木洩れ日通信

政治・社会・文学等への自分の想いを綴る日記です。

年末年始政治討論番組

2009年01月01日 | Weblog

年末年始の討論番組。
テレビ朝日の「朝まで生テレビ」、朝日ニュースターの「宮崎哲哉の大激論スペシャル」、NHKの「新春がちんこトーク」を見た。
「朝生」は、田原総一郎氏の横暴な司会振りが嫌なんだけど、貧困ネットワーク「もやいの会」を主宰してる湯浅誠さんが収穫だった。
田原氏の品のない、バトルトークは、NHK「日曜討論」という予定調和的な番組に対するアンチのスタイルとしてできあがってきたものだということで、当初は意味があったのだろうけど、このバトルトークを仕切るには、田原氏自身の問題意識が粗雑過ぎる。
最初からそうだったのか、寄る年波でそうなってしまっているのか、もう引退を願うべきだ。
「横丁のご意見番」としてゲスト出演する程度にしたほうがいい。
田原さんが途中でさえぎるもんだから、せっかく本質が見えたと思ったものがそこで「ご破算」になってしまって、討論は堂々巡りして朝を迎えてしまう。それが目的かもしれないけど。
もう一人、議論を深めさせない役割を持っている人がいた。
今や、石原都知事に気に入られて副知事におさまっている猪瀬直樹氏だ。
ぬえのように権力者の間を泳いでいる間に、すっかり人相が悪くなった。(昔から人相悪かったかな?)。
湯浅さんは頭脳が明晰だ。そしてイデオロギー的立場から貧困や格差、派遣切りの問題に取り組み始めたのではなく、自身の頭で、そして現実、現場から、日本社会の抱えているゆがみを分析し、かつ運動として行動しているところが評価できる。
「日本のオバマ」だと言ったら過大評価か。
しかし、日本社会は彼を、オバマのような政治のリーダーに押し上げない。
「公職選挙法」のしばりが、そういう情熱を選挙民から奪ってしまっているから。
アメリカは選挙運動に関しては、まさに規制がなく、自由。
戸別訪問をして、支持を訴える行動はごく普通で、訪問された人はこれを拒まないし、拒めない風土ができているとのこと。
日本の場合、戸別訪問の禁止、ビラ配布の規制等は、すべて現職、与党議員有利をはかるためだ。
選挙告示日以降、にわかににあたりは静になる(選挙カーは走るが)。これから選挙について、誰に投票したらいいか考えようとしても、材料もヒントもない。
水面下で、選挙運動員だけがうごめいている。政治・選挙が普通の人から遠ざかっていく。
そして結果、せっかくの選挙権を「誰に投票していいかわからない」という理由で行使せず、あるいはテレビでの露出度の高いタレント候補や、現職議員に、その人の主張もよく理解しないで、投票してしまう結果になる。

「朝日ニュースター」の番組は、CS放送だから、視聴する人は限定されているだろうが、ゲストの主張を司会がさえぎる、というような恣意的進行はしていないように見えるので、じっくり聞ける。
司会の宮崎氏の立場はよく知らないが、せっかく進めてきた討論を気まぐれでお膳をひっくりかえすようにぐちゃぐちゃにしてしまうことはない。

NHK「がちんこトーク」のテーマは大きく分けて2つ。
1つは「派遣切り」に象徴されるような雇用の劣化・格差の問題。
もう1つは、日本の国際社会に対するかかわり方、外交姿勢はいかにあるべきかということ。
小泉構造改革の旗振り役だった竹中平蔵氏も論客の一人。
今日の惨憺たる雇用状況に対しても「改革を途中でやめるからこういうことになっている」と主張。
つくづくゾンビのような人だと思った。中谷巌氏のように「懺悔の書」なんか、この人は書かないだろうな。まあ、今はそんなもの書いてる場合じゃないけど。
興味を引かれたのは、小泉構造改革、アメリカ流規制緩和を正しいと主張する人たちは、国際貢献の名の下に、アメリカのすすめる「テロとの戦い」に自衛隊を出動させることにも賛同している点だ。
この人たちは「アメリカの走狗」なんだなと思った。

コメント
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