何かをすれば何かが変わる

すぐに結論なんて出なくていい、でも考え続ける。流され続けていくのではなくて。
そして行動を起こし、何かを生み出す。

なぜ、この国は儲からなくなったのか?

2011-02-28 22:49:31 | Book Reviews
「なぜ、この国は儲からなくなったのか?」 長野慶太・著、ユナイテッド・ブックス、2010年3月9日

p.95 (仕事に)優先順位をつけても、下位の仕事に着手する時間の余裕を確保しておかなければ意味はない。下位の仕事を溜め込んで抱えるストレスのほうが、残業によって生まれる疲労よりもよっぽど身体に悪いからだ。
 下位の仕事だろうが、その完成を待つ相手が必ずいる。にもかかわらず、ノー残業を強制されてその仕事が延び延びになってしまえば、大きなクレームを呼び込むことになりかねない。

p.95 職場のストレスは決して労働時間から来るものではない。ストレスはほとんどの場合、人間関係から来るものだ、と。

p.96 もし月曜日が来るのが憂鬱でたまらないよいだったら、その仕事はやめたほうがいいとアドバイスしている。

p.97 企業の使命だからといって「売上や利益を増大させること」が、どれだけ従業員を幸せにするかは疑問だ。

p.99-100 自分の会社がいろいろな慈善活動に参加していたら、積極的にそのことをまわりに話すだろう。

p.100 私は日頃、成果と達成感は別物だと言っている。
 成果管理が重要であるのと同時に、経営陣や管理職は社員が達成感を抱けるような環境作りに注力しなければならない。社員としての誇りや、仕事に対する楽しさの追求に、会社はもっと心を配らなければならないのだ。

p.145-6 私は「報・連・相(報告・連絡・相談)」のシステムを全面的に否定する。なぜかと言うと、「報・連・相」は「指示待ち人間」を生み出しやすいからだ。「報・連・相」システムには、残業してその日のうちに考えておく「考」がないし、それを朝イチに提案する「提」がない。
 「報・連・相」を重視するあまり、そのスピードばかりにとらわれて、「上司の耳に入れてさえおけば無罪放免」と部下は思いがちだ。すると、その後の「考える」作業、「提案する作業」がすべて上司の仕事になってしまう。それは、上司が指示を出さなければ動かないという「指示待ち人間」を肯定することに等しい。

p.147 忠誠心とは個人の中に自然に湧き出るものであって、忠誠心がある人を人事評価で優遇したり、あるいは忠誠心を持つことを強要するといった日本型の経営は、時代に合わなくなってきている。

p.150 部下に忠誠心がないのは本人のせいではなく、それを醸成できなかった上司と会社の責任なのだ。

p.154 部下は部下なりの優先順位を抱えている。にもかかわらず、上司が根性主義を押しつけてばかりいたら、部下は無理を無理と言えなくなり、結果として歪んだ優先順位に妥協せざるをえなくなる。

p.156 根性主義の弊害として、仕事の優先順位を歪めたり、言うべきことを言えなくしたりすることに加え、「本当の上方」がカモフラージュされるというリスクを指摘しておかなければならない。それは美辞麗句が蔓延するからだ。

p.166 そのようなときにNOと言うことができるか否かは、「辞める覚悟があるかどうか」にかかっている。
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【ジェネリック】 説明する要点はここだ!

2011-02-27 22:24:11 | ジェネリック de リ・スタート!
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃ ★ ジェネリック de リ・スタート!
┃  -治療レベルを下げずに、支払いはリーズナブルに-
┠────────────────────────────
┃       2010.10.17  Sun.   通巻69号
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 みたキタ企画、薬剤師のsukeです。

 このメールマガジンは、ジェネリック医薬品(後発医薬品)が
適切に使用されることを目的として、話題を提供しています。

◆ジェネリックの使用をためらっている一般のかた
◆ジェネリックの適切な使用促進に悩んでいる薬剤師
◆ジェネリックについて興味や関心のあるあなた

 といった皆さんにお読みいただきたいと思います。

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☆ ジェネリックについて説明する要点はここだ!
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 先週末は長野市で第43回日本薬剤師会学術大会が開催されました。
7000人を超える参加者がいたとのことですが、会場が分散しており、
地方都市にそれほどの人数が集まっていたとは気づきませんでした。

 せっかく長野まで行くのならと、私が楽しみにしていたのは蕎麦と栗。
 蕎麦は、腰があって香りが強く、細めの麺に濃いめのタレ。
 栗は、季節柄、「新栗」のモンブラン! 「新栗」で作ったものは、
通常時期のものと比べて、ひと味違うのだそうです。

 残念ながらモンブランは逃してしまいました。
 信州の秋は美味しいものがいっぱいです。
 みなさんも信州に行く機会があれば、ぜひお試しください!

