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【脱原発≒脱円安】脱原発の条件:燃料代引き下げ③

2013-11-23 00:00:08 | 原発

(前回からの続き)

 結論からいうと、脱原発派はLNG、石油、石炭といった輸入燃料価格をいかに低く抑えるか、について、明確なポリシーを打ち出さなくてはならない、と考えています。なぜなら脱原発派は、原発を選択しない以上、今後(代替エネルギーが開発されるまでの)少なくとも十数年間ほどは、火力発電に大きく依存せざるを得ないからです。したがって真に原発ゼロを目指す立場から「こうした方策によって火力燃料価格を引き下げてみせます!」といったアピールが不可欠となってきます。

 ではどうやって燃料価格を低いレベルに抑えるか、ですが、一番即効性があって効果的なのは、為替レートを輸入に有利な方向、つまりいまよりも円高ドル安に持っていくというもの。だからといって大げさなことをする必要はなく、いまの日銀の金融政策「異次元緩和」を微調整するだけで円安修正は進むとみています。たとえば目標インフレ率を現行の2%から以前の実質0%に戻す、あるいは1%に下げる、くらいでもよいかも・・・。

 ここで、もし日銀が金融政策の修正に難色を示す場合は、円安是正のために政府は円買いドル売りの為替介入を行うことになるかもしれません。しかしこれだとアメリカの金利上昇をもたらしてアメリカ様にご迷惑をおかけすることになりかねないため、政府が介入をほのめかせば日銀は折れる(異次元緩和を縮小する)と見ています。

 まあ金融政策「異次元緩和縮小」それとも為替政策「円買いドル売り為替介入」のどちらをとるにせよ、これによって円高になれば輸入燃料の円建て価格が下がり、燃料費調整額がマイナスとなって電気料金は下がるでしょう。先の例でいうと、為替レートが1ドル100円から昨年並みの同80円に戻れば電気代が6%ほども安くなる計算になります(東京電力:一般家庭平均モデル)。

 為替レートがいまより円高方向に進めば、アベノミクス開始以降、対前年同月で増え続けている貿易赤字の縮小も期待できます。先日こちらの記事に書いたとおり、政府・日銀の誘導で円安状態となっているのに日本の貿易収支は黒字どころか赤字が拡大する傾向にありますその最大の理由は輸入燃料の円建て価格の値上がりです

 一方、輸出額は輸入額の伸びに見合うほど増えてきません。自動車メーカーの多くがそうであるように、すでにわが国のおもな輸出企業は「完成品」の生産拠点をとっくの昔に海外に移転していること、そしていま日本の主要輸出品となっている資本財(企業が使う機械等)とか中間財(完成品のコアパーツ等)は円安になったからといって急に大量に売れたりする性質のものではないこと、などから、今後円安が続いても輸出は数量も売り上げも伸ばすことは難しいでしょう。

 かくしてJカーブ効果は期待薄、貿易赤字は拡大し、わが国の国富はジワジワと減少していく―――。そんな事態はぜひ回避したいでしょ!? で、脱原発派は貿易収支の改善を図るという国益の観点からも「強い円」の利点を説くわけです。

 火力発電への依存度が高い脱原発派としては、上記のように、輸入燃料の調達コスト低減と貿易赤字の縮小をもたらす円安修正のメリットをアピールしつつ、これに逆行する「アベノミクス=円安誘導」の政策的な「愚かさ」を突けば、原発推進派に十分に対抗できるだけの支持を得ることができるだろうと思っています。なぜって、足元ではアベノミクスの円安インフレが国民生活を脅かしつつあるわけですから・・・。

 ということで、今回の表題のとおり、「脱原発」の必要条件は「脱円安」である―――このように考える次第です。

(続く)


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