『鍵山秀三郎「一日一話」 人間の磨き方・掃除の哲学・人生の心得』 鍵山秀三郎・著、PHP研究所、2004年3月5日
1/27 誰も、あり余っている時間はありません。時間は貴重で、自分のために使いたい時間ばかりです。その時間を、直接自分の利益に結びつかないことや、周囲の人や社会のためにも費やすことができるようになったら立派な大人です。
3/2 直接、利益に結びつかなくても、人のやりたがらないことや見過ごしていることをおろそかにしないだけで、会社や社員はけっこう伸びるものです。そういう伸び方こそ、丈夫な伸び方だと思います。
3/15 ほとんどの人の価値基準が、得をするか、儲かるか、つまり「益がなければ意味がない」という考え方です。はっきり言うと、この考え方こそが、いまの日本を駄目にしてきたもっとも大きな要因だと思います。
3/27 その人が「本物人間」であるかどうかを見分ける判断基準として、二つあると私は思います。一つは、その人の言っていることとやっていることがどれだけ一致しているかです。あと一つは、自分自身の利益に直接結びつかないことに対して、どれだけ無心に打ち込んでいるかどうかです。
4/2 その人の欠点ばかりが目立つ人がいます。原因は、持てる自分の力を出し惜しみしているからだと思います。かたや、長所だけが目立つ人がいます。原因は、自分の力をいつもフルに発揮しているからだと思います。
4/13 幸田露伴の教えに、「植服」(しょくふく)というのがあります。つまり、将来よいことが起こる種を蒔いておこうという意味です。
4/21 したたかな人間になってはいけません。人間は何歳になっても、純情な心の人でありたいものです。そのうえで、小さなことにも傷つきやすく、心ときめかせながら経験していくことが大切です。したたかな人間は周りの人まで不幸にします。
4/22 他社との同質競争だけに巻き込まれないことです。
同質競争ばかりしていると、社員は嫌気がさします。疲れます。その結果、先はもうたいしたことがないと諦めるようになります。社員が生きがいを見出していくためにも、異質競争できることを経営者が見つけ出して、闇の中にも一筋の光明を与えていく。それが経営者の使命だと思います。
5/3 現在、衰退している会社の共通点は、過去の栄光とか実績・伝統にしがみついてきたことです。反対に、伸びている会社は、いま自分たちにできることは何か、お客様に満足してもらうためにはどうしたらいいかということを、日々真剣に考えて実践しています。
7/13 「私はすごく協調性があります」と臆面もなく言う人がいます。一瞬、我が耳を疑いたくなるような発言ですが、よく考えてみると、単なる他人依存の発言でしかありません。人に寄りかかることを、自分で勝手に協調性があると、受け取っているにすぎません。
このことこそ、「甘え」というべきでしょう。
7/16 「涙定量、汗無限」
一生のうち、流す涙の量は決まっている。辛い涙はできれば若いうちに流しておけ。一方、汗は生きている以上、流し続けるものだ。流せば流すだけでいいぞ、という教えです。
7/26 売上を上げる社員がよい社員、という評価は必ずしも当たっておりません。売上を強制しますと、社員の心が荒んできます。
8/22 心は人相にそのまま表れるものです。人相をよくするためには、労せずして手にいれようとか、うまく立ち回ってモノにしようといった不安定な生き方を止めることです。あえて、大きな努力で小さな成果に甘んじる生き方を志すことです。そうすれば、例外なく穏やかな人相になります。
9/2 お客様が求めているサービスは、そんなに無茶なことはありません。
集約すると「このお店が、私に対して何をしてくれたか」ということと、「私の希望に対して、何をしてくれなかったのか」ということに尽きます。大切なことは、どこまでお客様の要望に応えられるかという一事です。
9/13 相対差の世界で生きておりますと、結果だけを追い求めるようになります。「終わりよければ、すべてよし」という考え方になり、途中の大切な手段を省くようになります。途中を省き、結果だけを急ぎますと、事業そのものに誠意がなくなってしまいます。誠意のない事業は一時期成長しても、転落するのも早いものです。
9/21 「過去相も現在相も決定相ではない。過程相にすぎない」
いま逆境でも悲観することはない。逆に、いま順調でも有頂天になってはいけない。あくまで一時期の姿にすぎない。