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 さて学術大会でジェネリックに関するプログラムは、口頭発表やセッション、
ポスター発表のほか、ランチョンセミナーでも取り上げられていました。

 それらを見て、聞いて、感じたことは・・・

 近年の使用促進に関連して、これまで多くの機会でジェネリックについて
知る機会があったわけですが、どうも薬剤師はジェネリックについて、
うまく患者さんに説明が出来ていないような気がします。

 何を説明できていないかというと、下記4点に大別されるかと・・・。
●「同等」という意味について(「同じ」ではなくて)
●添加物の違いと、それが治療に及ぼす影響
●微量成分(不純物)の程度と、それが治療に及ぼす影響
●価格差が少ないジェネリックを使用する意義

 もう少しというか、改めてというか、薬剤師はジェネリックについて
勉強してみる必要があるのではないかと思いました。

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 患者さんも、ジェネリックについて、かなり知るようになっています。

 しかし・・・

 同じ成分で価格が安い、だけど先発品とは違うものらしい・・・、
わかっているようなのですが、それをどう受け止めて、自身の医療に
当てはめてよいのか、自身の判断材料や基準としての知識には
至っていないようです。

 薬剤師からジェネリックのことを知っていますか? と聞かれると、
知っていますと答えるのですが、では変更してみませんか? と聞かれると
何と答えてよいのか、詰まってしまうようなのです。

 ジェネリックの概要は知っていても、判断や行動に移せない・・・。
 この状態を変えていく必要がありそうです。

 薬局では、ジェネリックについて説明することになっているけど、
それは患者さんが理解して判断できる程度でなければいけないわけです。
 調剤報酬上、「説明することになっている」からとりあえず説明した・・・、
ではダメなんですね。

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 ランチョンセミナーでは、演者の関係者が経験した事例として、
 ある薬局に行き、ジェネリックを希望したところ、

 「品質は保証できませんが、それでもよろしいですか?」

 と言われたというエピソードが紹介されました。

 一同、唖然!

 何かあっても知りませんよー、薬局では責任はとれませんからね、
もし何かあっても、患者さんが変えたいといったのだから、と言っている
ようなものではありませんか。

 本当にそんな薬剤師がいるんかいなー、いったいジェネリックについて
どのような理解をしているのだろうと思わずにはいられませんでした。

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 話は元に戻って、上記4点について、薬剤師は自信を持って説明できる
ようでありたいものです。
 
 そうでなければ患者さんの同意が得られないばかりか、不安を抱えたまま
使用しているようだと、ふとしたことがきっかけで、「元に戻して欲しい」と
言われてしまいかねません。

 学術大会では、元(先発品)に戻してもらいたいという訴えに関する発表も
複数見られました。
 
 発表者は気づいています。

 「患者さんにもっと説明しておけばよかった」
 「この話題にも触れて、伝えておくべきだった」

 後から説明するのでは、言い訳のようにも受け取られかねません。

 薬局のために、ジェネリックに変更してもらうのではありません。
 自己負担軽減というメリットや、医療費抑制への協力という観点を前提に、
治療のレベルを変えずに従来の薬物療法を移行しようとするものです。

 患者さんの納得を得ること。まさにインフォームド・コンセントです。

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 ではこれらの説明をどうするとよいか。

 今後、ひとつずつ再考していきたいと思います。
 お楽しみに!

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 薬剤師のかたでは、ジェネリックを使用してみた患者さんから、
明らかにジェネリックにその疑いがあると思われる作用上の違いについて、
何かご経験はありませんでしょうか。

 何でも構いませんので、その時のエピソードを添えてお知らせください。

 取り上げてほしい話題、感想等、些細なことでも構いません。

 お送り先は、 tamsuke@gmail.com です。
(@は小文字の「@」に変えてお送りください)

 お待ちしています! それではまた次回! (^^)/

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☆☆☆【みたキタ企画よりお知らせ】

 みたキタ企画では、ジェネリックについてご相談をお受けしています。

●個人的な疑問がある、相談したいという要望(一般のかた)
●ある集まりで、話をして欲しいという要望(一般のかた)
●どうやってジェネリックを進めていくとよいか悩んでいる(薬剤師)

 ご要望があれば相談に応じますので、ご遠慮なくお知らせください。 
 現状から一歩前進できるよう、そのお手伝いができればと思います。

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☆☆☆ メールマガジン 【ジェネリック de リ・スタート!】

■発行 : みたキタ企画
■発行人: suke
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サービスの達人たち

2011-02-26 19:35:48 | Book Reviews
「サービスの達人たち」 野地秩嘉・著、新潮文庫、2008年11月1日

p.78-9 ブレンダーというのはガラスの温室で純粋培養される職種でなく、世の中へ出かけて行って、人情の機微に触れる生活を体験したうえで、取り組むべき仕事なのではないか。

 何よりも自身を磨こうとするのは、客に喜んで欲しいからだ。その笑顔に触れたいからだ。
 プロフェッショナルを目指した人はいない。自分の役割を極めたことで周囲が社会の中で認めた人だ。本人としては、プロとしてはまだ道半ばと思っているのではないだろうか。


