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【実質金利:マイナス3%!?】日銀「異次元緩和」が終わっても国債暴落は起きない④

2014-08-07 00:05:30 | 日本

(前回からの続き)

 本稿冒頭でご紹介のとおり、現時点の長期金利は0.5%台前半。これに対して直近(今年6月)の消費者物価は「アベノミクス」(意図的な円安インフレ消費増税)効果で対前年同月比3.6%もの上昇です。ということは、わが国の現在の実質金利は何とマイナス3%! これは、預貯金程度のローリターンな資金運用では1年後、元本の実質的な価値が3%程度、確実に減ることを意味します。

 以前から本ブログで通貨としてのの強さを実質金利の高い順として「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」とたびたび表現してきましたが、わずかのあいだに円は「新興国通貨>円」、つまり一部の新興国通貨よりも実質金利が低い(マイナス幅が大きい)「最弱」の通貨になってしまいました・・・!?

 このため、資産のほとんどを預貯金で持っている人々―――要するに平均的な日本人の実質的な資産価値はこの1年で目減りしたはずです。だから「このままではマズい! 少しでも利回りの良い資産に資金を振り向けよう!」というムードが今後、国民のあいだで少しずつ高まっていくかもしれません。

 じつは投資家にそう思わせることが、つまり無理矢理(?)実質マイナス金利を演出してジャパンマネーにリスク資産への投資を促すこと(≒資産効果の拡大)こそが、日銀の「異次元緩和」、そして「アベノミクス」の大きな目的のひとつであるわけですが・・・(いや、それこそアベノミクスの最大の目的かもしれない)。

 ところが・・・国内外のマーケット環境は前回書いたような不透明な状況にあります。したがって本邦金融機関としてはリスク資産(株式や外国債券など)への投資をなかなか増やすことはできません。「うーん、どうしようかな~」とあれこれ迷った末(?)、緩和マネー(日銀に国債を引き受けてもらうなどして手にしたキャッシュ)の多くは、マイナス金利下であるにもかかわらず、結局は0.1%/年の付利と引き換えに引き続き日銀当座預金口座にとどまることに・・・。

 「それでは実質的な資産価値は下がる一方ではないか!」といった声が飛んできそうです。たしかにそうかもしれません。上述のとおり実質金利はマイナスなのだから。でもこれはあくまでも昨年と比べた「いま」の時点の話です。

 問題はこの後です。つまり、これまでの1年と同じようなペースでこれからもインフレが続くのか―――日銀の目標「消費者物価の前年比上昇率2%」はこの先も継続的に達成されるのだろうか、ということですが・・・。

(続く)


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