何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

ISO9001は事件発生に無力か

2006-01-30 11:31:57 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 東横インの社長がマスコミを前に60km制限における「67~8km走行」の認識を示すところを見るにつけ、苦々しく思う。
 この東横イン、ISO9001を取得していた。 ISO9001を取得しているにもかかわらず、なぜ平気で不正改造が行われてしまったのか。ISO9001は、高い審査料を払っているにもかかわらず、審査段階で指摘がなされていなかったのか、未然防止ができなかったのか、そんな批判が身の回りある。

 ヒューザーも、三菱ふそうも、ISO9001を取得していた。いったい何なのか。

 ISO9001は、品質保証の規格じゃないよ、品質管理の規格だ、といわれるかもしれない。製品保証ではなく、工程管理だよ、そういうことなのかもしれない。しかし、これは一般の者にはよくわからないところだ。工程が適正であるかどうかを審査しているのではないか、それによって生産されるものもそれなりの品質が確保されたものではないのか、と思うからだ。

 審査機関は、いずれもJQAだ。JQAは何と応えるのだろう。JQAに審査を受けている企業の管理責任者は、社内でのそのような声の矢面に立たされていることはないだろうか。

 法令違反だから、7.2.1で問えるのかもしれない。しかし、何といっても、採算優先、利益優先で条例に背いてエントランスを計画的に改築し、身体障害者向けの部屋を改造し、駐車場を潰したのだから、それは5.2顧客重視の不適合であり、5.1経営者の責任の不適合に他ならないと思う。

 審査機関は、これから顧客重視の姿勢が随所に見られるか、社会と共存して、社会が納得のいく活動をしているのかどうか、そこを強く審査していって欲しいと思う。利益重視、売上げ優先だったら、きつく指摘をしていただきたい。

 ところで、気になるのは、東横インで行われているはずの、内部(品質)監査だ。法令違反といっても、すべての法的側面を審査機関がチェックできない。それなりの専門家による外部審査をクリアしているかどうかにゆだねるだろう。

 内部品質監査で、不正改造を知っていたのかどうか、チェックしていたのかどうか、むしろそこが問われるような気がするのだが、どうだろうか。東横インは23施設で不正が見つかっているといる。埋めてしまった駐車場を、ロビーにしてしまったエントランスを、いまさら条例に適合するよう、改善指摘を出せなかった・・・、出しにくいと思う。あまりにも大掛かりなものだから。また経営陣の判断をズバリ批判するものだから。

 経営者が意図的にコンプライアンスに違反したら、顧客を軽視して売上げ指向に走ったら、ISO9001はもはや抑止力の限界を超える。
 それだけに、トップマネジメントこそ、誰よりも顧客重視で取り組み、ISO9001を最大限に機能させてこそ、このようなトラブルを防止できるのだろう。使えば使うほど、事件防止につながるISO9001ということなのだろう。

内部監査脳を鍛える

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罪の意識に乏しいのは採算性重視から

2006-01-28 08:53:02 | 思いつくまま
東横イン 身障者用設備を無届け撤去 系列16店舗に疑い (産経新聞) - goo ニュース

 東横イン。宇都宮、京都、熊本、ほかにも利用したことがある。格安で、おにぎりと味噌汁の朝食が無料で、庶民向け、といった感じだった。
 別に好んで宿泊したのではない。出張の先々で、仲間が手配してくれたのだ。いまではホテルもネット予約が当り前になったが、自分から選ぶ選択肢として、東横インは候補にしようという気はない。出来て間もないからそこそこに室内もきれいだけど、素安な感が随所に感じたからである。ベッドもカラーボックス程度のもの、ベッドまわりも使いにくい。飾ってある絵も、なんかお義理的。もてなしや、あたたかみといった、ホテル側の気持ちや思いが伝わってこないホテルだった。

 こんな低料金も、不正改造について社長の認識を聞けば、やはりさもありなん、だった。安くていいものを提供しよう、ということではないのだ。安かろう、悪かろう、お互いわりきっていこう、ということだ。違法性の認識があったということは計画的な犯行ともいえよう。たいしたことはない、みつかってもせいぜい行政指導、という条例違反を苦にしないコンプライアンスの欠如。

