世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
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どうするべきか資産の運用(今後を読む)⑧

2012-09-09 00:02:38 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 以上をまとめて、私が個人的にベストと考えるリスクオフの今後数年間の資産ポートフォリオは下記のようなものです(保険等は除く)。投資等のご判断は自己責任でお願いいたします。


【円の預貯金】:50%
 これからも円は主要通貨のなかで価値保全力が最も高い通貨であり続けるでしょう。見た目の金利は低いですが、わが国では今後もきわめて低い物価上昇率(あるいは緩やかなデフレ)が継続すると考えられるので、円預貯金の実質の利回りはプラスとなるものと予想しています。日ごろの資金繰りなども考慮に入れれば、円の預貯金の全金融資産に占める割合は50%程度がよろしいかと思います(参考までに日本の家計の現金預金の同割合は56.5%[2011年末時点:日銀データ]となっています)。

【金(ゴールド)】:30~40%
 金融危機が本番を迎えるこれからの時代のポートフォリオに金(ゴールド)は欠かせないと考えています。この瞬間にも(ユーロやドルの崩落を見越して?)中国やインド、ロシアなどの新興国が金準備を着々と積み増しているものと推測されます。個人投資家にとっても、欧米諸国の金融緩和の副作用=金利急騰・インフレ等に備える意味で、世界共通通貨としての金の所有が推奨されると思っています。

【日本株式】:10~20%
 株価はここしばらく停滞すると思いますが、政府による大規模な内需振興政策のもとで各企業の業績が向上し、建設・土木などの内需関連株を中心に株価が上昇していくものと期待しています。そもそもわが国は不動産バブル時代の不良債権処理をほぼ終えており、各企業の財務は相当に筋肉質になっています。手元資金も豊富です。そのため、ひとたび内需主導の景気回復が確認されれば、わが国企業が本来持っている高い技術力や創造力などが市場から正当に評価されるときが来るものと信じています。

【外貨預金・外債・外国株式】:0%
 リスクオフのこの時期に限れば、日本人が敢えてこれらをポートフォリオに組み入れる必要は無いと感じます。外貨の見た目の利回りの高さなどに惑わされないようにすべきと思います。円のリスクヘッジとして外貨保有を考えるのであれば、円よりも強い外貨を選択しなければ意味がありません。リスクオフ不等式「金>円>ドル>ユーロ」のとおり、つまりドルでもユーロでもなく、金(ゴールド)を持てばそれでいいということになります。

(続く)

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どうするべきか資産の運用(今後を読む)⑦

2012-09-07 00:01:29 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 はじめに株価ですが、日米市場ともにQE3開始直後は上向くでしょう。とくに米株価は2007年10月9日の史上最高値14,164ドルを更新するかもしれないと思っています。

 しかしこの株価上昇は緩和マネーの演出に過ぎず、決して実態としての企業業績を反映したものではないために、この上昇トレンドは長くは続かないだろうと予想しています。

 さらに、これまたここに書いたように、近いうちに欧州諸国ソブリン危機の深刻化や、米住宅バブルの最終処理につながる金融危機の影響で、大手銀行や住宅公社などの金融株が大きく値下がりするかたちで米株価全体が下落していくものと予想しています(もちろん個別の銘柄の中にはこのあと大きく値上がりするものも少なくないとは思いますが)。

 一方、わが国の株価の今後は、外需が当てにできない情勢のもと、政策によっていかに内需を盛り立てられるかにかかってくると思っています。つまり政府が建設国債等で超低金利の資金を調達して大胆な公共投資プロジェクトを展開すれば、わが国経済は外需が停滞しても十分に経済成長を達成できるはず。そうなれば(希望的観測含みですが)やがては建設・土木などの内需関連株を中心に少しずつ日本の株価は回復していくことでしょう。

 次に今後の外貨投資についての私的見通しを述べてみたいと思います。

 当然ですが、外貨(預金・債券)は各国中銀の量的緩和で価値の希薄化が進むため円に対してさらに安くなっていくでしょう。しかもアメリカやドイツ、英国などの金利は一段と下がると見込まれるため、日本人にとって外貨投資の魅力はますます薄らぐものとみています。

 豪ドルなどの資源国通貨・国債は、この緩和マネーがもたらす資源価格の高騰等により、対円レートや価格が上昇する期待もありますが、その逆にもっと下がるリスクも十分に想定されるでしょう。最大の資源購入国である中国の経済減速の影響で輸出が減少するとともに経常収支の赤字が拡大する懸念があるためです。

