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【アベノミクス≒原発推進】脱原発の条件:燃料代引き下げ②

2013-11-21 00:04:45 | 原発

(前回からの続き)

 前回、原発が止まって火力発電への依存度が高まっているわが国では、エネルギー資源をいかに安定的に、そして安い価格で調達するか、が重大な国家的課題であると記しました。

 さて、安倍政権と日銀が推進する「アベノミクス」ですが、はたしてこの課題に真摯に向き合っているか、といえば「?」なのではないでしょうか。それどころかむしろ逆行しているような気が・・・。

 こちらの記事を含めて本ブログでいろいろ書いてきたように、アベノミクスは日銀の「異次元緩和」による通貨安誘導で輸入品、とりわけ輸入燃料の円建て価格を意図的に引き上げることでデフレを解消しようという荒業に出ています。これが奏功し、この1年間(アベノミクス開始時点:昨年11月)で円はドルに対して20%も下落する一方、これに反比例するかたちで電気代、ガス代、ガソリン代や灯油代が大きく値上がりしているところです。東京電力を例にとると、燃料価格の変動を電気料金に織り込むという燃料費調整制度により、今年11月の電気代(一般家庭平均モデル)は7946円と、昨年11月(7464円)から6.5%も上がりました・・・。

 ある意味、これはアベノミクスの狙いどおりの成果といえるもの。なぜって、円安誘導で電気代などを引き上げたら・・・家計等のエネルギー支出の増→個人消費の増→GDPの増→消費税率引き上げOK!となったわけですから。高いGDP成長率達成と財政健全化へ一歩前進!で安倍首相や黒田日銀総裁のいまのお気持ちは「燃料代 上がってうれしい アベノミクス」といったところかな・・・?(ヘタな川柳ですみません)

 「いや、円安はうれしいのかもしれないが、いくら安倍さん黒田さんでも、電気代が上がってうれしいはずはないだろう」―――(おそらく・・・)そうでしょう。この日本で電気を使わない人なんていないはず。だから誰にとっても電気料金は安ければありがたいし高ければつらいわけです。これはアベノミクス支持者にとっても同じこと(だと思うけど、違うかも?)。

 かといって、いまの政府・日銀には電気代高騰の最大の要因である円安モードを解除することはできません。これまで書いてきたとおり、円安誘導こそアベノミクスの生命線だからです。

 それでもそろそろエネルギーコストを下げないと国民の不安が高まってアベノミクスの支持率が下がってしまう懸念が出てきます。「円安」はやめられない、けれど電気料金は安くしないとマズイ・・・で、安倍政権はどうするかというと、「原発再稼動」に乗り出すわけです。なぜなら原発は、発電コストに限れば火力発電よりも安い―――発電コストに占める燃料費の割合が火力発電よりも小さいうえ、その燃料代(ウランの円建て輸入額)はLNG、石油、石炭の円建て輸入総額よりもずっと安いというアドバンテージを持つからです。

 かくして、円安誘導にこだわるアベノミクスは必然的に原発推進路線を選択せざるを得なくなる、というのが私の読みです。円安状態を維持しつつ、原発再稼動によって火力発電への依存度を下げ、火力燃料の輸入量を減らしてエネルギーコストの上昇を抑えようという戦略です。うーん、それなりに筋が通っているように感じられますが・・・。

 さあ、そこでどうする? 脱原発派・・・。

(続く)


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