10/5 結果主義は「終わりよければすべてよし」という考え方です。この考え方には、誠意が感じられません。事実、結果を追うあまりあの手この手を使い、ついには犯罪まで犯すようになります。この考え方が、いまの世相を悪くしている大きな原因です。
10/16 「走姿顕心」(そうしけんしん)
走っている姿に、そのまま選手の心が顕れるという意味です。「掃除をすると儲かる」というような気持ちで取り組みますと、掃除をしている姿に、そのまま打算が顕れます。結果において、マイナスの効果となります。
10/23 気づく人になるための方法は、二つ考えられます。一つは、微差僅差を追求し続けることです。つまり、身の回りのありふれた平凡なことを徹底することです。あと一つは、人を喜ばすことです。たえず人を喜ばす気持ちを持っていますと、さまざまなことに対して気がつくようになります。
10/25 「水急にして月流さず」
急流に月が映っている。川の流れがどんなに速くても、月は流されることがない。月は平然と映ったままである。つまり、自分を取り巻く環境がどんなに激変しても、自分の信念さえしっかりしていれば、環境に流されることはないという意味です。
10/30 私の「取引の判断基準」は、その取引を続けることによって、社員が幸せになれるかどうかだからです。
11/1 百の努力に対して、得られるものが一でしかなくても、その一を甘んじて受け入れる。このことが大変大事な考え方ではないかと思います。しかし、ただ受け入れてばかりいたのでは商売として成り立ちませんから、その一をどうしたら改善できるかをたえず工夫することです。
11/7 人間の喜びで最たるものは、人に頼りにされ、あてにされることです。どれだけ財産を持とうが、社会的な地位を得ようが、この喜びに勝る喜びはありません。
11/16 人が行き詰まるのは、いつも同じことを同じやり方でしているからです。人と同じことをするのは何も考える必要がないぶん、楽だけれども必ず行き詰まります。行き詰まらないためには、広げるのではなく、深めることです。深めると、自然に広がるようになります。
11/27 人間の力の中で、心の力ほど大切なものはありません。心の力がないと、困難に立ち向かう勇気が湧いてきません。生きる元気さえ失います。
1/27 誰も、あり余っている時間はありません。時間は貴重で、自分のために使いたい時間ばかりです。その時間を、直接自分の利益に結びつかないことや、周囲の人や社会のためにも費やすことができるようになったら立派な大人です。
3/2 直接、利益に結びつかなくても、人のやりたがらないことや見過ごしていることをおろそかにしないだけで、会社や社員はけっこう伸びるものです。そういう伸び方こそ、丈夫な伸び方だと思います。
3/15 ほとんどの人の価値基準が、得をするか、儲かるか、つまり「益がなければ意味がない」という考え方です。はっきり言うと、この考え方こそが、いまの日本を駄目にしてきたもっとも大きな要因だと思います。
3/27 その人が「本物人間」であるかどうかを見分ける判断基準として、二つあると私は思います。一つは、その人の言っていることとやっていることがどれだけ一致しているかです。あと一つは、自分自身の利益に直接結びつかないことに対して、どれだけ無心に打ち込んでいるかどうかです。
4/2 その人の欠点ばかりが目立つ人がいます。原因は、持てる自分の力を出し惜しみしているからだと思います。かたや、長所だけが目立つ人がいます。原因は、自分の力をいつもフルに発揮しているからだと思います。
4/13 幸田露伴の教えに、「植服」(しょくふく)というのがあります。つまり、将来よいことが起こる種を蒔いておこうという意味です。
4/21 したたかな人間になってはいけません。人間は何歳になっても、純情な心の人でありたいものです。そのうえで、小さなことにも傷つきやすく、心ときめかせながら経験していくことが大切です。したたかな人間は周りの人まで不幸にします。
4/22 他社との同質競争だけに巻き込まれないことです。
同質競争ばかりしていると、社員は嫌気がさします。疲れます。その結果、先はもうたいしたことがないと諦めるようになります。社員が生きがいを見出していくためにも、異質競争できることを経営者が見つけ出して、闇の中にも一筋の光明を与えていく。それが経営者の使命だと思います。
