庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

リーダー自らの節約指向だけでは国創りは限界がある。

2011-10-29 | 国創り政治問題
日本の指導層にいる人達は、苦学の末に貧乏に耐えて勤勉に職務を果たし、それによって成功してきた体験の持ち主が多い。
現在の首相の野田氏も、おカネが裕福に使える環境で成功してきたわけではない。
歴代の首相の中で、現在の個人資産は、最小であるとの公式発表もあり、ご本人もそれをむしろ勲章と考える様で、おカネまみれの実業界出身者や、利権構造の中にどっぷりと浸かって、のし上がってきた政治家とは、クリーンさにおいて一線を画している。

利権政治に辟易した国民にとっては、これは良い傾向であることが確かだが、それとリ―ダーシップをもって政策を実行する能力とは別の話である。
クリーンさだけでは、国創り出来ないのであり、国民性を踏まえた確固たるポリシ―に基づいた、戦略的な政策の積み上げによって、本質が創られていく。
太平洋戦争後の日本は、ほとんどの資産を失ってしまい、国民の勤勉さだけが、人的資産となって、国創りに成功して発展してきた。
この成果が『モノつくり先進技術による加工貿易立国』であったのは、正解であり、世界に誇れる選択であった。

だが、何度も書いてきた様に、この時代は過ぎ去っているのである。
今は、月並みな商品のモノ作りによる輸出産業は、日本にとってはお荷物産業であり、むしろ、「モノ作り」より『高付加価値創りと新産業』に移行しなければ、日本の将来の健全な発展は、望めないのである。
野田首相が、国からの報酬を3割減額して受け取り、1000円床屋に行って節約しても、国の将来の希望は見えてこない。
むしろ、率先して『高付加価値商品』を購入して、「総需要不足の改善」に向けての、模範行動をして欲しいのだ。

それは、高付加価値の高級果物、「原発事故の風評被害にあっている青森の高級リンゴ」を、買って消費することである。
ファーストレディの外出用衣服に、もう少しおカネをかけて、海外への旅行の際には、日本のデザインレベルの優秀さ、高付加価値を売り込むパフォーマンスの姿勢を見せることも必要なのである。

苦学して立身出世をした人には、『高付加価値』という国創りの方向性は、感性には合わないので無理かも知れないが、それでも理解をしてもらう必要がある。