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【米、ドルの地位を脅かすビットコインを厳しく規制へ?】ビットコインは本当の通貨に進化できるのか③

2017-12-25 00:01:37 | 世界共通

前回からの続き)

 前述した理由から、ビットコイン(のような世界共通的な通貨)の流通拡大に危機感をもっとも募らせるであろう国は、最大の経常赤字国であるアメリカになります。対外支払いの方が受け取りよりもつねに世界一多い状態が続けば手持ちのビットコインがあっという間に尽きてデフォルトに追い込まれるからです。逆にビットコイン等のこれ以上の台頭を阻止、ドルが引き続き基軸通貨の座に留まれば、アメリカは現状を改善させる必要はありません(?)。いざとなればドルを刷れば売り手側がいくらでも受け取ってくれる(?)ので支払いに窮してしまうはずがないためです。これこそアメリカ・・・のドルだけに認められた(?)特権中の特権であり、アメリカ随一の国益といえます。

 ・・・考えてみれば、ドル」というアメリカ一国の通貨が世界の決済通貨の役割を担い続ける―――これ、「トリフィンのジレンマ」(流動性のジレンマ:基軸通貨の供給とその信用の維持は同時に満たすことはできないという矛盾)を引くまでもなく、常識的にも相当に無理がある制度といえるでしょう。この矛盾を排除するための提案がこれまでもいくつかなされてきました。代表的なものが終戦前にJ.M.ケインズらによって提唱された「バンコール」(国家間交易に使用される会計上の通貨)に基づくシステム、最近では2009年、中国人民銀行の周小川総裁がリーマン級の巨大金融危機発生を免れなかった反省に立ってIMFのSDRを国際決済通貨に採用すべしと訴えています。いずれも国家間交易に特定国通貨ではなく世界共通の媒介単位を使おうというもの。ご存知のとおり、これらは(上記ドル特権を失う)アメリカの反対等によって実現はせず、今日に至っているわけです・・・

 そしてビットコイン登場。これバンコールなどよりもある意味で過激かも(?)。というのはバンコールおよびSDRの使用が国際的な取引のみに限定、各国の国内においてはその国の独自通貨が流通するという世界を想定しているのに対し、ビットコインは国内外の区分なく利用可能となりそう(?)だから。つまり・・・極端な例をあげると、世界中のスーパーにおける日常的な買い物と商社の原油輸入の決済通貨がともにビットコインになる、といった感じでしょうか。これがアメリカ・・・のような慢性的な赤字国にとってマズいのは、上記のとおり通貨そのものの枯渇がもたらされかねないため。上記バンコール等制度では経常赤字国は自国通貨が安くなるので輸入を抑制、その代替産業を育成しつつ通貨安を利した輸出主導策を取ることなどで経常収支の好転を促す、みたいな政策的対処が可能だけれど、外貨と内貨の区別のないビットコインではそれが不可能になりますからね・・・(?)

 以上により、ビットコインはバンコール等よりもリスキーと判断してアメリカは、近い将来、自国の国益=ドルを守るため、ビットコインの全面禁止を含めた取引等の規制に乗り出す・・・ような気がします(?)。もちろんその際の大義名分はマネーロンダリングとか各種詐欺行為を防止できないため、などといったものになり、本音の理由=ドル防衛は表には出てこないでしょう。このあたりを含め、アメリカが今後、ビットコインにどのような姿勢を示すのか注目されるところです。

(続く)

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