 60kmのところ、67~8km程度は・・・、という甘さ。もう少しスピードを出してもいいかな、70、75、80とエスカレートすることは時間の問題で明らかだったのだろう。

 どのような思いがこのような呆れた感覚や行動を生み出すのかといえば、採算性重視という指摘。

-----転載ここから
 「大きなベッドを置いたり、インターネットが使い放題な半面、夜間は最低限のスタッフしか置かず、徹底した人件費カットで低料金を実現させている」(関係者)。同社が公表した昨年三月期の損益計算書によると、総売上高に対する人件費の比率はわずか5%未満。「通常、シティーホテルが30%、ビジネスホテルが20%とされる中、常識外れの数字だ」と関係者は明かす。
 この日の会見でも西田社長は、悪びれることなく経営哲学を語った。
 「駐車場がない方がすてきに見える」「どんどんホテルを造っていたら(駐車場を造るのが)面倒くさくなった」「うちは平米(一平方メートル)いくらで金を取る。身障者用客室は、車いすの周りにスペースを取る必要があり、室料が高くなってしまう」…。
 この関係者は「夜間スタッフが少ないなど、もともと身障者には宿泊しづらい面があった」と指摘。
 「宿泊客に占める割合の少ない身障者用の施設に金をかけるのは、採算が合わないと考えたのではないか」と推測している。
(東京新聞 2006.1.27)
-----転載ここまで

 JR西日本、ヒューザーや木村建設等の耐震偽造、東横イン、まだ他にもあるだろうが、利益重視のための安全性軽視、顧客軽視(無視)、数字至上主義、拝金主義。
 社会に利益を還元して、社会と共存して、適性な評価としての対価を得るように、なぜできないのだろうか。まぁ、そういう体質に育ててこなかったツケなのだろうが。

 この際、顧客は徹底して東横インを避けて、そういう金儲け文化にお灸をすえてやる必要があろう。
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ピンチはチャンスでも、誤りは正せ

2006-01-26 18:37:39 | 薬局経営
 カネのにおい 突進の果て 朝日新聞 2006.1.26 より転載(抜粋)
-----転載ここから
 ライブドアは、ネットより金融でもうける会社に変わっていた。
「カネのにおいのするところには、必ず行くんですよ」
 同世代のIT起業家は共同事業の打ち合わせで、宮内亮治前取締役(38)=証券取引法違反容疑で逮捕=の口にした言葉が忘れられない。
 (中略)
 インターネット関連のフリービット社長、石田宏樹さん(33)は(中略)、連日テレビに映る顔を見ながら、危うさを感じていた。
「なぜ、買い取った会社の事業を地道に育てようとしないのか」
 (中略)
 「新興企業には、『成長の強迫観念』がある」
 リクルート出身で、「リスク・ヘッジ」代表の田中辰巳さん(52)は言う。
 江副浩正元会長が、政治家や官僚に未公開株を譲渡して逮捕されたのは89年。就職情報誌などが頭打ちになっていた。
 「立ち止まるころは死を意味する」
 事件前、秘書課長だった田中さんは、江副氏が会議の度にそう繰り返していたのを覚えている。
(後略)
-----転載ここまで

 まさにライブドアやリクルートのことのようで、わが身に照らし合わせて、これにあてはまる会社は少なくないのではないだろうか。
 業績が苦しい、安定成長しない、ムリをする、・・・実はなぜ苦しいかというと、それは経営の舵取りが誤っているのが原因なのである。売り手中心の思想で、買い手の思いにまったく気が向かない。数字を出すのは、企業として当たり前じゃないか、とまでいう。

 われわれ医療機関の場合(薬局はもうじき医療提供施設になる)、企業の側面があろうとも、医療機関だ。数字を出すことが、売上げが至上命令ではない。社会の中で国民の生命を守ることが、与えられた課題だ。
 苦しい今が、まるで時間がたてばチャンスが訪れると勘違いして、進んではいけない株式会社としての公開にまで進もうとしている。
 苦しいからこそ、本業を見直すことがたくさんある。てこ入れすべきところが多々ある。そこをしないで、上場にばかり目がいくようでは、チャンス到来どころか、ますます自ら成長するための活動が行われていないことになる。
 まさに、霞を食って生きようとしていることに他ならない。今苦しいのは、ピンチじゃない。誤った判断がなされた状態である。いきつくところまでいって、破滅でも迎えないと治らないのだろうか。そこが悲しい。
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チェーン薬局の実態も虚業か?