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個人事業のはじめ方がすぐわかる本

2011-02-25 21:50:27 | Book Reviews
「個人事業のはじめ方がすぐわかる本」 池田直子・小澤薫、成美堂出版、2010年7月20日

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客が客を呼ぶ「集団感染」のスゴイ仕掛け

2011-02-24 19:57:31 | Book Reviews
『客が客を呼ぶ「集団感染」のスゴイ仕掛け ゼロから売上900億円つくった私の方法論 プロフェッサー杉村&高等マーチャント戦術研究室、ぱる出版、2007年2月2日

p.42 商品であれ、サービスであれ、あくまで主取扱商品は「こころ」であると理解したとき、おどろくべき常識破りのビジネス発想が生まれる。
 見込み客・ターゲットのこころを抜きにして、ビジネス成功はあり得ないことは、誰もが実感されていることだろう。

p.64 たとえば何かちょっとした込み入ったものを買うとき、高価なものであればあるほど、自分の命にかかわるものであればあるほど、セールスマンでなくプロフェッショナルから専門のアドバイスを受けたいと思うもの。
 人はいつも必ずよりすがる価値観を必要としている。 #generic

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潰れない生き方

2011-02-23 21:36:22 | Book Reviews
「潰れない生き方」 高橋克徳・著、ベスト新書246、2010年3月15日

p.3-4 自分のことを本当に理解して、どんなことがあっても自分のことを信じ、自分の味方になってくれる人なんて、そう簡単に出会えるわけはありません。でも、人はどこかでそういう人に出会いたい、そういう人にそばにいてほしいと願うものです。
 なぜなのでしょうか。それは、どんな人も自分の存在価値は、他者を通じてしか実感できないからです。自分だけで、自分は世の中に必要な人間だ、生きている価値がある人間だと思っていても、やはりどこかでそれは独りよがりなのではないかと、不安になってしまう。だから、誰かを通じて自分は必要とされているんだという確認をしたいのだと思います。

p.5 自分という人間を知り、自分の弱さを認め、そんな自分を情けないと思いながらも、でも何か憎めない、愛着を感じる。そんな自分を見つけることができれば、本当の自分を素直に人に見てもらうことができるようになるのではないでしょうか。

p.43 このように、前に進めず、“もうダメかもしれない・・・・・”と、あきらめかけた経験は、真剣に働いていれば誰にも必ずあります。問題は、そこであきらめるか、少し休んだり、後退してもいいから、それであきらめずに前に進み続けられるかです。

p.45 組織や人とうまくつきあいながら、あきらめない生き方をする。決して、成功や大きな成果を出して認められようと頑張る生き方ではありません。

p.53 具体的なリスクの判断が難しければ、重要度の見極めは「上の人間が言ったから」「稟議書だから」などではなく、「お客さんに迷惑をかけないこと」を最上位に置くことをすすめます。なぜならお客さんに迷惑がかかれば収益が減る可能性があるのに対し、社内の人間の場合は収益に関係ないことが多いからです。

p.53 仕事の優先度には、スピードなのか、効率なのか、利益なのか、品質なのか、創造性なのかという考え方があり、また人の優先度には、上司なのか、社長なのか、取引先なのか、顧客なのかという選択すべき対象があります。
 どれを優先するにしても、最後は「顧客のためになること」「社会のためになること」です。「社内よりもお客さんのため」という基準を自分の中にもたないと、結局うまく受け流すことができなくなってしまいます。

p.66 この(追いつめられた)ときに、「うまくいかなかったんだから仕方ない」と思えるかどうか。つまり、自ら気分をリセットすること。これは潰れないために重要な要素です。

p.88 注意しなければならないのは、傍観者でいることは周囲の人が追い込まれるのに加担し、自らも潰れる危険にさらしているということです。“傍観者は加担者である”という認識が必要です。

p.90-1 (自分を追いつめる上司やしくみと闘わなければならないとき)気をつけたいのは、価値観の違いで争わないことです。
 “人のため”という利他的な価値観を持つ人が、“お金が大事”という論理をもっている人と向き合い闘うと、こちら側がまず潰されます。

p.93 なぜ、自分の価値観、自分の常識どおりの行動をしてくれることを、期待してしまうのでしょうか。それは、相手の行動が予測でき、しかも相手は自分に対して不利益な行動はしないと事前にわかれば、安心できるからです。これが信頼感のベースになります。

p.95 自分の価値観に当てはめて、その価値観と異なる行動をとる人が間違っている、その人を正そうとする行為は、自分への驕りなのかもしれません。人はそもそも、それぞれ異なる価値観や考え方をもっているもの。いつでも、自分の期待通りの行動をしてくれるわけではないことを、意識しておく必要があります。

