木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

陸奥宗光『蹇蹇録』を読む

2022年03月09日 | Weblog

陸奥宗光『蹇蹇録(けんけんろく)』を読了。
家にあった岩波文庫。字は細かいし、明治の人の文章なので漢語調であまり意味は読み取れなかった。
ただ日清日露などと一くくりにされる明治日本が勝利したとされる戦争。戦争の場所が日本国内ではなく朝鮮半島や中国大陸なので、日本の一般庶民は戦地の実相は知らなかったと言っていい。
陸奥は戦地の実態はそれほど書いてはいないが、戦争終結に持っていくこととその後の戦利はいわゆる「三国干渉」により日本の思うようにはいかなくて、交渉にあたった苦労が書かれている。
勝利の実感がないために庶民は焼き討ち事件など起こしたのではなかったか。
欧米各国(ロシアやイギリス、フランスなど)は日本の思うようにはさせない。それはそうでしょう。彼らも清国の権益をねらっているのですから
「臥薪嘗胆」とはここからきている。しかし次のロシアとの戦いも勝利とは言えないものだった。
「蹇蹇」とはあれこれ思い悩むという意味。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 独裁・強権政権は必ず腐敗する | トップ | ウクライナ侵攻を欧米の視点... »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事