goo blog サービス終了のお知らせ 

まこの時間

毎日の生活の中の小さな癒しと、笑いを求めて。

祖国とは国語

2008-04-18 | 読書
ずっと前に「祖国とは国語」を読んだが、改めて読み始めた。
藤原正彦、数学者にして華麗なる文章家。
「国家の品格」を書いた人だ。
また、父は新田次郎(「八甲田山」など著)で、母は藤原てい(「流れる星は生きている」著)の次男様。
改めて読んだのは、テレビのニュースで最近漢字を書かずにひらがなが多くなったことで、すごくいらいらしてきたからだ。漢字の重要性を藤原氏は熱く語る。教養の源は、語彙を身につけることで、英語より、まずは日本語からと。
で、「国語は論理的思想を育てる。」と、言うことに同感だ。
小中学生までの読書は、情緒を養い、頼りない論理を補完し、人間のスケールが大きくなるとのこと。利害損得以外の部分がスケールとなるという。

極めつけは、「きょうだい」と、ニュースのテロップが出たときに、思わず
「なんで、ひらがなや!!」と激情するわたしに、主人が
「三人兄弟で、上ふたりが男で下が妹やから、兄弟では、女性蔑視になるんやろ」
なんと、ややこしい世の中になったものだ。

ひらがなで書かれると、かえって読みにくい。
気持ち悪い。すぐに判読できない。
だから、三人兄弟なら「兄弟妹」と、書いたらどうか。
四人姉妹なら「四姉妹」とか書くので、五人兄弟では「兄弟姉弟妹」と、書くと分かる?八人兄弟では、いらいらするかもね。これでは、かえって読みづらいか。

大学生の国語力が低下してきている。難しい漢字などは排除されていく。
新聞にも拉致、破綻、残骸を、「ら致」「破たん」「残がい」と、書かれるようになった。PCでは、かえって打ちにくい。読めても書けない漢字がたくさんあっていいのだと藤原氏はいう。
漢字には力がある。「危」と貼ってあれば、一字で理解できる。

しかし、どうだ。若い親がつける子供の名前の難しいこと。
読めない。これは、やはり漢字への憧れがあるのではないか。