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どうするべきか資産の運用(この5年間を振り返る)③

2012-08-29 00:03:42 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)



 本稿では表題に関連して、①金(ゴールド)、②預貯金(円)、③外貨(ドル、ユーロ等)、④株式(日経平均・ダウ平均)のそれぞれの価格の推移を概観しています(上記グラフ)。はじめに①の金と②の預貯金(円)から。

①金(ゴールド)
 まさに一目瞭然。この5年間に最高のパフォーマンスを示した投資対象は(ゴールド)という結果となりました。5年前から1.5倍以上の値上がり(100→156.4)となっています。これらの背景や推移の詳細などについては前回の投稿「金価格で測った各通貨(各中央銀行)のパフォーマンス 」をご覧ください。

 一方、ドル建ての金価格は同時期に約2.4倍(665.3→1,596.7ドル/トロイオンス)もの上昇となっています。円建て同価格上昇率の約1.6倍です。この差は為替の差。この間、1ドル121.7円から79.3円へと、円はドルに対して1.5倍以上もの上げとなりました。これも先日書いたとおり、金価格で測定した同期間の通貨の価値保全力の比較で、主要通貨中、円が最も高かったことによるものです。金の円建て価格の上昇率はどの外貨建て価格よりも小さいけれど、逆にいえばそれだけ日本人は金を最も有利な環境で買える立場にあるといえそうです。

②円建ての預貯金
 金に続く価値増加率で第2位の資産は円建ての預貯金となります。要するに日本国債といってもよいかと思います。上記グラフに預貯金のデータはありませんが、5年前、どの預貯金を選択していたとしても、現在の預貯金価格はおそらく元本の100にほんの少し毛が生えた程度と思われます。ご存知の通り、この数年間のわが国の預貯金金利は年率1%を切る超低金利となっているからです(ちなみに現時点の銀行普通預金金利は年0.020%!)。

 それでもここで重要なことは、預貯金には元本割れがないこと。受け取る利息の額はほんのわずかかもしれないけれど、もし5年前に後述するようなリスク資産(外貨、株式)を買っていたら、資産が増えるどころか元本割れとなり、大きな損失が生じていたところでした。その意味では、円預貯金は、元本がしっかり保全され、しかも利息が付く分だけ、このリスクオフの環境では有り難かったと考えるべきなのでしょう。

 ちなみにわが国のこの5年間の通算のインフレ率はほぼ0%。したがって微々たる金利収入しか得られなかったとしても、この間、堅実に円の預貯金をしておけば資産価値を保つことはできたということができそうです。極端な話、「たんす預金」(当然、利息はゼロ)でも外貨を買って損をするよりはよっぽどよかった、ということになりますね。

 現在の日銀の金融政策には批判も多いようですが、ある意味、少なくとも物価の安定や円の購買力維持の観点からは、日銀はこの期間、適切な通貨管理を行ってきたということができそうだと思っています。

(続く)

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