p.134 大きな不条理に遭ったときは、会社や人を見限ることも必要です。見限るにしても、見限らないにしても、大切なのは自分の感情が悪いほうに流されないことです。
 どうすれば、“人生誰しも不幸が降りかかることもある”と自分の感情を良いほうに変えることができるのでしょうか。このとき必要になるのが、“自分を信じてあげること”です。

p.159 大切なのは、“自分はすごいやつだ”という万能感ではなく、“悪くないじゃん”“これでいいじゃん”と、ありのままの自分を褒めてあげること。それが自分を認める力をつけ、ひいては自分を変える力につながっていくのです。

p.188 自分を大切に扱う→自分を認められる→他者を認められる→他者から認められる→自己肯定感(前向きな感情)→さらに自分を大切にする・・・・・。

p.188 潰れそうだという人は、まずはこの悪循環のもとである、自分を雑に扱うという行為を断つ必要があります。ここで自分を雑に扱うとは、自分の感情を、怒り、恨み、悲しみで満たして放っておくこと。つまり、自分の感情を傷つける、汚すことです。

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弱者の兵法

2011-02-22 22:43:23 | Book Reviews
「弱者の兵法 野村流 必勝の人材育成論・組織論 野村克也・著、アスペクト、2009年8月6日

p.52 取り組み方――真のプロと呼べるか否かは、そこにかかっていると私は思っている。いかにその仕事に全身全霊、全知全能を捧げて取り組むことができるか。それを実践できる人間をプロフェッショナルと呼ぶのである。

p.53 人間は何のために生まれてくるのか――私はやはり、「世のため、人のため」だと思っている。人生と仕事を切り離して考えることはできない。とすれば、人間は仕事を通じて成長し、成長した人間が仕事を通して「世のため、人のため」に報いていく。それが人生であり、すなわちこの世に生を受ける意味なのである。

p.54 「ヒゲや挑発・茶髪はなにより目立ちたいという自己顕示欲の現れであり、野球選手は野球で目立つべきであること、真剣に野球に打ち込んでいる選手はそんなことに気を遣う余裕がない」

p.57 「高校野球がどうしてあんなに人気があるのか考えてみろ」
 やはり一所懸命さなのだ。人間がもっとも美しく見えるとき――それはひたむきに、一所懸命なにかに打ち込んでいるときだと私は思う。その姿に人々は胸を打たれる。感動を覚える。

p.65 「ケガと故障は違う。ケガはデッドボールのような不可抗力で起こるもの。故障は自分の準備が足りないで負うものである」

p.68 「(試合に)出ようと思えば出られるのに、出ないのは、仕事を放棄しているように感じてしまう」

p.75 極端にいえば、いわれたことしかやらない、無理してまで働きたくない。給料のぶんだけ働けばいい、できれば無茶はしたくない・・・・・そんな考えの持ち主が増えたように見えるのだ。それが迫力を失わせてしまったのではないかと――。

p.80 「ファン(FUN)」とは、趣味に代表される文字どおりの楽しみ。対して「エンジョイ(ENJOY)」は「持てる力のすべてを出し切る」という意味が含まれるらしい。全力を尽くしたという充実感があるからこそ、「楽しい」のだ。
 プロ野球選手が仕事である野球に対して「楽しむ」という言葉を使う場合、当然「エンジョイ」の意味でなければいけない。

p.87 「満足は最大の敵」なのである。「満足」が「妥協」を生み、「これで精一杯だ」という「自己限定」につながってしまう。 #RM

p.95 速球派のピッチャーがよく「変化球を投げて打たれたら悔いが残る」という発言をする。が、これも私にいわせれば単なる自己満足である。もしくは打たれたときの言い訳を用意しているとしか思えない。
 いやしくもプロであるならば、気力と体力だけでなく知力まで持てる力のすべてを懸けて相手と対峙しなければならない。

p.108 「組織はリーダーの力量以上には伸びない」――これは組織論の大原則

p.114-5 三原さんは勝つためには手段を選ばず、どんなことでもやったのである。これは勝負師としては絶対に必要な要素ではあると認めるにやぶさかではないが、はたして、それでいいのだろうかと思うのも事実なのである。「手段を選ばず」というのは、卑怯な手を遣うという意味ではなく、目標を達成するために、全知全能を使い、あらゆる努力をするという意味ではないかと私は思うのだ。

p.124 (最近の監督には)すぐに結果を出すことが求められるようになってきている。そういう状況下では、どういうことが起きるか。手っ取り早く結果ばかりを追うようになり、勝つことだけにとらわれることになる。
 本来、監督の仕事とは(選手を)「集める」と「教える」と「鍛える」を並行して行うべきであるのだが、「教える」と「鍛える」が忘れ去られてしまうのである。

p.125 試合における監督の仕事とは、つきつめれば危機管理である。したがってマイナス思考であるべきだと私は思う。実際、名監督と呼ばれた人のなかにプラス思考はいないのではないか。