5/3 現在、衰退している会社の共通点は、過去の栄光とか実績・伝統にしがみついてきたことです。反対に、伸びている会社は、いま自分たちにできることは何か、お客様に満足してもらうためにはどうしたらいいかということを、日々真剣に考えて実践しています。
7/13 「私はすごく協調性があります」と臆面もなく言う人がいます。一瞬、我が耳を疑いたくなるような発言ですが、よく考えてみると、単なる他人依存の発言でしかありません。人に寄りかかることを、自分で勝手に協調性があると、受け取っているにすぎません。
このことこそ、「甘え」というべきでしょう。
7/16 「涙定量、汗無限」
一生のうち、流す涙の量は決まっている。辛い涙はできれば若いうちに流しておけ。一方、汗は生きている以上、流し続けるものだ。流せば流すだけでいいぞ、という教えです。
7/26 売上を上げる社員がよい社員、という評価は必ずしも当たっておりません。売上を強制しますと、社員の心が荒んできます。
8/22 心は人相にそのまま表れるものです。人相をよくするためには、労せずして手にいれようとか、うまく立ち回ってモノにしようといった不安定な生き方を止めることです。あえて、大きな努力で小さな成果に甘んじる生き方を志すことです。そうすれば、例外なく穏やかな人相になります。
9/2 お客様が求めているサービスは、そんなに無茶なことはありません。
集約すると「このお店が、私に対して何をしてくれたか」ということと、「私の希望に対して、何をしてくれなかったのか」ということに尽きます。大切なことは、どこまでお客様の要望に応えられるかという一事です。
9/13 相対差の世界で生きておりますと、結果だけを追い求めるようになります。「終わりよければ、すべてよし」という考え方になり、途中の大切な手段を省くようになります。途中を省き、結果だけを急ぎますと、事業そのものに誠意がなくなってしまいます。誠意のない事業は一時期成長しても、転落するのも早いものです。
9/21 「過去相も現在相も決定相ではない。過程相にすぎない」
いま逆境でも悲観することはない。逆に、いま順調でも有頂天になってはいけない。あくまで一時期の姿にすぎない。
10/5 結果主義は「終わりよければすべてよし」という考え方です。この考え方には、誠意が感じられません。事実、結果を追うあまりあの手この手を使い、ついには犯罪まで犯すようになります。この考え方が、いまの世相を悪くしている大きな原因です。
10/16 「走姿顕心」(そうしけんしん)
走っている姿に、そのまま選手の心が顕れるという意味です。「掃除をすると儲かる」というような気持ちで取り組みますと、掃除をしている姿に、そのまま打算が顕れます。結果において、マイナスの効果となります。
10/23 気づく人になるための方法は、二つ考えられます。一つは、微差僅差を追求し続けることです。つまり、身の回りのありふれた平凡なことを徹底することです。あと一つは、人を喜ばすことです。たえず人を喜ばす気持ちを持っていますと、さまざまなことに対して気がつくようになります。
10/25 「水急にして月流さず」
急流に月が映っている。川の流れがどんなに速くても、月は流されることがない。月は平然と映ったままである。つまり、自分を取り巻く環境がどんなに激変しても、自分の信念さえしっかりしていれば、環境に流されることはないという意味です。
10/30 私の「取引の判断基準」は、その取引を続けることによって、社員が幸せになれるかどうかだからです。
11/1 百の努力に対して、得られるものが一でしかなくても、その一を甘んじて受け入れる。このことが大変大事な考え方ではないかと思います。しかし、ただ受け入れてばかりいたのでは商売として成り立ちませんから、その一をどうしたら改善できるかをたえず工夫することです。
11/7 人間の喜びで最たるものは、人に頼りにされ、あてにされることです。どれだけ財産を持とうが、社会的な地位を得ようが、この喜びに勝る喜びはありません。
11/16 人が行き詰まるのは、いつも同じことを同じやり方でしているからです。人と同じことをするのは何も考える必要がないぶん、楽だけれども必ず行き詰まります。行き詰まらないためには、広げるのではなく、深めることです。深めると、自然に広がるようになります。
11/27 人間の力の中で、心の力ほど大切なものはありません。心の力がないと、困難に立ち向かう勇気が湧いてきません。生きる元気さえ失います。