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国債格付け「AA-」の日本円に負ける「AAA」諸国通貨⑤

2012-08-07 00:02:30 | 世界共通

前回からの続き)

 ところで何となく気になっているのが、最近はこの「安全かつ実質的に高金利」に誘われるように、外国人日本国債を買い増していること。

 日銀によれば、2011年度末時点における海外勢の日本国債の保有残高は約76兆円、国債発行残高に占める構成比は8.3%と、年度末ベースでは過去最高となっています(下記グラフ)。外国人による同保有率が上昇すると、彼らの「売り浴びせ」などにより日本国債の価格や利回りの安定度が揺らぐリスクが出てきます(それでも日本国債の90%以上が日本人保有となっているので、現時点ではそれほどの懸念はないだろうとは思いますが・・・)。



 もっともこの外国人の国債保有率ですが、今後上がったとしてもせいぜい数%程度だろうと見込んでいます。世界的な金融不安の高まり(円高外貨安)のなかで、わが国の経常黒字がもたらす日本人の貯蓄の多くが引き続き日本国債で運用されると思われることや、日本人の外貨建て資産のかなりの部分が円に回帰すると推測されるためです。

 ちなみにオーストラリア国債の外国人保有率は何と80%以上!ということは、何かをきっかけに彼らが豪国債を売り出せばあっという間に価格が暴落(利回りが上昇)するリスクがあります。いくら自国通貨建てとはいえ、オーストラリアはこんなに外国から借金して大丈夫?というのが素直な印象です。

 オーストラリア経済に関しては、対中輸出依存度が高過ぎるといった見方や、住宅バブルをめぐる懸念が指摘されていることなど、不透明な要素も見られます。はたして今後も豪ドルや豪国債が多くのマネーを引きつけることができるのか、そしてどこまで高い国債格付けを維持できるのか、個人的に注目しています。

 日本国債に話を戻します。

 次に日本国債で見逃せないポイントは格付けが相対的に低いこと。リスクオフで避難先を求める巨額マネーは、まずはAAAクラスの高格付け国債(米国債、ドイツ国債、英国債など)に押し寄せるでしょう。実際に投資ファンドのなかには高い格付けの債券しか運用資産に組み込まないところも多くなっています。一方で格付けが最高位ではない日本国債は、今後しばらくはこれら高格付け国債ほどには海外マネーを集めないだろうと予想しています。

 皮肉な話ですが、国債格付けAA-の日本の円に対して減価を続ける通貨を持つ国々の国債格付けがどうしてAAAなんだろう?と不思議に思いつつ、日本国債の低い格付けが浮気な海外マネーの大挙襲来を防いでくれている!などと、内心でこのAA-の格付けに感謝したりしています。

(「国債格付け『AA-』の日本円に負ける『AAA」諸国通貨」おわり)

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