p.134 なぜいまの監督が知力を軽視するかといえば、それはほとんどの監督が「技術的限界」を知らないまま選手生活を終えているからだと私は考えている。

p.135 技術的な限界にぶつかれば、残るは「知力」を使うしかない。素質に知力をプラスできるかがプロとしてやっていけるかどうかの分かれ目となるのである。 #RM
 ところが、たいていの選手は限界を知る前に、つまり未熟のままで努力するのをやめてしまう。そして、問題を素質の多寡にすりかえてしまう。「おれには才能がないのだ」と・・・・・。

p.139 「克己心なき人間に勝利なし」
 したがって、監督は自分自身に負けてはならない。いい換えれば、「克己心」のない人間に監督は務まらない。

p.141 責任が重大であるからこそ、仕事量が膨大であるからこそ、克己心をつねに忘れないでいられるかが、監督の資格には絶対に欠かせないのだ。

p.147 「人気」先行がダメな理由の第一は、仮に好成績をあげられなかったとき、本来なら批判は監督に向かうべきなのに、それがコーチ陣やフロントに向かうことである。失敗の理由を監督以外のほかの人間に求めることで、問題の本質がすりかわったり、うやむやになったりしてしまうのだ。

p.151-2 財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とする
 プロ野球の監督も同様だ。どれだけの人材を育てたかということこそ、その監督が名監督であるかどうかをはかるもっとも明確な基準になると私は考えている。
 人を遺すことは(財産を遺すこと)それ以上に困難で大切なことであり、人を遺せば、財産も業績もついてくる――私はそういう意味を込めたのである。極言すれば、そもそも人間とは人間を遺すために生まれてくるのではないのだろうか。

p.152-3 (世の中の)みんなが財のことを最優先するようになっている。もっといえば、財しか考えなくなっている。だから結果しか見ないし、プロセスを軽視する。おとながそういう考えでは、まともな子どもが育つわけがない。

p.177 「自分の記録よりチームの勝利」「チームが勝つためにヒットを打ち、勝ち星をあげる」
 まずそのように考え、その結果、自分の記録も伸びるというかたちになるべきである。実際、不思議なものでそう考えたほうが結果はいいし、チームからの信望も得られるものなのだ。

p.198 仕事を通じて人間は成長し、人格が形成される。仕事を通して社会の恩恵に報いていく。それが生きることの意義である。
 そう考えれば、おのずと野球に対する取り組み方が変わる。取り組み方が変われば結果も変わるのだ。「人間的成長なくして技術的成長なし」とは、そういう意味なのである。

p.203 指導者が「勝てばいい」「技術指導だけをしていればよい」という誤った考え方をしているから、こういう恥ずべき行為を見逃すのである。その意味でも現代こそ人間教育が指導者には求められるのだ。

p.207 「人間は無視・賞賛・非難の段階で試される」

p.208-9 (無視、賞賛、非難)その段階ごとにそうされる意味を考え、どうすればいいのか自問自答したから、いまの私があると私は思っている。「ほめるだけでは育たない」と私がいうのは、そういう意味なのである。

p.209 ただし、叱ることを指導の基本にしている以上、私は叱り方には細心の注意を払っている。なかでも重要なのは、「結果論」で叱らないことだ。

p.214 指導者は、もしも選手が間違った努力をしているときは、方向性を修正し、正しい努力をするためのヒントを与えてやる必要がある。だから私は「監督とは気づかせ屋である」と常々いっているわけだ。

p.216-7 本人が気づく前に答えを教えられても、たいがいは聞く耳を持たないし残らない。それではほんとうに理解したことにはならないし、そもそも問題の本質がわかっていないのだから、身につくわけがない。失敗したからこそ、うまくいかないからこそ、自分のやり方はおかしいのではないかと気づき、正そうと考えるのだ。
 したがって、その選手が失敗しても何も感じていなかったら、指導者は問題意識を高めるようなアドバイスを与えながら、本人のなかで「間違っているのかもしれない」という疑問が高まるよう仕向けることが大切だ。
 それでも何も感じない選手はそれまでだが、もし「どうしたらいいのでしょう。どこが間違っているのでしょうか」と尋ねてくれば、そのときは絶対に突き放してはいけない。こうした機会こそ、徹底的に教え込むチャンスなのである。
 ただし、それでもなお、この段階で技術的な正解を教えてしまうのは決してプラスにはならないと私は思う。答えを与えられてしまえば、それ以上考えようおしなくなってしまう可能性が高いからだ。自分から創意工夫してこそさらに大きな成長を遂げるということは、すでにいたるところで述べてきたとおりである。

p.220 名選手が名指導者になれないのは、ここに理由がある。「おれができたのだから、おまえもできる」といって、自分のやり方をおしつけるか、「なぜできないんだ」と頭ごなしに叱ってしまう。その意味でも、現役時代に「感じ」「気づき」「考える」こそが大切なのである。

