木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

悲劇と矛盾を戯画化、韓国映画『パラサイト』

2020年01月20日 | Weblog

先週土曜日、前評判の高い韓国映画『パラサイト』を見た。
この映画を見ようと集まった人もそれなりにいた。老若男女と言う感じで観客層の年齢の片寄はあまり感じなかった。
すさまじい格差社会の韓国。「冬ソナブーム」以来韓国映画やドラマを見るようになったが、お金持ちがそれ以外の人々を露骨に見下すさまを韓国人気質特有の描き方だと思っていたが、韓国人によると「あれが現実です」と言う。
そんな韓国社会で、主が事業に失敗し続け、半地下に住む一家。
韓国ドラマでは屋上の部屋に住む話がよく登場したが、半地下の住まいはそれ以下の環境。
その一家が高台にあるIT企業で成功した家に入り込み次第にその家を支配していく、だが結末は恐ろしくファンキーでありながらこの分断されて来た国の悲劇を映し出す。
監督のポン・ジュノは「漢江の怪物」でやはり韓国社会を戯画化したが、この作品でも同じ意図を感じる。
朝鮮半島の悲劇は秀吉の朝鮮侵略、そして明治政府以来の日本の侵略・植民地化が原因なのに今の一般の日本国民にあまりにその自覚がない。
私も2000年以来の韓ドラブームの中で沢山のドラマや映画を見る中で知ったことが多かった一人である。
豪壮な邸にも北の侵入に備えた地下室があり、そこに得体のしれない者がすみついているという設定。
韓国映画・ドラマには描くべき世界がいっぱいある。日本にもあるはずだがそこに目をむける映画人・ドラマ人がまだまだ少ないというのが私の印象。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 超真面目な長野県民 | トップ | 近世英国の女性達の事情は? »

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事