陸奥宗光『蹇蹇録(けんけんろく)』を読了。
家にあった岩波文庫。字は細かいし、明治の人の文章なので漢語調であまり意味は読み取れなかった。
ただ日清日露などと一くくりにされる明治日本が勝利したとされる戦争。戦争の場所が日本国内ではなく朝鮮半島や中国大陸なので、日本の一般庶民は戦地の実相は知らなかったと言っていい。
陸奥は戦地の実態はそれほど書いてはいないが、戦争終結に持っていくこととその後の戦利はいわゆる「三国干渉」により日本の思うようにはいかなくて、交渉にあたった苦労が書かれている。
勝利の実感がないために庶民は焼き討ち事件など起こしたのではなかったか。
欧米各国(ロシアやイギリス、フランスなど)は日本の思うようにはさせない。それはそうでしょう。彼らも清国の権益をねらっているのですから
「臥薪嘗胆」とはここからきている。しかし次のロシアとの戦いも勝利とは言えないものだった。
「蹇蹇」とはあれこれ思い悩むという意味。
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