世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【公的機関もギリシャ債務減免に加わるべきだが・・・】これから始まる?真のギリシャ危機③

2018-08-25 00:00:11 | ヨーロッパ

前回からの続き)

 近い将来、借金減免が取り沙汰されることになりそうな(?)ギリシャ。その債務の大半が「公的」機関つまりEUECBIMFから借りたものです。その額は約2700億ユーロと、同国のGDP(1800億ユーロくらい)の1.5倍にもなるスゴイ規模です。一方の「民間」銀行等に対する債務はすっと少ない数百億ユーロ程度ですから、たとえこれらの全額が減免されても大した救いにはなりません。やはりこれら「公的」な債権者も相当額をヘアカット(放棄)しなければ、実効性のあるギリシャ救済策にはならないでしょう・・・

 ・・・って、これが非常に難しいことは言うまでもありません。なぜならその融資金は、これら機関に所属する各国・・・の納税者等から集めたものになるからです。ゆえに、いくらギリシャが加盟国仲間であるとはいっても、(おそらくは)数百億ユーロもの債権を放棄するのを見過ごすわけにはいかないはずです。それは他の加盟国民の資産を失わせることになるためです。したがってこの調整、難航を極めそう・・・

 ・・・それでも、この手以外にないので、これで進めてみることにしましょう。まずはヘアカット率を高い順に並べると上記から当然「民間」>「公的機関」となり、公的機関の中では「EU・ECB」>「IMF」となります。EU・ECBはEU圏諸国だけの組織ですが、IMFは欧州のみならず日米中を含む世界中の国々が出資している組織だからです。これらを合わせた対ギリシャ債権の放棄割合の高さは「民間>EU・ECB>IMF」となります。ここまでは、まあそうだろうな、といった感じかと思います。

 ですが・・・このうちIMFは現実的には同国債務の減免に1ユーロたりとも応じられないはず。上記のようにIMFの融資金は、もとはといえば世界各国民の資産の一部だからです。したがってこれを受諾することは当該資産を失わせることになるし、こうしてギリシャを助けることは、IMFの融資金をちゃんと返済している他の国々の中で同国だけを差別的に優遇することにつながるわけです。これは当該借入国ばかりか、IMFの大スポンサーである日本としてもとうてい納得できないものです。

 以上により、IMFのギリシャ債権のヘアカットはあり得ないということになります。ということで残ったのは・・・最大の債権者であるEU・ECBになります。よってこれらが大幅な債権放棄を受け入れるのがもっとも妥当な解決策、というよりも、それしかないでしょう、どう考えても。これならばIMFとは違って、日米中など、少なくとも欧州以外の諸国は自分たちのおカネが消滅することがないので受け入れ可能でしょうからね(?)。あとはEU内で話し合って決めてもらえれば・・・

(続く)

金融・投資(全般) ブログランキングへ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする