Straphangers’ Room2022

旧Straphangers' Eyeや習志野原の掲示板の管理人の書きなぐりです

変位種に見る検疫の不備

2020-12-26 14:57:00 | 時事
変位種が大騒ぎになっていますが、インフルエンザのようにA型、B型といったパターン化できるようになるのか。ワクチンが汎用的に効かなければ、毎年流行をにらんで生産を傾斜しないといけませんね。製薬会社側も6週間あれば生産可能といってますが、裏を返せばオーダーメードが必要ということですから。

ただ今回の変位種を巡る報道と検疫制度の変更を見てアッと思ったのが、変更時にも思ったとはいえ、結局日本の検疫体制がザルということ。

入国時の隔離検疫がそもそも他国と違い「自主待機要請」という時点でザルなんですが、7日以内の短期出張者特例で、相手国出国72時間以内あるいは帰国時の空港での検査で陰性と、14日間の公共交通非使用と行動計画提出(出張命令を出した企業が責任者になる)を条件に自主待機が免除されていますが、その対象が全世界なんですよね。低リスク国に限定ではなく、入国拒否対象国も対象になっています。英国と南アは慌てて対象外にしましたが、オランダや豪州など英国由来の変位種が確認されている国は未だ対象です。

百歩譲って自主待機としても、14日間の緩和対象は日本よりリスクが低い国限定でしょう。
計画書を提出したら、帰国後すぐに出社できるわけで、会社では個室で必要最小限の関係者のみと接触を、ということは、万が一の際には「濃厚接触者」が続出することを前提にしているわけで、欧米を対象としている時点で脇が甘い以前のノーガードです。

そんな大甘は低リスク国では容認されない、と自覚しているのか、7日以内の滞在の定義として、現地での隔離検疫期間を除くとあるわけで、14日間(例えばタイだと到着日を0日目として丸14日間を隔離期間とするので、到着日から15泊した入国から16日目の朝に「釈放」)の隔離検疫を前提にした制度です。

実際にタイでは搭乗時に相手国での検査証明がないと搭乗できないのに、隔離検疫中に2回ある検査で発見される例が日本で検査した人を含めてちょこちょこあるわけで、日本は入国時とその隔離検疫中の検査省略で低リスク国でない日本よりさらにハイリスクの国への出張者の入国規制を緩和しているのですから、これはダメです。

ネットのメ[タルのコメントでは入国規制緩和が原因と騒いでいますが、こうした手合いは中国を念頭に置いて批判したいだけなんですが、実態は欧米のハイリスク国への出張者がザルになっている、ということがあるわけです。それこそ現地で14日間の隔離検疫があるとして、そこから7日以内の滞在で帰国していたら、11月1日の緩和ですから、12月に入って急激に増加している一因と残念ながら言えるでしょう。

その意味では、入国者原因という指摘は、多くの人の意図している事象とは全く違う形で当たらずとも遠からずなのかもしれません。