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「患者様」が医療を壊す

2011-02-21 21:58:21 | Book Reviews
『「患者様」が医療を壊す』 岩田健太郎・著、新潮選書、2011年1月25日

p.17 「正しい」振る舞いとは、その与えられたシチュエーションでベストのアウトカム(結果)を出せることをいうのです。

p.32 「ああ、私の主治医の先生は私なんかよりずっと偉大な人なんだ。この人について行けば大丈夫だ」
 でも、これは「患者さんにとって」得をする選択肢です。これは「べき論」ではありません。医療の世界はどうあるべきか、という問いではなく、医療の世界はこうしたほうが患者さんにとって得ですよ、という提案に過ぎません。

p.34 「人間を正当に評価するより、過大に評価した方がその人のパフォーマンスは上がる」

p.37 師弟関係が上手くいくのは、「師匠は絶対に偉くて、正しい」という幻想の世界に生きることです。それはもちろんファンタジーですよ。師匠だって間違いをやらかします。でも、そのファンタジーで生きているとき、その師弟関係は上手くいくのです。

p.39 指導医に怒鳴られたくらいで萎縮するような医者じゃ、プロとして勤まらないんですけどね。プロ野球のピッチャーに「そんなにたくさんの観客がいたら萎縮するといけないから、甲子園では投げないようにしとこうね」なんていいません。

p.42-3 おそらく、その背景にはゆがんだ形で能力主義の応用があるような気がします。アカウンタブルなもの、メジャラブルなもので人物を評価する。これが能力主義の要諦です。しかし、メジャラブルなもので人物を評価することくらい幼稚で未熟なことはないのです。
 測定可能であること、外的説明が出来ること、比較可能であること。これは要するに、みなアメリカの価値観です。

p.44 先生はあくまで先生なのですから、メンツをつぶすようなことをしないほうがよい。なぜなら、そのようなヴァーチャルな経緯、ヴァーチャルな上下関係こそが、医療現場の空気をよくするからです。医療現場の空気をよくすれば、それは医療のアウトカムをよくします。そうすれば、あなたも快適に医療サービスを享受できるのです。

p.44 医者患者関係と言っても普通の人間関係の延長線上にしかありません。
 医者だって人間ですから、感情を持っています。あからさまに敵意を示している人物には好意を持てないのが人情です。もちろん、プロですからあからさまに患者さんにイヤな顔をしたり、「あなたには好意を持てません」なんて言いませんよ。言いませんが、でもなんとなく患者さんとの間に、冷たい風が吹いてしまうのですよ。そういうものです。あなたが医者に好意を示していれば、医者だってそれを感じてあなたに好意を持ってくれる可能性が高いでしょう。

p.48 「お医者さんごっこ」は医者患者関係を円滑にし、医療現場の雰囲気を良くし、その結果医療の質が向上するためのツールです。あくまでツールなので、ここでドグマを持ってきてはいけません。

p.52 対立構造を払拭するにのは、常に「私はこれで正しいの?」という懐疑的な態度です。私は正しい、と主張する立場に対立構造の払拭は望めません。

p.55 だから、医者は患者さんの話をよく聞き、よく観察しなければなりません。自分の振る舞いの適切さは、患者さんのレスポンスだけが担保してくれるのです。患者さんのレスポンスは「嘘」をしばしばつくので、絶対的な担保にはなりませんが、まあ他に頼るものがないのですし、慣れてくれば患者さんの「嘘」もたいてい見抜くことが出来るようになります。

p.56-7 医者はプロですから、「お医者さんごっこ」というファンタジーにおいて達人になることが求められます。適切な振る舞い方を熟知しておく必要があります。一回、一回の外来における、入院病棟における患者さんとの出会いが全て弁証法的(ダイアレクティブ)な検証の場です。俺の振る舞いはこれで正しいのか?と目で患者さんに尋ねます。患者さんはアファーマティブな、全面的に同意する笑顔で「患者の役」を演じてくれているでしょうか。そうでないならば、どこをどう修正すればよいのでしょう。医者はプロとして、一所懸命弁証法的に「俺はこれで正しいか?」と問い続けるのです。

p.71 患者さんに共感するには、自然に共感できるようになるまで対話を続けなくてはいけないのです。ここでもダイアレクティブ、対話です。

p.73 患者さんとのコミュニケーションを掘り下げ、共感できるところまで落とし込んでやることで僕らは「患者の真意」を知るのです。

p.83 賢い患者になりましょう。
 賢くなってもいいですよ。でも、そうでなければならない、と決めつけるのはよくないのです。

p.169 このような隠蔽体質が製薬メーカーに、厚生労働省のような行政に、そして現場の医療者にまん延する時、「薬害」は起きるのです。過去の薬害の事例は判で押したように同じパターンでして、そこには「隠蔽」というキーワードが隠されています。

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コストゼロで人脈と売上を増やす仕事の仕組み

2011-02-20 11:34:33 | Book Reviews
「コストゼロで人脈と売上を増やす仕事の仕組み 相手の本音を引き出すビジネスメール力 平野友朗・著、ビジネス社、2008年10月7日

p.131 心理学には、接触回数が増すと好意度も増加するという「ザイアンスの法則」がありますが、メールでもこれは起こりえるのです。高感度の高いメールが届けば届くほど、相手はあなたに対して好意を持つようになります。