2006-01-24 13:22:32 | 薬局経営
 ホリエモンが逮捕されて、いよいよライブドアの実態はIT関連企業ではなくてマネーゲームによる虚業で会社の実態を大きく見せかけてきただけではないか、と批判されている。世の中で言われる資産価値に見合うほど、有名企業としてもてはやされるほど、中身に乏しい会社ではないかという指摘だろう。

 本業で汗水流して発展するのは構わない。今の不況下の時代に、それほどまでに急成長する事業ややり方があったのであれば、その着眼や熱意には敬意を表さずにはいられない。

 ところで、中身が伴わないのに、やれ店舗数を増やそうとか、株式公開だとかで名前を売って、世間から資金を集めようとするチェーン薬局がある。店舗数が増えるといっても、ひとつの細胞が育ってきたから細胞分裂するがごとく店舗が増えるのではなくて、小さく薄くなっているにもかかわらず、さらに身を削って拠点を増やすに等しい。生産力の向上など望むべくもない。生産性がなければ、無理をしてかろうじて体面を保つのが精一杯だろう。そんなところに顧客が寄り付くというのだろうか。これもまさしく「虚業」のようではないか。

 中身の充実があってはじめて体力も実力もつき、組織が大きくなっていくのが自然かつ必然の流れ。中身がスカスカで追いつかないまま、図体を大きく見せようとするのは、本末転倒といってもいいのではないか。ESはCSの必要条件かもしれない。

 株式数のみならず、六本木ヒルズに居を構えているとか、自家用飛行機を持っているとか、そんな外見に目を奪われてはならない、というのは改めての教訓か。
 薬局も、店舗数であるとか上場しているなんてことはときに繕ってできることがあり、それを支えている社員の評価や同業者の評価こそ、真実に近いものだと思う。

 ライブドアにも、今になって思えば危険な兆候はあったのだと思う。世間からもてはやされるほど、いったい自分たちは豊かになっているのか、社員の中で疑問に思うことが少なからずあったと思う。
 当然、チェーン薬局の実態なんて、内部から見れば“アキレス腱”だらけではないかと思う。会社設立当時は、まだ、そこそこの理念も信念もあったことだろう。いつかどこかで、それを捨ててしまったことにいち早く気づいて、大きな軌道修正をかけて欲しいと思う 
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「被害者のため」を使って真実を隠そうとした?

2006-01-12 23:19:41 | 思いつくまま
取材自粛 病院要請なく依頼 JR支社、特急脱線事故で
 朝日新聞 2006.1.10
-----転載ここから
 JR羽越線の特急脱線転覆事故で、JR東日本新潟支社(新潟市)が、けが人が運ばれた三つの医療機関のうち2病院からの要望がないのにもかかわらず、「病院側の意向」として、報道機関にすべての病院で取材を自粛するよう求める文書を出していたことがわかった。

 事故現場を管轄する新潟支社は事故3日後の昨年12月28日、「お願い」と題する文書を新潟、山形、秋田の各報道機関に流した。「事故で負傷されたお客さまは、現在、三つの病院にて加療中です。病院に多数の報道関係の方々が取材に入られているとの状況で、病院側より、治療行為に大きく支障する恐れもあり、是非取材の自粛をお願いして欲しい、と強い要請がございました」などとする内容だった。

 しかし県立日本海病院(山形県酒田市)と市立酒田病院(同)の責任者は、取材に対しいずれも「JRに取材自粛の要請を求める申し入れをしたことはない」と回答した。日本海病院の事務局長は「社会的要請を考えて、患者と仲介を図るなどできりだけ配慮した。大きなトラブルはなかった」。酒田病院も、取材依頼には患者に頼んで会見に応じてもらうなどして便宜を図ったという。

 庄内余目病院(同県庄内町)の事務部長は「報道機関が入り口などに殺到した。JRの人に『断ってもしつこく来る』『迷惑している』ということは話した。取材自粛のお願いをしたかどうかは記憶にないが、JRが(要請を)やってくれたらありがたいとは思っていた」と述べた。

