんにゃく協同組合連合会や全日本菓子協会など業界3団体は昨年10月から商品袋の表面に「お子様や高齢者の方はたべないでください」と書いた統一警告マークを表示しているが、01年以降に事故が相次いだEU(欧州連合)や韓国では、既に販売が禁止されている。
○消費者庁で規制を
佐野真理子・主婦連合会事務局長の話 これだけ多くの方が亡くなり、「行政のすき間」の商品として問題となっていたのに、行政が何もせず放置してきた結果、また1人亡くなった。警告マークをつけて済む問題ではないことが明らかになったし、そもそも高齢者や子どもが食べてはいけないお菓子が流通していること自体おかしい。早急に消費者庁を設置して、規制すべきだ。
○表示を改良したい
マンナンライフの話 これまでの事故を受けて、業界団体で協議し、商品に警告マークをつけてきた。表示を大きくするなど、消費者にさらにわかりやすく改良したい。製造を中止する考えは今のところない。
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「こんにゃく」にも「ゼリー」にも罪はないが、これを組み合わせたこの製品は欠陥を持ったまま市場に置かれている。相手が「こんにゃく」や「ゼリー」だと思うから、何もそこまでメクジラ立てなくても・・・、などと、回収も改善もされないまま、危険が放置されていることはないだろうか。
危険性があると知りながら、それが市場にあったのなら、この男児は死ななくてもよいのに犠牲になってしまったことになる。男児の祖母の胸中は察して余りある。まさに人災といえるのではないか。
想定された危険性に有効な手立てが打てないのなら、この組み合わせの製品は製造可能な製品であっても存在させるべきではない。せっかくの食感を持ち合わせていても、なくてはならぬ食品ではない。だからEUや韓国では販売禁止となっているのだろう。
商品への警告マークもあった。しかし個装にまで施されていたのだろうか。意義を果たせないのなら、メーカーの、責任逃れのために表示したにすぎないことになる。どの程度に表示を改善するか知らないが、表示だけで済む問題なのか。TVや各種広告で大々的に警告を発すべきではないか。そして、新表示品ができるまで、現表示品を回収してはどうだろうか。
どこか薬害を起こした問題のある薬剤にも似ている感じがしてならない。