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【米国債売れぬ中国、なのに怯える米国…(どちらも泣)】米中貿易戦争が教える両国の残念ぶり⑦

2019-06-05 00:03:58 | アメリカ

前回からの続き)

 互いに相手からの輸入品に高率の関税を賦課するなど、米中貿易戦争はますますヒートアップしているところですが、これに関連して、アメリカには現在、中国が対米報復措置として米国債の売却に動くのではないかとの憶測があり、実際に米金融メディアでもこのあたりにふれたレポート等が目につくようになっています。

 こちらの記事等そして前回も書きましたが、アメリカ最大の国家的弱点(国家維持のために外国に頼らなければならない点)は「金利」であり、米国債の売却はここに対するダイレクトアタックになります。これを中国に派手にされると・・・米国債の価格が暴落し、長期金利が急騰して資産バブルが崩壊、これにともなって金融システムもメルトダウンし、ドルは通貨としての信認を失って・・・アメリカは存亡の危機に直面することになりかねません。だからこそ上記のような報道が出てきているのであり、それはつまり、アメリカが真に戦慄すべき事態がココ―――金利暴騰―――にあり、世界一の米国債ホルダー中国がその破局を演出できてしまうことへの恐怖感の表れでもあります・・・

 ・・・って個人的には、中国は対米貿易戦争の戦術として米国債売却は選択しない、というかできないだろうと予想しています(って、自信はまったくありませんが・・・)。理由は、中国は引き続きアメリカにモノを売って「価値のあるもの」であるドルをもっと欲しがっていると考えられるため。前述のとおり、中国発展の源泉は対米輸出利益であり、それはドルの姿をしています。であれば、中国が採るべき対米政策の方向は、輸出を妨げる関税障壁を撤廃させて従前のようにドルを稼げるようにすることになるはず。そのドルの価値を自ら暴落させかねない米国債売却は、中国自身にとっての利益をも激減させることにつながるからNG、というわけです(?)。ゆえに、アメリカの皆さんは現時点でそこまでビビる必要は無いと思います・・・って、上記の憶測等が広がっているってことは、心底から中国のこの手の反撃に怯えているんですね、よ~く分かりますよ、ううっ・・・(泣)

 中国が対米戦術として米国債売却に動くのは、自国の安全保障が脅かされるとき―――たとえば、台湾独立をアメリカがあからさまに後押ししたときとか、尖閣諸島の領有権を巡って日本との間に武力衝突が起こったとき、など―――だと考えられます(?)。そのとき中国は、返り血を浴びること―――自身の上記利益が減ること―――は覚悟のうえで、これらに伴うアメリカの軍事アクションを阻止するため、相当な額の米国債を売るでしょう。そうすれば、中国はかなりの確率でアメリカの動きを封じることが可能だと思われます(?)。いっぽうのアメリカからすれば、中国にこうした捨て身の攻撃をされるわけには絶対にいかないから、中国の目論見のとおり、オトナシクする(上記紛争時に台湾や日本の肩を持たないようにする)しかありません・・・(?)

 ちなみに、このようなとき、中国の中銀である中国人民銀行の資産評価額が、米国債売りによって急減し、それに裏打ちされた人民元の価値も急落して、インフレが巻き起こるリスクがあります。これを回避するために人民銀は、おそらく金準備の評価替えをしてバランスシートの規模を保とうとするのではないかと考えています、具体的にはこちらの記事に書いたようなやり方で・・・って、繰り返しですが、はたしてかの国の当局に、こうした金本位制に近い通貨制度を器用に運用することができるのだろうか、との疑問はどうしてもぬぐえませんが・・・

(続く)

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