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儲けの教科書

2011-02-19 09:13:08 | Book Reviews
誰も書かなかった 儲けの教科書」 主藤孝司・著、宝島社、2006年6月1日

p.2 成功している起業家たちにはある共通点があることに気づいた。それは、彼らは例外なく自分のひらめきやアイデアを生み出す「直観」を大切にしているということである。

p.42 事業を開始するとき、どのような基準で商品や業界を選ぶのがいいのだろうか。理想としては、ビジネスを通じて自分の長所を活かし伸ばしていけること。さらに自分の成長が実感できるものだ。それであれば、順調に事業も拡大していき、利益もしっかりついていくことだろう。

p.46 起業して事業を立ち上げていくということは、利益の源泉を虎視眈々と狙っているオオカミの群れの中に放り込まれる羊と同じだという自覚を持たなければいけない。

p.57 「高級は大衆を兼ねる」
 これは、商品や情報の構成やカテゴライズを考えるとき、ターゲッティングを十分に行なったとしても、その業界や分野における「最も高級なもの」うぃはずしてしまっては、お客様の支持は下がってしまうという法則だ。カテゴリからは明らかに逸脱するものであっても、それがその分野における「最も高級なもの」であるならば、それは大衆を兼ねるものだからはずしてはいけない。コンテンツや情報がますます重視されてくるこれからのビジネスでは、絶対に忘れてはいけない法則だ。

p.74 営業トークに代表される効果的な売上を上げるテクニックは数多くあるが、それらに頼って作り出される売上は、短期的な売上としかならず、長期的に会社へ貢献するノウハウにまで昇華していくことはなかなかない。

p.139 システム化をスムーズに進められる会社は、まずアナログベースでしっかりとした作業ができている。

p.143 問題発見能力が高い人は、次の成長ステップが見えている。たとえば、ある商品の仕入れに100万円のコストがかかっていたとする。ここで「問題ない」と言う人は、その現状がすべてであり、それ以上の成長はない。しかし、「問題がある」と言う人は、本当は80万円で仕入れられることが見えているのだ。もっといい結果が出せるという未来が見えている。

p.149 従業員教育は、ただ責任者が仕事のノウハウを伝えることではない。その企業が目指すもの、真の企業理念や社長の考えを直接社長が語って聞かせなければいけない。社長自らがそれを伝えることが最大の従業員教育になっていく。

p.177 あなたがリフォーム会社を経営しているとして、だんだん注文が減ってきたら、それはチラシが悪いのではない。システムキッチンが古いなど、もっと根本的なことが需要に合わなくなっている可能性がある。それに気づくことなく、短期的なテクニックのチラシ作りに頼るばかりでは、本質的な問題が見えなくなるだけだ。
 そういった問題を抱えている社長は、短期的に儲かるテクニックを使ってはいけない。一時的に使って、売上が上がったときに会社の仕組みを変えていくという前向きな計画があるならばいいが、そういった考えがなければ、常に手っ取り早く儲かるテクニックばかりを追い求めていくだろう。お金が入ってくることで問題が解決されたような気になってしまうが、根本的な問題は先送りされたままである。

p.184 お店をよく利用してくれる優良なお客様や何度も利用してくれるリピーターを確保するための方法として、大人に会員カードやポイントカードを使って囲い込む方法は一般的によく使われている。だが、ポイントカードでつなぎ止められたお客様は、単純な損得勘定だけで、あなたのお店とつながっているだけかもしれない。もしそうだとしたら、もっとお得なサービスを提供してくれるお店が出てきたら、そちらに簡単に浮気されてしまうだろう。

p.192 人が何か行動を起こすときには必ず動機がある。
 あなたが、お客様に商品を買ってもらう、あるいは資料請求や問い合わせをしてもらうという行動を望むなら、その前にお客さまの動機を喚起しなくてはならない。そして、人が行動を起こす動機としては、二つの大きな要素がある。一つは痛みを避けたいという動機、もう一つは快楽を追求したいという動機だ。トイレにいきたいのは尿意を我慢する苦痛を避けたいからであり、すっきりと気持ちよくなりたいからである。ジュースを買いたいのはのどの渇きという苦しみを避けたいのと、おいしいジュースを飲みたいという快楽追求がある。どちらかというと痛みを避けるほうが切実である。


 あなたの薬局に、患者さんは何を期待してくるのだろうか。とにかく薬を欲しいだけなのか。薬をもらうだけなら、どこの薬局でも可能だ。近いから・・・、そういうこともあろう。あなたからもらうことで、安心が得られるという理由はないのだろうか。あなたからもらうことで、ようやく痛みの解消に向けて動きだせるという喜びを持って、薬局を後にさせることはできないだろうか。

 それにはどうするとよいのか。その期待を抱かせるには、どのような力量を身につけて、患者さんに係わっていくとよいのか。

 ただちにその答えが見出せなくても、少しでもそうありたいと考えながらアプローチを続けていくことで、ふとしたときにその糸口が見える瞬間があるのだと思う。まずは具体的なことがわからなくても、始めることだ。


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200メートルの行列ができる繁盛店はこうつくる!