 やがて、低くはない確率で、ある時期以降、欧米各国の長期金利が一転してじわじわと上がり出すかもしれません通貨過剰発行・インフレの副作用です。そうなったら外貨は完全に敬遠ですね。決して金利上昇に幻惑されて外債などに手を出したりしないことが肝要でしょう。

 最後に日本円の預貯金(つまり日本国債)ですが、これまでと同じく低金利が続くと思っています。しかし上記のように外貨が円に対してさらに減価すると予測され、ガソリンなどの輸入必需品を含む物価の安定が継続すると期待されることなどから、円の購買力は外貨よりも高く保たれるでしょう。要するにこれまで通りのゼロインフレか緩やかなデフレが続くということです。

 そのため、たとえわずかしか利息が得られなくても、円の預貯金は、元本割れのリスクが高い外貨・外債・外国株式よりははるかに安全性が高く、実質的に高利回りとなるのではと思っています。

(続く)

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どうするべきか資産の運用(今後を読む)⑥

2012-09-05 00:00:11 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

 以上、2007年7月からの5年間の金(ゴールド)、円預貯金、外貨、株式(日経平均、米ダウ平均)の価格推移と投資対象としてのパフォーマンスを概観してきました。

 この間、名だたるファンドマネージャーが難解な金融工学を駆使して?取り組んだはずの外貨や外債や株式の運用実績は、おそらく多くの場合、「買ったら忘れる」(金[ゴールド])とか「預けたら忘れる」(円預貯金)といった呑気な?投資スタイルを選んだ人の運用実績にまったく敵わなかったことでしょう。

 さて、わたしたちの大事な資産運用に関して重要なのは、これらの価格が今後どうなっていくのか、ということ

 このあたりの鍵となりそうなのが主要中央銀行のこれからの金融政策だと思っています。中でもとりわけ大きな影響を世界経済や資産価格動向に与えそうなのが米連邦準備制度理事会(FRB:アメリカの中央銀行)のQE3(Quantitative Easing:量的緩和第3弾)。これが発動されればFRBは、米国債はいうに及ばずリスキーな?不動産担保証券(MBS)まで買い入れて大量のドルを市場に供給するといわれています。

 そうなればどうなるのか。リスク資産、つまり(ゴールド)や株式などの価格が上昇することでしょう。巨額の緩和マネーがこれらの価格を押し上げるとともに、QE3によって低金利政策の一層の延長が示されると考えられるためです。

 ここで金をリスク資産に分類することには違和感がありますが、ユーロが売られてドルが買われている現在、金は金融マーケットからそのように位置付けられているようです。近い将来、ドルのほうがリスク資産に転化し、一方で金が究極の安全資産となって世界中のマネーを引き寄せるだろうと推測しているのですが・・・。

 なお、そんな金価格の予想は先般「リスクオフ深刻化のプロセスと金(ゴールド)との関係 」に書きましたのでここでは省略し、次回以降は株価、外貨投資、預貯金に関する私的な見方を書いてみたいと思います。

(続く)

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どうするべきか資産の運用(この5年間を振り返る)⑤

2012-09-03 00:04:08 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)



 本稿では表題に関連して、①金(ゴールド)、②預貯金(円)、③外貨(ドル、ユーロ等)、④株式(日経平均・ダウ平均)のそれぞれの価格の推移を概観しています(上記グラフ)。本日は④の株式。

④株式(日経平均、ダウ平均)
 金(ゴールド)、外貨(ドル、ユーロ、豪ドル)、ダウ平均株価、日経平均株価のそれぞれの投資対象の中で最もパフォーマンスが低かったのは日経平均(日経225種平均)となりました。2007年7月の平均価格17,249円から2012年6月時点では同9,007円と、実に5年前の約52%の水準にまで縮小してしまいました。

 もちろん個別の銘柄の中にはこの5年間で値上がりしたものも多いし、一部には大化けしたような株もあることでしょう。しかし日経平均としてこれほど下がったわけですから、やはりこの期間はそれだけ多くの株が売られてきたことになります。