 新潟支社の高橋昌行広報室長は「社員から『病院から、報道機関の対応に苦慮している』という相談を受けたとの報告があり、支社独自の判断で文書を出した。報道を制限しようという意図はなかった」と話した。
-----転載ここまで

 自粛要請すれば、自ずと取材のチャンスは縮小、限定されるわけであり、報道が物理的に制限されることになる。JR東日本が制限しておいて、その意図がなかったなどと、言い訳にもならないことを言うのには呆れた。

 「被害者のため」「被害者優先」という意味を理解できていないのだろう。誰が見ても被害者の負担になりそうなことと、そうでないことは、わかりそうなものだ。病院という性質上、他の入院患者にも影響が及ぶ可能性があるとはいえ、「被害者のため」といえばすべてそれを隠れ蓑に、真実を外部に出さないことができるとでも考えたとすれば、情報隠し、いわゆる隠蔽工作にもつながるものだ。

 重大な事故があった。自然災害で避けられなかったかもしれないし、防げたかもしれない。隠したら何もわからないし、事故の教訓が未来に生かせない。
 これと同様に、「患者のため」という詭弁をつかった自己都合を正当化する醜い活動について、別項で述べてみたい。
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サービス拡大はチャンスでもあり、試される場でもある

2006-01-12 13:05:35 | 薬局経営
薬局に行かず薬受け取り 在宅医療推進へ厚労省方針 (朝日新聞) - goo ニュース

 簡単に言えば、処方せんをFAXで薬局に送信し、お届け希望を薬局に伝えれば、薬局が薬を届けてくれる、そういう仕組みを認めたということ。
 これまでは、医者による在宅医療の指示(居宅療養または訪問服薬の管理指導)がなければできなかったので、患者さんは自宅で薬を受け取りやすくなるわけだ。
 実は、一人暮らしの老人で歩行困難であるとか、重い薬を持って帰ることが困難であるとか、限られたケースでは認められていた。それが緩和された格好にも見える。

 薬局側で詰めておかねばならない問題がある。
・薬局にFAXを送ることが理解されているか。
・お届けの態勢が整っているか。

 このほかにも、お届けエリアの問題とか、お届けに係る搬送費用とか、いろいろある。

 受診する事情は別にして、歩行や生活上に別段の問題のない人にまで拡大されるのだろうか。薬局に行くのがメンドウな人にまで適用されるのだろうか。そのあたりも、線引きが難しい問題が発生するかもしれない。
 制度上、なんらかの条件が付与されたとしても、保険上の問題だけで、給付対象とならないケースには、自費で対応してもよいか、といったことがあるかもしれない。インフルエンザなどで、受診後、すぐに帰宅して横になりたい若者にまで摘要されるのかどうか。されるとしたらどのような対応になるのか。

 積極性をアピールするチャンスのようでもあり、薬局の事情に合わせて、サービスできる範囲もいろいろありそうだが、逆に言えば、薬局の姿勢が試される状況が来ているのかもしれない。利用者の評価を得られるようできるかどうか、態勢作り以上に姿勢をはっきりさせるほうが先決だろう。
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赤字ホテルを再建、星野佳路氏

2006-01-11 00:08:35 | 思いつくまま
 NHK-TV、21:15- プロフェッショナル「リゾート再生請負人」。おそらくプロジェクトXの続編なんだろう。プロジェクトXが組織的な取り組みに対し、さしずめこちらは個人の類稀なるセンスを紹介するコンセプトなのだろう。

 表面だけ見ると、赤字で息絶え絶えにあるホテルの経営に乗り出し、短期間で黒字転換していく。この不況下に、なんとも驚くべきことだ。

 いったいその極意はどこにあるのか。経営手法といえばそれまでだが、
・どうすれば、人は動くのか
・赤字ホテルから人が去っていき、残された社員は財産である
・任せれば、人は楽しみ、動き出す

 これらがテーマとして紹介されていた。
 顧客にスポットを当てることで取り組みの方向を探り、トップダウンで指示命令で物事を進めようとするのでなく、社長をトップとしたピラミッド構造をフラット化し、プロセスごとに活動を進めるとか、驚くことはないのだが、そこに確信を持って、迷いなく再生を目指す統率力、牽引力には目を見張るものを感じさせた。