2011-02-18 22:43:32 | Book Reviews
「200メートルの行列ができる繁盛店はこうつくる!」 山添利也・著、同文館出版、2010年5月14日

p.70 年末商戦で結果を出したいのなら、年末以前にお客様とつながっておかなければなりません。そして、その関係は、看板商品で築かれなければならないのです。

p.71 年に一度、年末だけの広告が意味するものは、「○○(店名)といえば××(商品)」、要するに、店の看板商品が特にないということです。

p.74 お客様との何気ない会話の中に、商品開発のヒントはたくさん隠れています。

p.108 あなたが大行列を作りたいと思っているその商品は、大行列ができるにふさわしい商品でしょうか? 少し時間はかかるかもしれないけれど、意図的に大行列を作らなくても、結果的に大行列ができる確率の高い商品ですか? 今は該当する商品を持っていないなら、心から自信を持って「おいしい」と言い切れる商品を作る覚悟はありますか?

p.167 「無理をするから成長する。だから俺は無理をする。だからお前も無理しろよ」

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認知症の治療とケア

2011-02-17 22:25:52 | Book Reviews
すぐに役立つ! 認知症の治療とケア 基本から実践まで 高瀬義昌・監著、じほう、2011年1月31日

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心が折れそうなビジネスマンが読む本

2011-02-16 22:43:16 | Book Reviews
「心が折れそうなビジネスマンが読む本」 中森勇人・著、ソフトバンク新書、2010年5月25日

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ネットで暴走する医師たち

2011-02-14 22:46:33 | Book Reviews
「ネットで暴走する医師たち 〈医療崩壊〉の深部で何が起きているか 鳥集徹・著、WAVE出版、2009年1月1日

p.228 想像してみてほしい。もし、教師限定の掲示板があって、そこで気に入らない生徒や保護者を誹謗中傷したり、事実無根のデマを垂れ流したりする教師がいたら。当然、その教師は、他の教師たちから糾弾されるだろう。
 専門家集団に対する社会の信頼は、みずからの内にある不正を許さないという、高い品位と自立性によって保たれている。

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ポイントカードをするのではなく

2011-02-13 12:17:34 | 薬局経営
 調剤ポイントカードをしていることに意味について、先に考察した。
 ならば薬局はポイントカードをしなければよいか、止めればよいかというと、それだけではこの問題の着地点として不十分ではないかと考える。
 
 ポイントカードは薬局の本質的サービスとはかけ離れており、値引きによって集客を図るツールであり、保険医療体制を崩すものである。その意味において、ポイントカードでなくても類似のことをしていれば、もしくはしようと発想するならば同じことである。そのような考えの背景には、少ない労力で、効率よく、どの店舗にも導入できて、売上増を目的とする企業的側面が浮かび上がる。

 だから当局からも「そもそも医療提供施設である薬局は、適切な調剤、適切な服薬指導で地域に信頼されるべき存在」(日刊薬業 2010.11.17)「薬剤師は医療の担い手、薬局は医療提供施設であり、より質の高いサービスを提供すべき」(同 2010.12.15)とのコメントが出てくる。進むべき道や本質を見誤ってはいませんか、という警告ともいえる。

 ポイントカード問題は、医療提供施設であろうとする薬局が、ますます企業化しようとする“薬局”がカンタンに客を奪おうとすることへの妬みではない。国民からすれば、薬局が本来の役割や責務を果たしてくれることが重要で、内輪でポイントカードを否定しているだけでは問題の本質は改善しない。仮にポイントカードが禁止されても、国民からすれば薬局の質の向上なくしては納得しにくい側面もあるのではないか。

 このことは以前、某県のある病院で院外処方せんの引き上げがあったときにも議論されたことを思い起こさせる。保険薬局で提供してきた価値が、病院側から利便性を突きつけられて十分な評価が得られなかったことと同根ではないかと思われる。

 よって今後、ポイントカード問題が決着しても、そこは通過点に過ぎず、ゴールではないと考える。薬剤師は医療従事者として職能を発揮し、薬局は医療提供施設として機能し、それによって国民から“薬局が自分たちの薬物療法の安全確保のために係わってくれるから安心して生活ができ、必要な存在である”との評価が得られるよう、常に成長を続けていかなければいけないのではないかと思う。
 少なくとも調剤報酬で新たに提示される課題にも取り組まなければいけないだろうし、それもカタチ作り程度の中身では不十分だろう。さらに新たな取り組みがあってもいい。
 薬局のあり方を再確認したうえで、さまざまなやり方や工夫をすることが重要ではないだろうか。

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