 その最大の原因はやはりこの間の「円高だと思われます。というのは、近年の日本の株式市場における売買の主役である外国人投資家が、多くの場合、円高になるとわが国の輸出企業の売り上げや利益が減るとの憶測から日本株を売ってきたからです。円高になったときに日本株を売って為替差益も得ようという思惑もあるでしょう。現在、わが国の株式市場における外国人の売買比率は全売買実績の60%をゆうに超えています。

 これに対し、多くの日本人はこのリスクオフの5年間、資産運用の対象として株式を敬遠する一方で、さらに預貯金割合を高めてきました。たとえば家計資産における株式・出資金の2007年末から2011年末までの対前年比を通算すると4年間で40%近くの減、一方で預貯金は同6%程度の増となります(日銀データ)。外国人が活発に日本株を売買する(売る)一方で日本人の同取引が停滞すれば、株価は外国人の「円高=日本株売り」の図式に従って低迷するのは当然だと思います。

 もっとも株価がさえないからといって、日本企業の経営が揃って危うくなるということにはならないでしょう。日本企業の直近の経営状態は悪くはありません

 実際、トータルとしての東証一部上場企業の決算は2011年度、東日本大震災やタイ洪水などの影響で利益こそ前年度比で減ったものの、売上高は1.8%の増収を確保しました。今年度は製造業を中心に生産回復やコスト削減が進展するために2011年度比で大幅な増益が期待されています(税引後利益で70%近い増)。このあたりが再認識されるとともに、復興需要等の後押しも受けて、日本の株価は下げ止まりから上昇に転ずるものとみています(期待を込めて)。

 次に米株式(ダウ工業株30種平均株価)ですが、この5年間で円換算にすると約36%もの値下がりとなりました。つまりこの間、かりに日本人がダウ平均に連動する上場投資信託等に投資していたとすれば、それだけ損失が出ている計算になります。もっとも本来のドルベースで見ると、2007年7月の13,212ドル(月平均)→2012年6月の12,880ドル(同)と下落率は2.5%程度に止まります。上述した金価格や外貨の推移と同様、ここでもこの期間の「円高」が大きな影響を与えていることが分かります。

 アメリカ以外のヨーロッパや新興国の円建て株価も同時期、やはり大きく下がっています。別な言い方をすれば、円で測定した場合の世界中の多くの企業価値がこの5年間で下がったということになります。マスコミの報道振りでは、日本の株価だけが大きく下がっているような印象を受けることがありますが、円を「ものさし」にして各国株価の推移を比べると、どこも日本と「どっこいどっこい」の下げ幅であることに気がつくことでしょう。

(続く)

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どうするべきか資産の運用(この5年間を振り返る)④

2012-09-01 00:03:43 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)



 本稿では表題に関連して、①金(ゴールド)、②預貯金(円)、③外貨(ドル、ユーロ等)、④株式(日経平均・ダウ平均)のそれぞれの価格の推移を概観しています(上記グラフ)。本日は③の外貨。

③外貨(ドル、ユーロ、豪ドル)
 2007年夏から5年経った現在、ドル、ユーロ、そして豪ドルのいずれの通貨も円に対して大きく減価してしまいました。豪ドルは74.9、ドルは65.2、そしてユーロに至っては59.6と、5年前の価値より25~40%あまりもしぼんでしまっています。

 もちろんこれらの外貨を預金や国債として持っていれば利息相当額の受け取りはありますが、とても為替差損分を埋め合わせるほどにはならないでしょう。当時から退職金や年金の運用をこれらの外貨預金や外債で行っている人も少なくないでしょうが、きっと今頃「あのときの高い利回りにつられて外貨預金なんかするんじゃなかった・・・」と深く後悔されていることでしょう・・・。

 以前、日経新聞に、FX(外国為替証拠金取引)をしている人で利益を上げているのは全体の2割程度、といった記事が出たことがあります。それはそうだろうと思います。上記のグラフを見れば分かるとおり、この5年間に限定すれば、どの外貨も円に対して下がり続けているわけですから。よほど売買のタイミングを上手に捉えないと、最強の通貨・円を敢えて売って円よりも弱い外貨を買うことで利益を上げ続けることが難しいのは目に見えています。

 その意味では、日本政府の円売りドル買い為替介入や日銀の金融緩和策(これらにより円高トレンドの中で瞬間的に?円安外貨高となる)は、レバレッジを効かせてFXをしている「ミセス・ワタナベ」(日本人の個人投資家)救済策といった側面もあるのかもしれません。

(続く)

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