 スタッフの目に精気が戻ってくる。活き活きと目が輝きを取り戻す。そうすることで、スタッフが蘇る様子には、うらやましくさえ思った。逆に言うと、組織を硬直化させているのは、風通しの悪さ、係長<課長<部長<社長といった、自分たちの使命や責務以上に、職層の秩序を重んじている体制に原因があるのだ。

 影で「なんであんな(出来の悪い)ヤツが俺より高給をもらっているのか」とか、「なんであんな(力量に欠けた)ヤツが俺より上にいるのか」と囁かれるように、あちこちの組織にありがちな、矛盾も甚だしい現実こそ、結果が出ない最大の原因であるのは、今の経営者にとって残念な問題提起ではなかっただろうか。
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不勉強なまま権限だけ振り回す者は去れ

2006-01-06 09:53:00 | ISO9001奥が深いか浅いのか
 ISO9001関連の書籍、それも取得後に向いている、いかに組織を高めていくか、といったものを読んでいると、ISO9001のエッセンスを理解して、活動を見直していくと要点を押さえた、前進力のある、顧客志向の、非常にすっきりとした組織が構築されてくるように思われる。

 それらの書籍の表現は、自分の組織のことを解説してくれているのではないので、置き換えて解釈し、あてはめて考えなければならない。『超ISO企業』や9004に近い内容が実践できたら、さぞすばらしいだろうと思う。だから、読後、「そうだ、こうしよう!」と思ってしまう。しかし、自分のまわりには、ISO9001なんてそこそこにやっていればいい、適当な距離をおいてつきあっていけばいい、そんな者ばかりだ。

 ある要求事項にはまずまず従っても、別の要求事項はお義理程度でいい、そんな考えもある。なぜか。

・自分たちは、ISO9001を“やらされる”側であって、積極的に推進しようとする側にいることの意識に欠けている。
・いい組織を作るうえで、“いい組織”の認識が異なる。とくに社会から喜ばれる組織か、儲かる組織かの選択が異なる。
・何を持って現状が“進展”しているかの認識が異なる。自分の身が安泰であれば、組織の改善や進展に消極的である。


 ISO9001をもっとよく知る人間を増やさないことには、ダメなのだろうか。マイナス志向であったり、保身的であったり、利益と質の関係を認識できていなかったり、そんな者にISO9001は煙たがられているのかもしれない。

 昨今、不況なのは企業それぞれの理由もあるだろうが、顧客志向でなく、自分たちの都合でやってこれたバブル型推進力の行き詰まりを反映しているのではないだろうか。まだ一部に、特殊な状況に恵まれて実績をあげている会社もあるから、うまくいっている理由をよく見ずに、これまでのやりかたが決してまちがっていない、と推し進めている組織は、さらに泥沼に陥ることだろう。

 うまくいっていないときはもちろん、うまくいっているときの原因分析も重要だ。

ISO9001の事例が満載

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ジェネリックを毛嫌いする医者

2006-01-04 22:37:22 | くすり雑感
 こんな記事に、あなたはどう思う?

-----転載ここから
 私は2年前から高血圧の治療薬を服用しています。以前、主治医にジェネリック薬(後発品)に代えてもらえないかと相談したところ、「効果が違ってくるので、この薬に取って代わるものはない」と言われました。しかし、薬を飲み始めて血圧が特に下がっていないし「本当に効いているのか」という疑問もあります。ずーっと飲むものだから何年かしたらずいぶんな金額の違いになるでしょう。後発品と先発品でどこがどう違うのか、試してみる価値はあると思うのです。でも、患者が選べるようなデータはありません。医師の言葉をうのみにするしかないのでしょうか。

神戸市、主婦(44) 毎日新聞 2005年12月26日 東京朝刊
-----転載ここまで

 ジェネリック(GE)だから効果が違ってしまう、というのは、これまで言われていることからすると、よくある“食わず嫌い”的先発品愛好家の言うセリフのように思われる。GEが、然るべき過程を経て製造されてきたものであるのなら、また生物学的同等性が証明されているのなら、先発品と同じ効果を期待してよいのだ。

 苦労してせっかく今の状態になったのだから、少しでもこのままを続けてはどうか、というのなら、まだわかる気もするが。それなら、こういう説明にはならない。
 飲み始めてから、たいして血圧が下がっていないというのだから、試してみる価値はあるのではないか。ひょっとしたら、少しずつ下げている段階なのかもしれないが、それならなおさらのことだ。また、仮にそうなら、やはり違った説明になりそうなものだ。

 Aという成分なら信頼がおけて、Bという成分なら信頼がおけない、というのも化学物質としてはありそうではあるが、今のところ、そういうことは聞かない。

 オレンジブック等で、調べてみたのだろうか。薬局に相談してみてはどうだろうか。GEであるだけで、そういう決め付け的言い方をする医者こそ、信用がおけない。転医を検討してはどうか。

 どの程度の血圧で、どのような年齢、体調、治療経過なのかわからないところはあるとはいえ、患者の希望にもう少し添ってあげることはできる。ダメなら元にもどせばいいのだから、試してみてもいいのではないか。それすらできない状況なのだろうか。

 医者に聞いてみよう。「私はGEを試すことすら危険な状況にあるのですか?」 と。
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箱根駅伝総合優勝を祝ってあげよう

2006-01-03 22:33:01 | いいものはいい
上位波乱のスキ突く、亜大が鮮やか逆転…箱根駅伝復路 (読売新聞) - goo ニュース

 身内も知人も亜細亜大にいるわけではないが。

-----転載ここから
亜大が鮮やかな逆転で、初の総合優勝を手にした。
 逆転劇の下地を作ったのは、8区の益田稔。順大・難波祐樹の異変などで上位がばたつく間に、5位から2位に一気に浮上した。
 9区の山下拓郎は、区間賞の快走で駒大から首位を奪取。42秒差をつけて、アンカーの岡田直寛にタスキをつないだ。
 岡田は駒大の猛追を受けながらもペースをまったく崩さず、安定感のある走りで先頭を守りきった。
-----転載ここまで

 確かに、順大のアクシデントがなければ、優勝はなかったかもしれない。駒沢大ですら、半ば諦めかけていたはずだ、8区の途中までは。テレビも、駒沢大がここから追い上げを見せて、両校でデッドヒートを演じて・・・とそんな雰囲気だった。

 9区で亜細亜大が追い上げ、逆転して10区に襷を渡すあたりから、なんか自分まで興奮してきた。聞けば、亜細亜大は過去に3位が最高の成績だというではないか。

 きっと学内では大盛り上がりをしているのではないか、と想像した。取らぬタヌキ・・・ではいけないが、それでも祝勝会か、優勝祝賀会の準備なんて、考えていなかったのではないだろうか。急遽、設営したのではないかと思う。

 優勝が決まった1時間ほど後、車で大学の周囲を走ってみた。案外、静かだ。何事もなかったかのような、穏やかな冬の晴れ間がのぞいていた。
 正門もひっそりと、まだ冬休み中だよ、と言わんばかりに、冷たそうだった。守衛さんも、赤ら顔じゃなかった。祝い酒でも差し入れしてあげればよかったかな。

 せめて、垂れ幕くらい出してあげればいいのに・・・。TVを見ていなかった人にも知らせるべく、殺風景な校舎がもったいなく思えた。学校側も用意していなかったんだろう。優勝候補と騒がれていなかったし、仕方ないともいえるけど・・・。あの後、大至急用意していることと信じる。

 武蔵境駅・南口のヨーカドーだって、数本の垂れ幕を掲げているけど、せめて1本くらい、お祝いに出してあげればいいのに・・・。ちょっと残念だった。北口の商店街の中に、せめて1軒くらい、どこよりもいち早くお祝い行事を出したところがあったと信じる。学校周辺の食堂は、せめて新学期が始まったら、1週間は半額セールをしろよ。陸上部は当然、無料だ。いや、大盛り、おかわり自由でやってほしい。

 野球部の不祥事で、昨年はなんとなく暗かった亜細亜大も、活気を取り戻すに違いない。ヒーローがいなくたって、まさにみんなで勝ち取った箱根駅伝総合優勝。

おめでとう!
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